AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

変わるものと変わらないもの

ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会

第12話「花ひらく想い」

感想レビュー

 

 

中須推してねぇ奴いる?いねぇよなぁ!!?(未視聴クソ雑東リベ擦り)

みんなが次々ファンの子達に連れられていってかすみが取り残されるという不憫コミカル描写を入れつつ、最後にはかすみのファンの子もやって来てくれる流れにしてくれてたの良いよね 不憫三枚目キャラというかすみのポジションに甘んじすぎずちゃんとバランス良くキャラを大事にしてくれてるのが嬉しいし、メンバーそれぞれのファンの存在をしっかり描くことで前回示した「ファンも自分の好きを全力で表現する」というテーマをしっかり貫徹してる真摯さが好きなのよね

 

とんでもねぇ空気での引きとなった前回からの続きで、侑と歩夢それぞれの夢と往く道を描いた今回のエピソード。とりあえず歩夢さんが前回侑を押し倒したことを「恥ずかしい」と省みていたことに安心します() 冷静さを欠いて独占欲とかが爆上がったままに侑を押し留めようとして半ば暴れる形になっただけで、特に官能的なアレになったとかではなかったんですね???(言い方)

 

前回は「侑だけに自分の夢を見ていて欲しい」「侑が自分を置いて先に行ってしまうのは嫌だ」と、ある種の嫉妬や独占といった感情を含むほどに侑に対する強い想いを露わにした歩夢を濃く描いていましたが、今回はスクールアイドルとファンが一つになってみんなの“好き”が繋がり世界が大きく広がっていく中で、侑以外にも自分の夢を応援してくれるファンが増えていることや侑が自分の道を真っ直ぐに進んでいることを本当は嬉しいと感じてもいた」という歩夢の更に奥底の気持ちを掘り下げ描いたのが大きなポイント。侑の存在を「自分にとってとても大切な存在、一緒でないと一歩も進めないと思えるほどの存在」であると今までずっと強く据えていたが故に、侑以外にも「自分の夢を応援してくれて嬉しい」と思える大切な存在が増えていること・自らの道に真っ直ぐ向き合い進む侑の前進を応援したいと思っていることに素直に向き合えない、それを受け入れることで色んなものが変容していくのが怖い、といった感じの歩夢のより複雑な感情模様が目を惹いたところでしたね。自分を応援し支えてくれる人達の存在/それに対する嬉しさや喜びを認めると自分の方が侑から離れていってしまっているように感じられてしまうし、侑が前へ進んでいくことを応援すれば侑が自分よりも先を行ってしまうように感じられてしまう、という、自信がスクールアイドルや同好会に深く触れあっていった中で芽生えたもの/得たものと、幼い頃から侑と一緒にいるからこそ抱いている自分の想いとの自己矛盾に葛藤してる、みたいな繊細さが前回のクソデカ大胆感情の裏にあったというところで歩夢のキャラが一つまたグッと深まった良い描写だった

特に「大切なものが増えていくことで自分が侑から離れていってしまうように思えてしまう」と惑う歩夢の姿は、侑に向けてのデカい感情が目立った前回からは窺い知れなかった外側の色んな人達全体、および内なる自分に向けた感情の描写として強く惹かれたところでしたね。そういう感情を自覚したからこそその裏返し的な感じで「私だけの侑ちゃんでいて」の感情が強く出たようにも思うし、そうして自分の気持ちに戸惑いながら少し我儘になりなったりもするところなんかもひっくるめて人間味よね

 

そんな歩夢の心を動かし、歩夢が自分を見つめ応援してくれる侑やファンのみんなの気持ちに改めてしっかり向き合うきっかけとなったのが、せつ菜の後押しを受けて感じた「大好きの気持ちは止めちゃいけない、我慢しちゃいけない」という想いであった、というのは本エピにおいて特にグッとくるところ。本作の物語はなんと言っても、第1話にてせつ菜のライブを通じて侑が心に感じたときめきのままに動いたこと、そしてそんな侑の想いに応えるため歩夢が自分の“大好き”に向き合い進む決意を示したことが始まりだったわけであるので、そんな大好きの気持ちを素直に解き放ち一歩を踏み出した歩夢が、今度は侑だけでなく、自分を応援してくれるみんなのために新しい一歩を踏み出す、という流れが原点の踏襲および更なる発展として鮮やかで気持ち良かったなと。 「大好きの気持ちは止めちゃいけない、我慢しちゃいけない」というテーマは、上記の第1話の流れ含め本作の序盤の展開を牽引した大きな要素であったわけなので、それを今一度、序盤の展開の中心にいた歩夢を通じて改めて深め、歩夢の主人公性・成長性をしっかり光らせたのは良い作劇だった やっぱりこういう序盤の関係性や構図、テーマ性を今までの蓄積を含めてより良い発展の形で示し、終盤の盛り上がりたらしめる絵作りはたまらんね...

そうして前進し皆の下へ向かった歩夢を待っていたのが、侑やファンのみんなが歩夢のことを想い作った花のステージだった、ということで、サブタイの「花ひらく想い」を、歩夢の内に秘めていた想いの解放、および侑やファンのみんなが紡ぎ開かせた想いの象徴、という意味合いによって綺麗に回収・昇華したのもまた良きでしたね 他の方が言ってたけど、冒頭パートの登校シーンでは侑を離すまいと腕を組み身を寄せていた歩夢が、後半のここのシーンでは駆け寄ってきた侑もファンのみんなも含めて大きく手を広げ抱きしめている、というのが、侑だけでなくみんなのために歌う気持ちを強めた歩夢の心情の変化の対比による象徴的な描き出しとしてまた絶妙であり、象徴的な構図による画の味わいの引き立たせ方がグッドだった スクールアイドルとファンが一つに、という終盤のテーマがここでもしっかり貫かれてるしとても良いストーリー演出だったなぁと

 

ここにおいて侑が、みんなを応援するために自分の夢に向けて前に進んでいく中でも、歩夢への想いはずっと変わらない、という、大切な歩夢を応援すると約束した時から今も変わらない気持ちを歩夢へとしっかり伝える流れも実に沁みたね。この辺は「みんなを応援したい」というところから始まった侑のキャラ性として序盤からずっとブレてないところだけれど、歩夢が「侑だけでなく、みんなのために」という想いを抱き歩き出したところで「みんなのために、という想いの中でも、歩夢のことを応援するという気持ちも変わってない」と伝えることは、大切なものが沢山増えていく中でも応援したいと思った最初の気持ちがずっと同じだというところはお互い同じ、という歩夢と侑の関係性がグッと強まる形に繋がってより良かったなと 自分の世界が侑だけでなく色んな人達に向けて大きく広がる様を描いた歩夢に対し、色んな人達を応援したいという気持ちの中にずっとある歩夢への想いが改めて強調された侑、という感じで2人のフォーカスのされ方はある意味対照的だけど、それがしっかり噛み合ってるのが巧いんだよな

しかし侑さん、歩夢に自分の気持ち伝えるのに「変わらぬ想い」の花言葉の花を差し出すのちょっとイケメンが過ぎませんかね() 「歩夢を最初から可愛いと思ってたのは、私なんだからね」とかしれっと言っちゃうしそういうとこなんだぞ高咲

 

そして音楽科へと転科し音楽の道に進む気持ちを強める侑と“みんな”のために歌を届ける想いを固める歩夢、それぞれが自分の道を見据え進む決意を示す、というクライマックスのシーン、ここもとても綺麗で良き。自分の夢に向けてそれぞれの道を進んでゆく2人が、ずっと一緒に支えてくれた相手に“自立”の意を込めるように「今までありがとう」って言うのが凄く良いよね... ステージに立ち魅せるのは他でもない自分自身、という以前にも上がったソロアイドルのテーマに通ずる味わいが醸されてるのがまた作品ならではの魅力の出し方でとてもグッとくるね

ここから披露される2つ目のソロ曲「Awakening Promise」をバックにした歩夢のソロパートも、話の流れをグッと引き立てるドラマチックなものでとても素晴らしかったところでした。主人公らしくソロ曲をもう一曲携えてここぞでパフォーマンスするの流石ですよ歩夢さん...!第1話で侑に向けて自分の歌を届けたのと同じ場所で、今度は「みんなに歌を届ける」という意志を乗せて高らかに歌う、というメッセージ性の込め方が凄く美しくて唸るし、歌詞の中にも「伝えよう 沢山のありがとう」と“みんな”に向ける歌なのをしっかり示すものがこめられてるのがとても良きであったね  文脈の乗せ方が総会だった  心なしか曲調も最初のソロ曲「Dream with you」より快活な感じで聴いてて気持ちが良いんだよね

 

かくして皆それぞれ色んな想いを抱き、一つの目標に向け進んでいく。

スクールアイドルとファンの祭典、スクールアイドルフェスティバルに向けてー

 

 

以上、ニジガク第12話でした。歩夢と侑、2人の想いの進展や関係性の変化をドラマチックに描き出しつつ、そこに本作ならではのテーマ性も細かく乗せていく作劇が非常に見応えある、クライマックスに相応しい盛り上がりを作ったエピソードでありました。テーマ一つ一つやキャラの内面の動きの描き出し方の真摯さがやはり良いねニジガク 魅入っちゃうわ

さていよいよ次回最終回。このまま熱量高めに最終回の感想書いて2期のスタートに臨みたいと思っていますので、近くアップ予定の最終回の記事もどうぞお待ちを ニジガク熱マックスだぞ!!

というわけで今回はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございます。 読んでて共感できたり楽しめたりしたところがあれば幸いです

気に入っていただけたら次回も読んでいただけるとありがたいです。感想をくださったり記事の拡散等をしていただけたりすると更に喜ぶぞ!!

ではまた