AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

私の言葉

デリシャスパーティ♡プリキュア

第39話「お料理なんてしなくていい!?おいしい笑顔の作り方」

感想レビュー

 

 

物語もいよいよ佳境というこの局面で挿入されるセク姐さんの過去回想カット!!マスク無し眼鏡掛け髪下ろしセク姐さん、普通に可愛いかったです

そのセクレトルーの過去回想、急に来たのでちとたまげたけど、今まで殆ど描かれてこなかったセクレトルーの背景の一端やそこから来る人格形成のあれやこれが窺い知れる描写であったので、この終盤におけるキャラの掘り下げとしてなかなか面白いところではありましたね。完璧主義なんだけど料理に関してはとことんぶきっちょなせいで本人としては嫌な思い出多かったのかもなぁ...苦心しながら卵割ろうとしてるあの回想の様子からして、積極的に腕を磨こうとしたこともあったのかもだけどそれでもどうにもできなかったりしたのかなとか色々想像できちゃう(ある意味では可愛げなんだし気にしなくても、とも思ったけど本人はそれを「弱み」と思ってて、それを見せたら全部が崩れると思ってるみたいだったし、色々根深いんだろうなとも)  この辺はナルくんみたいに後々もっと深掘りされるかな?

 

ゆいの同級生・わかなとそのお父さんの話を中心に、本作を象徴する要素の一つである「ゆいのおばあちゃんの言葉」にグッとフォーカスした内容となった今回のエピソード。ゆい自身の根幹を強く成す言葉であり、今まで多くの人を支えてきたおばあちゃんの言葉が誰しもにとっても響き得るものではないとゆいが実感することとなる、という少し突っ込んだ流れが目を惹くところとなっていました。おばあちゃんは沢山のことを知っていたけど決して全ての人の気持ちを完全の理解できたわけではないし、故にその言葉も時には届かないこともある、というのはおばあちゃんも1人の人間である以上むべなるかなというところであるのだけど、そのことを知って心が落ち着かなくなってしまう辺り、ゆいの中でおばあちゃんの言葉はずっと大きなものだったのだなぁというのを改めて実感する流れだった 前回もおばあちゃんのことで振る舞いが落ち着かなくなったりしてたし、おばあちゃんのことは本当にゆいの強固なメンタルに影響しやすい部分なのだなというところである

 

前半はそんなゆいのある種の困難への直面が少しシリアスめに描かれたものの、そこから後半においてはゆいが紆余曲折を経て、過去を生きた先人達の言葉だけでなく今を生きる自分達の経験からくる言葉でこそ動かせるものもある、先人達から色んな想いを託された自分達自身の言葉で何かを動かしてこそ想いを託された意味はあるのだと気付いていく、という展開運びとなり、前半の重々しさをしっかりとカタルシスへと昇華せしめた展開が強く胸を打ちました。「次の世代へ自分達の想いを言葉というバトンで託していきたい」というおばあちゃんの想いが描かれた前回のエピソードを踏まえた上でのこの流れ、というのがめちゃくちゃ文脈乗ってて思わずおっとなりましたね...正直前回の話は前回の話単体としてその後のゆいの成長の後押しの一つになったものとして扱われていく感じだと思ってた(前回のエピソードだけでもしっかり一つのメッセージ・ドラマとして完成してたしね)ので、前回・今回を直近で地続きの流れとし、前回描かれた「おばあちゃんの想い・それを伝えた言葉」を今回のエピでしっかりと「ゆい自身の想い/言葉」というところへ昇華させるという、文字通りの「バトンの受け渡し」として綺麗に着地させたのはドラマ的に凄く芸術点が高く、かなり豪快に予想を上回ってこられて脱帽でした その後わかなとお父さんの話の着地として、ゆいがおばあちゃんから託された言葉であり、そして他ならぬゆい自身の言葉として色んな人に響いてきた「ご飯は笑顔」の言葉が大きな役割を果たすところまで含めてめちゃくちゃグッときましたね...しっかりと言葉を通じたおばあちゃんの想いの継承が為される流れとなってたし、今を生きる自分自身や色んな人の経験や想いを学び糧にして自分の言葉を持って伝えていきたいというゆいの新たな指針をガッと打ち立てたのが見事であった メンタル的に強固で良い意味で完成されてた感のあったゆいにここで更なる伸び代を見出させたの最高にキャラの回し方が上手くて最高  明確におばあちゃんのものと分かった天の声ことナレーションが嬉しそうにしてるのもいっそう感慨を深めて良きであった

 

またこのゆいを取り巻く展開の中で、まだ導線程度ではあるもののセクレトルーとの対話の兆しが描かれたのも惹きつけられたところ。セク姐自身はいつも通りといった感じだったのだけど、今まで経てきたであろう経験も踏まえた上で力強く語られる彼女の言葉が、迷いの中にあったゆいにとって「今まで生きてきた自分の経験からの言葉」の深みを実感させ再起させるきっかけに図らずもなるという接続が面白かったし、そこからゆいがセク姐のこと(背景や想い)をちゃんと知りたいと歩み寄る姿勢を見せ始めることに繋がっていくというのが何気上手かったよなと。まだセク姐は相容れる様子を見せそうにはないけど、捻くれまくりのナルくんともなんだかんだで良いところに落ち着けたのを思えばそんなに大きな壁には感じられないし、ここが最終的にどうなってくかは楽しみに見守りたいね

 

そして前回明らかになったジンジャーの真相が伝えられた際のフェンネルさんの反応やら拓海パパことシナモンの介入の予感など、地味に本筋周りにも進行があったのも気になる。フェンネルさん、前回ジンジャーの潔白度合いがグッと高まったことでゴーダッツ様の正体フェンネルさん説あるんじゃないかとか正直なとこ思い始めてたので、マリちゃんが色々話しちゃうのヤバinじゃねーの!?とハラハラしてたんだけど、その後ジンジャーに対し想いを馳せるような描写が入ったからどういう感じなのかまた分からなくなっちゃったんだよなぁ でも現状一番怪しいとしたらフェンネルさんなんだけど...うーんこの辺どうなのか ここも今後のクライマックスに向けての展開を見守ってく必要あるなぁ なかなか重要な描写であった TLの方では「セルフィーユちゃん声だけしか出てねぇじゃねぇか!!」の方に気が向いてて全然気にされてなかったが(

 

 

以上、デパプリ第39話でした。前回からの地続きでおばあちゃん関連の話をグッと深めつつ、ゆい自身の成長を後押しする導線を作り描き上げたエピソードとなっており、予想を良い意味で裏切る良きドラマに感嘆した回になりました。最高だった デパプリは安定感ある進め方してるけど、たまにこういうドンとくるやつがあるから凄く良いんだわ...

本筋周りも更に進行していて、クライマックスに向けての展開がますます楽しみ。目が離せないところです

 

というわけで今回はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございます。 読んでて共感できたり楽しめたりしたところがあれば幸いです

気に入っていただけたら次回も読んでいただけるとありがたいです。感想をくださったり記事の拡散等をしていただけたりすると更に喜ぶぞ!!

ではまた