AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

最後の1回

機界戦隊ゼンカイジャー

第40カイ!

「とーちゃん奪回、ワンチャン一回!」

感想レビュー

 

 

街に大きめの被害が出て苦しい想いすることになっても「ゼンカイジャーがいるからこのくらいで済んでるんだよ!」と逆に介人を励ましてくれるたこ焼き屋の人の懐の深さと肝っ玉の大きさよ...あの世界の他の人達も同じようなメンタリティで応えてくれそうだし、ヒーローへの理解が濃い一般人が多いというのは支えだよなぁ まぁあの世界の人々のメンタリティを基準にするのは色んな意味で無茶だが()

 

イジルデによって感情を取り払われ文字通りの破壊兵器と化したハカイザーとの最後の決戦を描く、ゼンカイジャー屈指のシリアス回と銘打たれた今回のエピソード。長きに渡ったハカイザーとの因縁の決着、父・功の奪還で熱く盛り上がった回となっておりました 燃えた...!

 

物語はハカイジュウオーの進撃により街が蹂躙される場面からのスタート。ハカイザーとの決着をつけられないままにしてきたことで結果的に大きな被害を出したことに責任を感じ、もし失敗すればハカイザーを宇宙や次元の狭間に放逐するという悲壮な覚悟の下、ハカイザーを功に戻すための最後の1回となる決戦を挑もうとする介人の決意が辛かった...ヤツデ婆ちゃんも内心は受け止めきれないことだらけだったろうに、腹を括ろうとしてたのがまた 

取り戻したがっていた父を犠牲にしかねない非情で苦渋な決断だったけれど、介人って猪突猛進なようでいてちゃんと周りにも目を向けられるが故に気を遣い歩みを止めがちになることもある男なので、ここの決断は悲しい一方でらしくもあり...という感じであった 

 

しかしそんな介人に対し、「もしもなんて考えなくて良い」「介人が諦めても自分達が絶対に諦めない」とジュラン達が一緒に功博士を救う意志を見せ、介人の前向きさに再び火を点けてきたのが最高に頼もしく熱かった!誰かの弱さを他のみんなが支えるゼンカイジャーというチームの絆と結束をしっかりと表れ出たなと 年長者として真っ先に口火を切ったジュランのここぞで発揮されるリーダーシップも良かったけど、「最後の一回ということは、次で必ず取り戻すという意味の一回ですッ!!」と熱くまとめたブルーンが個人的にとても良きであった 加入回で見せたあの熱さがまた見れたって感じで嬉しい

 

また、介人の決意を受けてもしもの時にハカイザーを放逐する役目を引き受けるシリアスな様を一度は見せながらも、再び団結し前向きになるゼンカイジャー一同の姿を見てなんだかんだで嬉しそうにするゾックスおよびゴールドツイカー一家も微笑ましくて良かった。ハカイザーが更なる改造を施されてもう戻らないかも的な状態になった時に「だから言ったんだ!!急がないと間に合わなくなるって...」ってブチ切れてたりと、どこまでもめちゃくちゃ介人に入れ込んで親身になってくれてるのグッとくるのよな...「ゼンカイジャーの一員」でこそないけどゾックス達もほんま心強い仲間ですやで

 

かくしてvsハカイザー最終決戦が開幕。機械的な攻撃を容赦なく仕掛けてくるハカイザーを相手に、「五色田功の生い立ち」をまとめたパネルを代わる代わる掲げてその半生を語りかけることで、ハカイザーの中の功博士の記憶に呼びかける、という絵面こそゼンカイジャーらしさ全開の素っ頓狂さがあるながらも、功博士の意志を呼び戻せると信じて諦めることなく呼びかけ続けるキカイノイド組の闘志が光る作戦がなかなかにグッッッときましたねぇ この辺からもう涙腺ちょっと弱くなってたかもしれん 「最後に賭けるとしたら、ぶっちゃけ『愛』だろうが!!」と高らかに叫ぶジュラン、最高にカッコいいイケオジであった クサい台詞だがだからこそバチッとハマってめちゃくちゃアガったね...ちょっとキザなおじさんキャラのジュランによう似合っていた

 

ゾックスによるハカイジュウオー内部からのハカイザー奪取、ハカイザー説得の妨害を妨害するフリント達のナイスアシストも加わって、まさに総力戦という感じのバトルパートでしたが、そんな大乱戦にて介人達を特に強く支えたのはやはり、ハカイザーに関するデータを見つけ出してゾックスに託すことで功博士奪還のきっかけを繋いだステイシーくんの活躍だったと言えるでしょう。ゾックスがステイシーくんの助力について「その筋の情報」とぼかしたにも関わらず、介人はすぐにステイシーくんが助けてくれたと気付く、という言葉少なな信頼の描写がまた粋でたまらんかったね...

かけがえのない仲間だからとハカイザーに縋り続けたばかりに介人の大切な肉親を奪うことになってしまっていることへの自責に加え、そうして縋り続けた肝心のハカイザーも最後には結局自分のことを忘れて離れていってしまうという無情さまで味わうことになったステイシーくんの悲しみは本当計り知れないくらいにこっちまで辛くなってくるけれど、それを背負い、せめてなんとかしてハカイザーを救い介人の下へ「五色田功」として帰してやろうとする方へと立ち上がってくれたステイシーくんは誇るべき勇士だな、としみじみ。自分の痛みを他人の痛みに重ね、他人のために戦えるようになったのは立派だよ...ハカイジュウオーのデータを見つけるや否や、迷うことなくすぐさま回収に動き出すという場面での、自分にできることをやろうとする決意に満ちた表情がたまらなく好きなんす

立場もあって直接戦闘に加わることはなかったけど、介人達の戦いの行方を固唾をのんで最後まで見守る姿はもうそれだけでグッときましたね。最後に立ち去っていく姿には、自分の下からは結局何もかもこぼれ落ちていってしまうのだという現実を悲しむ哀愁を含ませつつも、これで良いのだとどこか納得したような雰囲気も感じさせて、ほんとますますキャラに奥深さが増していってて良いよなぁ、と。

 

そんなステイシーくんの協力も得てハカイザーが奪取された後の、暴走状態のハカイジュウオーを相手にしたゼンカイジュウオーのバトルも、ダイナミックなアクションがしっかり見応えを生んでいてとても良かったですね。ハカイジュウオーけっこうデザインが凝ってるので実質的に今回の出番だけなのだいぶ勿体無いなとも感じるけれど、機械怪獣同士の迫力のファイトは相応の満足度はあったかなと

ハカイジュウオーとの決着には満を辞して登場のクロコダイバズーカも繰り出され、前回今回と併せて、バトルシーザーロボまで含めた本作の代表的なロボが大活躍した巨大戦が良きでありました。

 

そしてクライマックスに繰り出されますは、ゼンカイザーとハカイザーの一騎打ち。「これが父ちゃんの作った...ゼンカイザーだ!!」という叫びと共にゆっくりと歩いてきながらゼンカイザーに変身する介人の絶対に取り戻すという闘志溢れる変身が最高にカッコ良かった!変身プロセス途中のマスクオフカットも綺麗にハマって超絶熱く決まったねぇ

最後にはハカイザーの攻撃を押し切ったゼンカイザーの攻撃が決まり、遂に功博士がハカイザーの呪縛から解放、遂に介人と功博士が親子でしっかりと間近で再会することができました。以前にちょっと再会した時にはできなかった会話なんかもじっくり交えながら喜びを噛み締める様が沁みた...

そんな決着を受け、トジテンドパレスではハカイザーを失ったことに怒り心頭なボッコワウス様、そしてそれに対し不敵な言動を見せるゲゲの姿があった...前回も気になっていたところではあったけど、やはりいよいよもってゲゲが本格的に何かしでかしてきそうな予感が増してきましたな 不穏

そしてラスト、ヤツデ婆ちゃんが待つカラフルへと功博士が戻ったことでここでも親子の久方ぶりの涙の再会が織り成され、仲間達が紡いだ1日遅れの最高の誕生日プレゼントに介人は喜びを見せるのだった、 というところで締め。非常に沁みる気持ち良い終わり方となっててじーんときましたねぇ

前半の流れの中で一度はハカイザーを倒すことに腹を括ったヤツデ婆ちゃんが、息子の帰還に目に涙を溜めて喜びを表すとこで私の涙腺は決壊してしまいましたなぁ...この時の2人のやり取り、色んな感情を込めつつも「...ただいま!」「...帰るのが遅いよ!」といった「家へ帰ってきた家族への普通の挨拶」てな感じのやり取りになってたのがニクい台詞回しでありました。ヤツデ婆ちゃんもずっと信じて帰ってくるの待ってたんだしなぁ やはりこういう長きを経ての再会は積み重ねをしっかり経て繰り出されるとめちゃくちゃ刺さるね 片岡さんと榊原さんの名演が光ったなぁ。見てて感情を揺さぶられる演技というのはこういうものなんだなと お2人の名演にも拍手である

 

以上、ゼンカイ第40話でした。長きに渡ったハカイザーとの戦いの決着を軸に、介人を取り巻く仲間達の繋がり、功博士を取り戻すための奮戦、介人のために一肌脱いだステイシーくんの深みある内面、取り戻された功博士との家族の再会、といった様々なドラマを劇的に描き上げた素晴らしいエピソードでありました。熱く、そして涙腺が緩んだ...ゼンカイ屈指のシリアス回の文言に違わず、ギャグ少なめにしっかり決めてくれた最高の回でした 良かった 次回がもう平常運転なの笑うけど()

 

というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます

次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!

ではまた