AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

アカネちゃん見て!バルタン星人!!

ウルトラマンティガ

第7話「地球に降りてきた男」

感想レビュー

 

 

アイコンの画像にしてるレギュラン星人をチャラ男に雑にバルタン星人呼ばわりされてキレたやんちゃガールの新条アカネちゃんも出ていた「SSSS.GRIDMAN」の続編映画「グリッドマンユニバース」は2023年3/24(金)全国公開です!!(※非案件)  ストーリー的には出ない方が粋だと思うけどどうなんだろうねアカネちゃん、出るんかね

 

宇宙ステーションと謎の宇宙船の衝突未遂事件を発端に地球へ伸びるレギュラン星人の魔の手、その最中に問われる家族の絆を描いた今回のエピソード。レナパパことヤナセ技官をストロンガー・城茂でお馴染みの故・荒木しげるさんが演じられていたり、ヤナセ技官の同僚アサミヤ技官をワンピのシャンクス等数多くのキャラを現在も演じられている声優の池田秀一さんが演じられていたりと名優が脇を固めストーリーを引き立てた印象深いエピソードですね  池田さん、ほぼずっとメットやゴーグルかけてるので視覚的にはピンとこないんだけど声が凄く聴き心地の良いダンディなお声なのでそこであっ!てなるよね FILM RED終映前のこのタイミングで別のことで池田さんの話してるの、なんか奇遇

新時代だ - AnDrew’s小生意気レビュー記 ←この流れでなんとなく載せておくFILM REDの雑感記事

 

そんな今回のエピソードは前述の通り「家族の絆」というところがテーマとなっており、幼い頃に仕事を優先し続け家族の下へいなかった父・ヤナセ技官への憤りを強く表しながらも彼が危険と知ると考えるより先に動き出すという父への想いを自分でも気付かない心の奥底に秘めていたレナ家族を顧みなかった罪悪感から「娘は自分の憎んでいる」と卑下し自ら距離を置こうとしているが、娘との約束の品のリップを干からびてもなお肌身離さず持ち続けていたり娘の危機は無視できなかったりと娘のことをいつも思い続けていたヤナセ技官という、過去の確執から距離が生まれていたヤナセ父娘のそれぞれ相手に対する悶々とした感情、そんな中でも捨てていなかった慕情が叙情的に描かれると共に、そんな想いを2人が互いに知って再び手を取り合う様を描く家族模様・人間ドラマが胸打つ話となっていました。随所で挿入される昔のヤナセ父娘の温かな家族の風景が2人を今も繋いでいたものとしてスッと沁みてくるのも相まって、そこからじわじわと2人の距離が再び縮まっていく様が凄く良いよなぁと 家族の間に何が起きたとて、昔あった家族の思い出/その思い出が尊いものであったことは確かなことだし、それを否定する必要もないんだよな  ガッツウイングにレナと共に乗り込みサポートする姿で今一度「娘に寄り添う父」となるヤナセ技官や、子供の頃父に言った「嘘ついたら針千本飲ます」を、昔の約束を破ったことへの数年越しの意趣返しとして改めて冗談めかしく言い「父と語らう娘」になるレナなど、物語後半で描かれた親子の絆の再生の象徴的な演出も凄くグッときて、総じてヤナセ父娘のストーリーが約24分の中に味わい深く詰め込まれてて良きでした 子供の冗談/おまじない的なニュアンスの言葉にしてヤナセ父娘の昔の約束の象徴である「針千本飲ます」でケジメを付ける様や、全てが終わってヤナセ技官の懐に泣きじゃくりながら寄りかかる様など、今回のことでレナの「父に約束を果たされなかったことで止まっていた子供の頃の時間」が動き出したんだなぁと実感できるのがまたじーんとくるわね

 

というヤナセ父娘を中心とした家族のドラマをより引き立てたのが、今回の敵宇宙人のレギュラン星人。地球人との事故で家族や同胞を失ったことを恨み襲いくる悲劇の宇宙人...と見せかけておいて、実際はそういった仲間達を容易く切り捨てる冷酷さと死した仲間を平然と自身の口実に利用する非道さに満ちたヤツ、という悪質な本性が欠片も同情できないカスっぷりとして強烈なキャラ性を発揮しているし、それが口や態度では冷たくしつつも実際にはその奥底に家族への愛を秘めていたヤナセ父娘の綺麗な対比となっていて本エピソードのドラマ性をグッと引き締めている実に味わい深いキャラクターだよなと。家族・仲間という概念を理解してないとかじゃなく明確にそういうもの(およびそこからくる仲間意識という感情)を理解している上でそれを嘲笑ったりテイ良く使ったりしてるのがとても邪悪 ヤナセ父娘との対比を重視したキャラ性だけれどとんでもねぇやつが序盤から生まれたもんです  銀と紫が基調となった、純粋な人型から少し外したアシンメトリーなデザインも芸術的でありつつ同時にその歪んだ精神性の象徴にもなっている感じがありなかなか凝ってて好きなところ。一目でかなり記憶に残るデザインよね   個人的には小さい頃ウルトラマンワールドかなんかで何度か見た、死んだフリしてティガに奇襲かけると見せかけてへこへこ謝り、とやって油断させてからの風車もいで不意打ちを仕掛ける、という卑怯上等みたいなクソ戦法の方がやたら濃く記憶に残ってるが。w おもむろに風車もいで突き出すムーブがなんかみみっちくて好きなんだよな...() けっこう不気味な存在感出してる方の宇宙人だと思うんだけど、この不意打ちムーブの印象が強すぎて若干宇宙帝王(笑)に近いかほりを感じてしまうのよ(

 

そしてラストは、宇宙へと戻ってゆく父の姿を映像越しに見送るレナの姿を描きながら、

「宇宙ステーションデルタでの研究により、人類は間も無く宇宙開拓時代に入るでしょう。しかし、家族や仲間との絆を失った者による宇宙開拓は、最早開拓ではなく、ただの侵略者になってしまう危険があることを、我々は忘れてはなりません。『開拓者』と『侵略者』の違いは、そこから始まるのです」

というナレーションが流れるカットと共に締めへ。ここのナレーションは本エピソード的に言えば言わずもがなヤナセ父娘とレギュラン星人の対比をより端的に表した言葉というところで締め括りとして良い味わいでありますが、もっとマクロな視点で捉えるとある意味で次作「ウルトラマンダイナ」の物語の示唆、および開拓精神/ネオフロンティア・スピリッツをはじめとしたダイナという作品全体のテーマへと通じていく精神性やその根幹を示す言葉にも思えたので、今観るとそういうところでもより深みが感じられたなぁと思いましたね。「宇宙開拓時代」とかもうズバリまさにじゃないですか  身も蓋もないことを言えばダイナの企画なんてティガ放送当時、ましてやこのエピソードの段階でなんて微塵も出てなかったと思うので特に深い意味とかはない(後のダイナ立ち上げに当たって同一世界観のティガの話の中からピックアップされた可能性なら少しあるかも)んだろうけど、むしろそれを踏まえた上だと、ダイナの影も形もなかったティガの段階で世界観を共有する2作の共通性としてこういう感じにピンとくるものがあるというのは、世界観設定やそこに通ずる精神性が作品を跨いでしっかり一貫されている証拠とも言えると思うので、改めてこの平成ウルトラシリーズの作品群って世界観やテーマの作り込みの緻密さや作品の柱・根幹となる部分の強固な構築、それをしっかり貫き通す根気と集中力がめちゃくちゃしっかりしてたんだなぁ...と思わぬ形でとても感心したところでありました。

そんな宇宙開拓時代へと実際に突入した世界にて、家族や仲間との絆を抱きながら未来へ進んでいこうとする者達を描いた「ウルトラマンダイナ」の感想は...まだ書くかどうかは未定です  ティガからの流れ的に多分やるだろうけど、ティガの感想もまだまだ序盤ということで、まぁぼちぼちと一緒の追っかけていっていただければ これからも末永くよろしくお願いしますよ!!

 

 

以上、ティガ第7話でした。叙情的・象徴的な演出が随所で良き味わいとなった、レナをメインに据えた人間ドラマが目を惹くエピソードとなっていました。比較的オーソドックスめな内容という感じであったけれどやはり荒木さんをはじめとした方々の深みある演技がストーリーをグッと引き締めていて面白かったなぁと 次作とも通ずる本作の作り込みの強さを図らずも実感する部分もあったりしてとても見所の多い一作だなと

 

というわけで今回はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございます。 読んでて共感できたり楽しめたりしたところがあれば幸いです

気に入っていただけたら次回も読んでいただけるとありがたいです。感想をくださったり記事の拡散等をしていただけたりすると更に喜ぶぞ!!

ではまた