AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

ちっちゃ...

ウルトラマンデッカー

第11話「機神出撃」

感想レビュー

 

 

大丈夫かテラフェイザー

大丈夫かテラフェイザー

お前の先祖は暴れたぞ めっちゃ操られて暴れたぞ

お前本当に大丈夫か 本当の本当に大丈夫か

ストカスやナースデッセイは(一応)大丈夫だったぞ お前のことも信じるぞ

嗚呼 大丈夫かテラフェイザー

信じているぞテラフェイザー

ごめん やっぱまだちょっとだけ不安

 

テラフェイザー大丈夫か高校校歌

 

数話前より登場が示唆されていたGUTS SELECTの新戦力・テラフェイザーがお披露目となった今回のエピソード。名前的にもデザイン的にも言わずもがなダイナのデスフェイサーをオマージュした本キャラですが、シルエットの一部等に原典をガッツリ意識したものはありつつ、よりサイバーパンク的な風味のを高め独自色も強めた感じのデザインがカッコ良くなかなか目を惹くキャラですよね 最近恒例になってきた防衛チームのロボ戦力の中でも特にスタイリッシュで良き 原典が原典なだけに未だに拭い切れない不穏感があるんだけども() チカチカチカ...みたいなデスフェイサーと同じ無機質なSEが踏襲されてんのすこぶる怖いんだよ!!

 

今回はそんなテラフェイザーのデビュー、およびその前に立ち塞がる怪獣達との攻防を描くという内容。題材的に少し緊迫感ある話になるかなと思っていたら意外にもコミカルテイストの話という感じで取り回されており、流れ自体はけっこう小気味良いテンポ感で楽しい感じでしたね。

ただ強いて言えば、全体を通しで観た感想としてはこのコミカルテイストな感じはちと今回のエピソード向きのテンション感ではなかったかなー、というのが正直なところ。テラフェイザーに乗り込むことになってテンパるHANE2を半ば問答無用でトスして運ぶカナタ達やそれに振り回されるHANE2、みたいなシーンがちょっと自分のイメージするデッカーのキャラ達のそれっぽくなかったかなぁ?という感じだったんですよね  こういう流れやコメディタッチの回で少しキャラが飛ぶこと自体はまぁ割と色んな作品でもよくあるパターンではあるのですが、デッカーのキャラは意外とこういう対話や会話の部分はじっくり詰めるキャラ達という印象だったので、コメディタッチの話というのを単に加味しても、そういう流れが意識された分ちょっとその辺のキャラの軸がブレちゃった感あったかなという感じでありました 個人的にデッカーの作劇自体がこういうところだいぶ丁寧というか繊細に取り回してきた印象なので余計にね(最初の方の反応が遅れる副隊長のシーンもちょっとらしくなくてん?ってなったし)  みんながHANE2の意志をしっかり問うか、HANE2が「やったらぁ!!」みたいに半ばやけくそでも腹決めて挑むかくらいのシーンが入ってた方がまだ飲み込めたかも

 

ただコメディに振った分楽しい描写とかもちょろちょろあったので総合的にはまぁ良きという感じ。カナタはまだしもソウマも巨大ロボにはウッキウキになってる様子は面白かったしね。w 小学生男子メンタル...()

あと今回のコメディ描写で一番楽しかったのはやっぱり等身大デッカーのシーン。でっかくなったつもりが意外とちっこくて舐められる的な下りはウルトラマンサーガのゼロでもやったけど、今回はより人間大サイズだった上に喋れなさとカナタの人間くさすぎる挙動が合わさっていっそう面白の絵面になってたのが笑った。w 同じ画角で人間とウルトラマンがわちゃわちゃやり取りする画は公式の本編でやるとシュールなんだなぁ() ウルトラマンチッチャーとか呼んだ人出てきなさい(

しかしこの等身大デッカーのシーン、ただただコミカルなシーンであったというだけでなく、共に肩を並べ背中を任せ戦う人間とウルトラマン、という最近のシリーズならではの両者のある種の対等さを押し出した距離感だからこその熱さもしっかりと演出していたのが凄く良かったところでありましたね。ニュージェネシリーズ辺りから強まり始めたこの辺のウルトラマンの近しさみたいな部分は、ウルトラマンに新たな親しみやすさを与えたり人間の主人公とのバディ感みたいなものを作劇上でグッと高めたりと新たな魅力を生み出す素にもなってるポイントなので、今回そこを上手く押し出しつつ、GUTS SELECTの面々とデッカーの絆的な要素の強調にも繋げてたのが良い感じだったなと思います。ソウマがデッカーに手を差し出して立たせてあげるシーン、人間がウルトラマンを支えるという王道の構図ながらも新鮮さもありグッときて良かったよね(前回のホークデッカーといい、この手の「今まで意外とありそうでなかった」感じの新基軸シーンの挿入・演出に関しては越監督が凄く良い仕事してくれたなと)

 

また今回は足木さん脚本回ということで、今までにも増して世界観共有のトリガー、および関連の作品の要素を小ネタ的に作劇の中へ積極的に入れ込んでたのが目を惹いたところでした。あの世界にかつて降り立ったキングジョーSCのことに触れる際にその時の映像を直接挿入したり名前を出したり、闇の巨人のことに触れる際そのイメージ映像を映したりといったところはちょっとやりすぎだったかなという感はあったものの(その作品自体にあまり直接的に絡まないキャラや出来事の様子までガッツリ見せちゃうとそれを知らない人が「これ誰ェ?それ何ィ?」ってなっちゃいそうだなと思えて不親切に見えちゃう、というとこで個人的にちと好みでないというのがあるので)あの世界に降り立った防衛チーム発ロボットの元祖としてのキングジョーSCの存在やかつて世界を脅威に陥れた闇の巨人の存在をテラフェイザー開発の起源に上手いこと絡めたのは巧みだったし(子供の頃それを見たカナタやソウマが心躍らせ巨大ロボ好きになったということを示唆したのも良き)、またそんなテラフェイザーを「地球の異物」として排除しようとするガゾートやライバッサーといった怪獣達の行動原理を、今回の「ウルトラマンデッカー」の一エピソード単位では怪獣の生態の未知性の一つというミステリアスな要素に留めて描きつつ、その実キングジョーSC=ウルトラマンZの世界の存在を描いたことでZ世界の物語について知ってる人には説得力のある描写としてほんのり示す形になってたのもまた絶妙でおおっとなったところだったので、この辺はなかなかに粋でグッド(地球の異物を排除しようとする怪獣達、といえば「ウルトラマンZ」ではウルトロイドゼロの一件でかなり濃く描かれた部分でしたからね...Z世界のことを知ってる人にはめちゃくちゃ腑に落ちる描写)

それに一番嬉しかったのは、何と言ってもガゾートがやっと原典のメッセージ性ドラマ性をさり気なくもちゃんと押し出す形で登場してくれたことですね。ポジション的にはテラフェイザーやライバッサーの前座という感じで倒されることもなくフェードアウトしたものの、テラフェイザーという人間の生み出せし文明の発展の産物が呼び寄せた脅威」という立ち位置でスッとお出ししてきたのはまさしく原典ティガにおける「電磁波という人間の開発により誕生し、人間に牙を剥くようになってしまった存在」というところを最低限良い具合に踏襲した感じになってて、これが見たかった!!と感嘆でしたよぼかぁ...(やらざるを得ない人間の開発とそれに干渉してしまう怪獣の存在、というところは前回副隊長がちょうど語ってたしね)  しかも何故ガゾートが現れたかに関しても、今回のエピソード単位だと「ガゾートはまだ研究が進んでいない怪獣」ということで前述した「地球の異物を排除しようとする怪獣達」というところと同様に怪獣の未知性として描き敢えて詳細はぼかしていたものの、原典のガゾートを知ってる人にはピンとくるものがある(後追いで原典ガゾートを知った人にもあぁー!となる)ようなギミックになっていたのでここも凄く良い塩梅であり、短い尺の中での見せ方としては大満足でありました。やっぱガゾートはティガ怪獣の中でも一際色んなものが込められてる怪獣だからそこを活かしてこそよ 何度もちくちく言っちゃ悪いけどトリガーでの扱いには本当に何も納得してないしこの先も納得できそうにないレベルで不満しかなかったでな...(脚本が初挑戦で慣れてなかったことや販促とかに追われて描ききれなかったことへの同情以上に、中途半端になるならそもそも出すなよの感情が勝る案件だし)

 

という感じで見所多しなドラマ面でしたが、戦闘面も負けず劣らず見応え満載。デッカー(とGUTS SELECT)の活躍はライバッサーの幼体ヒナバッサー(予告時点だと等身大のライバッサーが映ってる以上の情報しかなくて困惑したやつ。w)の軍団の相手という形で分担して描き、親玉のライバッサーの相手は今回の目玉たるテラフェイザーが担うという形で注力して描くことで良い感じにカッコいいところを見せていたのが上手かったですね。HANE2が搭乗してからの水を得た魚のようなテラフェイザーの機敏なアクションや空中戦がカッコいいんだこりゃ ホーミングレーザーがハッタリ効いてて凄くカッコ良いよね...(ライバッサーを追いながらの攻撃では仕留められないからと敢えて追い越し、追ってくる形になったライバッサーを前方に発射したレーザーのホーミングによるフェイント背面撃ちで叩くの好き) トドメ自体はデッカーに譲る形になったのでそこは惜しかったが、ここは次回以降に期待かな あと個人的に惜しいポイントとしては、カナタ達が地上にいたとはいえファルコンやホークが全然出てこなかったのは気になったなと。いればガゾートやライバッサーはともかくヒナバッサーはけっこう良い感じに討てたはずだから、地上戦ガッツリ見せたかったんだろうけど良い感じの理屈づけは欲しかった

 

そしてラストは、突然の危機を共に乗り越えたカナタ達の可能性に満ちた絆に感心しつつ、カナタ達に呼ばれその輪へと駆け寄っていくアサカゲさんの姿で締め。アサカゲさん、レギュラー陣の中だと比較的出番控えめなのでちゃんとストーリー上で馴染めていけるかと少し心配な面もあったのですが、今回ラストのあのカットでしっかり仲間として描かれたのもあってその心配は杞憂となりましたね。相変わらず手堅い...アサカゲさん、少なくとも悪い人ではないけれどテラフェイザー周りで今後どうなってくかまだ読めないとこではありますが、この先の活躍が楽しみである

 

 

以上、デッカー第11話でした。いつものデッカーの雰囲気と比べて多少の引っ掛かりはありつつも、テラフェイザーを軸にした話として手堅くまとまっており、グッとくるポイントの多しと総合的には良いエピソードでしたね。テラフェイザー、ここからどうなってくかまだ読めないとこではありますが、頼もしい仲間として期待したいですね 頼むぞ 頼むよ?(

 

というわけで今回はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございます。 読んでて共感できたり楽しめたりしたところがあれば幸いです

気に入っていただけたら次回も読んでいただけるとありがたいです。感想をくださったり記事の拡散等をしていただけたりすると更に喜ぶぞ!!

ではまた