AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

×混ぜるな危険 ◯混ざらねぇぞ危険

暴太郎戦隊ドンブラザーズVSゼンカイジャー

感想レビュー

 

 

※本レビューはネタバレを多分に含みます。未鑑賞の方はご注意の上、鑑賞された後に読んでいただくことをお勧め致します。

 

本作ががっつりとした二作品のクロス方式ではなく一昔前のMOVIE大戦方式(各作個別エピソードをやりつつ終盤で合流)だったの、思うにまぁ両作ともストーリーもキャラもそれぞれ“強”すぎて、混ぜ切れなかったからなのが大きいよなぁ...と改めて思うw  混ぜるなというか、混ぜられるもんかというか  ワルドがぐっちゃぐちゃにした世界の混沌(カオス)の中で大野稔ヒトツ鬼が大暴れし、ドンブラザーズがイカれたムーヴを連発しながらゼンカイジャーと一緒に理屈の通った意味不明な作戦を展開させる映画、文字に起こしてみてしみじみ思うけど絶対1日のカロリーじゃ保たないもん() 観たかったかといえば観たかったけどさ!!

 

もう劇場まで観に行くのは無理そうだと諦めてたドンゼンでしたが、この度仕事の日程の関係で暇ができて関西への旅行の日程を巻いたことで終映ギリギリに飛び込むことができました TTFCでも1ヶ月くらい待てば観られたし焦ってはいなかったが、やっぱ映画は劇場で観てこそだな!!ってなったわね

 

個人的に戦隊シリーズの中でもかなりどハマりした二作のVSシリーズ(この二作が白倉P担当で2年間連続したの凄いよな改めて)でしたが、両作のテイストが存分に押し出されていてシンプルに凄く楽しい一作であったなと。カシワモチ中毒だカシワモチ王だ闇カシワモチだと意味不明を更なる意味不明が塗り替えていくようなイカれふざけた展開をバカスカ垂れ流しながらも、その根底には「自分だけ良ければ良いとばかりに可能性を閉ざす独裁に、色んな世界を越えて繋いだ絆や広がった知見や可能性で挑む」というTV本編にも根付いていたテーマをしっかり貫き通して魅せた良い意味で「いつもの」だったゼンカイに、特有の尖った絵面や仕草を随所にぬるりと挿入してくるクレイジーさで楽しませつつ、「欲望や見返りに浸かる内、自分のことを優先していってしまったりと変わり衰えていく人間の弱さ/諸行無常さ」「その上でも決して消えることのない大切な仲間との絆・想い、それに殉ずるべく何度でもまた立ち上がり向き合うことのできる人間の強さ/ヒーロー性」という二面をタロウ達のかけがえのない繋がりとしてエモーショナルに描き上げた素晴らしき後日談のドンブラと、両方とも実に「らしい」テイストでありつつも、介人達が世界を越えて紡いだ絆やドンブラザーズとしてタロウ達が繋いできた縁といった、これまでの物語を経た蓄積がある今だからこそ描ける「絆・縁」を共通してテーマにしていたのが凄く良かったですね。それぞれ我の強い両作の物語を(共通のテーマを据えつつ)それぞれの手並みで個別にこなし掘り下げてから、最終的に合流させて盛り上げるというMOVIE大戦方式もこうして見るとこと本作においては意外とベストな形だったのかもなとも思ったりしますね(噛み合わない会話をしつつもしっかり通じ合って力を合わせ戦ったラストバトル前のタロウと介人のやり取りこそが、「それぞれ上手く混じり切らないクセの強さはあるもののいざ交われば手を取り合える」という本作の構成そのものに密かに込められたテーマ性・メッセージ性のメタファーだったのかもしれない)

あと本作、何気にレギュラー陣サブキャラ陣含めて両作ともお馴染みのキャラクターがほぼ勢揃いしてたのが凄かったし面白かったよなぁというのは語るに欠かせないところ。初報の時点でまさか出るとは思ってなかった五色田両親とヤッちゃんがいたのもかなりアガった(その上功パパはハカイザーとして敵・味方双方に渡って登場しまくり(変身バンク付き・ラストバトルで全員の並びに合流)という超役得)けど、その後忍者魔法冒険星獣(未遂)王様機界(NEW!)おじさんこと大野稔や部長といった名脇役の登場も語られ、いざ本編を開いてみたらスーさんやらターさんやら大野母やら夏美やらマザーやらといった印象深いキャラクター達も(出番的にほぼワンポイントずつながらも)次々登場し、と両作を追ってきたファンには嬉しい顔触れ揃いになってたのがやっぱたまらんかったですね...スーさんは色んな世界の接続を描く上で地味に効果的な接着剤的ポジションになってたし、夏美は雉野さんや犬塚くんのその後というところのディテールをさり気なく掘り下げる/想像させる良いアクセントになってたしと、オイシイ登場が多かったのもグッド ゼンカイ側ラストシーンの勢揃いでの団欒めちゃくちゃ良かったしね(ここは喫茶どんぶらのセットがカラフルの流用だったおかげでスッとカラフル出せたのもデカかったし巧いところ)  やっぱちょっとしたキャラがちらほら出るだけでも深まるものはあるよなと

てかゼンキラセンパイに登場したポットデウスがしれっと登場してたの一番驚いたわ!!(流石に岡本さんの声付きではなかったが) あの後ステイシーの下でしっかりやり直せてるんだなぁ...というのが感じられるだけでもとても良きであった

 

そんな本作でありましたが、ある意味一番どデカい存在感を発揮してたのはジロウだったよな...とw  後日談エピソードで終始(文字通りマジで最後の最後の方まで)空気読まない言動で掻き乱した挙句、ラストバトルでぬるっと敵判定寄りのポジションとなり、いつの間にかボコボコにされてラストシーンで入院してる追加戦士なんて色んな意味で唯一無二だぞ?() お前なんであのTV本編を経てこうなるんだよ!!!「(一見仲間想いなようでいて)めちゃくちゃにエゴを発揮して人を縛り可能性を封ずる存在」という文脈が先のゼンカイ側のストーリーと重なるのが余計ひどい()  良くも悪くもジロウは変わらずジロウということか(良く...???) ラストでルミちゃんそっくりの看護師さんに会って、且つ彼女がルミちゃんではないことを確かめてちょっと切なそうにしてたのが、初心を思い出し...的な良い方向に取れる進展だったのが憎めない塩梅の良いアクセントか(懲りずにデレデレしてたけどな!!)

 

そしてかなり衝撃的だったのがまさかまさかのソノイの死(明言はされてないんだけど明らかに...)。紆余曲折ありとはいえかつてタロウから繋いでもらった命を今度はソノイが自らを犠牲にタロウを甦らせるために焚べる、という流れは二人の関係性を思えばドラマチックで納得(本作で描かれた二人の関係性の描写も短いながらも凄く沁みたし)なのだけど、TV本編後の後日談でソノイ落命はちょーっとたまげましたね...絵面もゲ◯だし(自主規制)  いくら脚本井上大先生繋がりとはいえこんなポスト木野さん仕草しなくて良いんだよソノイ...最期を看取るのが映像描写上はたった一人、というのも同じよな

しかしソノイ、結局このままになるのかなぁ...描写的な納得度はともかく流石にちょっと寂しいし飲み込み切れないところもあるので、願わくはいずれ来るキングオージャーVSドンブラザーズでしれっと復活したりしないかなぁ...とも。タロウの記憶も本作でしれっと戻ったんだし、行ける まだ行ける...!!(微かな希望)

 

 

という感じでドンブラザーズVSゼンカイジャーでした。やっぱり大好きだぜドンブラザーズもゼンカイジャーも、と思わせてくれる良い一作でしたね  改めて劇場で観ることができて良かったよ

しかしドンブラザーズ達のこの暴太郎っぷり、約1年後のキングオージャーVSドンブラザーズはほんとに大丈夫なんだろうか() 頑張れよキングオージャー...!!

 

というわけで今回はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございます。 読んでて共感できたり楽しめたりしたところがあれば幸いです

気に入っていただけたら次回も読んでいただけるとありがたいです。感想をくださったり記事の拡散等をしていただけたりすると更に喜ぶぞ!!

ではまた