機界戦隊ゼンカイジャー
第47カイ!
「パレス突入!ボスの前でも頭が高い!」
感想レビュー
「来るのが早いわ!!」
ボッシュートになります!!<テレッテレッテ〜
ゼンカイジャー、遂にトジテンドパレスへ突入!!てな感じの最終決戦を描いた今回のエピソード。普段は襲撃してくるワルドを迎え撃ってるから目立たないけど、自分達からカチ込むとめちゃくちゃ強いなゼンカイジャー...w
今回はいよいよクライマックス、作品の大詰めということもあってか総決算的な演出・言動が多く組み込まれていたのが面白かったところで、ずっと前のキカイノイド嫌いを感じさせないような、キカイノイドの人々の身を心配し気遣う姿を見せるガオーン、そんなガオーンと昔はぶつかってばかりだったのを、「相棒」とまで呼んで力を一つにし戦うジュラン、今までトジテンドの脅威から守ってくれたゼンカイジャーのピンチに危険を顧みず果敢に立ち向かい、突破口を作る勇気を見せた市井の人々、といったところはこれまでのストーリーにおけるキャラの成長や関係性といった一つ一つの積み重ねを印象深く感じさせてくれて実に沁み入るものがあったなと。初期の変身し慣れてない頃のジュラン達がやらかしてたギアトリンガー誤射ネタを一般人キカイノイドのみんなで擦ってくるの笑った
そんな総決算的描写の中でも特に、これまでの自身のことを省み、ヤツデ婆ちゃんの下で今まで隠していた自分の正体のことや自分に無いものを持っていた介人への羨望/嫉妬心から彼の命を狙い続けていた自身の弱さを堰を切ったように一から十まで告白し謝罪するステイシーくんの愚直で純粋な懺悔、 そしてそんなステイシーくんを最初こそ叱りつつも、その姿から滲む優しさを真っ直ぐに受け止め、苦しい境遇で頑張り続けてきた彼を温かく受け入れたヤツデ婆ちゃんの懐の深さがいずれも凄く感情豊かに表れ出た2人のやり取りのシーンは、何と言っても本エピソードの白眉であったな...と。贖罪のために来たステイシーくんの想いを受け止めた上でちゃんと「叱って」からぐっと抱きしめ、苦しみながら頑張り続けいっぱいいっぱいになった彼の身の上をしっかり理解し「でも...無理しなくて良いんだよ、もう。全部ポイッと捨てて、次進めば良いんだ。あったかい場所なんて、他でいくらでも作れるんだから。」と諭したヤツデ婆ちゃんの言葉でステイシーくんが感極まるあの一連の流れはもうもう見ていてがっつり涙腺緩んじゃいましたね...ていうかこの記事書くために2度ほど当該シーン見返したんだけどどっちも涙出ちゃったのよな 絶対泣くよあんなん ヤツデ婆ちゃんとの出会いを経て少しずつ自分に向き合い素直になっていったステイシーくんと、そんな彼の真っ直ぐな気持ちを「サトシくん」として接した時間から感じたものも含めて包み込むように受け止めたヤツデ婆ちゃん、という感じで2人の関係性がこれ以上なく劇的に昇華されていて最高でしたねぇ。やっと救われたんだなステイシーくん...良かった...吐き出すもん吐き出してちゃんと素直になれたのこっちも嬉しいよ 「苦難に満ちた生き方に半ば自浄自縛するように生きているところに『そこから逃げてまた新しい場所で頑張っても良いんだ』と言ってくれる人がいてくれる」というのは、この歳になって色々苦しいことがあった時、家族や友人が支えてくれる温かさを痛感するようになった今だからこそ沁み入るものが個人的にあったし、ステイシーくんにとってそれが「母親の面影を重ねたヤツデ婆ちゃん」だったというのも、ずっと孤独だった彼に心を許せる家族同然の存在ができたんだなぁ...というのを感じさせて文脈の劇的さが凄く沁みたなぁ
そんな2人のシーンだけれど、ここまで素晴らしいシーンとなったのは全体の絵作りがとても良かったのは勿論のこと、やっぱりこの2人を演じられた世古口くんと榊原さんの名演によるところもとてつもなく大きかったよなぁと思いますね。拒絶されるのも覚悟の上と言わんばかりの感情が震える声色に愚直に滲み出ていたヤツデ婆ちゃんへの懺悔の際の語り、ヤツデ婆ちゃんに抱きしめられ諭されたことで感極まり涙がぼろぼろと流れ落ちくしゃくしゃになっていく表情、といったステイシーくんの溢れ出る感情を存分に表現した世古口くんの演技は見ていてこっちもつられて泣いちゃったし、ステイシーくんの全てをゆっくりと受け止め包み込んだヤツデ婆ちゃんの深みある人間性を繊細な表情作りや動きで見事に表現した榊原さんの演技はその包容力にこっちも心が温かになったよね...ヤツデ婆ちゃんの話を聞いてる中でステイシーくんの口がふるふると震える様とか、「サトシくん」の正体や所業を最初聞かされている時の色んな想いが巡っているであろうヤツデ婆ちゃんの顔色とか、御二方ともそれぞれのキャラの感情の深いところをグッと印象付ける演技の細かなアクセントの入れ方が絶妙なのよ オーディションに来ていた彼に演じてもらうのを前提でステイシーというキャラが生み出されたほどに見出されるものがあった世古口くんは、その期待に恥じぬ表現力でステイシーくんを作品をより味わい深く押し上げた魅力的なキャラにしていたと思うし、最年長ヒロインという一見冗談ぽく聞こえる肩書きを冠した五色田ヤツデというキャラを演じた榊原さんも、ヤツデ婆ちゃんを物語全体を通してメインキャラ達の前進に欠かすことのできない存在感を内包したまさに正しい意味での「ヒロイン」として魅力的に仕上げたと思う、というところでほんとこのお二人は個人的にゼンカイジャーの中でもMVPだったよなぁと感じますね。良かった
かくしてステイシーくんは「また胸を張ってカラフルに行けるように」という想いから介人達を救うべく参戦。この気持ちを介人達の前で淀みなく言えるようになったところや、初期の頃の憎しみ増し増しな感じとは違う冗談混じりの砕けた感じで「お前のそういうところが嫌いだ」って介人に言うようになったところに、真の意味で介人達との間の壁も無くなったんだなぁ...と感じられて沁みたね...
またそんなステイシーくんに対し、自分も元々はトジテンドだった、というところで話に入ってきたブルーンの屈託ない雰囲気に、ステイシーくんが「『自分はトジテンドだから』なんて気にすることはなかったんだ」と今まで悩んでいた自分を良い意味で笑い飛ばせるようになる、という一連の下りも味わいある描写で凄く良かったね。今まで全然絡みのなかった2人だけど、ここの局面で元トジテンドという接点を活かし、そんな境遇を今までさっぱり気にしたことのなかったブルーンの存在が、ステイシーくんの心から残ったしこりも全部吹っ飛ばす、という形で昇華させたのが鮮やかよね。容赦のない「エッ悩んでたんですかぁ!?」はあまりに遠慮なさすぎて、もっとステイシーくんに気ぃ使えブルーンってなったけど() そういえばステイシーくん、介人に狙い集中してたしブルーンのこととか全然知らなかったんだよな...w そう思うと「彼の視野/世界が広がった」的な前進の表現とも言えるかもね ワンチャンブルーンがとっとと言ってればもっと早く何か動いたかも、 とか身も蓋もないこと若干考えたりもする() 勿論色んなこと経験して自分を見つめ素直になっていったからこその今のステイシーくんがあるので、あるべき道であったと思うけどね
更に、SDトピア探索中だったゾックス達ゴールドツイカー一家もトジテンドパレスへと参上、ステイシーくんと共にバラシタラさんの相手をする流れとなりました。ツーカイザーとステイシーザーの同時変身燃えたけど、思いっきりポーズ決めるステイシーくんが不意打ちだったなぁ。w 舞ったなステイシーくん...!ステイシーザーへの変身プロセスやエフェクトがゼンカイジャー風味に変わってたのが良きだったね
いつもヨホホイの歌を引っ提げてここぞでやって来るゾックス、まさに期待していた通りの頼もしさで待っていたよぉ!!(霧崎)となったけど、その後ステイシーくんと共闘という運びになるのがなんとも熱かったね ゾックスなんだかんだでステイシーくんのこと気に入ってたし、わだかまりのなくなったステイシーくんとここでスッと共闘に移るのが良かった
そして仲間達の支えを受け、ゼンカイジャー5人とセッちゃんの6人でトジテンドの開発担当幹部・イジルデとの直接対決と相成りました。ここでセッちゃんを加えて「6人揃って!機界戦隊ゼンカイジャー!」をやるのが総集編回とかでのセッちゃん絡みの積み重ねを感じられて粋だよね
五色田夫妻の拿捕や技術の悪用、功博士の洗脳・改造、とイジルデはご存知の通りゼンカイジャーの物語的には大いに因縁ありまくりの重要な相手ながらも今までゼンカイジャーとの直接的な絡みが少なかったので、「因縁の衝突」的な感じの盛り上がりが十分に醸されるか心配する声もちらほらと見られておりましたが、いざ直接対決というところで介人がイジルデの悪行に対する怒りを「みんなの平和を邪魔してるのはお前だろ!!」と全開でイジルデにぶつけてくれたことで、果たすべき因縁を際立たせてくれたのがクライマックスの大一番らしい盛り上がりに繋がっててここは実に良い作劇でしたね。功博士のこととか考えればキレて当然だし、ここで先陣切ったのが介人なのは順当に熱かったなと。それに続く形でキカイノイド組が「世界を繋げて介人達と会わせてくれたことだけは感謝している」というところを強調しつつも、しっかり許すまじき相手としてイジルデに一発ぶちかましたことで、誰かのために在るべき科学を自分達のためだけに悪用し多くの人々を苦しめた、という、多くの人々のための技術を作り上げていた五色田夫妻達正しき科学者との対比となるイジルデの科学者としての間違いを明快にガツンと引っ叩く流れも含めて気持ち良かったね(トジテンド離反時にイジルデに自分の想いを見事言ってやったブルーンがここで改めてイジルデに強く言い返してやってたり、マジーヌが感情剥き出しの口撃でイジルデ撃破までの勢いを作ったりとか、キカイノイド組が細かく見せ場持ってたのもグッときた)
こうしてゼンカイジャー達の強い想いの前にイジルデは完膚なきまでに叩きのめされることとなりました。イジルデ、技術と忠誠はホンモノだったけど科学者としての信念と独創を欠いていたがために英傑たり得ず、それでいて身勝手な悪逆を尽くしたがために介人とその仲間達が紡いだ絆と前に進もうとする意志に敗れた、実にらしい感じの因果応報な決着であった。悪役として良い存在感だったぞ 南無。
そんな激闘が繰り広げられる中、いつのまにかフリントの身体に乗り移ったゲゲは怪しく暗躍しており...
以上、ゼンカイ第47話でした。物語の総決算的描写の数々にテンションも上がっているこの局面、色々見所はありましたがやっぱりステイシーくんとヤツデ婆ちゃんの描写がむちゃくちゃ良かったな...と改めて。良い集約と昇華で胸打たれ感動しました ほんと名演を見せてくださった御二方に拍手です
ゼンカイジャーも残すところ2話。まだまだつけるべき決着は多く残っております 最後まで見届けましょう。
というわけで今回はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございます。 読んでて共感できたり楽しめたりしたところがあれば幸いです
気に入っていただけたら次回も読んでいただけるとありがたいです。感想をくださったり記事の拡散等をしていただけたりすると更に喜ぶぞ!!
ではまた