AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

ウェ-イ、ヒロミっち見てる〜?

仮面ライダーバイス

第29話「クランクイン!メモリー・オブ・ヒロミー!」

感想レビュー

 

 

ヒロミさん生存報告、軽くない?(はんぎれ

ヒロミさんの生死云々、一メインキャラとしてもしっかり機能してた彼のキャラ人気を思えば普通にストーリー上でちゃんと取り上げていくべきなのに、スピンオフの題材に持ってかれたせいで本編での判明があっさり処理された上、ギャグ調の総集編のダシにされてるのちょーっと思うところありますよ...視聴者間の認識や知識、思い入れをもっと深めておくべき部分をスピンオフに回したことでストーリーに少なからず歪みが生じる、ってのはここ最近のライダーシリーズで見られたところだけど、今回はなまじヒロミさんのストーリー中に存在感とファン人気がしっかりしてた分その歪みが大きく表出してしまった感があるなぁ 同じスピンオフ系列であるベイルが本編の方での情報開示をちょうど良い塩梅でこなしてただけに余計にそう思っちゃう

ヒロミさんが生きてたこと自体はそりゃ嬉しいんだけども、見たかったのはヒロミさんの生死がちゃんと本筋で大きく掛かってくるようなストーリー展開であって、スピンオフの方でそれを取り上げる形になった上にTV本編の方でなくスピンオフの告知の方でその事実が視聴者へと判明させられる形になり、あまつさえその兼ね合いで肝心のTV本編ではかるーく扱われるなんてのを見たかったんじゃねーッ!!どういうことだよクソッッッ(ガンガンガンガンガン)

何が悲しいって本来第1話で退場するはずの一モブに過ぎなかったのにメインキャラへと昇格したヒロミさんには是非とも途中退場とかなく本筋の中で存在感を発揮して行って欲しい(一時離脱してもまた出るまでの間その存在が他のキャラに大きく影響したりとかきっちり活きてて欲しい)と思ったのに、結局本筋からのけられるような形になってしまったことなのよな...なるようにしかならなかった感じがするというか

 

てところでヒロミさんスピンオフと絡めるのが前提になってた故に土台からモヤモヤするとこが多かったのがなんともという感じで正直ハマれない面も大きかった本エピですが、 とりあえず本感想へ。

 

今回はなんとか生存してたものの記憶を無くしてしまっていたヒロミさんの記憶を呼び起こすために自分達の記録をまとめようとする一輝達のわちゃわちゃを中心にこれまでのエピソードの要点を振り返るといういわば総集編回。前述の通りそもそものところで色々思うところはあるものの、序盤のリバイスぽい賑やかしさがまた中心になってたのは楽しかったぞ つべの振り返り動画やハイパーバトルビデオ的な感じのハメの外し方は面白かった。w

最近矢継ぎ早に色んな展開あって忙しなかったしガワバイスがいなくて絵面的な物足りなさもあったので、この空気感は良かったねぇ やっぱバイスがのびのびやってるってだけでリバイスという作品の空気はグッと引き締まるんやなと実感した

 

今回はこれまでのストーリーにおいて良くも悪くも軽い引っ掛かりになってた「ヒロミさんをデモンズドライバーの実験台同然にしてた狩崎」というところについて、「赤石長官が明確な指示を出してきた故に立場上突っぱねられなかった(意訳)」と言及する場面があり、中盤のこのタイミングにて視聴者目線での狩崎の立ち位置への信頼値をグッと固めてきたなと感じられたところ。狩崎はネジ何個か飛んでそうなキャラしていつつも五十嵐家周りで信頼できる描写がなんぼか見られるというバランス感がキャラとして面白い中で、やたら露悪的なヒロミさん周りの描写だけがちょっと気になってたところではあったので、ここをひとまずスッキリさせてくれたのは良かった。元々狩崎は自分に不備があれば非を認めて謝罪する人間だし、今回ヒロミさんへの情や贖罪の意思を見せつつこの件について謝ったのも一つスッとした  上の人間の目があるので大きな声でヒロミさんを助けてやれないのでは、というのは前にちょっと予想したことはあったのでズバリ、という感じだったわね(加えてヒロミさんは真実知ったとて死ぬまで戦っちゃいそうだし、ハッキリ言うより自分達への不平を強めさせて身を引かせた方が良いと思ったのかもなぁとも)

ただ一つ我儘を言うなれば、今回狩崎の実直な部分がグッと引き出され、今後もそういう色付けでキャラが描かれていきそうな感じがする故に、今まで狩崎の魅力であった「油断ならないマッドさと一定の線引きや矜持・良識を弁えた一面が良い具合に同居した立ち居振る舞い」というところが薄れていきそうなのはちょっと残念かも、とは。普段人の気持ちとかそんな気にしてなさそう飄々としたこと言ってたり「犯人の首を折る練習ですッ」とか割とエグいこと言ったりとお世辞にも良い奴とは言えないが、仮面ライダーにかける想いは本物であり味方としては信頼できるというバランス感こそが独自の魅力であったのでね 今後もエゲツない言動とかするかもしれないけど、今回明確に「良いヤツ」感が押し出された分「でも良いヤツだしな...」と思えるようになっちゃったのはちょっぴり惜しいところである(この辺はヒロミさんへの態度の答え合わせを何か仄めかすものが少ないまま後回しにしたことで、後のキャラの舵取りを極端に振る必要が出た、みたいな皺寄せのようにも感じるのでそこの勿体無さもある)  まぁ何はともあれ狩崎のこの先の活躍も楽しみぞ

 

また前々から仄めかされていた「各勢力に分かれて五十嵐兄妹」という構図が本エピソードにて明確になったのも目を惹いた展開でした。といっても「それぞれの信じられるものとかまで分かれてしまう対立構図となるのでは?」的な以前不穏に感じていたような展開ではなく、ギフ打倒という同じ目標を持つ中で、一輝はしあわせ湯を守るため、大二はフェニックスを正すため、さくらは家族から一旦離れて自分の強さを極めるため、とそれぞれが為すべきことを抱きながら進む、という形に収まったのは面白いところであったなと。離れていても想いは同じ、的なよくあるやつではあるけど、割と良い感じにハマった気がするね

しかし「家族とずっと一緒だと妹扱いされてもっと強くはなれない(意訳)」的な動機で離れることにしたさくら、一輝と大二に比べるとあまりにゴーイングマイウェイすぎてちょっと面白いんだよな...w 強くなるという指針自体はずっとブレてないところだし末っ子らしい青臭さも含んだある種の自立の描写として不自然でもないんだけど、自分なりに考えたかったという理由でウィークエンドのことをみんなに話さずにいたことも含め、なんかちょっと尖りすぎててぱっと見で共感というところにはあまり至らないのがキャラとして悩ましいなとは正直。てか「妹扱いされて大切にされすぎてしまう」ことに対し思うところがある的なところに関しては、序盤のジャンヌ変身〜デッドマンズ壊滅辺りの展開を経て実際に幸実さんをはじめとした家族のみんなとももう一つ折り合いを付けたような気でいたので、ここでまた引っ張り出してきたのは「え、またそこ取り上げるの?」とちょっと思ったところはぶっちゃけあるのよね 幸実さんの真意知って家族の絆深めた感じの流れがあった直後だからなんとなく違和感もあったし。  という感じでさくら周りがなんとなくとっ散らかってきた印象もあり、ここはこの先も展開においてちと心配なところではあるかも。なんとか上手いこと回して欲しいが

 

そしてもう一つ見所であったのは、新たなる敵としての存在感をグッと深めてきた赤石長官の描写。デッドマンズはギフ様復活の狂言回しとハッキリ言ってのけ、ギフ様を崇拝する狂信的な一面を濃くしてきた今回の様子は邪悪さがググッと引き立っていて良かったところであり、ここからの展開でどのように暴れてくれるか楽しみなところ。ギフ様もガワを手に入れて本格的に動き出しそうだし目が離せないなと

しかし今回の赤石長官、シチュエーション的には(返事を返してこないギフ様を除けば)誰もいないだったにも関わらず、明らかに「複数の誰か」に向けて喋りかけるような口調をしてたのは気になったなと。総集編回だし説明台詞になるのはそんな変でもないんだけど、「諸君もそう思うだろう?」とか言ってるのでどう見ても他の存在を意識してるんだよな...通信で話してる別の存在だったりとかなのかもしれないけど、見ようによってはまるで「第4の壁」を越えた語り口にも見えて、同じような手法で話してくることのあるバイスとの共通性なんかも勘ぐっちゃうな...と(それこそ今回久々にバイスが“こっち”に向けて話しかけてきてたし) ここの描写も気になってくるなぁ

 

そして今回の戦闘シーン。最近ジャックリバイスばっかだったので久々のボルケーノ登場はおっとなったし、火花が物理的に飛び散る演出や武器の多様でしっかり迫力高めに戦いを彩ったリバイスサンダーゲイルのバトルもけっこう見応えあったしとなかなか面白かったね リバイスの戦闘は尺こそ短いけど単調さはあまりなかったので物足りなく感じた前回のデビュー線の印象は払拭したかなと。この先の活躍にも期待

 

 

以上、リバイス第29話でした。総集編回ということで情報をしっかり整理し、次なる戦いへ向けての指針の提示なんかもちゃんとやったエピソードになったなと。五十嵐家の一先ずの別れ、赤石長官の謎など、注目したいところは多しですね ここから本格的に新章突入だろうし楽しみですな

 

というわけで今回はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございます。 読んでて共感できたり楽しめたりしたところがあれば幸いです

気に入っていただけたら次回も読んでいただけるとありがたいです。感想をくださったり記事の拡散等をしていただけたりすると更に喜ぶぞ!!

ではまた