AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

モンスター ザ テーマパーク

ウルトラマンティガ

第10話「閉ざされた遊園地」

感想レビュー

 

 

コックピット内でガッツポーズして掲げた手が窓におもくそ当たって痛がるダイゴとか、喜んで思わず隣のヤズミの背中をぶっ叩いちゃうホリイ隊員とそれにめっちゃびっくりしてるヤズミ隊員とか、小ネタ的なキャラクターの仕草が楽しかったのも何気に今回好きなところです キャラクターのちょっと抜けてる部分なんかが窺えてコミカルさが程良く挟まるから作品が引き締まって良いのよなこういうちょっとした描写 コックピットの窓に手をぶつけるネタは次作ダイナでもやってるしなんか気に入ってるのよな 戦闘機ある防衛チームならではのギャグ描写って感じでユニークだし

 

怪獣ガギの箱庭と化した遊園地を舞台に、シンジョウ隊員とハルキ少年の奮闘を描く今回のエピソード。モンスターパニックと子供が主軸の熱いドラマがセットのこれぞウルトラシリーズ!な見応えある一エピソードでありましたね ガギくんはやっぱりカッコいいなぁと観るたび思う 良いよねガギ  お化け(オカルト)に対しては妹の後ろに回るほどめちゃくちゃビビり散らかすシンジョウ隊員やマユミさんのレーサーやってる彼氏の話など、後のエピソードにも引き継がれるシンジョウ兄妹の描写がちょくちょく入っててキャラクター的なバックがグッと補強されてるのも面白くて良いよね  マユミさんの彼氏の話はその、こう、今の段階で幸せそうな感じで語られると凄く曇ってしまうのだけど...(どん底) てか前に視聴した時も思ったかもしれんけどマユミさんの彼氏の話もうこの段階から触れられてたんだなぁと

 

そんな今回のエピソードですが、何が良いって言やあやっぱ怪獣ガギを取り巻くスリリングなストーリー展開だよなと。人で賑わう遊園地が見えないバリアで擬似的な閉鎖空間へと様変わりし、その中でお化け植物の蔦よろしく暴れ狂う鞭が逃げ惑う子供を次々捕らえて地面へ引き摺り込む、とかいうモンスターパニック映画さながらなシチュエーションがガギを中心に30分足らずの中で凄いスピード感と緊張感で繰り広げられるあの展開運びはガキの頃もかなり興奮したけど今見てもめちゃくちゃテンション上がっちゃいますよねぇ。地面からせり上がってくる謎の突起物(ガギの角)→そこから発せられる光と展開される見えない壁→閉ざされ逃げ場の無い遊園地の中で謎の鞭が乱れ舞い子供を引き摺り込み始める、という子供連れが大勢いて楽しい雰囲気に包まれていた遊園地というフィールドで徐々に不穏さが増しそこから一気に恐怖が爆発していく魅せがたまらん  遊園地を大々的に使ったロケーションや逃げ惑う人々を存分に表現した大人数のエキストラ、ガギの異質感や恐怖感を断片的に見せつけてくる地面から伸びる角や鞭といった造形物のクオリティなど、細部にまでシチュエーション作りの拘りが行き届いてるのも最高よね(特にガギの角や鞭は人間大のシーンの中でああして得体の知れないものが襲いかかってくる画が正しくモンスターパニックじみててマジに怖くて、そこから満を辞して現れるガギの存在感をグッと引き上げてるのがええんすわよね)

またこのシチュエーションの中心的存在たる怪獣ガギ自体も凄く良い味わい出してて好きなんですよね。古き良き二足歩行スタイルに岩みたいな体表と爬虫類じみた皮膚という王道なスタイルの怪獣でありつつも、丸山さんデザインの怪獣達に多く見られるシュッとした鋭い顔の造形や、爪の間から生えるグドンを思わせる生物感高めの鞭などが独自のカッコよさや魅力になってるデザインが秀逸で凄く印象深い怪獣だよなぁと。「遥か昔に地球に飛来し地底で眠っていた宇宙怪獣」「引き摺り込んだ人間の子供を卵の苗床にしようとする生態」といったいかにも怪獣らしい浪漫ある設定周りや、「バリア展開能力」「爪と鞭の展開の入れ替えによるマルチレンジ対応な戦闘」といった意外と多芸な能力面も面白いし、やっぱ伊達にティガの代表的な怪獣の一角を担ってませんわ 今からでもDXソフビ出せ(威圧)

 

という怪獣を起点としたスリリングな展開の中において、シンジョウ隊員とハルキ少年の交流を軸とした熱いドラマが光ったのも今回の良き見所でありました。いじめられっ子だったハルキがシンジョウ隊員と男同士、妹を持つ兄同士として肩を並べ語らい、「妹を守れる強い兄になる」という決意を胸に刻んでガギにも立ち向かう勇気を振り絞り戦う“漢”になっていくところは思い返すだけでもかなりクる好きな流れなんですよねぇ。こういう最初弱気だったり無力だったりする小さな存在が勇気を手にして大きな脅威にも立ち向かっていく様はやはり凄くグッとくるなぁ...(子供が主役だと奮起の流れとかがより感情移入できてまた良きなのだ)   そうして弱さも強さも知る男として成長したハルキが、自分をいじめてた子達の失敗や弱さにも真っ直ぐ優しく寄り添える強さを見せたことで彼らにも考えを改められ、一緒に手を取り合える友達になる、というハルキの成長をドラマとしてしっかり繋いだ「雨降って地固まる」的な気持ち良いオチも良かったね。等身大の少年達だからこその色んな意味で純粋な、拗れすぎないからっとしたまとまり方になるのが良いオチなんだよな  弱さも強さも知っているからこそ本当の意味で強く優しくなれる、的な子供達の背中を押す深みあるメッセージも強く感じられて総じて沁みる作劇だわね

加えてそのハルキのドラマを後押ししたシンジョウ隊員の良き年上の兄ちゃん感もめちゃくちゃ好きなんですよねここ。幼い頃弱い一面もあった自分とハルキを重ねて優しく寄り添い、守るべき大切な存在である妹のために強くなれた自分の経験を伝え諭す姿が、今までのエピソードにおける防衛チームの一員としての渋さとはまた違ったカッコ良さが感じられてますます好きになっちゃうのよな(プライベートでのちょっと抜けた/砕けた一面やマユミさんの前だからこそナチュラルに滲んでいるであろう妹想いの素敵な兄の姿なんかも引っくるめて凄くシンジョウ隊員のキャラがグッと掘り下げられる良いエピだよなと)  この手の防衛チームの頼もしい兄ちゃんと子供の語らいやそこから生じる子供の精神的な成長と活躍ってウルトラシリーズ、特に昭和シリーズだと割と鉄板の構図だけど、今回はそれをストレートに踏襲した良い熱さがあったなってところでも凄くグッときましたね。精神性的な根っこの熱量やドラマ性はしっかり継承しつぐ、時代的な進展を経たドラマや映像の中でも見劣りしない細かなブラッシュアップとかもしっかり効いてたように思うし、こういうところはやはり新生ウルトラシリーズの看板を背負ったとしてめちゃ強いなと感じますねティガ

 

 

以上、ティガ第10話でした。ガギが猛威振るうモンスターパニック的シチュエーションやシンジョウ隊員とハルキの熱い交流と成長など、ウルトラシリーズならではの展開運びをより迫力満点に、且つ劇的に描き上げた演出が目を見張ったオーソドックスながらも魅力溢れる一エピソードでしたね。ガギの存在感もとても大きいしやはり凄く印象深い話だよなと シンジョウ隊員のキャラクター的な魅力も一つグッと深まってとても良きね

 

というわけで今回はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございます。 読んでて共感できたり楽しめたりしたところがあれば幸いです

気に入っていただけたら次回も読んでいただけるとありがたいです。感想をくださったり記事の拡散等をしていただけたりすると更に喜ぶぞ!!

ではまた