AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

念願の変身

仮面ライダーギーツ

第22話「乖離Ⅵ:追跡!チラミ鬼をつかまえろ!」

感想レビュー

 

 

鈴木福 on Twitter: "遂に!! 「仮面ライダージーン」として、仮面ライダーに変身することが出来ました!! 3歳から大好きな仮面ライダー。 僕の全てです。夢の叶う瞬間でした! https://t.co/qszkmku8Wu" / Twitter

まぁ何はともあれまず

おめでとうございますやで

 

デザスター祢音を取り巻き大詰めへ向かうDGP、その中で遂に剥き出しとなるジャマトサイドの牙...といった今回のエピソード。最近じわじわと兆候はあったがいよいよもって全体の対立構図が複雑になってきましたね...要素てんこ盛りで頭がぎゅうぎゅうになってきた 基本的にギーツの作劇の回し方は凄く良いなと思ってるし信頼してるけど、複雑化した要素の散逸や展開運びのまとめ方の弱さみたいなところは令和ライダーシリーズの作劇への個人的な印象としてちょっとついて回ってしまってるのでやっぱり少し心配ではある 上手く回して欲しい

 

そんな今回の話は前述の通りデザスター祢音の立ち回りやそれを取り巻く展開が一つの見所となっていました。ミッションの内容が内容だったしリスクがデカすぎて功を急がざるを得なかったとはいえ、祢音がだいぶ明確に他者を蹴落とし陥れる行為に走るようになったのはかなり大きな転機と言えるよなと。これまでにも「自分の勝ちは譲れない」として良くも悪くもエゴイズムを通す場面はたまにあったけど、今回のは一線越えた感あったというか デザスターとしてのミッション上での妨害行為も含め今までは「自分の勝ちのためならば他者に構わない/非情にもなる」の範疇だったし、今回の英寿潰しは完全に故意の陥れなんだよな

またこの辺の祢音の変化の大きな要因として「願い/勝利への貪欲さの激化」というのが示されたのは、本作における一つの筋であろうという感じで個人的に面白いところでありましたね。ギーツの物語は基本的に個人の願望やそれを成就させるためのエゴや貪欲さを強調することが多いのが特徴的ではあったけれど、そのエゴや貪欲さが行き過ぎた時の危うさみたいなものも改めてしっかり強調したのはテーマへの向き合い方としてちゃんと真摯であるなと感じますね(最近でも景和や道長を通じてその辺の危うさをキャラクターの暴走という形で割と露悪的に描いてはいたけど、ここでけっこう明確に言語化した感じある)  この辺りは欲望を肯定しつつもそれが行き過ぎることの危険さも描き「欲望とは上手く付き合うことが必要」的なところを描いたオーズにも似たものを感じるし、オーズとギーツ両方に携わった武部Pならではなものなのかもなと思ったり

 

ともあれこの祢音の転機が彼女の今後にどう影響してくるのかは気になるところだよなと。後述のキューンにも指摘されてたけど、自分の願いを押し通そうとして他者を蔑ろにする行為に走ってしまい結果その因果がめぐってきてる構図はあまりにも皮肉がすぎるところであり、「愛」を軸とした彼女のドラマがどう揺らぎどう落ち着いていくかの大きなポイントですわね。前回までは「自分の勝ちには貪欲であるけど、ここぞで他者の愛まで蔑ろにできるほど嘘はつけない」というところで相反する感情が祢音の中でせめぎ合い同居してる感じだったけど、今回でエゴの方に大きく傾いたように思うし、今後次第になってくるぞ祢音...(英寿に疑いを向けさせようとするムーヴが露骨すぎて景和にすらデザスターなのを確信されたりと、自分にも他人にも嘘をつけない的なところである種一貫してる部分はある感じもするが)  逆に言えばこのデカい転機は重要な気付きのきっかけにもなると思うし、目が離せない

 

そんな祢音を取り巻く存在として現れた新キャラ・キューンの存在も気になるところでありましたね。前に祢音パパやママが言ってたサポーターやら婚約者やらがコイツなんだろうけど、思ってたよりだいぶ祢音という人間のことちゃんと見てる人物だったのはけっこう意外だったというかなんというか、という印象ね  口ぶり的には祢音(のチャンネル)のアンチのつもりみたいだけど、インフルエンサー祢音にミーハー的に黄色い歓声を上げる多数のファンよりもそういう人間の方が祢音にゴリゴリに向き合ってるっぽいというのはなんかちょっと皮肉な感じもある アンチの方が熱心にその人間のこと見てる、みたいなことはたまに言われるけどもさ  ストレートに捉えるならキューンは「今後斜に構えた態度ながらも祢音に良い影響を与え導いていく人間」になっていきそうだし、その辺は注目したいなという感じですね 「祢音の願いを聞き入れてる風だけど実際は良いように動かしてるだけな父親」と「祢音の自由を縛っているけど本質自体は祢音を娘として見て守りたいと思ってる母親」の板挟みな祢音を動かす存在であって欲しい

 

という感じで祢音周りがごたつき始めていた一方、大智の余計な差金によってジャマトサイドがDGPを盛大に揺るがす動きを取り始め、戦況が大きく乱れてきたのも今回大きな見所でありました。ホント余計なことしてくれたな大智ィ!!!このクソメガネスズメが!!!

ジャマトサイド、本格的に物語に参入し始めたのがついこないだ(特にベロバ)だっただけに向こうしばらくは大きく出ないと思ってたので、ここで物語の核心にだいぶグッと踏み込んできたのはちょっと意外だったなぁ(つってももう2クール目に入ろうとしてるし順当っちゃ順当ではあるんだが)  道長ももう当然のようにあっち側として行動しちゃってるし、マジでとんでもないことになってきてるぞ 道長、運営側のライダーを平然と爆殺してた辺りしれっと嫌な方に振り切っちゃってる感じするんだけど大丈夫か

しかしジャマトサイド、今このレベルで掻き乱す存在になってきたとなるとメタ的には中盤以降に生きてる可能性だいぶ低い気がしてる(身蓋無)んだけど、どうなるのかなぁ...丁寧に溜めてきたのもあって怪人サイドがここまで大きく出てるのはかなり面白いところだし、今後も是非掻き乱して欲しいが

 

そしてラスト、ジャマトサイドの介入に異議を示す形で現れたジーンの仮面ライダーへの変身が特大のインパクトを叩きつける形で今回は締めと相成りました。ちょっと前から囁かれてはいたけど、福さん遂に変身しましたね...仮面ライダーがバンバカ増えてく昨今のスタイルに思うところがある身ではありますが、福さんを「仮面ライダーピザになりたい!」と無邪気に語ってた頃から知ってる身としては感慨深いしそういうところで思いがけずおーとなりましたね...マジでおめでとうございますだよ  ジーン、英寿/ギーツ推しの一面が強く出た無邪気な場面も良いけど、何よりその謎めいた風格も相まってシリアスめな場面で出てきた時に場の空気が一つグッと引き締まる感じが凄く好きなキャラなので、ここからどんどん存在感が増してくのが楽しみなところですよ 福さんの一見幼なそうだけど一筋縄でいかなさそうなただならない風格が込められた演技がめちゃくちゃ良い味出してるのよな 「変身」の掛け声もだいぶ渋かっこ良かったし、普通に1人の役者としてめちゃ演技に魅入ってるよ

 

 

以上、ギーツ第22話でした。DGPを大きく揺るがす勢力図の動きが目を見張る展開の中、祢音周りのドラマがどう動いていくかが楽しみになる作劇が為されていたのが面白い回でありました。祢音周りは何気に色んな登場人物を絡めながらじっくり煮詰めて描いてる感じあるし、どう着地するかはけっこう楽しみなんですよね そういうところも含めこの先の展開は注目ですね ジーン/福さんの大活躍も気になるぜ

 

というわけで今回はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございます。 読んでて共感できたり楽しめたりしたところがあれば幸いです

気に入っていただけたら次回も読んでいただけるとありがたいです。感想をくださったり記事の拡散等をしていただけたりすると更に喜ぶぞ!!

ではまた