AnDrew’s小生意気レビュー記

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おい止まらねぇぞこのスズメ!!

仮面ライダーギーツ

第35話「慕情Ⅲ:姉の願い 弟の願い」

感想レビュー

 

 

「DGPぶっ潰す」という英寿のスタンスを受けてまた距離ができてしまうかと思いきや、自分の古巣にして楽しみの場でもあったDGPが無くなることになろうとも、それが英寿の決断ならば「自身の心を動かした英寿を支える」という他ならない自身の生き様に倣って支え続ける、という意志を貫き魅せてきたジーン、めちゃくちゃ素敵で痺れたね...最早DGPに依らない、自分自身の人生を生きてるんだなぁ 英寿との間のドラマがしっかり活き続けてるの良い  このジーンが「英寿を支えるためにレーザーレイズライザーを渡す」というプロセスが事あるごとに念入りに描かれることでレーザーブーストフォームが2人の関係値の結実たる強化フォームとしてドラマ性・特別感が薄れないのも良いですよね(登場時のドラマがめちゃくちゃ熱くても話が進むごとに大なり小なりここが形骸化しがちな強化フォームって割りかしいるので、そこを弱めさせないことを映像・ストーリー展開上でしっかり意識してるのは新鮮でめちゃくちゃ好き) ストーリー構成上、この終盤でも特殊なポジションながら「強い」フォームしてて頼もしいし、自分的には例年の強化フォームの中でも特別良い回され方してて好きなやつだわね

それでも「英寿が全部畳んでしまって彼とも別れることになろうとも支える」といった旨であろう最後の台詞がなんとも切なかったところであった ジーン、せめて最後は後悔のない着地になって欲しいね

 

互いに想い合う桜井姉弟、暗躍する大智、遂に共闘へと至っていく英寿と道長と激化していく構図、そしてその裏で未だ揺らがず不敵に笑うDGP深部の底知れなさを描いた今回のエピソード。全体的な構図が概ね面白い感じにまとまってくる様で楽しませつつ、ちょっとしたサプライズをぶっ込んで盛り上げてもくる良い展開多しの回でしたね。成果次第で他のライダーを任意で消すことの措置を施すことでクソチートを引っ提げてきたバッファの存在すらもエンタメに昇華する運営のこの逞しさ、程良くギーツやバッファの独壇場にしないスパイスになってて良いよね いよいよ物語上の最大目標となっただけあって運営がちゃんと底を見せない感じも楽しいところである  一番のトップのスエルがそもそもライダーを「見せ物の動物」としか思ってない、と示して改めてDGPのドス黒さを刻み付けたのも英寿/道長視点の「vsDGP」を引き締めてて良かった(改めてギロリがあの運営の中にいてだいぶマシだったんだなと実感できてくる...)

 

しかし桜井姉弟、前回ああいう感じになったので今後なんとも言えない距離感のハラハラが多い感じになってくかと思ったけど、思ってたよりだいぶ湿度低めのコミカルな回され方してて超面白かったですね。w 沙羅さんが(DGPのド初心者だからとはいえ)なんか良くも悪くもイマイチ緊張感が足りないマイペースっぷりで基本ずっとのほほんとしてる上に、景和はライダーになって戦う沙羅さんが心配だけど自分がライダーに戻ったのを知られたくないからこそこそ影に隠れてずっとなんか間の抜けたムーヴしてるし、この2人絡みのシーンはなんか全体的にずっと抜けてて笑ったんだよな...w 景和の初手ゴリゴリ迷彩服と明らかにケケラに引っ張られたとしか思えない謎置物サポータースタイルで笑った そのせいで景和が隠れ蓑使ったり隠れて喋ってきたりで今までで一番忍者っぽいムーヴしてんのが余計草生える なんで今やねん(

でもこんなだけど桜井姉弟のスタンスは2人とも「大切な家族を危険に晒したくない」というところにあるというのがしっかり強く描かれているのは目を惹くところであり、やっぱりここはこの終盤のドラマの一つの軸なんだなと。景和の方は沙羅さんがライダーなのを知っててこっそりとなんとかしようとしてるけど沙羅さんの方は景和がライダーに戻ったのを知らずに頑張ってて、結果日常生活では2人とも何も知らない風のいつも通りの家族として過ごす感じになってる、という井上大先生スタイルを彷彿とさせるちょっとスリリングなすれ違いの構図も面白いし、ここから沙羅さんがほんとのことにどう気付くのか、そこから2人がどう動く形になるのか、てのも楽しみなところですね。

てか沙羅さん、前回もちょっと触れたとこではあるけど、景和のドラマの一構成要素という役割があるのは勿論としてもそれ以外のとこでどういう感じに動かされていくのかが未だ全然読み切れないのでそこが期待半分不安半分の面白さでもあるよなぁ やっぱ関わるからには沙羅さん個人のドラマも色々見たいしね(一応祢音といい感じに友情を結んではいるのでそこも一つ軸になるかな?) 文字通りバケモンが跋扈するこの局面にズブの素人がクロー一本で飛び込んでる浮きっぷり、後々どうにか食らいつけるのだろうか

 

そしてそのバケモンどもこと現在の実質的な二強である英寿と道長ですが、やっぱり共闘という方向に転がっていく感じになりましたね。仲良しというよりは利害の一致でつるんでる感じであり、思った通り道長「最後はお前(英寿)を潰す」というのをハッキリ言ってきたけど、一方であれだけバチバチだった英寿に対し彼のDGP打倒に対する想いを汲んだかのような言動をしたりと、ある程度は歩み寄り(かな?)も見せた感じだったのが目を惹いたなと。DGPにまつわる形で大切な人間を奪われたこと創世の女神の願いの業を背負ってでも全てを畳み悲劇を終わらせようとしてること、というところでのシンパシーがあってこその対応の変化だろうなぁ  利害の一致というとこも大きいだろうけど、それでもこと今回に関しては英寿の考えに対しバチバチに食ってかかったり口出ししたりというのをしなかった辺り、彼に対し感じ入るものがあったからなのは多少はあるよね 「今までくだらない願いばかり叶えてきたのもそのためか」「まさかお前と気が合うとはな」といった一見いつも通りっぽいツンとした台詞も、今まで気に食わなかった英寿の行動の真意をしれっと肯定してたり、英寿と一緒に戦うこと自体はやぶさかでないと何気なく言ってたりと、英寿に寄る言動になってるのが窺えるしね

という感じでなんだかんだで共闘関係へと落ち着いたこの2人であったけど、vsDGPという点においてはともかくvsライダーという点においてはちょっと反対な感じのスタンスだったりしたので、ここが今後また衝突に繋がりそうで少しハラハラするところであったなと。あくまで潰すべきはDGPでありそこに付随するライダー達は(少なくとも積極的には)戦う存在ではない(なので助ける時は助ける)」というのが英寿のスタンスっぽいのが今回窺えたところであったけど、(全部忘れさせて元の日常に戻すことを前提としつつも)ライダーを全員潰してDGPをどっちらけにする、というところを指針としてる道長にとってそこがちょっと障害になると捉えられるかも...というのがあるんですよねぇ 実際前回はそういうやりとりがちらと描かれたし、その延長としてまた一悶着起きるかも、とは。最悪英寿が「自分の目の届くところでは助けさせてもらう」的な線引きをするならまだ穏便かもだけど、そもそも英寿が景和や祢音、沙羅さん辺りに助言をしたりと助けてるのは、彼らが自分の既知の人々であり彼らに対する情があるから、って感じみたいだし、現行の面子に彼らばかりが残った今の状態だともしかしたら...と心配にもなっちゃいますね vsDGPにてんてこまいで共闘してる時間ばっかりだったりした方が穏やかだが...見守る他ない

 

そんな中、彼らを掻き乱すように動き回り暗躍を続けていた男・五十鈴大智も今回のエピソードにおいて目が離せないところでありました。ジャマグラ編で引き篭もりっぱだったフラストレーションを晴らすように、自身を脱落させた(※逆恨み)景和へのネチネチとした仕返しも込めて、関係者というだけで沙羅さんすらも利用したりとイキイキと駆け回り楽しそうにあっちこっちで策謀を張り巡らす大智くん、めちゃくちゃ面白かったですね...w 乖離編序盤の策士ムーヴと慟哭編のエンジョイムーヴが合わさって最強と化してたの最高すぎたな() 正直エンジョイ勢大智くんには感触的に他の人ほどハマってなかったとこあったんだけど、今回でやっと魅力に気付いたかもしれない(魅力なのか?)

そしてそれでエンジョイしすぎた結果、ライダー特攻特盛りデザ神・吾妻道長に目をつけられ1人ボコボコにされ消し飛ばされる羽目になるという自業自得の最後を遂げたのも芸術点高くてめちゃ良かったですね...うーん、残念じゃないし当然!()  てか後から気付いたけどここで大智が道長にピンポイントで狩られる対象となったのって、道長を利用して祢音と沙羅さんを潰そうとした(それにより景和を陥れようとした)大智の行動が、自分の欲望のために他人を陥れ蹴落とす、という道長が嫌いなライダーとなる人間の醜さにバチっとハマったからだよなぁと(邂逅編でもそこにハマった小金屋さんを見捨てて叩き落としてたしな)  策士を謳っておきながら、結局自分の優位に酔って他者を見下した結果神の逆鱗に触れるとは、哀れ...まるで花火のような男だったな五十鈴大智...とびきり眩いが、消えるのも一瞬...

 

しかし大智くん、ああしてやられて消えようという瞬間でさえもニヤリと笑い、「これで終わりだと思うなよォォーッ!!」という捨て台詞を残すしぶとさを見せた上、その言葉をまるで運命力で体現するかの如く、アルキメデルジャマトにナッジスパロウのIDコアが回収されていく、という展開を描き出してみせたのはもうライブ感じみた生き様の貫きようがあっぱれすぎて最早感心しちゃいましたね...w コイツ絶対ジャマトとしてそのうち戻ってくるだろ!?(確信)  「僕を落としたことを後悔するぞ」と捨て台詞を残して脱落→ジャマトサイドの参謀役として拾われ復活道長デザ神化にとも無いお役御免となって放逐→DGP運営の手引きで再びライダーに道長にぶっ潰され脱落→IDコア回収されてジャマトとして復活(予定(未定))、になるかもしれないの、あまりにもライブ感と天運を味方に付けすぎなんだよなぁ...w 大智くん本人がくたばるより前に何か予めの策を施してるとかいうわけじゃなくただただ棚ぼたで誰かに拾われて復活してる、というのがポイント高すぎる() 棚ぼたもここまで来ると最早実力だよ  正直大智くんには本筋に掛かるドラマ的なエネルギーというのはあんまし無いんだけど、ここまでくると最後の最後までどんだけ掻き乱してくれるか(どんだけエンジョイしまくるか、どんだけ復活し続けるか)、楽しみで仕方ないぜ

 

そしてラスト、混迷を極めていくデザロワの最中にて、スエルの手引きにより復活したウィンとニラムが登場。DGP撤収の準備にかかり始めた...というところで締め。ウィンくんここで復活かぁ...!スピンオフの方に回ったからこっちはあるとしても最後にちらっとくらいで出ないかなぁと思ってて不意を突かれたね そしてウィンくんのインパクトに持ってかれてニラムの復活に全然驚かなかったのをここに懺悔します(マジでウィンくんに思考が全部持ってかれたせいでこないだ退場してたの完全に忘れてたし、その場にニラムがいたのを全然変に思わなかった...w

でもこのタイミングでDGP側に付する形でウィンくん復活はほんとに色々複雑な気持ちですよ...ウィンくんには復活して欲しかったけど、それはあの苦境の中通じ合った英寿と共に戦う存在としてのそれを望んでのことだったわけで、英寿とぶつかり得るしかないこんな状況での復活望んじゃいなかったですよぉ...!復活したからには英寿との深い絡みなんかもあるだろうけど、どういう感じになるか今からハラハラやで...バチバチにならんでくれ...自分他にも戒真/シーカーのこのタイミングでの復活なんかも切望してたんだけど、こっちもこっちで復活しても英寿に味方してくれるとは限らないしなぁ...ヤダ---!!!

 

 

以上、ギーツ第35話でした。英寿と道長の協力、大智のやりたい放題ムーヴ、ウィンやニラムの復活など盛りだくさんな内容でますます終盤の熱量を高める回となりましたね。思いの外大智くんの棚ぼた上等なライブ感ノリノリの生き様に魅せられてしまったのが悔しい...w 景和、祢音、沙羅さん、そしてライダーとは別軸で願いに食らいつこうとする勢力となったアルキメデルなどのキャラ達が今後どういう立ち回りをしていくのかも楽しみだし、ますます目が離せませんね

 

というわけで今回はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございます。 読んでて共感できたり楽しめたりしたところがあれば幸いです

気に入っていただけたら次回も読んでいただけるとありがたいです。感想をくださったり記事の拡散等をしていただけたりすると更に喜ぶぞ!!

ではまた