AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

トロピカってるぅ〜!!

トロピカル~ジュ!プリキュア

第46話「トロピカれ!わたしたちの今!」

感想レビュー

 

 

完結 トロプリの物語

反面 ヒロミが保たない

残念 ゾックスもういない

安寧 どこに求めれば良い

Yeah Yeah

-Andrew's 悲しみのヤケクソ不謹慎ニチアサラップ-

 

トロピカルージュ!プリキュア、最終回ッッッ

約1年続いたトロプリの物語が遂に完結。こんな重要な大トリの回だが、特に意味も無い部室での変身(夢オチ)から始まり速攻力技で変身ノルマを達成させる辺りがとてもロック(

 

前回のラストから引き続いて、グランオーシャンに女王となる夢を叶えるために戻るか、まなつ達と共に人間界に残るかの選択に惑うローラから今回のエピソードはスタート。猶予も殆ど無い状態での選択に皆が戸惑い「女王になるのがすぐではないなら...」となる中で、ローラが「それでは後回しの魔女の時と一緒になる」として意志を固め、自身の夢を全力で目指すために故郷へと戻る決意をするという流れが描かれ、最後の戦いで後回しの魔女とアウテーネの悲劇を目にしたことを受けての、同じことを繰り返すまいとする前向きな意志を作品として最後にしっかり示したのがまずとても良かったですね。厳しい決断はすぐに出せない(出したくない)からこそ、それを先延ばしにしたい気持ちは分かるけど、そこでずっと立ち止まっているわけにはいかないし、あの最終決戦で見て感じたものがあったならそれは尚更なんだよな

こうして見るとトロプリという作品における最大に敵(壁)というのは特定の誰かではなく、誰しもの心にも宿り得る「困難や辛苦が待つかもしれない未来へ進むことを恐れ歩みを止めようとする心」という精神性であり、本作はそれを乗り越えて前を向いていくことを知る物語だったと言えるなぁ、なんて 一つの戦いとして決着するものではなく、この先もみんながそれぞれ立ち向かい越えていくもの」ということで、この最終回を戦闘ではなくローラ達の決断を軸の描いたのは然もありなんだったんだなと思ったんですよね

 

ここから、そんなローラの決意を受け「プリンセスは女王を目指すために自分の国へ帰っていった」という結末へと変更になったトロピカる部の演劇も含めた、トロフェス開催の展開へ。終盤のストーリーにおいて大きなイベントとして何度も語られ、本作の締めになるであろうと感じられていた要素だっただけに、ここでしっかりフィナーレに組み込まれてくるのは気持ち良かったねトロフェス

トロピカる部の演劇も、まさしく今までのまなつ達の軌跡のダイジェストという感じの構成で、1年観てきた思い出がほろほろ滲む感じがあって良かったな...と。特にさんごの紫のチューリップの下りがなんかシンプルながらめちゃくちゃ琴線に触れまくってたまらんかったわね...今までの物語の総決算的な感動があった

 

そして演劇の終盤、ローラの「女王になるために国に帰る」という台詞に応えるという場面になって、感極まったまなつが「行かないで」「ずっと一緒にいたい」とローラへの友達としてのほんとのほんとの本心を役も忘れてぶつけるのがとてもグッときちゃいましたね...あそこでさんごが涙ぼろぼろ流して泣いてるのこっちもちょっと釣られそうになっちまったよ 優しい子よ

ローラの気持ちを大事にし後押しするという想いとは別に、胸に抱いていた今までずっと一緒だった大切な友達と本当は別れたくないという正直な想いをたまらなくなって溢れ出させる中学生の少女らしいあの色んな感情溢れる様はもう、たまらんかったなと、ほんと。等身大の少女だからこその真っ直ぐさが良きであった 他の視聴者さんも言ってたけど、こういう時はこのくらい素直で良いのよ...こういう感じの、ここぞにおいて良い意味で大人になりきらず子供として愚直に想いをぶつける様を味わい深く描けるところがプリキュアという作品ならではの強みだよなぁと改めて。友達の決意を応援し後押しする気持ち、そんな友達との別れを惜しみ正直にぶつける気持ち、その両方をきちんと描いて、本作のテーマ「今一番大事なことをやる」を「自分」と「他の誰か」の両面において憂いを残すことなく描き上げた良いシーンでしたね めちゃ良かった...

 

という感じで前半からもうほろっときちゃいましたが、直後にがらっとコミカルな流れになって一気に空気感が緩くなり、こういう感じで湿っぽくさせないの最後までトロプリだったなと。w 勢いで人魚バレ(自発)して会場大盛り上がりするの面白すぎる 人魚の存在証明されて良かったな角田さん!! でもローラのあっけらかんとした人魚バレはなんかもうそういうの関係ないよね!的な良い前向きさがあったし、前回のくるるんと同じくそういう存在をそういう存在としてナチュラルに受け入れ一緒に笑顔になれるみんなの姿もとても眩しかったので、ギャグチックだけどちょっとあったまるシーンでもあったね(特別濃いメッセージ性とか意識せず軽ーく描いた辺りもなんか良かった) この辺も実に本作ならではな感じであった

 

そして来たるローラとの別れの日。グランオーシャンの記憶を吸い出す装置が作られた背景を基に「人魚の人間との寿命の違いによる死別の悲しみ」という部分を引き合いに出しつつも、出会ったことや思い出、別れの寂しさまで忘れてしまう方が辛いから、この先もずっと一生絶対に忘れないでいる、というまなつ達の強い想いを描いて彼女達が築いてきた友情や絆を熱く描き出したきたのが凄く胸に響いたところでありました。ローラのことは絶対に忘れない、というのは少し前の段階からまなつ達の想いとしてしっかり示されていたところであったので、ここを真っ直ぐ貫いたのはほんと良きであった そしてローラがあの水面から飛び出す舞のポーズを別れ際に繰り出すのもなんかじんときたね...ローラの印象的なポーズの一つだったからねあれ

しかしこの「人間と異種族の寿命の差」というところは色んな作品でも描かれている要素だけど、やっぱりこうして言葉にして示されるとしんみりするものがあるよなぁ メビウスとGUYSの仲間達とかもそう そこから強調される仲間の絆というものもあるけど、 沁み入ってくる切なさがあるのがまたたまらんよね

 

こうしてローラがグランオーシャンへと戻ると共に、まなつ達の下からローラにまつわるものが記憶と共に静かに消えていき、まなつ達もローラも何か引っ掛かりを覚えながらも日々を過ごしていった...

と、切ない下りが描かれ一時しんみりとなりましたが、当然そこで終わらせないのが、トロピカル〜ジュプリキュア...!!
人間界を自分の目で見たいと女王様に直訴したローラが人間界へと赴き、第1話でまなつと出会った場所にてやって来たまなつと再会!

そして2人の再会と共に突如記憶吸い出し装置が爆散!

それに呼応しアクアポットから溢れ出たかつての思い出を目にして2人が互いのことを思い出す!

とぐんぐんと勢いが上がっていく怒涛のテンポと共に2人の再会と記憶の復活が描かれEDへ、という感じで爽快なハッピーエンドと相成りました。やはりこれこそトロプリ...!こうでなくてはなァ

ここの一連のまなつとローラの再会展開、記憶は消えても紡いだ思い出が消えずに残っていてもう一度彼女達を繋いだ、的な構図もグッと来たけど、まなつのベッドにローラが残したであろう「むかえに行くこと!(1話で2人が出会ったハートの岩の絵を添えて)」のメッセージがあってこれでまなつがやって来たことや、ローラが記憶を無くす前に人魚でも人間でもないので記憶がなくならずに済むチョンギーレさん達に自分とまなつ達のことをまた話して欲しいと頼んでいて、それのおかげで人間界に再び赴いたローラが「友達」と会うために例の場所へ行ったことが示唆されていたりと、まなつ達にもう一度会うためにとローラがあれこれと手を回していたことによる結実であったと描写されていたのがおおっとなりましたね(前者のまなつへのメッセージは最初観た時気付いてなくて、他の視聴者さんのツイートで気付いて思わずおーとなったんですよね)。ローラのなんとしてでもまた会ってみせる!!という想いの強さが表れ出ているのがグッときたところだったし、元後回し幹部陣との繋がりが最後に凄く熱い形で昇華されたのが良かったよね...色々あったけど彼らもかけがえのない絆を育んだ存在だったんだなぁと エルダが優しく彼女達の再会を願ってるのあったかくてほろっと来ちゃったよね

 

という感じの2人の再会が描かれた後は、ローラの他のみんなとの再会やみんなのその後がEDと共にダイジェストで流れ、EDの前に描かれていたあすか先輩卒業と併せて、トロプリの物語を彩った5人のそれぞれの物語を明るく気持ち良く着地させたのが実に良かった。特にかつて小説を書けなくなった時の心情が「芯の折れた鉛筆」で表現されてたみのりん先輩のその後のカットが、「もう二度と筆を折らない」という意志の直喩として凄く太い鉛筆を手に小説執筆に勤しむ姿になってたのは良い演出だったなと。やっぱこういう象徴的な描写が凄く似合うなァみのりん先輩 まぁあのクソデカ鉛筆は初見だと「なにあのぶっとい鉛筆!?」って感じでどうしてもちょっと面白く見えちゃうけど。w 最後までおもしれー女だった(

 

そしてラスト、毎年のプリキュア最終回恒例イベントである「次回作主人公の顔見せ客演」が今作でも描かれ、デパプリのゆいとコメコメが登場。ただ今までのシリーズと違って、トロプリ本編のストーリーが全て片付いた後のおまけのショートエピローグ的なパートでさくりと描かれたのはなかなか思い切ってたなぁと。でもこれによって「トロピカル〜ジュ!プリキュア」という作品の物語自体を純粋に描き切ることができたのは大きかったし、良い采配だったやね ともあれ次回からデパプリ、楽しみである

 

 

以上、トロプリ第46話でした。まなつ達が紡いできた絆の物語、しっかり最後まで余すことなく描き上げた実に素晴らしい最終回でした。叙情的に描くところはしっかり描きつつも、ここぞは緩くコミカルに描くところ辺りを最終回でもしっかりやったところも実にトロプリらしい快活な作風の集大成という感じで良かったね 最後の最後まで作品の味をしっかりと出し切った良い作品だった

という感じでトロプリの感想も約1年しっかり駆け抜けました。面白かった...総括もいずれ書くつもりなのでそちらもよろしく、というところではありますが一先ず制作陣声優さんその他作品に関わった多くの方々、お疲れ様でした。ありがとう!またどこかでトロプリのみんなとも会えると良いなァ

 

というわけで今回はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございます。 読んでて共感できたり楽しめたりしたところがあれば幸いです

気に入っていただけたら次回も読んでいただけるとありがたいです。感想をくださったり記事の拡散等をしていただけたりすると更に喜ぶぞ!!

ではまた

 

 

ちなみに(デパプリとのバトンタッチパートを除くと)本編最後にまなつが発した台詞は「犬のフン踏んじゃったぁ」でした。この絶妙な締まらなさもまたトロプリっぽかったぁ。w