AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

「家族」と「仲間」

機界戦隊ゼンカイジャー

第35カイ!

「ダイヤモンド◇ユカイ?!」

感想レビュー

 

 

diamondyukai on Twitter: "なんじゃこりあー😮‍💨… "

diamondyukai on Twitter: "聞いてないよ! ヤだろうがアだろうが 勝手に名前使うなら呼んでくれよ‼️… "

知らない間にサブタイに名前をパロされてたことを知るダイアモンド✡️ユカイ氏の図 名前貸すことやそれに伴って出ること自体には割と乗り気だったの笑う

 

釣りで相手を捕まえるぜ!となった時にジュウオウザワールドの力が使われそのフィッシングテクがツーカイザーにトレースされるのおおっ!となったけど、その後かつてのみっちゃんのネガティブ思考までトレースされて、ゾックスがあの体育座り落ち込みポーズでローテンション状態に陥り出す流れになってダメだった() ギアの副作用とかいう概念がよりにもよってここで突然発揮されるのひどい...w

 

ハカイザーの正体は介人の父・功博士という衝撃の事実を知りつつも、真実を知った時の介人の心情を慮ってそれをなかなか伝えられず葛藤していた折、ダイヤワルドの力で口を“堅く”され、真実を伝えられなくなってしまいパニックに陥るキカイノイド達の姿から始まった今回のエピソード。「言おう言おうとして結局言えずに今日まで来ちまった」ってジュランの台詞、1週間のニチアサ休みが明けた直後に言うもんだからその言えずにいた期間の長さを妙に生々しく印象付けてる感がある()

ダイヤワルドの能力のせいで「ダイヤ」としか発声できず、文字表現もボディランゲージも全てダイヤのことしか表現できなくなったキカイノイド組のイカれた絵面めちゃくちゃ面白かったし、ハカイザーの正体のことを知らないせいで介人がいつハカイザーを倒してしまうか不安に包まれ沈むシリアスなシーンでも「ダイヤ...」って喋ってるの普通に笑っちゃったけど、アニメのポケモンよろしく特定の単語だけで感情表現を見事に為してみせていたキカイノイド組の声優さん達の演技力は見事の一言でしたね。4人とも感情の表現とかちょっとしたキャラの個性の描き出し方が上手い人達だしキャスティングの妙がここでグッと活きたね

 

そんな何も伝えることのできなくなったキカイノイド組が真意を伝えることもできないままハカイザーを庇うせいで、ダイヤワルドに操られて守るようにさせられたんだ!と介人が誤解し余計にやる気を滾らせていってしまう、というすれ違いが今回の話の肝となっており、いつもの調子の濃いめのクソギャグの裏で「介人が行方知れずだった肉親をそうとは知らず手にかけてしまうかもしれない」という危ういシチュエーションが進行していく、ギャグとシリアスがバランス良く織り交ざったひりつく展開が面白かったところ。みんながダイヤワルドに無理矢理操られてたと思った介人が「自分達を守らせておいて後ろから攻撃するなんてハカイザーもダイヤワルドも卑怯だ!」と物凄く真剣に怒りを露わにするのが余計にすれ違いを強く印象付けていてもどかしかったわね...筆談やジェスチャーみたいな視聴者が思いつき得る可能性まで丁寧に潰していき、介人も単に先走るだけでなくジュラン達の真意を分からんけど自分なりに一生懸命解釈して受け止めようとしているという形で動かし、という感じで「誰も悪くない」という状況をしっかりと組んだ作劇にしてるのが巧いよね

 

そうして最終的には、ハカイザーがバッテリー切れを起こしたことで介人の前で功博士の顔が晒され、五色田親子が遂に対面で再会を果たすことになりました。目を覚ました功博士が目の前に自分の考案したゼンカイザーがいることに驚きながらも、すぐにそれを身に纏っているのが息子の介人であると気付く流れはベタだけどぶわっと込み上げるものがあったなぁ...喜びを讃えた介人の表情と、感極まって今にも感情が溢れ出しそうな功博士の表情がどっちもめちゃくちゃ良かった。

 

しかしそんな2人の再会を、ようやく現れた「仲間」と言える存在である“ハカイザー”が介人の父であったことへの衝撃と、そんなハカイザー/功博士が仲間である自分よりも息子の介人を選んで行ってしまうことへの拒絶からステイシーくんが咄嗟に阻んでしまう、 というのがなんとも辛かったなぁ...功博士がまた連れて行かれてしまうのはなんとなく察してたけど、てっきり前回みたいにイジルデが乱入して連れて行ってしまうものだと思ってたので、やっと「仲間」と言える間柄になれたハカイザーのことを「連れて行って欲しくない」という想いからステイシーくんが思わず飛び出し強引に連れ去って行ってしまう流れに持って行ったのは、そうきたかぁ...!と正直かなり不意を突かれた

一緒に戦おうと勇気を出してハカイザーに想いを伝えたことで「仲間」と言える間柄になることができ、そのことに照れつつも嬉しそうに微笑むステイシーくんの姿はほんと、今まで身近に理解者も友もなく独り苦しみ戦い続けてきた彼の今までの境遇故のえも言われぬ喜びが滲み出ていたし、そこから肩を並べて一緒に戦う姿は側から見てもめちゃくちゃに良いコンビだった(一緒に名乗るシーン凄く良く決まってたし、スーパーゼンカイザーとのバトルも巧みな連携や合体必殺技がカッコよく決まってたでな)ので、そこからその「仲間」が自分に目もくれず他の所へ行ってしまおうとする様を見せつけられるなんて正に天国から地獄へという感じなので、そこでステイシーくんが感情的になってああいう行動取ってしまったのは間違ってないというか責められないよ...この展開はずるいなぁ

そこに至るまでの流れとしても、持ち前のあの明るいキャラで「俺達もう仲間だろ?」と言ってのけてステイシーくんの申し出を受け入れるハカイザーとか、ステイシーくんがハカイザーと一緒に立ちはだかるというピンチを前にしながらも彼が仲間を作ったことを嬉しそうに受け取る介人とか、ステイシーくんの「仲間」を得ることへの喜びを肯定する展開ばかりが連続していたのも残酷だったね...しかもその両者が奇しくも五色田家の者達だったのはなんという皮肉か ヤツデ婆ちゃんといいあの血筋はステイシーくんの心をめちゃめちゃにする運命にあるのか???

しかし冗談抜きにステイシーくんこれからどうなるんだろうなぁ あのまま元のハカイザーに戻ったとて、その後ステイシーくんはハカイザーと会うたびきっと「介人を見て喜んでそっちの方へ駆けていく功博士の顔」の方がずっとチラつく羽目になるだろうからさ...もう元通りの関係にはどう足掻いても戻れんよ あー辛...

そしてラストでは、ハカイザーの正体を知り衝撃を受ける介人やヤツデ婆ちゃん、セッちゃんを前にしてキカイノイド組が今まで知っていながら打ち明けられなかったことを謝罪。しかし介人達は責めることなくその想いを汲み、落ち込むのではなく功博士が元気に生きてたことを喜び、いつかきっと取り戻すと決意、皆で一緒に前を向く流れで締めとなりました。作品によってはここでのすれ違いが不和になったりもしてただろうけど、あくまでもポジティブを貫き、仲間達に想いを受け止める介人の性格が明るい空気やより強い結束をもたらすのは凄くゼンカイジャーらしくて良かったわね。一番ショックだったろうに、介人の前向きさを見て自分も「みんなと戦えるくらい功が元気だった」ことを喜ぶ気丈さを見せたヤツデ婆ちゃんも強かったな...
またそんな功博士のことを巡るあれこれにおけるジュランの色んな言動も何気に凄く良かったところ。介人達のショックを考えた上でみんなと一緒に悩み続け、巨大戦を前に父との再度の離別で放心する介人を「行けるか?」と気遣い、ラストに黙ってたことを謝る時は真っ先に前に出て土下座する、と年長者らしい気遣いや責任感が窺い知れてとても魅力的だった やっぱジュランって介人に次いでゼンカイジャー全体の精神的な支柱としての安定感があるので良いなぁ ここが一貫されてるの本当に嬉しいところ

ともあれより結束を固めたゼンカイジャー達。これからの戦いの行方や如何に。

 

 

以上、ゼンカイ第35話でした。ハカイザーの正体を巡る介人やジュラン達、そしてステイシーくんの心の揺れ様を鮮烈なドラマによって描き出した良エピでしたね ここ最近のステイシーくんの心情の描き方凄く丁寧で魅入るけどつれぇなぁ...それでもストーリー全体としてはあくまで前向きに締めるゼンカイジャーらしさも健在でとても面白かったです この辺もそろそろ大詰めに入ってきたかしら

 

というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます

次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!

ではまた