AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

不意打ちのキッス

ウルトラマンコスモス

第58話「復讐の空」

感想レビュー

 

 

この記事の執筆を始めたのが2021年12月3日で、既に第59話もYouTubeの方で配信されていたのですが、もう50話台越えてマジのクライマックスに入ったんだな...としみじみ。週2ペースでの更新なので年内に最終回まで配信し切るというキリの良さ

 

かつて地球へ無数の宇宙船団と共に侵攻するも、同胞の敗北と同時に突如として地球から退いた共生するエイリアン・ギリとバネス。今回はそのギリバネスの群れから追放された裏切り者・ギラッガスの襲来を描いたエピソードとなりました。

バネスの死とともに爆散したギリや、突如姿を消した宇宙船団など、第47話の時点では不明瞭な部分の多かったギリバネス絡みの描写が詳細に掘り下げられ、ギリバネスという種族の価値観や社会体系等を窺い知ることができましたが、ギリとバネス、双方にとって相手はかけがえの無い存在であり、一方がいなくては生きる意味さえ見出すこともできない、という単なる共生関係をも越えた強い愛情のようなもので繋がった関係であったのはなかなかに濃いキャラクター性でしたね。第47話での唐突に思えたギリの自爆も愛する相手の後を追うための自決だったわけで、切なくもどこか胸を打たれるシーンに感じられますね

しかしギリバネスという種族、過剰戦力にも思えるどえらい数の宇宙船団連れてきたにも関わらず、同胞の1組が敗れただけで「地球人やば...クソ雑魚種族やと思てたのにめちゃくそ強いやんけ...こわ...地球侵略するのやめよ...」ってなるの、見通し甘くない?&メンタル弱くない?ってちょっと思っちゃうんだよな...() 「慎重すぎるくらい堅実」とも言えるかもしれないけど、地球の文明レベルに関しては把握してた筈なのにその上でほぼ無傷で勝てるくらいのつもりでいたっぽいのは低く見積もりすぎですよ...(攻めてこられても嫌だけど) 絶対あのタイミング宇宙船団けしかけた方が良かったって(

 

同胞の犠牲をなかったことにして地球から手を引こうとする上層部に反発したことで群れを追放されてしまった一組のギリバネス...もといギラッガスが今回の主役。仲間がやられたのにそのことに知らん顔しようとするのを良しとせず反発する、というのがまたなんとも情に厚くて人間臭いなと感じるところであり、ほんとインベーダーとしての側面ばかりが強調されてた第47話のギリバネス(まぁ彼らは侵略のための尖兵だったわけだし任務のために感情をあまり出さなかったのは当然だろうけども)からは窺い知れなかったような、リバネスという種族も人間と同じように一人一人が多様な強い感情を抱えてるという一面が感じられたのは面白いとこでしたね 背景が掘り下げられキャラ性が追加されたことでかえって謎めいた雰囲気が薄れてしまった、というのもあるかもだけど、ギリバネスに関しては前述の通り不明瞭というか一目で分かりにくい描写が多かったのでここで掘り下げたのは正解かなと

そういえば、ギラッガスは群れを追放された者達に与えられるコードネーム、ってのはたまに聞く設定なんだけど本編では言及されてなかった(多分)しソースが無いので本当かどうか分からんのよね ソースあったら教えてくりゃ

ギラッガスは人型を担う男(M)と翼を担う女(F)で一組という構成され、地球人への復讐という信念は曲げないながらも、まだ後戻りのできるFだけでも仲間達の下へ戻って安らかに生きて欲しいと願うMMの信念に思うところはあるものの、2人一緒にいなければ生きていけないからと付き従い、Mの想いの強さ故に一緒に戻りたくても戻れないと自分に言い聞かせるかのようなF、というこの両者のすれ違いながらも相手をひたすらに想う様が今回のドラマをグッと引き締めておりました。Mが単なる復讐鬼でなく、自分の都合に大切なパートナーを巻き込むことを避けようとしていて、何かあれば真っ先に助けに行こうとするなどしっかり愛情を持ってるっていう、奥行きある人格をしてるのが良いよね

Fの方も自分の本当の想いを押し殺すように「『共生』していなければ生きていけない」という表現を用いてこそいたけど、この辺はやはり『共生』という単に生態を示す言葉では言い表しきれない感情の強さが感じられ、凄く深みあるキャラでしたね。

 

最終的にはFの想いに押され、Mもそれを受け入れたことで2人一緒に覚悟を持って仲間達の下へ戻る道を選ぶという、すれ違いながらも分かり合っていく運びとなっていたけど、ギラッガスの処遇を巡ってフブキ隊員や防衛軍と衝突気味になるムサシギラッガスFを如何に扱うかで言い合いになる一幕を見せたカワヤ医師とシノブリーダーなど、ギラッガスの2人に準えるようにして、同じ種族でありつつもそれぞれ違う想いや意見をぶつけ合わせながら良き道を探したり共に生きようとしたりする人間達という構図を入れ込んでいたのも面白かったところ。対立構図を用意するためにムサシが若干話し合いや共存に意地になってるっぽく見える動かし方になってたのはちと難点であったけど、エイリアンであろうとも女性という立ち位置を重んじその意思を尊重するカワヤ医師とか、あくまでも侵略者には毅然と立ち向かう姿勢を見せる石井さんとか、各キャラの人となりがくっきり出たのは良きところでしたね 乱暴すぎるぞと言ってきたムサシにも「これが仕事なんでね!」とノータイムで返す石井さんの信念のブレなさが窺えるところがカッコよくて地味に好きなんだ 身内の戦闘機が何度も襲撃されてるからこそ無視できないってのはあったろうしなぁ

 

そしてそんなキャラクター達の描写の中で描かれた、カワヤ医師とシノブリーダーの関係性の進展の様子も微笑ましかったわね ワロガの一件で更にグッと距離が近まった感はあったけど、いつもの調子なように見えて節々に良い関係性になってるのが感じられるの良かった カワヤ医師が「彼女と恋人なのは僕だ」って言っても話の邪魔だからとどかすだけで「恋人」の部分は否定しないのめっちゃ好き

最後にはいつもの調子でキスを迫ってきたカワヤ医師にシノブリーダーが不意打ちでキスし返して、カワヤ医師思わず放心...というカットが入ってて、思わずキャア〜っていう乙女じみたリアクションしそうだった() 完全に脈アリどころかパートナーと認めてるよねシノブリーダー...不意を突かれて後手になっちゃったカワヤ医師見てると、今まで以上に尻に敷かれそうだな...なんて。w

 

 

以上、コスモス第58話でした。ギラッガスの2人の関係性を中心として、複雑に絡み合ったりぶつかり合ったりする共に生きる者達の想いを味わい深く描いた良エピとなっていましたね。各キャラの言動がしっかり印象深く描かれていたのが良かったし、あとカワヤ医師とシノブリーダーの関係性がしっかり良いとこまで描かれてたのがやっぱり何気にテンション上がったところでしたね...w お幸せに

さて次回からコスモスの物語もいよいよ本格的に締めに入ってくるので、いっそう注目しながら観ていきたいものです

 

というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます

次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!

ではまた