AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

ハイテンショントロピカル曼荼羅

トロピカル〜ジュ!プリキュア

第45話「やる気大決戦! 輝け!トロピカルパラダイス!」

感想レビュー

 

 

第39話で発現したバリア複数張りを応用して重ねてきたり、高所からの落下中に上からの攻撃を咄嗟に防いだり、この最終決戦でさんご/コーラルの咄嗟の場面でのサポート力が本領を発揮しまくってた気がします 👺<「判断が早い!!」ラスボスなだけあって流石に巨大バトラーさんにはバリア破られてたけど、みんなの致命傷の回避には繋がってそうだし果たした役割はだいぶ大きいですよ多分。涼村、やはりできる女(後方監督面)

 

世界の運命を賭けた一大決戦を描く、遂に最終1個前となった本エピソード。(毎年恒例で来週のエピローグ回でももしかしたらちょろっと戦闘あるかもしれないけど)実質本作のラストバトルということで戦闘シーンの方はブチバチに気合いが入っており、第29話を彷彿とさせる濃いめの作画と敢えて動きを荒く大胆にして迫力を醸したアニメーションの演出がバッチリと決まり、短い時間の中で良い意味で浮くぐらいの圧を生み出していたのが実に良かったですね。途中フラミンゴが女児アニメらしからなすぎるすげぇ筆致の顔面してて腰抜かしたよ?()筋肉の隆起の表現とかもヤバいことになっててあのシーンに色々持ってかれちゃいましたね...w あすか先輩/フラミンゴの男勝りで勇ましいキャラあってこそできた表現よな

またこのラストバトルで後回し幹部陣がちろっとだけど一緒に戦ってくれたのは王道な展開ながら熱かったですな。特に「大人になるのはヤだけど、今一番大事なのはこれだから」と、後回しから脱却してまなつ達と同じく「今一番大事なこと」のために立ち上がり、世界を守るためにまなつ達に力を貸してくれたエルダは非常にグッときたところでした(ここぞでまなつ達に入れ込んでくれたのは第19話での関係性の蓄積がちょっと響いた面もあったからなのかな、なんて思えてそこも良きであった)安定の勇ましさでカッチョ良く決めてくれるチョンギーレさんに、気怠そうだけどなんだかんだみんなに付き合ってくれるヌメリー姐さと、各々の性格が表れ出た加勢も凄く好き 搾り取られても影響ないくらいやる気パワー少なめな彼らがまなつ達と一緒に一肌脱いでくれたの感動ですよ 作品のテーマや主人公サイドの信条と対をなす敵サイドのキャラがそれを逆転させて立ち上がるというのはやっぱり良いなぁと改めて感じますね

そんな熱い激戦の中でもマイペースな笑いを提供してくれる安定のみのりん先輩も実に良かった。w 真顔で天を仰いで目から光の柱のようなビーム照射する画のシュールさずるすぎるでしょ(やってるシーン自体は真面目なんだけどな...w)

 

という感じで熱い画やシリアスな画が連続したラストバトルでしたが、そこから「陽」のテンション煮詰めに煮詰めて爆発させたみたいな最終必殺技「スーパートロピカルパラダイス」のぶっ飛んだ絵面をぶち込み、その重苦しさを全部コミカルにひっくり返してこれでもかと爽快にフィニッシュに繋げてきたのがサイコーに「そうだ、これぞ、これこそがトロプリだ...!!!」って感じで面白かったですw スーパートロピカルパラダイスの絵面、マジで文章で形容するのが困難すぎるので実際に映像で見てもらう他ないんだけど、ほんとあの緊迫した空気感から急に呑気なBGMが鳴り響き始め、あのめちゃくちゃカラフルでポップな曼荼羅みたいな絵面が繰り出されてくる流れ、リアルタイムで観てた時ずっと(良い意味で)困惑してたからな!?先週まで魔女様とのあれやこれでめちゃくちゃシリアスなドラマを展開してたキュアオアシスさん(クレジットでは「トロピカルパラダイス」というエフェクト扱いになってたけど...w)がにゅーっと下から生えてきて「ウ-ッ、フィ-バ-!!!」「ハイハイハイハイw ハイハイハイハイw ハイハイハイハイw」とかやり出すの情緒めちゃくちゃになる() 無数の象とジンベエにしばかれて「アイダダダダ」っつってるバトラーさんも大概シュールで好き

なんか未だにちょっとした白昼夢だと思ってるまであるフィニッシュだったけど、ほんとこの暗く引っ張らない明るいぶっ飛ばし方はほんとうトロプリという作品らしい描き方で素晴らしかったですw

みらー on Twitter: "こんなに笑った最終決戦ははじめてw #precure… "

 

そしてバトラーさんは撃破され、やる気パワーもグランオーシャンと人間界の両方に返されたことで、戦いは閉幕。後回し幹部陣もやる気パワーを搾り出して抜け殻のようになったバトラーさんを連れ、別の地へと旅立っていく締めとなりました。チョンギーレさん達は「今まで迷惑かけたな!」的な良い意味で軽めの挨拶を残して発っていき、まなつ達もそれを明るく見送って「いつか彼らともまた仲良くやれたら良いね」的な感じで想いを馳せる、というまなつ達と幹部陣のからっとした和解の描写が凄く微笑ましく気持ち良かったねぇ チョンギーレさん達が根っこは気の良い人達ってのが今までコンスタントにしっかり描かれてた分、一緒に困難を乗り越えたのを通じて今までの因縁も取り払って通じ合えた、的な緩めの和解も今まで観た色んな作品以上に凄くナチュラルに気持ち良く受け入れられたところあるし、ここら辺は後回し一派サイドの描写の蓄積の勝利だなと。良い感じに拘らないこの雰囲気をしっかりトロプリらしさとして推し切ったのは流石

そんな後回し幹部陣に連れられていったバトラーさん、本質的には相対しなければならない危険な敵なのは間違いなかったけど、魔女様への忠誠を最後の最後まで貫き通し、自分のすべきことを全うしようと立ち上がり続けたその姿は、敵ながら真っ直ぐで輝いていたな...と改めて。なんだかんだ凄く好きなキャラになったなぁバトラーさん 世界の破壊もどうでも良くなるくらい萎れてしまった姿はちょっと哀愁を感じるところであったので、どうかチョンギーレさん達と一緒にやっていくうち元気にはなっていって欲しいな...緩やかにやる気取り戻していく過程で、世界の破壊以外の新しい生きがいを見つけていって欲しいものです

総じて凄く魅力的な人達ばかりだったなぁ後回し一派 個人的に好感度そうでもないキャラすら1人もいないのかなり珍しいわ 彼らを生み出したことは本作の誉れの一つですわ また会おうな

 

こうして戦いはAパートで終わり、Bパートはまるまる平和になった世界でのまなつ達によるトロフェス準備の模様が明るく楽しく描かれました。今までに出てきたキャラもちょこちょこ出てきてくれてたの嬉しかったねぇ しかし実質的な最終エピソードとも言える回の大一番のバトルを前半でググッと畳み、後半は平和な世界でのみんなの姿をたっぷり描くというこの構成もまたトロプリらしくて良いよね 大きな戦いが終わった後のまなつ達にとっての大事なことであるトロフェスにしっかりフォーカスして楽しい展開にするのグッドである

にしてもあすか先輩と(元)生徒会長、やり取りの空気感がもう完全に熟年夫婦のそれなのなんか面白いよな...w 多くは語らわずともなんかしっかり噛み合うあの感じ好きだ

 

と、平和に進む時の中、ローラはグランオーシャンにいる女王様からこれまでの功績を讃え次期女王候補に指名されるも、女王となるためにグランオーシャンに戻ってくるか大切な友人であるまなつ達と一緒に過ごすために人間界に残るか、という大きな選択を示されていた...というところで締め。叶えようとしていた夢を取るか、大切な友人達との時間を取るか、ローラにとっていずれも大事なものだが、この最後の最後でその選択を問うかぁ...という感じでしたなぁ

女王様、なかなか大きな決断を促したね、という感じではあるけど、グランオーシャンを治める者として掟とかをしっかり重んじた上で、ローラの想いも受け止めて彼女なりに尊重し最大限柔軟に対応する形を取ってくれた感じではあるので、終盤のローラとの間で巻き起こったちょっとした想いのぶつかり合いを思うとちゃんと考えてはくれたよなぁ、とは思う。掟云々の話にきちんと2人の間で答え出す流れになりそうで何よりです ここからどうするかはなんだかんだやっぱりローラ次第なわけだけど、こういうところを一番最後の着地に持ってくるのは新鮮だなぁ 次回が楽しみだよ 個人的にはこう来るかな?的なのはある程度イメージしてるけど、実際にどう決断するかしっかり見守りたいね

 

 

以上、トロプリ第45話でした。実質的なラストバトル回ということで熱く大迫力に戦闘を彩りつつコミカルなテイストで爽快に締めた前半パートからの、平和な世界でのこれからにフォーカスした和やかな後半パートという構成になっており、最終盤的な緊迫感が良い意味で薄めの構成になっていたのが実にトロプリらしいラスト1話前エピソードで非常に良かったですね。陽気で緩めな雰囲気をしっかり貫き通し作品独自の魅力たらしめたこの作劇、とても気持ち良かった

さて残すところもう後1話、全てをしっかりと描き上げた素晴らしいラストになることを期待し、座して待とうと思います。トロピカれ!!

 

というわけで今回はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございます。 読んでて共感できたり楽しめたりしたところがあれば幸いです

気に入っていただけたら次回も読んでいただけるとありがたいです。感想をくださったり記事の拡散等をしていただけたりすると更に喜ぶぞ!!

ではまた