AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

呆れるほど真っ直ぐに

ウルトラマンデッカー

第5話「湖の食いしん坊」

感想レビュー

 

 

来週、総集編!!w うがあああああああああ(激昂)

Z、トリガーとここ最近特別総集編入ることがザラになったなぁ...このご時勢だし色々本編映像の編集作業やらなんやらが大変なのかもだが途中で話の腰を折られる感じがあるから困るんや 前2作は五輪の延期や開催との被りとかあったからまぁ納得できたんやが 今後はなるべく本編が連続するといいなぁ

 

地球に取り残されたピット星人・ユウコとそのペットのエレキングを巡る波乱に巻き込まれていくイチカを主役とした今回のエピソード。宇宙人の登場はウルトラシリーズでは定番も定番のど定番だけれど、地球に不時着したもののスフィアのバリアの影響で帰れなくなった、という変化球気味な設定で宇宙人の存在を出してくるというのがスフィアによって宇宙から隔絶された地球を舞台とした本作らしくて面白かったですね(「スフィアの影響で苦しむ人々」というデッカー全体に通ずるテーマを種族の壁も越える形でバチッとはめ込んで幅を出してきた鮮やかさも良いよね) 今後もこういう感じで捻り入れて宇宙人出してくるのかなぁ?

ちなみに今回登場のピット星人のユウコは、本エピを担当された辻本監督が昨年手がけた特撮ドラマ「超速パラヒーロー ガンディーン」にヒロインの一人として出演されていた中村守里さんが演じるということで放送ちょい前からおおっとなっておりましたね。てかよく考えたらガンディーンってアスカ、もといつるのさんが出てたんだよな...巡り巡ってデッカーと繋がるとはなんと奇妙な縁

辻本 貴則 / Takanori Tsujimoto on Twitter: "来週の『#ウルトラマンデッカー』も監督担当回です。予告編の通り、来週は村山優香さん演じるイチカ隊員活躍回! ゲストに謎の少女ユウコ役で中村守里さんがご出演。中村さんは昨年演出した『超速パラヒーロー ガンディーン』でもご一緒しました。そして登場怪獣はエレキング! ㊗️セブン生誕55周年🎉" / Twitter

 

今回の怪獣はニュージェネシリーズだとジード以来のだいぶ久々な登板となったエレキング(ピット星人はZ以来なのでそこまでだが)でしたが、まさか新造スーツになってるとは夢にも思わなんだので予告時点からかなり惹きつけられましたわね ジード本編やVRショー的ななんかに出てたスーツはけっこう皺寄ってくたってきてた感じだったので、エレキングの特徴なつぶらなお顔に両生類的なつやつやボデーが今一度良いクオリティで戻ってきたのは良きでした ちょこちょこ歩いたり飼い主の真似したりわんこじみた仕草が可愛らしいエレキング良いよね

今までありがとう前エレキング、これからよろしくな新エレキング

 

ともあれメイン格での活躍と相成った今回のイチカでしたが、今までカナタとソウマの間に立ってのバランサー的な役割が多かった分、他の二人が絡まない中での単独での立ち回りが主となった今回はイチカ当人の人となりがよりいっそう深掘りされた感じがありましたね。ユウコとエレキングのことを知っていくほどに優しく寄り添っていってあげる共感性の高い人柄は勿論のこと、その優しさや共感性故に相手に感情移入しすぎるきらいもあり、1人で色々抱え込んで突っ走りがちな部分もあるという良くも悪くも青臭い一面が感じられたのはなかなか面白かったところ。前述したカナタとソウマの間に立つ立ち回りにちょっとオカン的な雰囲気を感じてたとこもあったし、こういうの見るとやっぱり2人と同じようなまだまだ未熟な若者なんだなと(ユウコがピット星人の姿を現してしばらくの間割と一方的に警戒してた辺りも、その手の存在への耐性や慣れの無さみたいなのが感じられたし)  イチカが突っ走り出すとカナタとソウマの方が完全に諌める(というかツッコむ)側になるのもなんか緩さがありつつも絶妙な関係性のバランス感で良いよね

 

そんなイチカに対する形で、彼女が一人で動いて自身の仲間からの信頼を揺るがしたことをきっちり咎めつつも、その心意気を汲み協力する意志を示してくれたムラホシ隊長の相変わらずの良い大人っぷりが光ってたのも今回物凄く良かったところでした。カナタ達未熟な若者トリオを精神的に支える役回りをしっかり果たしてる安心感が非常に高い...「TPUがそんな融通の利かない組織だと思われてたとは心外ですよ」という、イチカへの説教と彼女の想いに応える意を同時に示す言葉回しがまた絶妙で、ここの台詞を境にしっかり説教のフェーズと協力への意を示すフェーズをシームレスに切り替えてるのが素敵  スフィアの影響に巻き込まれた者同士種族は関係ない、共に協力し合おう、という柔軟で懐の深い人柄もウルトラシリーズの隊長らしい渋さで、これはもう理想の上司にして人間としても純粋に尊敬できる男だな...と ずっと好感度上がりまくってんだが!?

そういえばムラホシ隊長、今回気付いたけど部下達に教えを説いたりする時とかの厳しめの姿勢の時には眼鏡を外す仕草がある(そうでない時にはまたかけ直す)っぽいよね 思い出す限りたしか1、2話辺りにもそういう仕草やってた気がするんだけど、どうだったかなぁ これは機会があったら見直さねば

 

まぁそんなムラホシ隊長も展開の都合上結果的にはエレキングを興奮させちゃう遠因になってしまったわけだけど、ここでカイザキ副隊長が隊長をきっちりお説教してバランスを取るのがまた面白かったですね。w 事を急いてしまった自分の非をちゃんと認めてるが故ではあるけど、こういう時隊長が副隊長相手にちょっとしおらしくなる絵面はなんか微笑ましかったw

またここの隊長と副隊長のやり取り、ムラホシ隊長の責任にきちっと触れてオチをつける流れになってるというだけでなく、カイザキ副隊長の怪獣の専門家というキャラ性およびその有能さを静かに印象付けると共に、彼女が隊長に次ぐポジションとして物事を俯瞰し時に指摘できる存在であることを示す流れにもなっていて、副隊長のキャラの良い深掘りになってたのが何気にかなり巧みな作劇で凄く良かったなと。まだまだメインでのフォーカスが無い中でちゃあんと「副隊長」のポジションを飾りにしない見せ方として非常に上手で感嘆しましたね  副隊長の説教を真摯に受け止めつつ自身が信じた部下の熱い想いにしっかり触れて推してあげる隊長とそんな隊長の人の良さ(と危なっかしさ)を「しょうがないなぁ」的な感じで冗談混じりに受け止める副隊長、という2人の信頼感を感じさせるやり取りもめちゃくちゃ深みあって好き。この大人組の関係性もコンスタントに良い感じで見せてきてるのが手堅いよなぁ

今一度実感するけどデッカーはメインキャラの面々の印象付けが相変わらず満遍なく、且つどれも印象深いのが良いよなぁと。今回も割と気兼ねない感じの軽い喋りを交わしてて関係値の上昇が感じられたカナタ・ソウマの会話といい、カナタ以外にもちょっと砕けた雰囲気で接してるケが出始めてきたHANE2といい、イチカ・隊長・副隊長以外のキャラ達にもそのキャラ性や関係性がグッと映えるやり取りや言動が多くて面白かったし、ほんとかなり一人一人の描き方をさり気なくもかなり丁寧に詰めてきてくれてて最高 こういうなんてことなさそうなシーンでのやり取り含めた細かな蓄積に継続にこそキャラが持つ読み手を引き込む魅力/パワーは生まれると思うので、これが実にデッカーの強いポイントですよ

 

戦闘パートの方も相変わらず見応えアリで非常に満足。エレキング戦もウルトラシリーズではけっこうよく見てきた印象だけれど、カラフルな色合いのデッカーとのマッチが綺麗で面白かったし、電撃エフェクトバリバリの攻撃で押しまくるエレキングの攻撃がビジュアル的に派手で目を惹いた今回の戦闘はまたなかなかに味わいがあったしと、新鮮さ満載で良かったですな。辻本監督はエレキング初演出だったそうだけど実に良い魅せでした(ミクラスの参戦、2代目との戦闘をどこか彷彿とさせる夜間郊外のシチュエーションなど、ほんのりオマージュっぽい構図があったのも遊び心あって好き)  ユウコみたいに動きを真似するエレキングを可愛がってたのに途中急にどつかれてまた戦闘になっちゃうデッカーくんが不憫で笑った()  今回初登場と相なったラクルタイプも、ダイナのミラクルタイプに負けず劣らずのべらぼうに神秘的で何でもアリな技の演出が目を惹き、デビュー戦としては上々。もっと派手なバトルも見たかったけどこれは次回までお預けかな 楽しみだ

 

最後はミラクルタイプの力で元に戻ったエレキングの適切な飼い方をユウコがカイザキ副隊長の指導で教わりまた平穏が戻る流れで締めとなり、エピソード全体通して「ペットは大切な家族/友達だけど、適切な飼育でしっかり責任を持って育てよう」という教訓を示したのがまた面白かったところでした。エレキングが可愛くてつい甘やかしたユウコが食事をたっぷり与えたがためにエレキングが大きくなりすぎて、やむなくエレキングを外に放した結果周囲の人々に図らずも害になってしまう、というのはまさしくペットの飼育放棄、およびそのペットが起こす問題という感じだし(ユウコは完全に手放し責任み放棄したわけじゃなく、仕方なく外で放し飼いにする他なかったって感じだが)、怪獣特撮的な魅せと合わさって良いメッセージ性が出てたので上手かったなと。「でっかくなって腹を空かしたエレキングに餌を更に与えて一時的にどうにかなったとて、ちゃんとした保護や管理の仕方といった後先を考えないと意味ない(その場凌ぎでしかない)」的な感じのムラホシ隊長からイチカへの指摘もまた感情移入するだけではどうにもならない「生命(動物)への責任を持つこと」の重さをしっかり伝えていて然りであったし、みんなは一度飼ったペットは適切な飼育で最後まで責任を持って育てような 半端に情をかけて「死なすのはかわいそうだから」と手放したりするのは人間や他の生命にいずれ害を為し得るし、そうなれば最終的には結局駆除することになって誰も救われないからな

 

 

以上、デッカー第5話でした。イチカの更なる深掘りを中心に、メインキャラ達をいっそう印象深く掘り下げた作劇が非常に面白い良いエピソードでしたね ウルトラシリーズらしく現代社会にも通ずる問題へのメッセージ性を含ませたSFテイストにストーリーも良き ミラクルタイプの戦闘にもう一つくらいパンチが欲しかったかな?とも思うけど実に満足

相変わらず安定感があってデッカーの物語は依然存分に楽しませてもらってますね 今後もガンガン盛り上がっていって欲しいところです なんで来週総集編なのよォォォォォォーッ

 

というわけで今回はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございます。 読んでて共感できたり楽しめたりしたところがあれば幸いです

気に入っていただけたら次回も読んでいただけるとありがたいです。感想をくださったり記事の拡散等をしていただけたりすると更に喜ぶぞ!!

ではまた