AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

なかよしのうととこわれたきじ

暴太郎戦隊ドンブラザーズ

脳人波乱・地獄の雉野編(ドン30〜38話)

感想レビュー

 

 

「雉野つよしの下から雉野みほが消えた」

「消えたらどうなるんすか」

「知らんのか

 

ホラーが始まる

 

タロウとの決闘で死した筈のソノイの復活、タロウ敗北からの復活、ドンモモタロウのパワーアップ、獣人にまつわる真相解明、と怒涛の展開目白押しで遂に3クール目の大台を超えた暴太郎戦隊ドンブラザーズ。相変わらずの勢いと安定感のあるドラマで魅せつつも、いよいよ最終盤に入ってくるといったところなこともあり本筋にまつわる要素もガンガン崩してきたりドンブラザーズと脳人の関係にも切り込んでいったりと今まで以上の盛り上がりを見せてるのが実に面白いところでありますね。まぁ実際に起きてたことは決闘の天丼だったりタロウのエネルギー汁が入ってソノイのタロウ化だったり仲間と敵のエネルギー汁をろうとで流し込んでのタロウの蘇生だったりタロウ化したソノイがカラシの辛さに泣いてタロウ汁を涙と共に排出したことによる復活だったんすけどね(((  2個目に関してはより詳細に説明すると「傷付いて倒れたタロウを蘇生させるために(わかる)、マスターがドンブラザーズの仲間達と脳人達に大食い対決をさせて(?)、それに夢中になってるみんなから溢れ出たエネルギーを(??)汁にして回収して(???)、タロウにろうとを咥えさせた上で口から流し込む(?????)になりますからね。何言ってんだろうね。知らねぇよ 多分観てた人誰も分かってねぇよ!!しかもこれらの展開、絵面の突飛さはともかく起こってる出来事の文脈だけ抜き出すと「『負けるとしたら自分の強さだけ』と言われてたタロウが自身のエネルギーが入ったソノイに敗北、その後仲間達と宿敵のエネルギーを注ぎ込まれる形で復活すると共に、仲間達と宿敵のエネルギーを身に宿す形でパワーアップ(当たり前のようにイヌはいないけど)「かつてタロウと一緒に行こうと約束していたおでん(のカラシ)を口にして涙したソノイが本当の自分自身を取り戻す」という感じでかなり王道な熱さのあるものってのが余計タチ悪いんだよなぁ()  ここ最近こういうタイプのカオスが冗談抜きにほぼ絶え間なく襲ってくるので毎週カロリーがごっそり持っていかれます 加減しろ莫迦(

 

それでいてそんなカオスさはたっぷりとありつつドラマ面のしっかりとした進行や魅せは欠かしていないのが相変わらず本作の強いところ。アノーニや脳人の獣人に対する危機意識がドンブラザーズも巻き込んで広がり、その過程で犬塚くんや雉野さんを取り巻いていたみほ/夏美周りのギリギリの均衡が崩れ始め...と獣人に関わる事実を次々明かしていくと共にキャラクター達の相関図を大きく動かしていくという、急速さはありつつもキャラクター周りを表情豊かに動かし惹きつけるので足早さを殆ど感じさせない巧みな本筋絡みの展開運びには相変わらず唸らされるし、喜びや戸惑いといった感情が豊かになった姿、ドンブラザーズの面々との付かず離れずっぽく見せてるけどぶっちゃけもう仲良しにしか見えない関係性といった脳人達の前半からの大きな変化にグッとフォーカスしそれらをコミカルに描き上げることで物語を経てのキャラクター的な積み重ねを感じ入らせつつも、そうしてある意味停滞に入った勢力図を揺るがすであろう劇薬的な存在・ソノシの登場を劇的にし後半の展開への期待値を上げてくる構成もなかなか惹きつけられたしと、全力で自由を貫きながらもやるべきことをやるべき時にやってダレやマンネリをもたらさないのが毎度のことながら凄い。中でも(上述の話の延長ではあるのだけど)最近キャラ的な愛嬌がグググっといっそう増していっそう好きになってる脳人の面々の回し方がまた良いんですよねぇ ソノイが元に戻って一緒に大喜びするソノニソノザドンブラザーズと仲良しはまずいという自覚はあるけどそれを上手く言えないので意識するほどに空回りしてキャラ崩壊したり予想外のとばっちり食らったりするソノイ(ソノザがちゃんと伝言できてるかどうか屋上にへばりついて監視して、できてないことに対し身悶えするとこめっちゃまぬけで好き)犬塚くんの無事に密かに嬉しさを滲ませるソノニはるかの編集長としてめちゃくちゃ真っ当なアドバイスを送りまくって切磋琢磨してるソノザ、と序盤からは想像できないくらいみんないつの間にか人間味豊かになってて可愛くて魅力的なのよな  特に激薬的に投入されたソノシを厄介な存在として始末しようとするも「脳人の仲間だから」と見逃してしまうソノイは一際人間臭くて良い味わい。熱い情が芽生えてるよ...タロウはじめドンブラザーズの面々とめちゃくちゃ近くなってる距離感もガッツリ意識的に描写し物語の一つの軸としてきてるので凄く楽しくて良き良きという感じですね

最近本筋やメンバーと絡む機会も少なくなり、いつぞやの相関図では誰とも矢印が繋がらなかったジロウに関しても、ルミちゃんとかムラサメといったジロウならではの交友や対峙がちゃんと活かされる形で要所要所にてじわじわと変化や進展を経ていたりと少なからず活躍してるから“持て余してる” ”雑に扱ってる“的な印象持たれてる感じが殆ど無い(なんだかんだでキャラが確立されて目を惹いてるしドラマ的にも意味ある存在感が出てる証拠だよなと)のが見事だし、ほんとキャラも要素も余すことなく印象深く動かしてるのが流石 ジロウはみんなとは別軸での進展・成長を経て動いていってる所謂「孤高のヒーロー」的な形で特殊ながらも仕上がっていってるよなと感じるところですね 本人は仲間になりたがってるし面白くないだろうけども(

普通であればしっかり煮詰めて特撮ヒーローらしい熱い展開にするところを自家製の調理法と調味料ぶっ込んでカオス・シュールギャグ仕立てにし、それでいて基礎や大事なとこの味付けはちゃんとやっているのでめちゃくちゃ美味いというこのオンリーワンさがマジにドンブラザーズなんすわ

 

そんな巧妙な展開で視聴者を掴んで離さない最近のドンブラザーズ......ではありますが、こと最近に関して言えば視聴者を掴んで離さないのはキジブラザー/雉野つよしのタガが外れた大暴走のよるところがデカいでしょう。「みほ」という精神的な支柱...というより依存先であり自分の証明そのものであった存在が夏美へと戻って影も形も無くなり、犬塚くんに連れられる形で自分のそばからいなくなってしまった結果、友人であった犬塚くんを排除することでみほを取り戻そうとするという選択をあっさりと取り、それでもみほが戻らないという事実を理解すると、人形をみほの偶像として精神に偽りの均衡を与える...と、どこのサスペンスホラー??????となるしかないぶっ壊れを披露し日曜朝を恐怖で包み込んだそのインパクトはもうね、もう、うん...(ふるえ) 演出周りもそうなんだけど何が一番こえーって鈴木さんの演技のガチっぷりなんだよな...さっきまで感情剥き出しにしてたのに瞬時に表情が明らか壊れてると分かる狂気をまとった満面の笑みに切り替わるところとか、薄暗い部屋の中でいつもの朗らかなトーンで人形にぺらぺらと話しかけるところとか、さり気ない言動への狂気の滲ませ方が上手すぎるんすわ(声色や静止画の表情だけだと割と普通なんだけど一連のシーンとして見るとぶわっと鳥肌が立つ、って辺りがまさに普通っぽい感じの仕草の中にスッと狂気を含ませている鈴木さんの演技の絶妙さの表れよな)

前々から雉野さんのみほを揺るがされた時のヤバさというのは実際に本編でも描かれてはいたけど、今まではヒトツ鬼化からのお仕置きみたいな感じで程良く緩めに処理されたりとまぁそこまで視聴感としては深刻すぎない感じに留まってただけにまーじっくりとでもなんとかなるやろ的な感じで構えて見てたわけで、しかしここにきて獣人周りの諸々が明らかとなり必然的にみほ/夏美周りも大きく動いたことで改めてその辺が盛大にぶり返す形となり、しかも今度はヒトツ鬼への変身による大暴れとかを交えることなく雉野さん自身が一人の人間として大暴走する形となったのでいっそうヤバさが際立った感じなんですよね...(前にも雉野さんが手ずから事を起こした魔進鬼の男の一件はあったけど、あれ自体は雉野さんも若干衝動的にやったって感じだったし、後に魔進鬼の男が生きてることが示唆されたことで(未必の故意的なところはありつつも)雉野さんが一線越えずに済んだことになったしと一応そこまで深刻になりすぎないところには留まったから、雉野さんがだいぶ自発的にやらかしたりぶっ壊れのがんじがらめに陥ったりしてる現状がマジでヤバい)  改めて「みほ」は雉野さんにとって愛する存在だとか以上に(そういう面は勿論あるだろうけど)、自分自身の存在の証明であり文字通り誇張抜きの不可侵領域なんだな...と改めて実感させられたね

しかしこの一件、雉野さん自身が邪悪で異常だから吊るしちまえで済むのかというとそういうことではなく、むしろ雉野さん自身の人格・性格は至って普通で善良なんだけど、それはそれとしてその善良さを成す一面とは別のところに「みほちゃんを傷つける奴は許さない/みほちゃんがいなくなることは絶対あり得ない」というあまりに強すぎる観念が存在していて且つ雉野さんのアイデンティティと密接にリンクしてしまってることが深刻なところであり面倒なところなんですよね。優しい一面と苛烈な一面がごく自然に両立されたり同居したりする二面性・不安定さとも言えるここ最近の雉野さんの言動なんかがまさにその証左で、今の雉野さんはみほという自分の存在そのものを支える大事な柱を揺るがす要因を無茶苦茶な行動で排除したりしながら自分を強引安定させてる=やべー行動をあっちこっちでかましながらも結果としてそれが雉野さんの安定となってるので、みんなの前ではごく自然にいつも通りの姿を見せるし犬塚くんに対しても苛烈なことをしたかと思ったらまた普通に接したりするしと普通な一面とヤバさが平然と同居するムーヴをしてる、って感じになってるのよな...そこの不安定さをどうにかしないといけないんだけど、どうすればいいやらという感じであり......こうして書くとマジでやべー人だけど、ある意味上記の雉野さんのあれやこれは「自分を否定されたくない」「大事なものを自分の下から離したくない」からこその身勝手さの発露・精神安定のための自己解釈/現実逃避とも言える極々シンプルな人間的感情に基づく行為ともとれるので、雉野さん自体はあくまでも「感性や心の強さがどこまでも普通の人間」であり、そこは最初から一貫してブレてないとも言えるのよね(周囲のある種達観した人間・ヒーロー性の高い人間・浮世離れした人間と比べると浮いてしまうだけで) だからこそ余計に厄介でもあるのだが...() 普通は忍おじみたいな特例でもなけりゃ複数回ヒトツ鬼にならないしさぁ!!ヒーローやぞ仮にも!!  ぶっちゃけソノシ介入によるドンブラザーズと脳人の関係への影響とか、獣人との対立構図の激化とかよりも、この雉野さんの大暴走の方が現在の諸々の問題の中だと一番厄介で深刻ですよ() 前者二つは現在出てる情報とか踏まえてまだどうにかなりそうな感じがあるけど、雉野さんはどう着地させりゃ良いか判断しかねるんだよ!!!  最新話のドン38話でみほが戻ってはきたけど、このまま穏やかに済むわけはないだろうし...うーむ目が離せん

 

 

そんな感じのドンブラザーズ、これからいよいよクライマックスという感じになっていくでしょうしますます楽しみであります。TV本編中でまだ2回しかしてない名乗り(しかも両方ともはちゃめちゃだったり全員揃ってなかったりな変則ver)をあと何回するのか、ドン38話でようやっと実現した(!?)6人の生身での勢揃いが次いつ実現するのか、そして犬塚くんはいつみんなに正体が知れるのか、諸々楽しみです()  普通の戦隊だったらとっくにやってるよ(((

本筋周りの色々な展開やらなんやらをいかにまとめ上げてくるかというところも含め、ここらで更にデカい花火をバンと打ち上げる準備を本格的にしてくると思うので期待大ですね そこのけ俺が行くぜという感じでここまでドンブラザーズならではな味わいで我が道を突き進んできましたし最後まで突き抜けていって欲しい

 

というわけで今回はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございます。 読んでて共感できたり楽しめたりしたところがあれば幸いです

気に入っていただけたら次回も読んでいただけるとありがたいです。感想をくださったり記事の拡散等をしていただけたりすると更に喜ぶぞ!!

ではまた