AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

焼き払われるツインテール軍団(無情

ウルトラマンデッカー
第6話「地底怪獣現わる! 現わる! 」

感想レビュー

 

 

総集編挟んで2週間ぶりのデッカー本編は染みるねぇ!!!(禁酒後のビールみたいな感想)

 

というわけで久しぶりのウルトラマンデッカー。待ち侘びたぜ...!

間が空いた分今回の第6話はとても楽しみにしていた一方、予告の雰囲気からしてちょっと普通の内容のエピソードっぽかった(面白くなさそう、という意味ではない)ので久々のデッカー視聴としては味気ないかもなぁ?と思っていた面もあったのですが、ソウマのキャラ性をグッと深掘りしその活躍も劇的に描きつつ、パゴスのみに止まらない怒涛の怪獣大進撃特撮を大迫力に描き出した内容が実に豪華で脱帽。そんな心配なぞ杞憂だぞと言わんばかりに1週間本編のお預けをくらった視聴者達をパワフルに引き込んでくる演出に感嘆させられましたね...これぞデッカーだよ

 

そんな今回は前回のイチカメイン回に続いてソウマメイン回。メインキャラのピックアップが良いテンポで行われてて嬉しい限り。

ソウマといえば第2話での無理を通そうとするカナタを「失敗は許されない」的な感じで咎める姿をはじめとして、潔癖なまでの完璧主義に見える生真面目なキャラが印象的であったけど、今回はソウマの活躍にフォーカスする中で、かつてTPUの隊員に命を救われた経験から抱いた「その隊員のように人の生命を救う仕事に就きたい」という想いの下、「自分達は人命を守り救う使命を背負う者達である」という責任をその身に刻んでいるからこそ完璧を常に目指している、という彼のキャラ性の根底にある強く前向きな信念が濃く描き出されていたのは凄くグッとくるところでありましたね。ウルトラシリーズの防衛隊に所属する者は皆多かれ少なかれ人命を救う事において常に失敗を許さない働きをすべしというのは胸に抱いているところであろうけれど、それを強めの言葉でハッキリ口にし決意としているというのはキャラクターの深みが一気にグッと増してカッコよかったぞソウマ その信念をカナタの前で語り、理解を示してくれた彼にほのかな笑みを見せる下りなんかもあったりして、以前に比べて仲間達ともより通じ合う関係性になったんだなぁというのを多くは語らずとも示してきたのも粋でグッド

 

潔癖すぎるくらいの完璧主義というのは創作作品においては割と危なっかしいものとして描かれることが多いし、実際最初の方のソウマのそういう言動にもちょっと危なっかしさは感じてたのでそこからの変化がどういうものになってくのか気になってたんだけど、今回の相馬においては完璧であるなくてはならないという信念に強い芯がしっかり通っていること、且つそれが自身の内と外両方からしっかり支えられてることを描くことで敢えてポジティブなキャラ性としてきたのは新鮮で面白かったですね。なかなか珍しいタイプのキャラ付け・掘り下げだったのではなかろうか 少なくともこの「TPUの隊員として完璧であれ」という点においてソウマが自分を追い詰めてしまったり方向性を見失ったりといった形で下手な暴走をすることはないであろうという安心感が感じ取れたのは大きいね TPU隊員に救われたことが原動力、という過去は以前にも語られていたけど、今回はそこに更に切り込むって感じで良い味が出ていました

またそんな信念を強く抱いているからこそ、色々なことをいつも注意深く観察することで活路を見出そうとしているという観察眼の鋭さをソウマの強みとして描き、ササメダケの花の観察やパゴス戦における戦術の編み出しによるデッカーや隊長達との連携を通じてそこを強調してきてたのも印象深かったところ。ソウマがどのような男であるか、というポジションが性格面だけでなく戦闘時の強みというところでもいっそうくっきりとして更に解像度が増したのが良きでしたね。カナタの努力をちゃんと見ていて認める旨の台詞を言う下りも、序盤からのカナタに対するソウマの認識の発展を感じさせる描写としてだけでなく、「ソウマは良く観察し動ける男」というところにもちゃんと通じていてキャラの巧みな深め方として感嘆するところであった  そこを動体視力や射撃の正確さなども含めた上で「見つめる天才」と隊長が評したのもまた秀逸。前回のイチカメイン回の締めとしてイチカのことを「真っ直ぐの天才」と評したところからの連続性もあったし面白いポイントでしたね メイン3人の若者達の満遍ない掘り下げとして意識してこういう言い回しにしてる節はあるし、カナタのことは何の天才とされるかが気になるな〜

 

とはいえ負傷してしまった後にも関わらずトレーニングに出たりといったソウマの使命感の強さ故の無茶しがちな面は今回も描かれていたし、ムラホシ隊長も「1人でも完璧に任務をこなそうとするその姿勢はまた弱点であり脆さでもある」と語ってもいたので、ソウマのそんな在り方をただ正しいというだけでない、どこかまだ未熟な一面であるというところも強調していたのは今後の展開への布石にすることも込みで良い取り回し。この辺もまた前回のイチカの行動に対する評価に通ずる部分があったし、これからの成長性として意図的に入れ込んでるんだろうなぁと。キャラの掘り下げが細やかだ  そこを支えるのはやはり共に並び立って頑張るカナタ達であり、そして隊長副隊長をはじめとした大人達であると思うし、隊長も言っていたようにこれから彼らがどのようにまとまり完成していくか楽しみだなぁと

 

という感じでソウマメインのドラマが面白かった今回でしたが、先にも述べた通り特撮面のド派手さも実に最高でありました。地面を割って現れ暴れるパゴスの圧倒的な迫力を演出する圧巻のミニチュア特撮で目を惹いてきたところからの、グドンテレスドンツインテールが次々に姿を現してくる怒涛の怪獣カーニバル展開、と大興奮でしたわよワタクシャ なんでサブタイトル「現る!」を2回言うねんと思ってたけど、マジに2回(以上)現れるというところでタイトル回収してくるなんて思わなかったよ

エクストリームちくわ on Twitter: "現る!現る! …ってそういう事だったんですね #ウルトラマンデッカー https://t.co/96J0fg21Pr" / Twitter

古くはタロウの再生怪獣軍団編にも通ずるのですが、怪獣がアホほど出てきてウルトラマン防衛隊とドンパチやる回はやっぱ最高なんですよね...それもただ漫然と怪獣を敵キャラとして出すだけじゃなく、エピの流れに乗せて個性豊かな“怪獣”として描いてこそいっそうその味は引き立つわけですが、今回は出現の予兆となる金の虹をはじめとした個性的な要素を色々見せてきたパゴス(デスドラゴよろしくトリガーでの登場を過去の出現例として出してきたのも世界観の共通性の提示としてグッド)や帰マンでの乱入シチュをオマージュしたような突然の登場で魅せたグドンなど、皆良い感じに個性溢れる見せ方や活躍でその辺押さえていたので満足でしたわね パゴス以外は予告で存在が示されてなかったから(グドンの鞭の描写はあったけどでっかくなったササメダケの蔓辺りが暴れてんのかと思ってグドンとは思ってなかった)OPクレジットで名前見て驚いたなぁ 良い感じのサプライズだったぞ  テレスドンは若干登場が唐突で出番も少なかったけどあのパゴスグドンと来ての連続は少なからずハラハラしたし、アギラの活躍の見せ場としては良かったので概ね満足(グドンはデッカー、パゴスはGUTS SELECT、テレスドンはアギラと上手く見せ場を配分してたのが巧いよね) ツインテールは...あの雑な蹴散らされ具合ならいっそまだお預けでも良かった気はする。w(群れでの出現は新鮮なシチュだったがまさかあんな蜘蛛の子を散らすようなやられ方とは...)

しかしパゴス、新造されたタイガ以降ここ最近のニュージェネでは何かしらの形でずっと出ずっぱり状態なので流石にもう魅せのパターン無いやろと思ってたとこあったけど、地面から文字通り“飛び出して”くるわデッカーの拘束を身体の捻りで外すわ立ち上がって前のめりに襲い来るわと今までにないアクティブさでインパクトを見せてきたのでたまげましたね...あんな動けたんかおまい...ほんとパゴスくん一時期のグビラ並みに出まくってるけど次作は出るのかな 流石にないかな

 

またそんな怪獣達とのバトルを描き出す演出の数々も実に見応え抜群で良きでありました。引き摺り込まれた地下空洞でのデッカーvsパゴス&グドンの対峙の構図を描く際の俯瞰の構図や地下空間内の岩肌を縫いながら舞うガッツファルコンを追うアングル、ミラクルタイプが地上へグドンを追いやり倒し着地するまでの流れの鮮やかさと外連味など、絵面の迫力や新鮮さは忖度抜きに劇場版クラスであったなと(ウルトラマン、防衛隊、サポートキャラがみんな入り乱れ、暴れる怪獣達を迎え撃つあのシチュがほんと豪勢でたまらんのです)。特に前者は薄暗い地下空間を緑の光が怪しく照らす中を大きく俯瞰するアングルがかなり壮大で、これをTVシリーズで見られるのか...!とかなりアガった  ストーリーの雰囲気や敵の規模、特撮演出のレベルに明確にTV本編とは一線を画す一段上の味わいや迫力があるのがたまらなく好きであった平成期ウルトラ作品群の劇場版の雰囲気に近しいものがあってかなり熱い気持ちになったんですよね今回 (TVシリーズの特撮のレベルが上がった故という喜ばしい面もあるとはいえ)ニュージェネシリーズの劇場版はやっぱどこか良くも悪くもTV本編の延長みたいなスケールに収まっちゃうところが正直あったので、実に懐かしい感覚であった  総じて1週間置いての久々の本編に相応しい、満足度100点オーバーの絵面満載の良いバトルであった グッド

 

 

以上、デッカー第6話でした。久々のデッカーということでまたスッといつもの視聴感に戻れるかしらとちょっと心配なとこもあったけどそんなこと杞憂なくらいに面白い魅せがたっぷりな最高のエピでしたね 怪獣がめっちゃ暴れてそれにみんなで立ち向かうシチュは良い...
ソウマ周りのドラマも凄く味わい深く、今後の布石も込みでとても面白かったです。相変わらずデッカーは良いな...と改めてなったね これからの展開も楽しみだぞ

 

というわけで今回はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございます。 読んでて共感できたり楽しめたりしたところがあれば幸いです

気に入っていただけたら次回も読んでいただけるとありがたいです。感想をくださったり記事の拡散等をしていただけたりすると更に喜ぶぞ!!

ではまた