AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

ブレーザー怪獣語り・結

アースガロン

 

別名:23式特殊戦術機甲獣(略称:特戦獣)

身長:50m

体重:2万5000t

初登場:ウルトラマンブレーザー第2話「SKaRDを作った男」

CV:石田彰(EGOISS/アーくん)

 

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地球防衛隊極秘裏開発していた二足歩行怪獣型対怪獣ロボット兵器特殊怪獣対応分遣隊「SKaRD」主戦力として投入され、隊長ヒルマゲントまたは副隊長ナグラテルアキ機長に、隊員ミナミアンリまたはバンドウヤスノブ操縦手に据える形で操縦・運用される。

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↑前面図および側面図および背面図。

液化燃料メインエンジンによる最高速度マッハ4での飛行を可能としており、これにより作戦区域緊急展開戦闘を行う。口内砲塔から発射する武装荷電粒子砲・アースファイアをはじめ、両腕105mm機関榴弾砲アースガン作戦ごとに対応した弾頭への換装基地待機する隊員による弾頭の遠隔誘導も可能な尾部5セル垂直誘導弾発射装置・テイルVLSといった武装など様々な兵装搭載、更に近接戦闘特化したCQCモードにも対応しているなど、多彩な戦術展開することが可能となっている。また万が一システムダウンを起こしメインエンジン停止しても、首の付け根にあるAPU(補助動力装置)緊急レバーを引くことにより再始動することもできる。後に後述の強化ユニット装着新型AI対話システム・EGOISSによる言語を介した戦術情報の共有といった機能拡張も行われ、特に後者はヤスノブが命名した「アーくん」という愛称を用いてのSKaRDメンバーとのコミュニケーション発展にも繋がった。「アーくん」は機械的ながらもSKaRDメンバーに対する友愛を感じさせる物腰柔らか人格が特徴。

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↑両腕のアースガン。
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↑尻尾のテイルVLS
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↑主武装のアースファイア。口内から砲塔が展開しチャージの後発射される。

 

 

アースガロン Mod.2

 

身長:50m

体重:2万7000t

初登場:ウルトラマンブレーザー第8話「虹が出た(後編)」

 

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両肩部分にそれぞれ1門ずつの計2門砲塔を備えた砲撃装備・Mod.2ユニット装着した強化形態(ModMODEL略称)。1ヶ月以上先実戦投入を目処に開発・調整が進められていたが、対ニジカガチのためにテスト無しぶっつけ本番での実戦投入が行われた。

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↑前面図および背面図。

右肩には地球上から宇宙空間にまで届くほどの射程を誇る高威力弾丸高速射出可能な600mm電磁榴弾砲ことレールキャノを、左肩には拡散モード収束モード2種類に切り替えが可能な多目的レーザーをそれぞれ備えており、これらの両兵装を利用した遠距離攻撃・銃撃戦を得意としている。一方でレールキャノンは威力の高さ故に強力な反動を伴うため照準定めづらいなどのデメリットも存在する。またユニットは状況に応じて脱着が可能で、ゲバルガ戦においては降下中のゲバルガに対して多目的レーザーによる狙撃を行った後、降着はユニットを取り外しCQCモードでの接近戦を挑むといった形で応用された。最大の技アースファイアアースガンテイルVLSといった標準装備と合わせての兵装の一斉発射によるオールウェポン攻撃

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↑右肩のレールキャノン。
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↑左肩の多目的レーザー。
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↑全ての兵装を解放し撃ち放つオールウェポン攻撃。

 

 

アースガロン Mod.3

 

身長:50m

体重:2万6000t

初登場:ウルトラマンブレーザー第21話「天空の激戦」

 

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飛行支援のための装備・Mod.3ユニット装着した強化形態。デルタ型翼状ユニットによりアースガロンの飛行能力向上させている。

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↑前面図および背面図。

デルタンダル飛行原理参考にした重量制御による推進システム・ウラヌスドライブによって稼働しており、背面のMod.3ユニットの排気口から光の粒子噴出ことにより発生する衝撃波最高速度マッハ9での高速飛行実現、ウラヌスドライブの参考にもなったデルタンダルをはじめとした飛行怪獣との高速空戦が可能となった。成層圏でも飛行も可能など戦術の幅も大きく広がったが、その強力な飛行性能故に飛行時には強力な重力加速度機体の振動を伴うため、パイロットにはそれに耐える体力、およびその中で射撃等の攻撃の照準を合わせる高い技術水準が求められる。ちなみにMod.3ユニットは背部から取り外した後直接手にして振り回すことで、主翼部分の鋭利さを活かし敵を切り裂くなどする近接武器として地上戦闘移行後に使用するという活用も可能。

 

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↑マッハ9での高速飛行が可能。この速度はウラヌスドライブの参考となったデルタンダルの飛行速度と同等。

 

 

アースガロン Mod.4

 

身長:50m

体重:2万9000t

初登場:ウルトラマンブレーザー第24話「第3波接近襲来」

 

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Mod.2ユニットMod.3ユニットといった全ユニット統合運用したアースガロン最強能力向上形態宇宙での作戦遂行能力付与されており、第2宇宙速度を超える速度によって宇宙空間へ到達外部バッテリーにより活動する。地球防衛隊上層部によってV99迎撃想定として作られていたとされ、ヴァラロン襲来に際し本来の運用時期から大きく繰り上げられる形で突貫調整および作戦投入が為された。f:id:AnDrew:20240406215647j:imagef:id:AnDrew:20240406215650j:image

 

 

 

─実はアースガロンに用いられているテクノロジーは、1999年7月2日地球接近し当時の地球防衛隊により撃墜されたV99の宇宙船より回収された残骸から得た地球外のもの。そのため地球防衛隊のトップシークレットとされていたV99の存在と同じく、それを起源とするアースガロン内部機構の数々も最高機密として厳重保護されていた。

しかしこの事実が開示されたことにより、アースガロン搭載の対話AI・EGOISSアーくんを介してV99のメッセージの受信と解読、および人類側のメッセージの発信というV99とのコミュニケーション可能であることが発覚。これを受けV99と人類の一触即発の状況の中、アーくんと介したV99との対話が敢行され、得体の知れない未知の脅威と思われていたV99が「人類を“得体の知れない未知の脅威”と思い込んでいたが故の恐怖と攻撃性に苛まれていた存在」であることが判明し、そして人類側からの“未来”という意志あるメッセージがアーくんを通じV99へと届けられたことでV99は撤退人類とV99の全面戦争回避されることとなった。

 

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↑余談だが、アースガロンは状況やコンディションに応じて目の表情が切り替わる場面が多々見られた。被弾時やダウン時にはグルグルと回った目に(画像上)、相手に好意を向ける際には笑った目に(画像下)なるのだ。かわいいね。

 

 

TV本編に劇場版(そしてプラスアルファの捏造怪獣紹介)と長らく続いたブレーザー怪獣語り、今回はその一応の大トリということで、ブレーザーという作品の顔として物語を彩ったもう1体の主役、アースガロンについてつらつらとお喋りさせていただきます。このシリーズを始めて間もないくらいの頃から最後の最後はアースガロンで行こうと決めてはいたのでようやくという感じですね。正直劇場版の記事を書くのが遅れてけっこう遅くはなりましたが、溜めに溜めたことでComplete Editionのアースガロンが届いてMod.4の写真まで載せられたので怪我の巧妙ということで一つ アースガロン玩具の決定版ですよComplete Edition テイルVLSのセルの開閉は付いてなかったのでそっちが付いてるアーツも欲しいところだが、お迎えしたらアースガロン3体になっちゃうんだよなぁ()

 

アースガロンとのファーストタッチブレーザーの作品情報の詳細が公開された特報PV(その後の本編ダイジェストPV映像にて機能等がお披露目)。ウルトラマンZの特空機に始まり、トリガーのナースデッセイ号バトルモード、デッカーのテラフェイザーと、作品の新たな見所として定着していた防衛隊の戦闘ロボットの系譜として本作にも登場したアースガロンでしたが、過去のシリーズに登場した怪獣を基にしたものが連続していた中で遂に満を辞してモチーフ元・オマージュ元の無い正真正銘のオリジナル防衛ロボット怪獣が登場ということで当方含めファン達は大いに沸いたものでした。(製作上の事情も込みとはいえ)新規怪獣を多く投入する舵取りを取ったこと含めブレーザー全体の作品性にも通じて言えることだけど、過去作オマージュや連動により惹きつけるばかりでないスタイルをドンと入れ込んでやれるようになるというところは長らく待っていたので個人的にも嬉しかったですね 発表当初は名前からアーストロンやガロンがモチーフなのではとも言われてましたが、割と早くに「別にそういうことはなく」というところに落ち着きましたね。まぁそのつもりならもっとビジュアル寄せるだろうしね

 

そんなアースガロンですが、まず各部にあしらわれた無骨な機械装甲やその隙間から覗く関節部を覆う化学繊維状のカバー素材といった、現代寄りの科学技術を基にして作ったロボットって感じの趣があるデザインラインだったのが、特空機から連なるニュージェネ防衛隊ロボットの系譜としてはなかなか面白いところでありましたね。(フルCGの規格外マシンだったナースデッセイ号バトルモードはともかく)特空機もテラフェイザーも多かれ少なかれヒーロー特撮のハイテクロボットって感じの外連が効いたデザインだったけど、その上でアースガロンはそっち方面とはちょっと違った現実基準でもありそうなデザインで来たというのが良い感じの捻りだったよなと。ブレーザーという作品自体がリアル志向なハードSFテイストを基本としてたので、そのリアリティラインを忠実に押さえた結果というとこなんだろうけど、良い無骨さになって際立つ個性がありましたね。こうして見るとハイテク防衛組織って感じとは少し違う泥臭さのあったストレイジも、けっこう特撮ヒーロー作品の防衛チームらしい程良いリアリティラインの崩しや外連が設定やビジュアルに入れ込まれてたんだなと思ったり

その一方でアースガロンの印象を強く刻み付ける“顔”に関しては、デフォルメ調の瞳が描き込まれた大きな目犬をイメージした顔立ちという、可愛さも感じさせるタッチになっているのがまた絶妙。この辺はブレーザーの田口監督がかつて担当されたZの特空機のセブンガーから引き継がれたテイストなのが窺えるところ(目の表情の変化のキャッチーさなんかは特に分かりやすく良い要素だったよね)であり、作品を代表するマスコット的な存在にもなるというところから一定の愛嬌みたいなものを担保する良いアクセントであったよなと感じるところでしたね。犬イメージというコンセプト自体も、ブレーザーの野性/獣性に通ずるカッコ良さを地続きな形で含んでるし、原始的な部族の狩人的なブレーザーのイメージの対し「猟犬」という形でクールな感じにハマってるしと、ただただキャッチーにしただけではないブレーザーという作品の上でのアースガロンのキャラ性へのマッチ感があるのがまた良き 総じて特空機から始まった系譜のキャラクターとしての良さをしっかり持ちつつ、ブレーザーという独立した作品の中の一キャラとしての魅力もしっかり練り上げられているのが窺えるポイントであったなと感じますね

 

続いて設定周り。こちらも腕から放つ牽制用の榴弾砲尻尾のハッチが開いて繰り出されるミサイル(誘導弾)口から放つ熱線2門のキャノン砲やデルタ型の飛行ユニットを背負っての強化などなど、漢の巨大ロボットと言えばこれや!って感じの要素をこれでもかとぶっ込んだ各種装備にガッと心を掴まれたところでありましたね。榴弾砲」「誘導弾」「荷電粒子砲」のワードの胸踊る厳つさ、強化ユニットを背負ってより無骨になってのパワーアップ、やっぱどれを取っても良いんですよ当時も今も...最後に来る最強形態がユニット全部乗せっていう如何にもな感じなのも、浪漫的な観点で言えば「理解かってる」よなという感じで、良いすよね(造形物作ったり的なところの兼ね合いあるかもだけど、ともあれバチっと“浪漫”的なツボをしっかり押さえてて好き)  先に述べたデザイン面同様に、現実的なテクノロジーのリアリティラインに概ね準拠した設定を基本としつつも、そこに熱線/荷電粒子砲や重力制御による飛行といったSFとしての外連もきっちり添えるという絶妙なバランスも浪漫があって実に良き  総じて「リアル志向のハードSFとしてのウルトラ作品」というキャッチの上で繰り出す巨大ロボットとしての完成度がマジで高かったよなぁと感じますねアースガロン  アースガロンの装備と言えば、アースガロンの情報が出た当初フォロワー氏が「アースガロンには振り回して武器にできるようなスケールではないのに尻尾があるけど何に使うんだろう?(意訳)」ってところに着目してたことがあったんだけど、それに対し「誘導弾を格納・発射するセルを搭載してる部位なのよ」という回答をお出ししてしっかり納得させてたのは今も印象深いところ。こういうところをしっかり分かってたかのような説得力の付け方・練り込みようを感じたね

 

続いてある意味一番の要たる実際の本編における活躍。第3話での本格参戦以降ブレーザーと共に本作の巨大特撮を彩ってきたアースガロンでしたが、ほぼ毎週数々の怪獣達とのパワフルなプロレスを繰り広げSKaRDを代表したブレーザーの相棒としてえ共に支え合い、とその勇ましく戦うその姿で本作の映像を華々しく彩ってきたその立派な様はとても良きでありましたね。完全オリジナルのキャラクターとしてのアースガロンが、これまた新顔揃いの個性豊かな怪獣達を相手に戦いを繰り広げるという、ブレーザー/ウルトラマンだけに依らない、「怪獣」をウリにした本作らしい絵面の新鮮さ・オイシさは堪らなく最高で毎週とても楽しみだったし、その中で繰り広げられるブレーザーとの共闘も、回を追うごとに視線や言葉を交えてより強く繋がっていく様が「コミュニケーション」という本作のテーマをしっかり体現していてドラマ的にもグッときたしと、本作を象徴するキャラとして非常に良い活躍をしてくれてたよなと。個人的には、第4話のレヴィーラ戦・第5話のドルゴ戦における鮮やかなアシス、それに続く第6話でのヤスノブとの熱い絆・単なる機械に留まらない強い意思を垣間見せたドラマという序盤の連番3話はこの辺の魅力をギュッと濃縮させた良さがあって一気に心を掴まれたし、第18話のイルーゴ戦辺りを明確な転機として、指示を出して動いてもらったり、武器を託したり、背中を任せ合って敵を蹴散らしたり、一緒に技を繰り出してフィニッシュを決めたりと、共に肩を並べ戦う者同士としてのブレーザーとの絆の深化が映像演出として印象深く描かれていく終盤戦の様なんかが特にグッときてお気に入りなところ(第6話は早期にやっておいたからこそ後述のアーくんに繋がるドラマ的な蓄積や奥行きも生まれてたしね)

勿論一部で言われている、「巨大ロボット」という視点から見た時の戦績の振るわなさ・苦戦の多さ故の締まらなさみたいなところには多少なりと思うところもある(戦績や苦戦の多さ云々というより、ダウンを取られるのが早過ぎたり一度の戦闘で爪痕/良いとこ見せる場面が少なめだったりと、単純にポテンシャルを活かす魅せ方をし切れてなかったと言えるのが惜しかったかもなとは。第8話にて鳴り物入りで投入されたMod.2が、思わぬ強敵ガラモンに手も足も出なかった第9話、デマーガ親子相手に実質的な悪役に徹することになってしまった第10話という直近の流れで良いとこ無しすぎる感じにされたみたいなとこは率直にうぅんとなったし)のだけど、それを踏まえた上でも、そこにばかりフォーカスして「ダメ」の烙印を押してしまうのは個人的にはやっぱり納得いかないというか、作中におけるアースガロンの活躍はあくまでそういう洗練された強さや見せ方とは違う感じの、「泥臭さ」「がむしゃらさ」みたいなものを一つ重視するポイントとして描いていた印象も受けるので、そういう評価軸も重視すべきだと思うんですよね。単純に特撮ヒーロー作品の巨大ロボットという枠組みで見ると先程も述べたようにダウンさせられてる場面も少なくはなかったりと少々思うところもあるし、活躍やキャラ性の演出・魅せがウルトラマンの活躍等の他要素とも兼ね合わせながら絶妙なバランス感で成り立ってた特空機とかの系譜という前提がある上だとどうしても魅せ方は比較されて難しさを感じる部分もあるのだけど、それはそれとしてアースガロンの活躍はあくまで「『リアル志向のハードSFテイスト』という土台を一つのメインとした上での『苦戦し打ちのめされながらも戦う姿』」だったり、言葉を交わし、背中を合わせ、肩を並べて、という形で段階を踏みながらブレーザーとの絆の深まりを少しずつ感じさせていく地道な過程」だったりといった、ブレーザーの作品性にきちっと沿った魅せ方に惹かれる良さという部分にこそあったと感じてるので、近年のウルトラシリーズにおける「巨大ロボット」「特空機から続く系譜」という流れの中にあることこそ間違いないけど、扱われた作品の作風自体が直近のシリーズとはガラリと違ってるのも含めて異なる軸での見せ方が為されてたと思うし、アースガロンを一概に同じフォーマットや先達と同じ評価軸に当てはめるのはちょっと違うという印象かなと。要は違う軸で見られるかどうかの問題だったかもなという(活躍の印象としては元々この手の巨大ロボットに代わられる前の戦闘機とかと同じ感じではある(自分も自然とそう捉えてた)ので、取り回し方の水準が下がったわけではなく部分的に回帰した/回帰させたと見るのが良いのかもしれない)  とはいえ巨大ロボットとしての活躍への純粋な期待や今までのこの系譜で培った蓄積が活かされることへの期待が大きかった人も多かったと思うので、それ自体は個々人の好みや焦点の違いなのでそこで合わない人も出るのは仕方無しですね  ただその上で「アースガロンはダメだった」と腐すこと、引いては露骨に悪意ある比較をして蔑み下げること自体に躍起になってるような声もちらほら見るのでそこはなんとも嘆かわしく(それこそ視点の違いなだけなんだけどなぁ)

と、少々脇道に逸れた話をしてしまいましたが、ともあれアースガロンの活躍は、与えられたフォーマットや系譜の上だと十二分にとは行かなかったと言わざるを得ないかもだけど、ブレーザーという作品の上でハマる魅せはできてたよなというところですね。無い無い尽くしな中で苦しめられながらも色んな策をこらしノーダウンで戦い抜いたデルタンダル戦だったり、不慣れなMod.3を隊員達の絆の強さも含めた上で乗りこなし、ブレーザーもほぼサポートに徹する形で実質的な単独勝利を掴んでみせたデルタンダルB戦だったりと、デルタンダル絡みはなにかと先にも述べた泥臭さ・がむしゃらさに通ずるカッコ良さを含んだ熱い戦いを多々繰り広げててとても沁みるし、こういうところに注目したいわね まぁデルタンダルB戦もそれはそれとして、「あのままアースファイアで爆散でも良かったのになんで最後ブレーザーに渡しちゃったのよ!!」と思ったりはするんだけどね!あんなカッコよく決めたアースファイアが続くギガス戦で殆ど効いてなかったのもちょっと納得できてないぞ!!(こういうとこの魅せ方の勿体なさ、という点は大いに納得できる)

 

そして最後はアースガロンを語る上で欠かせないEGOISSことアーくん。彼もアースガロンの存在感を非常に良く引き立ててくれていましたね。 Youtubeの前半クール振り返り動画の後半チラ見せパートでアースガロンが石田彰ボイスで喋ったのがファーストコンタクトでしたが、まぁたまげましたよね() 同時期の特撮で石田彰声のカスの悪ボスが幅を利かせてたのも相まってみんなも妙にハラハラしてたのが思い出深い。w とはいえ先入観抜きだと「機械的ながらも物腰柔らかな声」という感じでなんとなく親しみや安心感を感じるキャラにまとまってたので、この辺は石田さんが流石ベテランの技前

そんなアーくんは後半クールから作戦を円滑にするためのアースガロンとのコミュニケーションツール的に登場したわけですが、やはりなんと言っても「SKaRDとアースガロンの絆」的な部分をグッと深掘りするためのファクターとして果たした役割はとても大きかったよなと。アースガロン自体は前半クールではあくまでSKaRDの主戦力たるロボット兵器としての役割に徹する部分が大きかったながらも、先述した第6話のヤスノブとのドラマが良いワンアクセントとなって添えられた「共に戦う高潔な意思を持った仲間」としての一面が良いキャラクター性になっていたので、後半に入ってアーくんを通じてSKaRDメンバーとの距離感をよりグッと近付け、その一面をドラマ上の更なる見所として深めてきたのは視聴の上で凄く良いポイントだったんですよね。全体として見るとアーくん自身、引いては彼とSKaRDメンバーのあれやきれ自体が大きく前に出てピックアップされることは特別なかったんだけど、それでもアースガロンを「コミュニケーション」というテーマにしっかり通ずる形で明確に「仲間」として感じられるようにドラマに落とし込んで物語の見所としたのは観ててとても楽しかったし、これがあったからこそ、彼を仲間と信じて懇願するエミの声に応え託した、機械・AIとしての線を一つ踏み越えたSKaRDの一員としての“情・人格”を垣間見せ最終盤のドラマをグッと引き締めた第24話もとても沁み入ったなと思いますね 第24話のアーくんの、いつもの機械的な感じの中にほのかに困惑や情愛といった感情が混じる声色好きなんす  まぁ正直なこと言えば、第24話の下り自体は凄く良かっただけに、ここの説得力をもう一つグッと増すようなアーくんのSKaRDメンバーとの絆という部分へのフォーカスが感じられる下りが、そこまでの間に一場面だけでも印象深く入れられてたらもっと良かったかもなとは思う(そうして明確に示さずともちゃんと成立させる作劇上の味はちゃんとあったけど、やっぱもう一つくらいは欲しかったですね)

でもってアーくんが最後の最後に魅せた、「コミュニケーション」のテーマを体現した活躍も欠かせないポイント。 “言葉”を介してのSKaRDメンバーとの対話・交流のために出てきたアーくんが、V99の技術を基にされてたというアースガロンのテクノロジーの種明かしと交差したことで「V99と言葉を介し対話することができる」という唯一性を発揮し、人類とV99の悲しきすれ違いを「コミュニケーション」により解きほぐし、大きな戦いの勃発を避ける重要な一手となるという最終回の鮮やかな流れ、これには膝を打ちましたねぇ...強力な怪獣達と“戦う”ために纏ってきた武装ではなく、“言葉を交わし分かり合う”ために搭載されたアーくんこそが最終決戦の趨勢を決定付けるアースガロン最大の装備と相なったのは良い文脈が乗っててとてもグッときたよなと。強化ユニットを脱ぎ捨てたまっさらな状態での対話に徹する姿は美しかった(最終形態のMod.4が「V99を迎撃するために準備されてた」と語られてたのも、最終回で武装を外すことへの説得力的な布石だったのかなと思う)  結果的に打ちのめされながらも戦う泥臭い今までの姿も、ヴァラロンに一方的に叩き伏せられ傷付きながらもV99に対して言葉と体でもっての全身全霊の“対話”によって向き合う最終回の活躍にバチっとハマってアースガロンらしい熱さになってたと思うし、総合的に言えば全部引っ括めてちゃんと良い形にまとまる活躍ができてたなと思いますよアースガロン

 

 

というわけでたっぷり語りましたがアースガロンの話はこの辺で。賛否や課題は色々含んでいたながらも全部まとめて“らしい”感じの個性に溢れるキャラになってて凄く良かったなと思いますね。ポテンシャルを十二分に発揮しブレーザーと共に激しい戦いをやり抜いた劇場版の勇ましい活躍はTV本編だとイマイチだと感じてた人達としても大満足だったようだし、全部引っ括めたトータルで言えば全体としても良い評価にまとまったかな?と感じるしね 何はともあれ個人的には非常にお気に入りですアースガロン 良いもの見せてもらいました

 

かくしてこのアースガロンを形式上の大トリとしてブレーザー怪獣語り記事も一応の完結です。今後ブレーザー絡みでよっぽど大きな展開が公式から出でもしない限りは、ブレーザー関連の記事もここで一先ずかなと。読んでいただいた皆様、長らくお付き合いいただきありがとうございました やっぱり全部含めてめちゃくちゃ大好きだよウルトラマンブレーザー ありがとう

 

というわけで今回はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございます。 読んでて共感できたり楽しめたりしたところがあれば幸いです

気に入っていただけたら次回も読んでいただけるとありがたいです。感想をくださったり記事の拡散等をしていただけたりすると更に喜ぶぞ!!

ではまた