AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

野郎&野郎vs野郎(※プリキュア)

デリシャスパーティ♡プリキュア

第42話「ゴーダッツのたくらみ プレシャスvsブラックペッパー」

感想レビュー

 

 

新年一発目のプリキュアが大人の野郎どものバトルから始まり、あまつさえそれが今回のストーリー全体通して一番比重の大きいバトルになっていてTLの視聴者諸氏が若干困惑してたのめっちゃ面白かったです()  でもみんなを守ってやられながらも安心感ある優しい笑みを向けるシナモンとか苦戦して冷や汗かきながらも敢えて余裕ある笑みを浮かべるマリちゃんはプリキュアのみんなには出せないタイプの大人な頼もしさがあって超カッコよかったよ 戦えるようになると3割増で頼もしくカッコいいなマリちゃん...

 

前回ゴーダッツとしての本性を著したフェンネルを取り巻く因縁が大きくうねり、物語をクライマックスへと導き始めた今年最初のデパプリ。風雲急を告げるストーリー展開やそれを後押しするキャラクター達の人間模様、そして迫力あるバトルシーンと、新年一発目にして物語も佳境というこの局面を良い感じに盛り上げてくれたエピとなりましたね。奥行きある映像の中をキャラやエフェクトがめいめいに激しく駆け巡り必殺技が怒涛の勢いで連発される演出・構図が短い中でも存分に光ったプリキュア達の戦闘が前半Aパートで惜しげもなく披露されるのめちゃくちゃ良かったね 野郎どものゴリゴリのバトルにだいぶガッツリ尺持っていかれながらも良い存在感であった  そこは流石に主役達に譲ってやれよ野郎どもと思わなくもないが(((

 

まぁ何はともあれ、このクライマックスでちゃんとセク姐救済の余地が示されたのは個人的に凄く嬉しかったところでしたねぇ  かつての同僚的なところで曲がりなりにもセク姐と関係性の深かったあまね会長が打ち捨てられ身体にも心にも傷を負った彼女に真っ先に歩み寄り憐れむ様は2人の改めての絡みとか見てみたいなと思ってた身としては有り難い限りであったし、完璧主義故に傷付き心を閉ざしてきたセク姐の絶望に寄り添おうとする会長(とらんらん)の不器用ながらも温かい思いやりが彼女に沁みる様は良いドラマ性で非常にグッときたしと、セク姐救済を待ち望んでた民としても非常に満足度の高い作劇になってて良かったなと。特に後者は傷付いたセク姐の手に巻かれたボロボロぐちゃぐちゃな包帯、それを見て感極まりそうになるセク姐」というカットで、不恰好で完璧でないけれどそこに籠った温かみや優しさはたしかに彼女の心に沁みたというところを敢えて多くを言葉にせずとも端的に示していて凄く良い演出でした 不器用さや不完全さから傷心し頑なな完璧主義になったセク姐の心を、一生懸命に誰かを想って気持ちを込めた不器用で不恰好な、けれど微笑ましく優しい施しが氷解させるという文脈良いよね...完璧でないのも悪くないと感じたり、元々は自分もそうして不恰好ながらも一生懸命に誰かを想って頑張ったのだと思い出したりしてたんだろうな

 

そんな今回のエピはサブタイにもある通りプレシャスとブラぺの対峙が一つのメインイベントといった感じになっておりました。この手の展開で順当なのはブラぺが洗脳されてしまって〜みたいなパターンのやつなので今回もそれかなと思いつつも、予告映像の感じからしてブラぺがシラフっぽい雰囲気だったのでどういうこっちゃと気になっていたところでありましたが、実際のところとしては父シナモンを嵌めてその誇りを貶めたフェンネルに対する怒りとに燃えトドメを刺そうとする拓海フェンネルもきっと過ちに気づき得るからこそ傷つけるための戦いはすべきでないと拓海を止めようとするゆいという、かなりシリアスめな2人の信念のぶつかり合いみたいな内容であったのでなるほどそうきたかという感じでありましたね...たしかにあまり意識してはいなかったけど実際拓海の立場からすればフェンネルは文字通り言葉通り“親の仇”同然の存在なわけだし、自分の父が受けた仕打ちを思えばフェンネルに激しく怒るのは当然だし、この辺の拓海の激情はかなりひりつく説得力があって引き込まれたわね  肉親のことで自分のことのように怒るのは誰しもにもあり得る感情だし、それでいてまだ若い拓海がその感情に身を任せて相手に本気で襲い掛かってしまうのもまたやむなしではあるよなぁ(拓海周りはほんとこの辺の等身大の少年としての感情面の描写がかなりしっかりしてるのが良いよね)

 

最終的にはゆいがそんな拓海を説得し制止。フェンネルの心を改めさせることもできるというゆいの強い想いが最終決戦へ向けて皆に影響を与えていく流れに

......と思いきや、その隙を突く形でフェンネルが放った攻撃により拓海とマリちゃんが倒れ、ピンチに陥ったみんなを離脱させるために力を使ったコメコメが眠りに就き、とゆいの行動が遠因となった大ピンチの展開の中、今回のストーリーは締めとなってしまいました。

......なんでそんなことすんの!!?(絶望)

いやフェンネルがこれでもまだ揺るがないのはまぁそうだろうなという感じではあったけど、それはそれとしてこのままゆいが場の空気を引っ張って引きになると思っていただけに、ゆいの優しさが却ってアダになるとはなかなかショッキングでしたね...  悪人ともきっと分かり合えるからと見逃した結果その悪人が後にとんでもないことやらかしてしまってショックを受けてしまう、って感じのアレだからな  しかしここのゆいの行動と結果のあれやこれ、掘り下げるとなかなか難しいところだよなぁとも。ゆいの貫こうとした理想そのものは間違いではないし美しかったけれど、身も蓋もない言い方をすれば「フェンネルの闇の深さを図りかねた・その理想が通用する相手ばかりとは限らないということに気付けなかった」というゆいの未熟さ故に結果こうなってしまったとも言えるわけで、これ一概にゆいが間違ってなかったとも間違ってたとも言えないわよ ゆい自身、色々考えた上でセク姐に対してみたいにフェンネルの気持ちとかをもっと知ろうとしてこういうことをした面もあったんだろうし、その上で話し合う土俵に立つ前に相手の闇の深さを悲劇でもって教えられてしまったのはある意味理不尽でもあるしさ

ともあれここからゆいが何を思いどう立ち直るかはこのクライマックスで一つ目が離せないところだよなとは思うところ。今までメンタル面において殆どブレることのない強さが描かれてきてたからこそここでの沈みは凄く目を惹くし、どよんとさせた分カタルシスある展開が欲しい...にしても序盤〜中盤辺りまでにメンタルつよつよなところを存分に描く→その上で終盤におばあちゃんとのことや拓海/ブラぺのことで動揺する様を描きメンタル面が決して無敵でないことを強調する、という段階的な魅せでゆいのメンタル面の強さ弱さを印象付けてきたここに来てゆいを絶望させるこの出来事をぶっ込んでくるの、ちょっとゆいのメンタル崩しが丁寧すぎて逆にわろけてきますね...人心無!!!

 

しかしこのゆいのメンタルの行方という問題に付随してきてるもっと厄介な問題こと、フェンネルの処遇というところもどうなるかという感じだよなと。やはり「ジンジャーにもっと自分だけを見ていて欲しかった」的なところが動機の根底にあるようだしその内面に関しては同情・共感できる部分もあるんだけど、 思い違いや自己の正当化が行きすぎててだいぶ厄介な拗れ方してるんだよなコイツ...自分と一緒にマリちゃんやシナモンも選ばれたことを「施される裏で奪われる者もいる(意訳)」的な一方的な解釈で噛み砕いて被害者ヅラしたり、ゆいの理想を「お前は自分の正しいと思うことを都合よく解釈しただけ」というお前じゃい!!!すぎるブーメラン発言(それこそさっきの「施される裏で〜」というあまりに自分にとって都合の良い解釈を垂れた直後だから余計にブーメランさが引き立つ)で蔑んだりと、相当ねじくれてるんで、これどうにかできるのか...!?という  ジンジャーの想いとか糸口自体は色々ありそうだけど、果たしてこのどうなるか。一部の視聴者から「ラスボスなのに格が低い」とかボロカス言われてるからドラマ面で巻き返すんだぞフェンネルくん!!プリキュアと戦うより先にシナモンやマリちゃんと戦ってだいぶバチボコにやられて既に負けかけるわ、ゆいの助けで命を拾った途端に不意打ちでブラぺをぶっ飛ばしてふんぞり返るわとラスボスなのに戦闘面が若干しょっぱいからんなこと言われとるんだと思うぞフェンネルくん() マリちゃんやシナモンに負けかけたのは2人が普通に実力自体はめちゃ高いからなのかもしれないけどさぁ!

 

 

以上、デパプリ第42話でした。これから一気にクライマックスへとなだれ込んでいくストーリーに大きな波乱を巻き起こし盛り上げた怒涛の年明け一発目となりました。戦闘面も演出が豪華で実に良きであった

ゆいとフェンネル、それぞれ主人公とラスボスなので自ずとフォーカスがいくとはいえこの2キャラの内面にここでかなりフォーカスが寄った感があるのでここがどう昇華されるか気になるといった感じですね 残りもうあと3話ほどですが、目を離さず注目していきます

 

というわけで今回はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございます。 読んでて共感できたり楽しめたりしたところがあれば幸いです

気に入っていただけたら次回も読んでいただけるとありがたいです。感想をくださったり記事の拡散等をしていただけたりすると更に喜ぶぞ!!

ではまた