AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

一緒の喜び、一緒のパワー

デリシャスパーティ♡プリキュア

第4話「ふくらむ、この想い...キュアスパイシー誕生!」

感想レビュー

 

 

【朗報】華満らんさん、まともなメシにありつける

良かったねらんらん!!来週まだヤムヤム変身回じゃないからメシマズエンカウントする可能性は途絶えてないんだけどね!()

 

新学期のスタート、ゆいとここねの交友、そして新しいプリキュアの誕生を描いた今回のエピソード。第1話冒頭に部活のシーンあったからあんま気にしてなかったけど、まだ学校始まってなかったんだな...!というちょっとした驚き。

そうして話の舞台が学校にも移った中でも、マリちゃんがしっかり存在感を発揮してたのは非常に嬉しいところだったわね 戦闘面はメタフィールド(違う)展開する関係で必然的に参加するしその後もしっかりプリキュアの戦いをサポートしてくれるので安定の頼もしさだし、日常パートでもうら若き女子中学生の友情溢れる時間に無闇には立ち入らない一歩引いた立ち振る舞いが素敵だしでほんま良い大人よね。それでいてホントは羨ましくてこっそりついてきたりと可愛いとこも見せてくるのがニクい。w「羨ましくてこっそり来ちゃったなんて、恥ずかしくて言えないわ!」「イッテルヨ-」のやり取り好き

 

今回のストーリーはここねの人となりや背景により強くフォーカスするストーリーラインとなっておりましたが、「人と関わるのは疲れるから1人でいるのが好き」と語りいつも澄ました表情して無口でクールな振る舞いをしてる一方で、自分のことをひそひそと「芙羽様」と呼び遠巻きに羨望を送るクラスメイト達がいる教室を1人後にする背中にはどこか哀愁が漂う、という感じでここねのキャラ性がかなり繊細に描写されていたのが目を惹きましたね。「1人でいるのが好き」というのはここね自身のスタンス/性格として嘘ではない(少なくとも本人は自分のことをそうだと思ってたであろう)って感じだったけど、前回ラストの食卓のシーンとか今回の学校での様子とかの描かれ方がここねのある種の孤独感を醸すニュアンスを感じさせるものだったのを見るに、ここねは心のどこか自覚してないところでは自身が1人であること/周囲が自分と距離を置いてることに寂しさを覚えていたんだろうなぁ、と。人より裕福な環境にあるというだけで同年代の人間からさえも(冗談混じりな部分はあるだろうとはいえ)「様」付けで呼ばれ近寄りがたい存在扱いされるし、普段の家でも家族と一緒の時間が少ない、という感じで触れ合いが少ないことで、そっちに慣れて“しまった”という面があるのかもなぁ...

 

そんなここねと純粋に友達になりたいという想いから一心にアプローチをかけるゆいとの交流を経て、誰かと一緒だからこそ生まれる大きな力や温かな気持ちをここねが知っていく流れは凄く心温まるもので良きでありましたね。1人じゃできないことも誰かと一緒ならできるということも誰かと一緒に食べる食事はもっともっと美味しいということもここねが今まで通り1人だけだと絶対に分からなかった、というところで、それらを教えてくれたのが彼女との間に壁を作らず積極的に触れ合おうとしたゆいの純粋な気持ちだった、というのが凄くグッとくるところよね...成人男性担いでいけるゆいだったらあの大きなマットもワンチャン1人で動かせた可能性はあるけど(身蓋無)

そうしてゆいに絆されていったここねがだんだん砕けた表情や言動を見せてくのも良かった。見てたかコメコメとパムパムにうるうると見つめられてた時のあのたまらん表情のかわいさを(完全に「どうする?アイフル〜」の構図で笑った) ゆい共々極端にデフォルメされたようなデザインで描かれてるカットもあったりともう既にけっこう緩い描写されてたの面白かったなぁ。w

 

という感じでここねが「誰かと一緒だからこそ生まれる力や気持ち」の尊さに気付く流れを描くにあたって、ゆいが無理に「1人よりみんなの方が良い!」って感じにグイグイ主張するのではなく、「一緒ならなんだってできるよ!」みたいな感じで優しく諭したり、ここねが好きな1人の時間を自分が邪魔したんじゃないかと気にする仕草をさり気なく入れたりと、ちゃんとここねの性格とかを尊重する言動を細かく取っていたのもとても好きなところ。ここね自身、家で1人大好きなパンを食べてる時もちゃんと幸せそうなのが描かれていたわけだし、1人でいることやそれを好きだと思うこと自体は変なことでも不幸せなことでもない(その上で「誰かと一緒だともっと楽しいかもよ?」というのも考えさせてみるものとして)、と緩やかに肯定するニュアンスを含んだ作劇になってたのが、優しさを感じられて良かったなぁと(ここねの場合前述したように彼女自身が1人でいることをどこかで寂しく感じていたであろう部分が感じられていてその上でゆいと一緒に食べるパンがもっと美味しいと感じられた、というところで、「誰かと一緒」も良いことなのだと気付く機会が持てた、ということこそが大事なのよね)  前作トロプリでも、1人遊びが好きな子のスタンスを尊重する(その上で同じ好きなことを共有できる楽しさもあり得ると伝える)作劇が入れ込まれていたし、近年の作品においてマイノリティ(に見える人々)に優しい細かな気遣いがさり気なく作品に織り込まれてるのはとても良いね

 

そして戦闘パート。戦いに赴いていくゆいを追って自らフィールドの中に飛び込んでいきそこで大切なものを守り救うために戦うゆい/プレシャスの姿を目にしたことで、「誰かと一緒であることで感じられる温かな気持ち」を教えてくれたゆいを助け、また一緒にその気持ちを感じたいという想いを胸に、みんなが示した逃げ道を敢えて選ばず「ゆいと一緒に大切な場所を守るために戦う」ことを選んだここねが、その気持ちと通じ合ったパムパムと共にキュアスパイシーに変身、とここの一連の流れはとても文脈がしっかり乗っていて熱かったね...!1人が好きだったここねがゆいを追い咄嗟に未知の場所へ飛び込んでいく様や、逃げてもなんら悪いことではない場面でゆいを助け共に戦うために危険な場所に残る様など、ここねの「誰かのため」という気持ちの発露を象徴的に印象付ける構図はとても沁みたし、そんな自分の中に膨らんだ新しい気持ちをここね自身もしっかり自覚し前を向く姿は実に力に満ちていてグッときたなと(ここねが好きなパンに準えた「気持ちが“膨らむ”」という表現を用いた言葉遊びもグッド) ここねってけっこう静かめな声色でささやかに喋るイメージのキャラなので、今回の決意のタイミングで力強い声色になってたのも良いポイントでした

そんなここねのスパイシーへの変身バンク、変身途中のパン型のエネルギーを小さな一口で少しずつ食べていくモーションが、ゆい/プレシャスの変身バンクにおけるおにぎり型のエネルギーを思いっきり頬張るモーションとの良い感じの個性付けになってたのが面白かったなぁと。こういう部分でキャラクターの個性が出るのは見てて楽しい

からのプリキュアとスパイシーの初協力戦闘。プレシャス1人で敵わなかったウバウゾーを相手に、初めてとは思えぬコンビネーションで華麗に捌き倒す流れは、「誰かと一緒ならなんだってできる!」といって自分を助けてくれたゆいに報いるように、今度はここねがその言葉を体現しゆいを助けたって構図になっててとても気持ち良かったなぁ。駆けつけたスパイシーを見て「“芙羽さん”なの?」って聞いたプレシャスに「“キュアスパイシー”よ」って返すところも、プリキュアシリーズ恒例の「変身中は固有名で呼ぶ」法則の踏襲でありつつ、ここねがゆいの横にちゃんと一緒の戦うプリキュアの仲間として並び立ったことの表現になっててまた良かった とかく今回はここね周りの文脈の乗せ方が巧すぎるな

しかしキュアスパイシー、本編への登場前からだいぶ好きなビジュアルではあったけど、動くとまたいっそう好きになったわね ツリ目で青カラーのプリキュアってカッコいいし可愛いよなぁ ヒープリのフォンテーヌもだいぶ好みだったしこういう系のキャラには弱いのかもしれん自分

 

その後は、ゆいと一緒にまたパン屋へと赴いたここねがゆいと共に味わうパンの美味しさに顔を綻ばせ、心からの笑顔を見せる、というところで締め。最初一緒に行けなかったマリちゃんも今回は一緒なのが良い心配りで好き ずっとクールな表情の方が強かっただけに、「誰かと一緒」という新しい楽しさを知って今までにないくらいに気持ちの良い明るい笑顔を最後に見せて引くというのが今回のエピソードの集約として凄く良かったな...と 一度言おうとして言えなかった「ありがとう」を最後の方にゆいにちゃんと伝えられたのもグッときた

 

 

以上、デパプリ第4話でした。例年よりちょっと遅めのプリキュア2人目参戦となったけど、ここね周りのドラマをゆいと絡めてしっかり劇的に引き立てたストーリーラインがとても沁み入るものになっていて、待ちに待っただけの感動はあったなぁと 印象深い構図の魅せがふんだんにあって実に見応えがありました

次回はここね周りの掘り下げをもう一つ、という感じでまだヤムヤム登場は先らしく、かなりじっくりキャラを練って描いてる感じがあるので、そこからどんなストーリーが織り成されていくか楽しみです

 

というわけで今回はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございます。 読んでて共感できたり楽しめたりしたところがあれば幸いです

気に入っていただけたら次回も読んでいただけるとありがたいです。感想をくださったり記事の拡散等をしていただけたりすると更に喜ぶぞ!!

ではまた