AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

悪魔の囁きがcalling

仮面ライダーバイス

第20話「非情で無情な、変身の代償」

感想レビュー

 

 

坂本監督演出のライブ、巧みな格闘術のスピーディな魅せとガンアクションによるエフェクト・爆発マシマシの構図がめちゃくちゃカッコ良く決まるのでメインに据えられてなくても他の回以上にバチッと印象に残る活躍するのが実に良きよね ライブ/大二の戦闘部隊の隊員という設定と坂本監督のアクション濃度高めな演出の相性が根本的に凄く良いと思われるわね 「犠牲者達の魂を救うには...コイツを倒すしかない!」という台詞からのライダーキックという実直な大二なりのギフテリアンとの対峙に対する決意を端的に示したフィニッシュもカッコ良く決まったし、ストーリー面でのここ最近の印象の弱さをカバーする画の濃さは出せてたなと感じたね これからも定期的に坂本監督にライブを演出して欲しさある

 

デモンズドライバーに隠された秘密が徐々に明らかとなっていき、ヒロミに迫る命の危機...!的な感じとなった今回のエピソード。狩崎ーッ!!ちょっと狩崎ーッッッ!?(迫真) ジョージ狩崎、元々ヒロミさんに対しては冷淡で素っ気無い印象は強かったけれど、ヒロミさんは実験台だと一切の遠慮なくあっけらかんと言い放ち、ヒロミさんの「命を賭けて戦う」という意志を茶化して良いように使う態度を見せてきて、とこれじゃいよいよマッドサイエンティストだぜ...?(実際そういうマトモな倫理観とはちょっとズレたキャラだと思ってはいるけども、ツーサイドライバー運用にあたってちゃんと勝算持ってたりとか露骨に人を犠牲にするスタイル取る奴とまでは思ってないからなぁ)狩崎には「クソ迷惑なことたまにするけど味方だし間違いなく役には立つ男」的な鴻上会長ポジションでいて欲しいのでできればそっち方面のキャラにはなって欲しかないんだが、あやつの所属する組織の方がどんどこきな臭くなってくからなぁ...

 

またデモンズドライバーとヒロミさんを取り巻くあれやこれと並行して、ギフ様の実態についても迫っていく描写が所々入っていたのも目を惹いたところ。デッドマンズの創始者なる男曰く「人類を更なる進化へ導く存在」アギレラ様曰く「人類とは違う進化を遂げた生命体」、とのことで、なんか一部のファンの間で上がっていたギフ=宇宙人(地球外生命体)説がだんだん濃くなってきたな...と(口振り的にオカルト的な意味でのマジな悪魔というより、一つの生物・種って扱いっぽいもんな)。他の生命体の内なる衝動を「悪魔」として解放し更なる力を持った生命体へとのし上げる高位の地球外存在、みたいな感じなのかな、なんて思ったり(そう思うと、ギフ様の同列存在みたいな扱いだったディアブロも同じような地球外存在であり、ただしビヨジェネ本編での行動を見るにその目的は自身の更なる進化のためというギフ様の対にある、みたいな感じかななんて考えたりもしちゃいますな。まぁディアブロに関しても後々関連は示されていきそうだし注目したいね)

にしても今回その存在が示唆されたデッドマンズ創始者なる男、佇まい的になんとなくフェニックス長官っぽさあったんだけどこれちょっと、いや凄くきな臭いですよねぇ...デッドマンズとフェニックスの対立構図そのものが、ギフ様という存在を奉り覚醒させることを目的とした壮大なマッチポンプだった、的な可能性も浮上してきて、千草が知った真実というのがこれだったらそりゃあ寝返りそうだけども...気になる

 

と、色んなきな臭さが漂う中でなおも命を賭け戦おうとするヒロミさん。そんな彼に対し、「ヒーローとして戦うことが夢なら、思うままに変身して戦えば良い」と彼の意志を受け入れ背中を押した一輝の言動はなかなかに驚きでした。前回の時点で「誰かのために命を賭け戦うこと」という点でヒロミさんにシンパシーを感じてるらしき様子を窺わせてはいたしそこを起点に一輝がヒロミさんとなんらかの形で深く絡むことは予想していたけど、ここまでド直球に促すのは予想外すぎたなぁ
ここら辺のやり取り、一輝も女医さんのアドバイスに従ってヒロミさんを守る算段を付けた上で「自分もヒロミさんを全力で守る」と最大限筋を通す姿勢を通していたので、「ヒーローとして戦う姿勢」というところでヒロミさんに自分と重なる部分を見出した故に「止めても止まらない」 と理解し、敢えて意志を尊重し送り出した(その上で無責任に言うだけではなく自分自身にもできることを全うし、言葉を送ったヒロミさんを守ってみせた)一輝の強い意志が光った熱いシーンではあったけれど、同時に命の危機が生々しく実感され戦うことに迷い始めていたヒロミさんに『迷うことはない、思うままに自分を解放し戦え』と促した、という「悪魔の囁き」的なニュアンスも感じられる構図でもあったのがちょっとゾクッときたところでしたねぇ(良い意味で)。上述した通り一輝の後押しは悪い感じで描かれてるわけではないし、その結果も良いものではあったので決して邪悪な意味合いのものとして描かれてはないというのは再三断っておくべきとこだけど、本作のテーマ的に連想される要素ではあるし、それを色々不穏なものが付き纏ってきてる最中の一輝が言う、というのがなかなか攻めていて鳥肌が立つものはあったな、と。一輝という主人公にそういった悪魔性みたいなところを含ませてきたのは今後の展開に何かしら響くものはあるのだろうか...と気になってくるところ。そうでなくても本作の「悪魔」というテーマ性の仄かな醸し方として絶妙であったなと感じたところでした

 

そして決意のヒロミさんと彼をサポートすべく参戦した一輝とさくら、加えて一輝達に共闘を持ちかけられ加勢してきたアギレラ様(と玉置くん)、という各勢力が揃った中で繰り広げられたvsオルテカ&ギフテリアン戦。坂本監督お馴染みのOPをバックに縦横無尽のバトルが展開される演出となっていましたが、TV本編だとまだ流れたことのなかったフルコーラスのliveDevilがカッチョ良くハマってて燃えたね。結局駒としか見なされておらずオルテカにギフテリアンの素材にされてしまった千草の死に慟哭しながらも、その魂を救うべく変身したヒロミさん/デモンズのすれ違い様の刀での抜き打ちを思わせるようなライダーキックでのフィニッシュが実にカッコ良く決まっていたのもグッド。ああいう形式のキックの演出はなかなか見ないから新鮮さもあってグッドでした

 

しかしアギレラ様と玉置くんも参戦してくるのは予想外の展開であったね こういう流れでの怪人vs怪人(敵サイドvs敵サイドと言った方が良いか)の対峙はなんか唆るね 戦力にならない玉置くんも堂々を姿を現してオルテカの意表を突き、しっかり意趣返しに繋げた流れだったのが粋でしたな。にしてもアギレラ様しっかりギフスタンプ取り返していっちゃった(元々ギフスタンプ奪還を利として一輝達に加勢することにしたっぽいし)けどこれ後々大丈夫なんだろうか、とは少々 ギフテリアンを容赦なく生み出すオルテカの手の内にあるよりかは彼女らが持ってた方がまだ安心ってことで一輝達も任せたのかもしれないが(ギフ様復活の儀は今のところ実現困難だろうし、玉置くんがストッパーにはなってくれる部分あるという判断もあったのかも)、やっぱ味方ではないし心配にはなるよなぁ 頼むで玉置くん

まぁ何はともあれギフスタンプがオルテカの手を離れたのは喜ばしいですな ギフテリアン毎週生み出されちゃたまったもんじゃねぇからよぉ...自分としても毎度ギフテリアン召喚する展開やってたら話の雰囲気が無駄にどんよりして若干嫌になってただろうし(今回の千草の消滅で終わらせたのはタイミングとしてギリギリだったなとは正直思う)、毎度デザイン据え置きのギフテリアンを相手にする展開になってたら戦闘の面白さが減っててげんなりしてたと思うので、良いタイミングだったとは思う 他の方が危惧してたようにギフテリアン設定も便利使いしすぎてたらゲストの命が軽くなってテイの良い退場装置になって微妙な感じになってた可能性もあるのでね

 

そして今回の戦闘の目玉、リバイスの(現状の)全ゲノム形態連続変身も実に見応え抜群で良きでしたな。最近ご無沙汰且つなかなか出せないであろうプテラやジャッカルがちゃんと変則形態のバイス込みで来てくれたり、全部ではないけどリミックス変身ギミックも出てきたり、ボルケーノ登場でもう出番無いかもと思ってたバリッドレックスに活躍の場があったりと隙なしの演出だったの嬉しい MEGAMAXのオーズコンボチェンジやフォーゼモジュールチェンジを思わせる小気味良いテンポと迫力ある縦横無尽さが気持ち良いと共に、画面のカットの切り替わりが殆どないシームレスなカメラワークの中で形態がバンバカ変わり各々能力をしっかり活かしたアクションで戦う魅せが息をつかせなくてたまらんかったね...「ヒロミさんの回なんだからデモンズもっと目立たせてあげるべきだと思うし今回じゃなくて良かったくない?」という意見は確かに、ともちょっと思うがそこはまぁ 前回もちょろっと言ったけど、やはり坂本監督はこのくらい魅せる要素の多さと自由に詰め込める余地のあるライダーシリーズに向いてるなと感じるし、その点リバイスは凄く相性が良いんすよね 初期ゲノム形態は今後も出てきて欲しいしやっぱそういう点でも坂本監督は今後も本作に是非登板して欲しいなぁ

 

こうしてリバイスコンビに敗れたオルテカも、玉置くん/フリオくんと同じく悪魔のみを打ち倒され、無力化されることとなりました。唐突に自分の過去語りなんかするからなんとなく予感はしてたが短い天下だったな...今までも工藤にカメレオン、玉置くんと過去が詳細に語られたデッドマンズ幹部はほぼおしなべて近いうちに退場/無力化されてたのでね 人より優れていたが故の他者の無理解で歪んだ、という感じでオルテカのあの他者を見下すような態度に納得のいく過去でしたな ひたすらに邪悪だった、というよりかは多少同情できる余地もある感じで、やはり本作の「心の中の悪魔」というテーマに準えられてるんだなと

しかしそれでもオルテカは余裕を崩さず。実際次回予告で更にヤバげなことになっていたので、コイツには今後も油断はできませんなぁ

 

 

以上、リバイス第20話でした。作中の重要設定に少しずつ迫っていく描写で魅せつつ、坂本監督ならではのスピーディでアクティブな戦闘演出がボルテージを大きく上げる、という見所満点なエピソードでした。ヒロミさんが一旦ヤバいゾーンを抜けて安心という感じだけど、それに追い討ちをかけるように繰り出される次回の展開が怖い...ヒロミさん、元々レギュラーとして登板させる予定なかったところをここまでなんだかんだ作劇上において良いバランスとポジションで動かしてきた良さは大きいし、一時戦線離脱はともかくここで退場させたら結局なるようにしかさせなかった感あるなぁともなるので、そういう意味でも退場とはいかんで欲しいなぁ 死なないで(迫真)

 

というわけで今回はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございます。 読んでて共感できたり楽しめたりしたところがあれば幸いです

気に入っていただけたら次回も読んでいただけるとありがたいです。感想をくださったり記事の拡散等をしていただけたりすると更に喜ぶぞ!!

ではまた