AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

Live or die

仮面ライダーギーツ

第2話「邂逅Ⅰ:宝さがしと盗賊」

感想レビュー

 

 

道長くん、英寿と並んで頭一つ飛び抜けて強いポジションなのに違いないんだろうし実際劇中でも強くてカッコいいんだけど、なんか既に英寿に鮮やかにかませられるポジションのかほりがほのかに漂ってきちゃうんだよな...「アイツちんたらしてるし俺の勝ちだなコレ」みたいな態度とってたら見事に英寿にしてやられるという苦渋を味わわされた前回を経たのにまた英寿に「そんなハズレしか当ててないなんていよいよ命運尽きたなァ!!」とか言っちゃうの、また英寿にしてやられるフラグを自分で丁寧に立ててるようにしか見えないんすよ() 新規参戦者の壁として強烈な存在感を示してくとこにはなってくだろうけど、英寿相手には一歩及ばない、みたいなのが板に付いてしまいそうである ライバルポジとしての存在感をグッと固めるなら今のうちだから頑張れよ道長くん...

 

さてギーツ第2話、初回を飾った前回に続き序盤の重要な地固めを担うエピソードとなりましたが、今回も諸要素を上手いこと見せながら良い感じに盛り上がりを作ってて面白かったですね。「序盤だしまぁまだ面白いよね」的な警戒心が抜けない辺り我ながらだいぶ重症だなという感じではあるのですが...バイスくん聞いてる()  まぁそれ抜きにしてシンプルに体感として語るならばほんとにしっかり面白いですよ 期待値の上げ方を令ラ前3作とはまた違った感じにしてきてて新鮮

 

まず一番におっとなったのはやはり、前回に引き続いてライダーの退場/死にしっかりと重みを付与する姿勢が窺えたことですね。やっぱりライダーになる人間は復活の対象にはなり得なかったな...最近は多人数ライダーがザラになって退場するキャラが出てもマジにしっかり退場させることはほぼ無くなった分退場イベントが起きても内心「いつ復活するのかな」的な観念の方が先行してそこまでしんみりしないみたいな面があったというのが正直なところであって、それが良し悪し両方の側面はありつつもやはり緊張感には欠けるところであったので、そこにおいて本作は、人の良さ等が目を惹いて好きになってきたところでガッツリ退場となった前回の豪徳寺さん守るべきものや戦う理由をしっかり見据えていて必死に生きて戦い抜こうとする姿が心を打った今回の平さんと、たとえどんな人間であろうと等しく散る時は散るのだ、というところをライダーになるキャラを通じて容赦なく作品の方向性として描き印象付けることでこれまでと違う味付けをガッと刻み込んだのは好感。ストーリー全体の緊張感やキャラクターへの入れ込み度が一気に上がりましたね

まぁ身も蓋もなくメタ的なところを言ってしまうと豪徳寺さんも平さんもそういう役割ありきのモブキャラ(とは言わずとも準メインくらいだろうなと分かるキャラ)ではあるのでメイン級のキャラ達がその限りになるかは分からないのですが、その上で豪徳寺さんにも平さんにも単なるモブに収まらないキャラ性もきちんと短い間にスパッと示し、その死を我々視聴者にとっても「惜しまれること/辛いこと」としたことでしっかり重みを与え、単なる役割ありきなだけという印象にとどめなかったのは作り手としてのケジメや責任も感じられたし、この辺の取り回しのバランスも実に良きでしたね。この辺は割と同じバトルロイヤル括りの龍騎のテイストを上手く踏襲し活かしてるのを感じるので今後の膨らませ方に期待が高まる

 

あと玩具絡みの劇中アイテムのストーリーに乗せたスムーズで小気味良い繰り出し方も個人的にはかなり面白くて目を惹かれたところ。敵がドロップしたアイテムを回収し自分のものとして使用する、という設定を基本として示したことにより、わざわざそれっぽいイベント等のお膳立てをせずともアイテムが自然に必要なタイミングでポンポン出しやすい土壌を作ったのは序盤のアイテム販促ラッシュを乗りこなす上で上手いところであったし、何より誰がどのアイテムをいつ手にしてもおかしくはないというシチュエーションにしたことによるライダーとアイテムの組み合わせのランダム性・シャッフル感の高さをこの序盤からガッツリ面白さとして示してきたのにはかなり唸ったんですよねぇ。作品の顔とも言えるギーツの基本フォーム感のあるマグナムフォームになるのに必要なマグナムレイズバックルを2話目にして他ライダー行きにして、モブライダーに適当にあてがっておく使い方が普通であろうアームズ系のレイズバックルを現状ギーツが自由に使えるアイテムとして配置した状態で2話目を締め括るという思い切りの良さはなかなか(バッファがゾンビレイズバックルを既にしれっとものにしてたりレアアイテムじみたポジションのブーストレイズバックルがなんだかんだでまた英寿の下に渡ってたりとある種の巡り合わせみたいなもので特定のアイテムを特定のライダーの下に行き渡らせるお約束自体は当然設けていそうだけど、ゾンビも次回ギーツに奪られそうだしブーストは固定で誰かの手元に残ることはないのは確定してるしと、その辺のお約束も現状確実に固まってるわけではないというバランス感がまた良いんですよね。マグナムだって次回ギーツがなってなさそうなのを見るにいつまたギーツが変身するか分からないしね)

やっぱり番組の顔とも言える基本フォームの存在にガッと切り込んでまでアイテム所持のランダム性を高めるというのは玩具の遊びの幅を演出として魅せる上では大正解とはいえけっこう攻めてる感じはある(鎧武でも他ライダーのロックシードを使ったアームズチェンジは鎧武がバロンから借りたバナナを使った時とか劇場版の一時離脱ライダーのロックシードを使った時とか余程の例外がないとやらないってくらい滅多になくてどのライダーも基本フォーム・派生形態は基本固定だったし、強いて言えばメダルの種類/変身できるフォームの無規則な増減でハラハラさせたり終盤で基本フォームのタトバになれない期間が長く訪れたりしてたオーズがまぁ取り組みとしては近しいことしてたかなという感じだったけどやっぱりタトバ出さない期間自体は販促の緩まった終盤だったりとある程度揺らがせないようにはしてた感あったし)ので、本作はこの辺是非行けるとこまで行ってみて欲しいですね。アームズ系のレイズバックルでもなんだかんだで見事に立ち回る英寿/ギーツの巧みさとか、特定のバックルが特定のライダーのところへ渡っていく巡り合わせの強さとか、その辺の自主的な制約も面白く取り回せそうな諸要素は多いので割と期待して良さそうだし楽しみ

てかよく考えたらさっき前例に挙げたオーズも鎧武もギーツと同じ武部P主導作品ですね その辺のノウハウガッツリ活きそうだしやっぱりある程度期待して良いかも

 

そして後はなんと言っても高橋さんが描く癖強めなキャラクター達の立ち回りとこれからに対しての期待感に関してもかなり楽しみになるものは多かったなと。特に前回に続き今回もやはり利己性強めな俺様キャラといった趣の強さを見せつけ、近年の主人公ライダーとしてはだいぶ異質な感じをより際立たせた一方、息子の病気を治すという願いを叶えられないまま退場していった平さんに対しては家族に匿名で寄付金を与えて手術をさせたりとある種の責任を持つような行動を見せる、といった感じでまだ一概にこういう奴だと語らせないような振る舞いを視聴者に見せ続けた英寿の存在は一番に気になるところで、まぁ主人公なんだしそこまで露骨に拒否感出るとこばかりは見せないよなというメタ的な読みはあったとはいえ、前回みたいなしれっと人を助ける一面を見せるとかでなく、割とがっつり分かりやすい善行をこんな早期に見せてきたのはちょっと意外だったなという感じ。見せるにしてももっと先な気がしてた  とはいえその行動や心のうちを誰にも見せてない(視聴者的にも行動が見えてただけで何考えてるかは不明)というところはまだまだ謎というか、今後の展開を牽引する重要な部分(そもそも主義や目的、背景すら不明だしな)なので注目すべきポイントであるなと感じますね。ていうか「本人が意図的に語らない」というところでここまで謎めいた主人公自体だいぶ珍しいというか久々なのでどう取り回すかがもう楽しみね

一方、そんな英寿に代わって大衆的な主人公・ヒーロー感を担う存在である景和の今後も気になるところで、平凡と思ってた世界の裏で起きていた波乱や、その中で繰り広げられていた戦い、人/ライダーの死といったシビアさを当事者として目にしたことで、元々抱いていた「世界の平和」という望みをいっそう強くした感があったけど、これから彼がどう打ちひしがれていくのか、どうヒーローとして成長していくのか、みたいなところはだいぶ見所ですね。過去作の傾向的に言えば景和の行く道はヒーローとしてみんなの平和を望む道を貫くか、はたまた他でもない「自分自身」を主体とする望みを得る方へ変わっていくかだと思う(景和の望みは他の人も言ってたように、立派だけど自分自身を主体として渇望するようなものがないとも言えるので)んだけど、本作はそこを色んなキャラとの絡みを経てどう着地させていくかだね

フラギイ on Twitter: "タヌキさん、世界平和といえば立派だが言いかえると個人で変えたい切迫した問題はない、恵まれた人間なんだよな" / Twitter

他のキャラに関してはまだまだ読めないところが多い(祢音によく絡む気の良いおじさん感のあるメリー/小金屋さんが今後ずっと祢音の味方でいるのか、はたまたテイ良く尻尾切りするのかが割と気になる方)ので、この辺も見守っていきたいすね

 

 

以上、ギーツ第2話でした。最近のシリーズとは割と明確にガッと見所を転換させてきた印象のある盛り上げもあってこの序盤2話はなかなか上々な滑り出し。けっこう普通に楽しめていてそこはまぁ純粋な体感として良しですね。一方でここからどう化けていくかは良くも悪くも読みきれないのでまだ見守っていきたいところだなぁと バトルロイヤルとしてのシビアさとか、巧や天道じみた意図的に自分の背景とかを見せない主人公感ある英寿とか、平成1期じみた味わいを感じるのは楽しみなんだけど、平成シリーズ感あって良いかもと期待してたリバイスにしてやられた過去があるだけにちょっと恐る恐るなんすよね まぁ何はともあれポテンシャルは感じるので、どうか今度こそ舞って欲しいな 切に

 

というわけで今回はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございます。 読んでて共感できたり楽しめたりしたところがあれば幸いです

気に入っていただけたら次回も読んでいただけるとありがたいです。感想をくださったり記事の拡散等をしていただけたりすると更に喜ぶぞ!!

ではまた