AnDrew’s小生意気レビュー記

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急にんな説明されましても

仮面ライダーバイス

第38話「父と子が紡ぐ!究極のリバイス!」

感想レビュー

 

 

フェニックスベースの収容施設に収められてた民間人や常駐してた隊員がヒロミさんや田淵さんの手引きで脱出してたって設定、ちょっと後付けで取り繕った感が否めないな...?(民間人はともかく隊員もってのはほんとぉ???ってなるよ)

ここの後付け補足、フェニックスベース墜落の直後辺りに一輝達が「あそこにいた人達を助けられなかった...」と言及して悔やむ描写とかあったなら「実はあの人達助けられてた!」という驚きと安心が生まれて盛り上がってただろうし、緊張感も良い意味で一つ和らいだりしてただろうからシンプルに展開運びとして割とスッと飲み込めたんだろうけど、実際のところ全然そういうのが無く作中でノータッチなままここでぶっ込んでるから、どうにも視聴者に向けて急いで補足して取り繕ったみたいに見えてしまうんだよな...収容されてた人達について視聴者の方が突っ込み続けてた状況下でこんなの入れられても顔色伺いにしか見えなくてヤらしく思えちゃうのよ  こういう感じで「あれって特に考えたりせず勢いで入れたんだなぁ...」というのだったり「急いで理屈付けに走ったんだろうなぁ...」みたいなのが見えちゃうと冷めちゃうクチなので地味に辛いところだった(それを気にさせない勢いがあれば良いんだけどそれも今はなく...)

 

前回のヒロミさん帰還から引き続いて、狩崎親子の確執への一つの決着やリバイスの最強フォーム誕生が怒涛の勢いで描かれた今回のエピソード。大二に突っ込まれてたようにヒロミさんのこのタイミングでの帰還あまりにも遅いのだけど、大二のメンタル面にメスを入れ心を開かせるキーになりそうな要素としてのオーラを見せていたのは、ドラマ面の盛り上がりへの期待を込めるという意味でもおっとなったところでしたね。命を削って周囲の心配を顧みず戦っていたかつての自分の振る舞いを「正義の暴走」に例えて今の大二に重ね合わせ心配するヒロミさんの言動は巧いなと思ったし、そんなヒロミさんの言葉を受けて強く返せない辺りに大二の中に残った理性や人間味みたいなのが感じられたのが良かったなと  大二の暴走は周囲にブレーキかける大人があんまいない(近くにいられない)のも一因だと思うし、ヒロミさんには頑張って欲しいなぁ このままだと大二が強く出られる相手にだけKAGEROUの非情さ発動させて食ってかかってくるめんどくさい奴になっちゃうのであまり引っ張らんで欲しいのだ

 

一方、ここ最近の軸の一つとして緩やかに進行していた狩崎親子の確執の方も、家族を捨てた父への憤りに囚われるだけでなく、その覚悟を汲み再び手を取ることに決めた狩崎の一歩で少し解消が感じられて安心。割と捻りは少なめだったけど、前々から少しずつ描写を積んでたこともあって親子関係のドラマの魅せとしては良い具合にまとまったと思うし概ね満足かなと。狩崎が父の墓に置いた宝物の石がパパの手に渡ってて、それが一つ和解のきっかけみたくなるのも割りと好きなとこだったよ せっかくまた分かり合えたんだしちゃんと協力しなよ

 

そしてここからリバイスの最強フォーム・アルティメットリバイ/アルティメットバイスの誕生を描く展開へ

...となっていくのですが、よりにもよってここの展開が今回一番引っ掛かったところでありました。スタンプの完成に必要なギフの細胞を元太の肉体から命懸けの手術で取り出すとなって、たとえギフに対抗する唯一の手段だとしても父の命が潰えてしまうかもしれない方法を良しとせず止めにかかったり、覚醒したギファードレックスバイスタンプを相棒のバイスと共に抑え込んで2人の力にしたり、と一輝を軸にしたそれっぽい展開は次々繰り出されていたのだけど、前者が世界全体よりもまず自分にとって大切な身近な人/家族を守りたいというエゴイズムに一輝が真っ直ぐに向き合うという流れ、後者が一心同体の相棒として共に戦ってきたバイスとの絆を描くという流れ、って感じでそれぞれ全く別軸の話で展開されてるので展開運びの一体感が無くてどうにも盛り上がり得なかった...という感じだったんですよね  そもそも最近一輝が物語の本筋を展開させていく中心人物として配されていなかった以上、ここで急に家族どうこう相棒どうこうで一輝に集中的にフォーカスしても劇的にはならないというかなんというか...前者なんかは木村昴さん出演回の「エゴイストたれ」的なメッセージが一輝の軸として生きる流れとしてもっと劇的たらしめることもできただろうに、そうさせるだけの蓄積を築いてこなかったのがあまりにも酷い(そもそもあの回、一輝の記憶にまつわるあれこれも明らかになったりと一輝にグッと迫り掘り下げた重要回なのに、その後さくらとアギレラやら赤石長官どうこうやらに話がシフトしていくので一輝に全く焦点が寄らなくなってくの、あまりにもあんまりすぎる構成なんだよなぁ 変身すると記憶無くなる問題が放置されたままここまで来てるのだいぶ事故ってると思う)  仮にも主人公なのにこんな感じなのちょっとどうかと思うし、終盤の盛り上がりの砦である最強フォーム誕生がこんなヘンテコになるのは致命的だなぁ...

 

というのはありつつも、アルティメットリバイ/バイスの活躍自体はまぁまぁちゃんと楽しめたのは救い。リバイとバイスのコンビアクションというところが軸となって、ギフジュニアの頚の打ち込むリバイの蹴りとかバイスジャイアントスイングとか、序盤に見られた2人の印象深いアクションを取り入れたりと原点回帰的な味わいを入れてきたのは良かったところだったし、スタンプ押印による分身や磁石の反発と誘因を反映させたエフェクト・合成を用いた動きなどで魅せてきたのも目を惹いたので、この辺デビュー戦としては申し分なかったですね この辺最初が豪勢なほどどのくらい続くのかが気になってしまうタチなので純粋に爆上がりしてるわけではないのだが...(昨年のクロスセイバーはこの辺見劣りしないよう頑張ってた感じあったしこっちもどうか頼む、って感じだなぁ)

 

こうして誕生したリバイとバイスの新形態に赤石長官は歯噛み、というのが最後に描かれており、ここから本格的に最終決戦に入っていくかなという感じ。しかし赤石長官の語りで「ギフ様は太古の昔人間と共存しようとしていたけど人間から拒絶され悲しみから眠りについた」というバックが明かされたけど、これもしかしてギフ様との和解ルートもあり得る...?という感じはしてくるなぁ なんか急に出てきた要素なので現段階では全然ピンときてない(ていうか赤石長官の太古の文明の王だった頃の話は回想とかもなく長官の口頭だけで語られるからイマイチ解像度がボヤけてて没入できないんだよな...キャラがしっかりしてるとその辺自分達でイメージしたりもできるんだけど)んだけど、どうなるかなぁ...何にせよ綺麗に収めては欲しいが

 

 

以上、リバイス第38話でした。色んな面の作劇上の取り回しが思ったより面白くはあったものの、肝心の最強フォーム誕生の方がさっぱり、と舞い切らなかったのでなんとも、という印象のエピソードでした。いよいよ最終盤なのでなんとか固めて綺麗にまとめて行って欲しいところだけど、果たしてこれからどう取りまとめていくのか、心配の方が正直ちと大きい せめて大二は早めに矯正してやって欲しい...

というわけで今回はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございます。 読んでて共感できたり楽しめたりしたところがあれば幸いです

気に入っていただけたら次回も読んでいただけるとありがたいです。感想をくださったり記事の拡散等をしていただけたりすると更に喜ぶぞ!!

ではまた