AnDrew’s小生意気レビュー記

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エクリプス攻略RTA-強モンスター召喚&起き攻めのハメ攻撃

ウルトラマンコスモス

第53話「未来怪獣」

感想レビュー

 

 

22世紀には猫型ロボットが未来からやって来れるくらいには人類も時間移動いっちょまえにできるようになってるんだし、5000年くらい経てば生命体が自前の時間移動能力を手に入れるくらいわけないよなぁ?最近だと2051年や2068年からタイムマジ...マシーンに乗って過去へやって来てる人間もいたしな

 

5000年後の未来からやって来た瀕死の怪獣アラドスの運命を巡るストーリーを描いた今回の話。中空で静止する野球ボールや麻酔団の弾の描写など、アラドスによる時間停止描写が面白かったわね

SRCがアラドスの命を救おうと懸命に善処する裏で、アラドスが死することを前提として死後の解剖を計画する防衛軍や、アラドスの治療や地球からの撤退という甘言をちらつかせアラドスを引き渡すよう迫ってくるノワール星人などの様々な勢力の思惑も同時に入り乱れ、慣れない環境に苦しみ息も絶え絶えなアラドスの尊厳を守ろうと必死になるムサシの姿が印象的でした。見知らぬ時代に飛来し苦しむこととなったアラドスを死後も人間の都合でいじくることなど納得できないとして、アラドスが助かる可能性のあるノワール星人への引き渡しの方がマシと言ってしまうなど、怪獣への思い入れの強さ故に熱くなって感情的な言動をしてしまう辺りはムサシの熱くも青臭い、青臭くも熱い人柄が濃く出ていたなぁ

 

しかし、アラドスが5000年後の未来からやって来た存在であるという事実から「EYESの怪獣保護が身を結び、遥か先の未来にもその想いが繋がって怪獣が息づく世界を成している」という予測をする流れは、コスモスの物語においては実に希望あるものだったなと。アラドスの設定を上手いこと展開に織り込んだ良い作劇でした。怪獣保護というテーマを地で行き続けてきた本作の終盤においてこれを描くことは、ムサシ引いてはEYESのこれまでの奮闘にいっそうの深みが出るというところで意義が大きかったですね。アラドスの生きる未来に繋がるように、という想いからムサシ達はより身が引き締まったろうな

 

そんなアラドスを狙ってきたのは、第43話にてメカレーター怪獣という悲劇をもたらしたサイコパス外道宇宙人のノワール星人、そして第35話にて登場し後にノワール星人の尖兵であったと判明したラグストーンの強化版たるラグストーン・メカレーター。

以前の戦闘においてはフィジカルでコスモスを終始圧倒していたラグストーンだけど、今までマトモな苦戦描写が無かったエクリプスモードに対し明確にダメージを与えてぶっ飛ばし、ほぼ突進一発でグロッキー状態にするという圧倒的なパワーを今回も見せつけてきたのは強く目を惹きましたね。メカレーターによる強化といっても主に戦闘力にバフがかかったくらいなので(光線も撃てるようにはなってたけど劇的な追加武装ってほどではないしね)、 つまりはまたしてもほぼ純粋なフィジカルのみでコスモスとタメ張ってかなり追い詰めたわけなのよな...しかも相手にしたのは上述の通り今までマトモな苦戦をすることの無かった最強形態のエクリプスモードということで、やっぱポテンシャル高すぎだな...と改めて感じさせられたわねラグストーン コスモスの強者怪獣の一角だわ ピンチに陥ったりダメージ負ったりみたいなシーンが殆どないまま白星沢山上げてきた強化形態に初めてピンチをもたらしたとなると箔が付くよねやっぱ

しかも今回ノワール星人も宇宙船に乗って戦闘に直接介入してきて、ラグストーンと交互に繰り出す波状攻撃でコスモスの動きをほぼ完封し敗北寸前に追い込むというなかなかのガチプをかましてきてたのがめちゃくちゃ印象的でしたね...先も言ったようにエクリプスモードがほとんどダメージ描写とかのない強力な形態という印象が濃いだけに、それが手も足も出ない様は正直言ってかなり絶望感高かった 普通に強い怪獣と容赦のなさすぎる策のコンボとかえげつなさすぎるんだから加減しろ莫迦() EYESのテックスピナーとの円盤によるチェイス(合成によるスピーディな飛行描写や光線の撃ち合いがかなり特撮に力入ってて魅入ったね 迫力があったわ)も白熱の末勝ってみせてたし、今回のノワール星人は戦闘にマジすぎである

 

最終的にはアラドスが最後の力を振り絞ってラグストーンを時空の彼方の放逐したおかげでコスモスも残るノワール星人の円盤を容易く粉砕して勝利できたけど、身も蓋も無い話、円盤からの攻撃でコスモスを怯ませる→ラグストーンに攻撃させる→コスモスが起き上がったところでまた円盤が攻撃する→...のループでノワール星人はコスモスを完全にハメて倒せてたと思うのでだいぶ危なかったよね...前回といい今回といい結局コスモスは自分の手でラグストーンを完全に撃破できてはいないのでやっぱりラグストーンアホほど強いなってなる

けど相手のそんな強力さが目立ってた分、息絶えたアラドスを目にし、アラドスを勝手な都合で振り回し更に苦しめたノワール星人への怒りに身を震わせながらコスモスが繰り出したエクリプスブレードは超カッコよかったね 円盤を真っ二つにし粉砕するシーン痺れた

 

最終的には未来からアラドスの仲間である成体達が駆けつけ、息絶えた子供のアラドスに生命エネルギーを与え蘇生、皆で未来へと帰っていくというシーンで締め括られました。流れとしては少し都合の良い展開運びになっちゃったかな?とも少々感じたけど、ムサシ達のアラドスを生かそうとする懸命な行いが最終的にその命と仲間達を繋いだ、というここの構図は、EYESが懸命に挑んできた怪獣保護が未来にも繋がっていることが分かった、という前半の描写と合わせ、無謀なように思えるかもしれないことも諦めず地道に積み重ねていけばその先で何かに繋がる、というメッセージ性を醸したものだったのかもな...なんて思ったりしますね(ムサシ達がアラドスを生きながえさせようと頑張ったり、ノワール星人による誘拐から救い出したりしていなかったら、アラドスは仲間達が駆けつける様に立ち会うことなく離別・死別してたかもしれないし、ムサシ達がああしてアラドスに寄り添い心を通わせたからこそ最後の戦闘でアラドスがコスモスを救ってくれたんだろうし、というところでみんな繋がってると言えるよね) ともあれ結果的に良き形で気持ち良くまとまったので良かったなと。“諦めず懸命に挑み、未来へ繋ぐこと”をアラドスから学びムサシ達はまた決意を新たにしただろうと感じる

 

 

以上、コスモス第53話でした。アラドスの存在を軸にムサシ引いてはEYESの怪獣保護にかける想いを一つグッと引き締めた良いエピソードでした。終盤に入って作品のテーマ性をより深める話が増えてきたね ノワール星人とラグストーンも再登場ながら強敵として良い存在感が演出されてて良かった

 

というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます

次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!

ではまた