AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

やり口がヴィランなんよ

機界戦隊ゼンカイジャー

第36カイ!

「びっくりドッキリ大ユーカイ!」

感想レビュー

 

 

「本土側のワルド、ビックリバコワルドです」 安易な声優繋がりネタ

ビックリバコワルド、箱が開くとピエロの顔が出てくるという直球のびっくり箱ギミック落とし込むことで、キューブ状の顔を持つ第1形態から極悪ピエロ顔の如何にも怪人然とした第2形態に変身するというデザイン性にしてるとこが面白くて好きなのよね何気に

能力も最初こそそこらから人をビックリさせる仕掛けが飛び出すという馬鹿みたいなしょうもないものだったけど、本性を現して能力にブーストがかかることで、人を余裕で転がせそうな凶器をそこかしこから弾幕じみた感じで次々放てるようになる、という風になってたのがなかなかに凶悪 しかもギアトリンガーやギアダリンガーの蓋のとこから仕掛けを飛び出させた後だとギア入れてから閉められなくなるので変身が封じられる、という地味にゼンカイジャーのシステムにメタ張れるとこも厄介で、単純な火力といい搦め手といい割と強敵の部類ではあった気がするぞコイツ 「蓋が閉まらねぇ!!(迫真)」って驚愕するゾックスがシュールで笑った

 

父・功を取り戻そうとする介人にゴールドツイカー一家も協力してくれることとなったものの、ゾックス達はハカイザーを手っ取り早く誘き出すためにビックリバコワルドを拉致するという手段に打って出て...というところから始まった今回。ゾックスのアウトローっぷりが久々にかなり濃いめに現れ出た回となり、介人達と関わるようになって丸くなったので忘れかけてたけどゾックスって界賊なだけあってこういうキャラだったよな...と改めて痛感している視聴者が多かったのが印象深かったですな。

体感的には最近でも割とシビアな考え方とかゼンカイジャーに比べてアウトローめなやり方とかがちょくちょく描かれてた印象あるので自分的にはそこまで強烈に驚いたわけではなかったけど、大方の視聴者的には軟化した印象の方が濃かっただろうしそらそう思うわなと。介人のために速攻でハカイザーを確保しようと思ってやってたことではあったのでここは介人達と出会ったことにより変化した部分と言えるけど、同時に「ワルドを放ったらかしておけば能力の規模が大きくなり人々に被害が及びかねない」という点を度外視して推し進めようとしてる辺りは一般人への被害に構わず戦う登場初期の頃のゾックスみが感じられたところだったし、肩入れするほどの意義を見出した介人達相手にはしっかり筋を通すけど、一方でその他大多数に対しては気を遣ってやる必要性は感じていないといった感じの界賊らしさはブレてない、と言った方が正確かもね

まぁそうでなくても、とっ捕まえたビックリバコワルドを剣山みたいなクソ長い棘の上に鎖で吊し上げた上で銃をぶっ放して脅す姿は完全に悪役のそれなんやけどな!!(

 

そんなゾックスの下へ現れたのは、ハカイザーではなく作戦を主導してたバラシタラさん(そういえばバラシタラさん、何気に前線出るのめちゃくちゃ久しぶりでは)。解放されてしまったビックリバコワルド共々相手取ることとなりピンチに陥ったゾックスだったが、ここで介人達ゼンカイジャーが駆けつけ、更に起き抜けに飛び出してきたハカイザーやそれを追って来たステイシーくんまでもが加わり、両軍入り乱れての大乱戦となりました。敵味方含め主要メンバーが揃いも揃ってのバトルというとゼンカイではあんま無いイメージだけど、やっぱ画面上の彩りが増してええね

しっかし前述のビックリバコワルドによる変身封じへの打開策が「他の人に蓋を押さえてもらいながら変身する」なのあまりに身も蓋もなさすぎてダメだった() しかもそれをただのギャグに終わらせず「仲間がいるからどんな窮地も乗り越えられる」的な熱い文脈にも一応繋げてる辺り安定の香村脚本 でもカッタナー・リッキーが蓋を押さえる役割を買って出ることでジュラン達のゴーゴーファイブギア使用を手助けしみんなで窮地のフリントを助けるシーンなんかは、キャラクター全員が頑張ってる感じあってかなり熱かったし、この辺はコミカルもガチの熱さも良いバランスで織り込まれてて実際けっこう良かったわね。介人が抑えてくれてるのにお構いなしに変身時のヨホホイダンスかまして振り回すゾックスはめっちゃ笑ったけど。w 省略することもあったんだからこの時くらい我慢しろ(

 

そしてそんな乱戦の中でも強く目を惹いたのはやはり、ハカイザーを死守しようとするステイシーくんの姿でしたね。ハカイザーは介人の父、という衝撃の事実を知って仲間として接することが気まずくなっていたかと思っていたけど、むしろ「せっかくできた仲間なんだ」と尚も拘るようになり、それを渡すまいと必死になっていたのはなんかくるものがあったなぁ...今まで必要無いと言っていた仲間を自分に必要なもの・大切なものとして認識するようになったのは喜ばしい変化と言えるけど、そのかけがえのなさに気付いてしまった反動故に、仲間への想いが執着じみたものになってるんだよなステイシーくん...辛すぎる

しかも、ハカイザーを自分の仲間として死守し続けることが介人の父、つまりヤツデ婆ちゃんの息子である功博士を五色田家の元へ帰らせないこと、ヤツデ婆ちゃんを悲しませることになると理解しながらも、せっかく手にした仲間を手放したくないからとヤツデ婆ちゃんに謝罪混じりの決別を告げ戦いに赴くというのが更に辛い。また来てね、 と書かれたヤツデ婆ちゃんに貰って大切にしてたカラフルの券をくしゃくしゃに握り潰す姿が、苦渋の想いで未練を断ち切ろうとしてるかのような痛々しさがありあまりにもえげつないのよなここ...何かを得るために何かを捨てる、という決断を死にそうな想いで選び続けてるの見ててこっちまでしんどくなるわ ステイシーくんの描写だけやっぱ湿度の高さがダンチなんよ

 

そんな辛すぎる葛藤を含んだ戦いが繰り広げられてる裏では、ゼンリョクゼンカイフィナーレバスターをぶっ放したブルーンの上半身が後方に吹っ飛んでいってました。そういう空気じゃないんだよステイシーくんの方は!!() てかブルーンの上半身と下半身が分離するようになってたの若干忘れてたから完全に不意打ち食らって笑っちゃったんだよなここ...w 上半身どこまで吹っ飛んでくか分かったもんじゃないし、反動で全身まるごと後ろに吹っ飛ばされて物に突っ込まされる羽目になる方がまだマシまである()

 

あと「ビックリにはドッキリで対抗すんだよ!!」とか言ってコテコテの寝起きドッキリロケ演出やってたけど、今の子供達って寝起きドッキリロケとか分かるのかなぁ...?なんてちょっと気になったりした。w 驚いてベッドから転がり落ちるシーンのループとかおなじみもおなじみだけど自分だって実際にTVで観たことあるか怪しいくらいだぞ(

 

最後には今回のワルド拉致をもうあんなことはするなと諌める介人の言葉をゾックスも「(功博士のことが)手遅れになっても知らねぇぞ」(なんだかんだゾックスがあれこれしてくれたのはそういう理由からってのが良いよね 義理堅さと家族への思い入れを感じる)と不服ながら折れる形に。しかしそんなゾックスに「手遅れになんかならないよ!...今日みたいに!」とピンチのゾックスの下へ駆けつけ救ったことを引き合いに出しながら介人は尚も前向きな意志を示し、ゾックスもそれを悪くなさげに微笑み受け入れた、というところで締めとなり、ゾックスが介人達に抱いた仲間意識をじんわりと味わい深く描いた良いオチになりました。ゾックス達ゴールドツイカー一家もちゃんとゼンカイジャー一同の仲間なんだなぁというのを改めて感じられたね

 

 

以上、ゼンカイ第36話でした。純粋なヒーローとは違うアウトローなところや、介人達と関わって築いた仲間としての繋がりなど、ゾックスのキャラを改めて印象深く描いたエピソードとなっていたなと 増子くんのキレあるアクションも見られたし実質ゾックス回でもあったのでは

一方でステイシーくん周りの作劇はどんどんシリアスを極めていってて見ていてとてもつらい ヤツデ婆ちゃんと決別したのが生存の分かれ目にならないかとかけっこうえげつめの考察もされてて怖い怖い...生きて欲しい

 

というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます

次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!

ではまた