AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

唯一神と転生者

仮面ライダーギーツ

第33話「慕情I:バッファ無双!」

感想レビュー

 

 

ベンとジョンの変身くっそかっけぇ!!となった後追いの今日ギーツ マイコゥダンス味のあるポップな変身(フィーバーの待機音が図らずもマッチしてたの良き)のベン、演じるトムさんのライダーファンぶりが窺える複数ライダー変身ポーズ複合モーション(公式HPで言及アリ)のジョン、どっちもらしくてカッコよかったよ 変身後も見たかった...

34話 慕情Ⅱ:ギーツの矛先| 仮面ライダーWEB【公式】|東映

 

デザ神となりライダーをぶっ潰す力を得た道長が君臨する世界から新たに巻き起こる波乱を描いた今回のエピソード。いよいよ終盤やぞ!という感じのストーリーの大きな転換が窺えた重要なエピソードであったなと とりあえずチラミは死んだ方が良いな() 前回の時点だとまだここから巻き返せる可能性も感じてたけど、むしろ初期の頃に見せてたエンタメ第一の最低なとこをガンガンに押し出して好感度を盛大に叩き落とし死ね度を上げてきた辺り抜かりないね!!クソ!!!ギロリくんに関してはGM権限振り回しての横暴に散々「死んで!!」って言ってたのが後になって色んな真実が明らかになるのに合わせてその有能ぶりや行動の中に通ってた筋が見て取れるようになったことで「ごめんな...ごめんやで...」ってなったけど、チラミに関してはないだろうな...(しかしギロリがあれだけ執拗に英寿を蹴落とそうとしてたことが「『デザ神として願いを重ねながら運営に近付く』こと自体がDGPの願いの成就のシステム的にあまりにも不毛(その苦労をしてまで辿り着いた真実が『多くの人間の幸福を糧に願いを叶えていた』と知るのは見返りとしてやるせなさすぎる)なので何も知らないまま脱落させてやる意義はあった」でちゃんとバチっとハマったの改めて鮮やかだよなと)

 

そんな今回のエピソードの中心であった道長でしたが、デザ神となった後の今回の行動から彼の目指さんとしているものの解像度がよりグッと高まった感じがありそこが面白かったところでしたね。正直前回までの時点だと「DGPを潰す」という指針がある割に手にしようとしているのは「ライダーをぶっ潰す力」であり、始めようとしてるのが「ライダー狩り」だったので、とどのつまりライダー憎さで開き直って憂さを晴らそうとしてるだけなとこあるんじゃないのと思ってたところもあったんだけど、実際のところ道長自身は自分のやっていることが自分の憎んでいたライダーと同じということも自分が手にした力が潰したくて仕方がないDGPから与えられたものであることも自覚している上で、運営が生み出し送り込んでくるライダーを2度と変身できないようにして「脱落」で何もかも忘れて日常へ送り返す存在として君臨しDGPをどっちらけにすること、且つ人間の願望を後押ししてライダーを生み出すDGP運営そのものを叩き潰し締め出すことを指針にしていることが今回窺えたので、少なくともそこに彼なりの筋があってそれをちゃんと通そうとしてたのはちょっと安心だったよなと。「退場」ではなく「脱落」でライダー達を落としていってたり、祢音がIDコアに触れて全て思い出す前に遠ざけようとしてたりしてたのは、憎いのはあくまでも「仮面ライダー」という概念でありその根源たる「DGP」であるのを弁えてるからこその温情ではあるよなと思うし

なんというか道長「最後の仮面ライダー」「最後のデザ神」として自らがDGPにまつわる業を全部背負った上で、自らの手でDGPに引導を渡し幕を引こうとしてるって印象なんですよね。自分自身もDGPに染まり仮面ライダーとなった存在として「誰かを蹴落とし自分の願望を叶える」という観念や行動原理、思考からどう足掻いても切り離すことはできないからこそ、それらを内包した上で最後まで「我を通す(ケジメとして自分の手でライダーやDGPを蹴散らす)」ことをしようとしているんだろうなというかなんというか。 「デザ神」というご大層だけどとどのつまり人間の願望の象徴やろがいという感じの称号を背負い、この先誰にも語らせんとばかりに「唯一神」よろしく君臨するの、なかなかに鮮やかで嫌いではない ただここを強調するならばせめて「デザ神としての願いで『DGPを終わらせる』はできない」みたいな基準をどこかでさらっとでも明文化しておいて欲しかったなーとは思うところ。そこが明確でなかった故に「最初からその願いでいいじゃない」というツッコミがどうしても出ちゃったとこあるからなぁ(そうであればこそ道長の筋の通し方にもより説得力は出たと思うし勿体無い)

 

またこの道長の行動により一時はライダーとしての記憶を取り戻すのを回避したものの、結局ベロバの横槍により祢音が記憶を取り戻してしまう...という一幕があったのも今後のドラマの一つの軸になりそうなポイントとして気になったところ。何してんねん350歳ババア!!!(暴言)  道長神様、貴方がどれだけ筋通してもアイツがどっちらけにしちゃったら意味ないしやっちゃってくださいよ  もうアイツと協力する意味もないしそもそもアイツもライダーやろがい!!

しかし祢音、実際のところここからどういう判断をするかはかなり気になるところだよなと。元々の願望だった「本当の愛」はキューンとの関わりで知ったようなものなので状況だけで言えば祢音がライダーとして戦う意味は無いし、いずれはライダーとして舞い戻るのだろうと想像できるとはいえそれがどういう経緯を踏むかはまだ未知、という感じであり(家族とのあれやこれというドラマ的な導線も残ってるから完全なフェードアウトもあり得ないし)  ここからまた参入するとなると最早願望と関係ない彼女自身の意志が絡むだろうなというところだし、そうなると本作のパターン的に祢音はいよいよヒーロー性に依るところの「仮面ライダー」になっていきそうなのよな(一徹さんや冴さんよろしく)  そうなると個人的にはけっこうアツいし、ともあれ次回以降はこの辺にも注目である

 

そして襲来した道長/バッファを相手にした、英寿の生き様を取り戻さんとするジーンとDGP存続に拘るチラミの変身するグレア2の決戦を描く後半。基本的に黒星少なで格の落ちる描写もなかったジーンとトリッキーなテクニシャン的な戦い方でなんだかんだ強いのだとこれでもかと見せつけていたグレア2という現状の2強ライダーを全く物ともしないデザ神バッファのほぼ不動な強さはなかなかに惹かれましたね 底抜けに強いというか「仮面ライダー」という存在の攻撃をものともしない概念武装的なバフ付いてるみたいなインチキじみた感じだよなぁ...少なくとも2度くらいフィーバーでゾンビの出目出してる辺り、その辺を自由にできそうなスキルも付いてそうだし、こういうところで細かく強さを見せる感じはなんか好きだ せっかくの強化なのにツノとマント付けただけのフィーバーゾンビじゃしょっぱくない?的な声もちらほらあるけど、バッファのパーソナルな要素であるゾンビを正統強化的な感じで広げつつ、フィーバーの金の差し色を一際目立つ金ツノの追加で統一感高めにしてたりと意外とビジュアル的にはカッコよくまとまってて好き(マントも正直またかとは思うけどなんだかんだ威圧感は増してて悪くないし)。なにより割と手を出しやすい既存アイテム群と細かな意匠の追加といった感じの気取らない感じが個人的には好感 このために生えてきた新アイテム(プレバン行き)を使った強化形態(既存フォームのリペ改造)、みたいなやつだったりしたらちょっとアレだったし...(何か言いたげな目)

 

そしてラストでは、前回の戦いで消えたはずの英寿が復活し帰還、その矛先は母を縛りつけるDGP運営へと向けられた...というところで今回は締め。転生のロジックや生きてる限りDGPへ参加できるシステムからしても英寿の復活はまぁ納得(ここに関しては後述するように別のロジックが絡んでそうだが)だし、ここでDGPそのものに対し牙を剥くのもそらそうよなという感じだったしで、凄く鮮烈で良い帰還でしたね英寿 助かったと思いきや僅かに寿命が伸びただけで自分に向けられたクソデカ矛が増えた結果になったチラミくんどう?(

しかしここで英寿と道長の目的が図らずも合致し、今後協力関係になってく可能性が大きく出てきたのはなかなか面白いところだよなと。道長自身今の立場に腰を落ち着けたこととそれに合わせて視点が変わったこととで英寿に対する見方、引いては関係性が大きく変じる可能性は大いにあるし(今回道長が倒したライダー達に向けた「全部忘れろ」が英寿/ギーツに邂逅した時言われた「こんな悲劇は忘れるに限る」と図らずも被っている、という他の視聴者さんの言からしても、今の道長がかつての英寿の言葉の真意等を考え直すとかいう流れもなくはなさそうだし)、ここでライバルだった二人が超凶悪コンビになってくかもというのはなかなか期待が高まるわね  英寿も道長も行動指針や敵対目標がここまでダブってる以上敵対する必要はなくむしろ協力する旨味の方があるしな...(お互い前の状態だと見えてこなかった相手のことが色々見えて分かり合うとこも増えていき、その上で最後には双方「最後のライダー」として雌雄を決するために好敵手として戦う(実際こういうのが本作の実質的なラストバトルになるかも)、的な感じになればオイシイなと期待したり)

 

そんな中、DGP創始者のスエルの口から、ツムリが重要な鍵を握っているかのような意味深な発言があったのも気になったところでありました。英寿の復活のロジックにこの辺が絡んでたり、ツムリ本人が創世の女神と密接な関係を持ってたりすることを仄めかすような口ぶりでもあったし、ここは終盤の大きな軸になりそうですね ツムリ自身今回のエピソードでは、負けると分かってるも同然なライダー達をナビゲーターとして自らの手で戦いに赴かせなければならない葛藤そんな中で何もできない無力感英寿という英雄の切望など、人間描写によるドラマ的なウェイトがかなり大きかったし、今後の活躍が楽しみです ふっと出た「英寿」呼びとか「慕情」というタイトルなど、つまりそういう感じかな、とも思うし

 

 

以上、ギーツ第33話でした。道長やツムリのドラマ部分におけるウェイトがいっそう濃くなり、DGPという最大目標も定められるなど、終盤への突入を感じさせる濃い回となりましたね 何やら意味深な動きのケケラや、最近の沙羅さんの出番増加に合わせたような新ライダーの登場も気になるし、ともあれ色々引っくるめて期待が高まりますね、慕情編 まさかケケラが弟をダシに沙羅さん誘い込んだとかじゃあるまいな

 

というわけで今回はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございます。 読んでて共感できたり楽しめたりしたところがあれば幸いです

気に入っていただけたら次回も読んでいただけるとありがたいです。感想をくださったり記事の拡散等をしていただけたりすると更に喜ぶぞ!!

ではまた