AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

めちゃ怖冷血サイコホラー一家・牛島家の不気味

仮面ライダーバイス

第11話「無敵のさくら、何のための力」

感想レビュー

 

 

冒頭の4ライダー戦闘シーンで戦ってたデッドマン、全員ギャングラー怪人のスーツをかなり思いっきり使ってておでれぇた(ライブと戦ってたのがジャネーク、デモンズと戦ってたのがエンビィ、リバイスと戦ってたのがジェンコ/カーゼミーみたいすね)

🐟海風マサナ🐟 on Twitter: "今一瞬映ったデッドマンズ達、ギャングラーじゃなかった? #仮面ライダーリバイス… "

鳴海海鳴 on Twitter: "今日の序盤に出てたデッドマンはギャングラー怪人の流用とリペイントだね。 それぞれ、ジャネーク・ソーサー(ヘビ)とエンビィ・チルダ(ツバメ)だからスネーク・デッドマン(仮)とスパロウ・デッドマン(仮)かな?… "

鳴海海鳴 on Twitter: "あとはガーゼミー(カワセミ)のカワセミ・デッドマン(仮)かな。 #仮面ライダーリバイス #デッドマン #ギャングラー… "

他作品からのスーツ流用でこそあるけど、3者とも暗所で火花に包まれてたり動き回ってたりみたいな感じではっきり姿が映らないし出番もほぼ数瞬でその辺ぱっと見だと気にならないようになってたので、個人的には割と理想的な演出の塩梅ですな(デッドマンの種類が豊富であることをしれっと示せれば良いって感じだっただろうし)

 

リバイ&バイス、デモンズ、ライブと仮面ライダー達が次々に揃い、デッドマンズとの戦いも好調に事が運ぶ中、自身の強さの意味に苦悩するさくらを軸に展開された今回のストーリー。

一先ずの課題だった一輝と大二の兄弟関係/カゲロウの支配問題を脱し大二がライブとして覚醒したことで、2人が早くもWライダー(バイスもいるのでトリプルライダーの方が正確だが)として並び立ち共に戦う画が展開され、生身での同時飛び蹴りで駆けつける様や同時変身といった王道の絵面が次々繰り出される様が前半から非常に熱かったですね。オーインバスターを受け取っての2丁拳銃でリバイスを後方からサポートするライブの、ファイトスタイルの魅せとアイテムのギミック活用を兼ね合せた演出がテンポ良くて面白かったねぇ(且つ後半の戦闘ではフェーズ2とギフジュニア集団とでそれぞれ戦う役を分担することでリバイスおよびライブの各自の戦闘もしっかり強調しており、各ライダーの見せのバランスも絶妙でしたな 恐竜の頭骨を象ったリバイの必殺技エフェクトとかライブのトゲ状の散弾エフェクトみたいな、以前の戦闘でも出てきてた固有の演出がちゃんと印象深く使われてるの良き)

そんな五十嵐兄弟+バイスくんのバトルが強調された分、今まで怒涛の勢いで株を上げ続けていたヒロミさんは出番控えめ(張り切ってる決意表明してる流れを狩崎にぶった切られてちょっとしゅんとしてそうだったのかわいい)だったけど、劇場特典のアイテムらしいコンドルバイスタンプで戦ってたりと見せ場はもらってた方かな 序盤に猛烈な速度で株上げられると死亡フラグガンガン立ってそうで怖くなるしこのくらいがちょうどええわ()

 

そんなライダー絶好調の一方、カゲロウの一件を経たことで真の強さの意味への苦悩を深めていくさくらの迷走が今回の話の肝となっていました。

今回のさくらは、デッドマンズの力で悪事を働いていると思っていた道場の師範代・聖子の行動が実は自身の息子の病を治すためのものであったことを知り、どんな事情があろうとも悪魔を解放し暴れる者を止めないわけにはいかないと毅然と向き合う一輝や大二と対立するも逆に「力を持たないさくらが関わることではない」 と言いくるめられてしまうという流れに加え、そんな中でアギレラ様にあしらわれながら言われた「力のない人間の言葉は虚しく響くだけ」という言葉が合わさり、守りたいものがあるのに力が伴わず、何かが失われるかもしれない瞬間を何もできず見ていることしかできない自分への無力感を痛感することになった、みたいな感じであり、善悪で括れない正義・信念に直面した第3話第5話の出来事、大二を失い家族がバラバラになるかもしれなかった中何もできず自身の強さへの自信が揺らぐこととなったカゲロウ絡みの一連の出来事など、これまで細かく積んできていたさくら絡みのドラマが一家に昇華される形になっていたのが目を惹きましたね。「力を伴わない正義は悪にも劣る」という言もありますが、事実今のさくらは感情が先走ってデッドマンという大きな力に敵わず何も為すことができていない(それでいて兄達が揃って仮面ライダーとなったことで、精神的にも実力的にも彼らに対し自分の意見を押し通せない)状態なのでかなり不安定だよなぁ...若輩故の精神の未熟さ・揺らぎが濃く出てきたわね カゲロウが台頭してた頃、さくらが大二を救えず手をこまねく一輝やフェニックスに当たり散らしててあんま印象良くなかったことがあったけど、思えばあれも大二を救うために戦ってるわけでもないさくらが一輝達の想いを無視してあれこれ言ってくることへの感じの悪さみたいなのを漠然と感じてたからってのがあったかもしれないし、この辺のキャラの言動でも後の布石を張ってた感じあるのは見事やね

 

ただ一方で、そんなさくらの精神が不安定になった理由や過程を度外視してるかのように戦う力の無いさくらは家で待ってれば良い」って言ってしまった大二や幸実さんの言動もだいぶ迂闊だったよなぁ...と。さくらが自分は無力だと強く意識することになった最後の一押しは正直アレだったと思うわ

勿論大二からしたらさくらが甘いこと言って無茶しようとしてるのを諌めてるんだろうし、幸実さん的にも気遣いを込めた上で言ったつもりなんだろうけど、そこにさくら自身の内面への理解が追いついていないことでただたださくらを追い詰めただけになってるのあまりに残酷すぎる...家族の信頼、といってもとどのつまり別々の人間に過ぎない以上、相手のことをちゃんと理解し的確なことを言えているとはかぎらないんだな...とやたら生々しいよなぁこの辺の描写(カゲロウ絡みの出来事を経て一輝が彼なりに自分を理解し向き合ってくれた経験を経たばかりの大二がさくらにこういうズレた叱責を送ってしまってるというのがその辺の説得力をまた高めてるなと)

ただ大二の時に比べるとまだ地獄みてぇなフェーズではないように思うので、さくらが自分で答えを見つけつつ、みんなもさくらの想いを理解する、みたいな感じでなんとかならんかな...なってくれ(やはり五十嵐家の課題が「家族みんながそれぞれに向き合うこと」って感じするね)

 

と、苦悩し乱れるさくらが黄昏ているところを拾って泊めてくれたのは常連の牛島家。こないだの温泉旅館で謎に不穏な一面を覗かせていたけど、今回はそれを更に強調するかの如く、父母子という3人家族が住んでるにも関わらず、生活必需品が置かれてるだけで彩りの無いやたら殺風景な家、というねっとりへばりついてくるホラー感のある描写を繰り出してきてたのがかなりゾゾッときましたね...棚や机、ソファ周りにちょっとしたインテリアすらないせいで壁の真っ白さが際立って何も無い雰囲気がいっそう引き立ってる+照明が異様に薄暗いので温かみが感じられない空間、って感じのぱっと見でも感じられるほんのり薄気味悪い違和感を日曜朝に見せつけてるの、グロ描写とは違う意味でニチアサらしからなすぎて割とマジで怖かったぞ なんなんだよコイツら...(ドン引き)

そんな牛島家だけど、さくらの下に送りつけられてきたドライバーの送り主(開発元)ではないかという声が割と多く見られてあぁたしかに...!と妙に腑に落ちた感じ。狩崎がやったと言われてもなんかしっくりこない感じがあったし、デッドマンズがやったと言われてもこういうのあったらもっと早く使ってそうということで違和感があったし、と現状の勢力の行動としては腑に落ちない感じだったので、何か大きな力がありそうな第3勢力となるとここだわなたしかに さくらを家に連れてきたのも経過観察的な狙いだったりして(それをはじめとした何かの目的を遂行する拠点にしかすぎないので家が最低限の整えしかない...的な)

ともあれ牛島家の不穏さがここに来てグッと増してきたので、目が離せませんな

 

またデッドマンズの方もこの混沌とした状況下でライダー達に負けじと更なる攻勢に打って出ており、アギレラ様のさくら勧誘の他に、デッドマンズを信奉する心理カウンセラー・灰谷を利用したデッドマンの量産なる戦法に出ていたのが目を惹きました。灰谷、扱い的に多分今回次回くらいまでのゲスト的な扱いなんだろうけど、他人を言葉巧みに唆して動かし自分のデッドマンと契約までさせたりとなかなかのやり手で、役者さんの演技も相まってかなり存在感ある強敵の趣が出ていたので、 あわよくばデッドマンズと協力して一輝達を苦しめる準幹部的なポジションで定着しないかな、なんて期待してみたり。 良いアクセントにはなると思うからなぁ

その灰谷が生み出したプラナリアデッドマン、ぐっちゃぐちゃの外套を被った歪な上半身という今までのデッドマンとは全く違った雰囲気を醸し出しておりかなり面白い怪人でしたね。こういうところでも灰谷が別格扱いのキャラっぽい感じするのよな 切り離された破片それぞれが独立して増えるというプラナリアの特性、またそれに準えた上記の量産特性に倣ってか、外套全体にデッドマン特有の顔の意匠が沢山付いてたり、露出した右腕や外套の下のボディがその顔の意匠を寄せ集めて形成されたかなりグロテスクなデザインになってる(分裂、増殖し得るデッドマンを内包してることの隠喩的なアレだと思う)のがかなり凝ってて好き 灰谷共々今後も出番あると嬉しいが果たして

 

そしてラスト、力を求めたさくらが自分の下へ送られてきたドライバーを装着して変身...しようとするも失敗、その隙に襲ってきたプラナリアデッドマンフェーズ2の攻撃からさくらを守ってリバイ/一輝が負傷...!というところで締め。変身後のビジュアルが出てきてなかった予告の雰囲気的に、変身しても顔見せ程度か、それとも何かの要因で変身しないかだと思ってたので変身しないこと自体にあまり驚きはなかったけど、牛島家でさくらの中に悪魔が目覚めたらしい描写があったのでワンチャン、と思ってた面もあっただけに焦らすな〜と 何が引っ掛かりになってるんだろうか

そいでその様子を見てた狩崎は「なんじゃアレ」みたいな訝しげな表情をしていたので、やっぱり狩崎はこの件に関しては全く関わってない模様。アギレラ様は嬉しそうだったので何か知ってるかもだけど、狙い付けてたさくらが動いたこと自体にテンション上がってるだけかもなのでまだ分からんなぁ(この2人の因縁もかなり深まってきたね) となるとやっぱり牛島家(が属する勢力?)が関係してそうだが...果たして

 

 

以上、リバイス第11話でした。さくらの揺れ惑う内面を内と外から生々しく詰めて描いてくる描写がかなり強烈で、大二の一件も終わった後にまた一難という感じで再び盛り上がって参りました。その周囲を怪しく蠢く牛島家の謎といい、かなり波乱が増してきた感ありますね...注目していきたいところです

 

というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます

次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!

ではまた