イルーゴ
別名:汚染獣
身長:測定不能
体重:測定不能
登場話:ウルトラマンブレーザー第18話「そびえ立つ恐怖」・第19話「光と炎」
地面を突き破り突如姿を現した謎の怪獣。目や角、牙の付き方が上顎と下顎で対称となった特異な顔を持ち、全長不明の細長い体をチンアナゴのように地上へと現して鎮座する。複数体が存在しているらしく、最初に出現した個体の撃滅作戦中、新たに2体のイルーゴが姿を現していた。
正常な大気中においては細胞が弱体化してしまう性質を持っており、口から硫黄酸化物や硫酸塩に似た物質で構成された有毒気体・イルーゴガスを放出してこれを拡散することで周囲の大気を汚染し、自身の活性化に適した状態へと変える。このイルーゴガスは人体に対し目や喉の痛みといった光化学スモッグに似た症状をもたらし、重症化率も高いなど大きな悪影響を及ぼす。普段はイルーゴガスを断続的に放出するのみで主だった破壊活動は行わないものの、自身に攻撃を与える敵性存在が現れると体をより地上へと伸ばし、長い体を巻き付け相手の動きを封じたり、噛みつきにより攻撃したりと反撃してくる。更に外的な刺激を受けるとイルーゴガスの放出量を増加させる性質を有しており、迂闊に攻撃できないという厄介さも持ち合わせている。また体を丸めた状態から赤い体表をした球状形態のゲバルガの姿へと変態する性質も有しており、この状態で敵へと突進およびのしかかりを行うなどの攻撃も行う。
↑前面図および背面図。
朝木区市街地の地中から地面を突き破り突如として出現。出現地点に鎮座しながらイルーゴガスを1週間に渡り断続的に放出し続け、風に乗せてこれを拡散させることで朝木区をはじめ岸美区・有崎区・虹野区の大気を汚染、その最中に行われた地球防衛隊の攻撃にもまるで堪える様子を見せず却ってイルーゴガスの放出量を増加させるなど猛威を振るった。やがてバザンガ─ファースト・ウェイブやゲバルガ─セカンド・ウェイブに続くV99案件絡みの存在─サード・ウェイブの可能性も懸念されるようになり、これに付随する形でハルノ参謀長からSKaRDへイルーゴの調査中止の命令が下されるなど事態が混迷を極める中、戦闘機から射出された高耐久ワイヤーでイルーゴの口を縛りイルーゴガスの放出を封じた上で高出力の自走レーザー砲によりイルーゴを根元から切断するという撃滅作戦が防衛隊により決行されたが、これに対してワイヤーを断ち切り反撃を開始、自走レーザー砲を口で咥えて放り投げ無力化してしまった。
そんな時、調査中止の指示に逆らい独自にイルーゴを調査していたSKaRDがイルーゴガスの大気組成および正常な大気中での弱体化というイルーゴの弱点を発見。これを踏まえ、アースガロンにイルーゴガスの浄化が可能なフィルターを搭載した上でメインエンジンによる吸気・排気をフルで行い、大気を正常な状態に浄化することでイルーゴを弱体化・撃退する作戦が決行、これによって大気が徐々に浄化されたことで一時ダメージを負わされる。しかしその最中、突如体を丸め赤い体表をした球状形態のゲバルガの姿へと変態、地中から続け様に出現した2体目・3体目のイルーゴと共にアースガロンおよび救援に駆けつけたウルトラマンブレーザーを相手に突進やのしかかり、巻き付きによる締め上げといった怒涛の攻撃を行い窮地へと追い込む。そうしてSKaRDおよびブレーザーを危機へ陥れたが、そこでアースガロンのAI・EGOISSが「ブレーザーのチルソナイトソードの電撃による真空放電でプラズマを発生させ大気を浄化する」という策を発案、テルアキ副隊長の呼び掛けを受けその作戦を理解したブレーザーがチルソナイトソードを上空へ打ち上げ真空放電を行ったことで一帯の大気をまとめて浄化させられてしまい形勢が逆転。最終的にイルーゴの1体はアースガロンに首を掴まれた状態から口内にアースガンを連続で撃ち込まれたことで爆散、残る1体と球状のゲバルガの姿になった1体もブレーザーのオーバーロード雷鳴斬で斬り裂かれて倒されることとなった。
かくしてイルーゴは撃滅されたかに思われたが、それから程なくして新たに2体のイルーゴが姿を現し...
後に、かつて地球に襲来した宇宙電磁怪獣ゲバルガの幼体であったことが判明した。
↑イルーゴは複数体が存在。最初に出現した個体に続き新たに2体が地中より出現した。
今回はゲバルガに続くプレミア発表会未登壇怪獣のイルーゴくんをご紹介。以前Youtubeで公開されたブレーザー前半ダイジェスト動画にて唐突にその姿を現してファン達を驚かせたのが記憶に新しい1体ですね。ゲバルガの時もそうだったが、プレミア発表会での一挙お披露目に含まれない形でこうして前触れなく新しい怪獣がぶっ込まれると否応なくテンションが上がっちまいますね...これぞ新怪獣の醍醐味やで
そんなイルーゴ、最初のうちは全体像がほとんど明かされていなかったのもあってどういう怪獣なのかとかなりざわつかれていたものですが、その実態はなんとヘビやらウツボやらを思わせる細なっげぇボディを持った、王道二足歩行怪獣離れした特異な姿を持った操演・パペット表現の怪獣、とこれには自分も「ここで来たか...!」とかなり驚かされたものでした。ニュージェネにおける操演表現系の怪獣というとまず全然いなかったと思うので、これまたかなり久々な印象ですね(パッと浮かぶ辺りだと多分Xのムーが最新なので、ムーがマックスの宇宙化猫系列からの派生なのを踏まえれば新規の怪獣だと超絶久しぶりだと思う)。というここ最近だとかなり珍しい表現を取っただけあって、ヘビ・ウツボ・チンアナゴのようなうねうねとしなる動きだったり独特の獰猛さを感じさせる唸りのモーションだったりと、スーツ怪獣特有の中に人間が入るからこその不思議な愛嬌や力強さとはまた全然違った生物感を醸す面白い怪獣になっていたのがとても良きでありましたね。それにブレーザーやアースガロンがどう相対するかというところのアクション・殺陣の表現がどういう風に広がるのかというのも込みで見てて楽しかった
そんなイルーゴのデザインを担当されたのは、以前ゲバルガも担当された漫画家の川石テツヤさん。上顎と下顎とで目・角・牙の配置が対称になった特異すぎる顔、体中に並んだ亀の甲羅や遺跡のレリーフのような隆起など、イルーゴ自体の生物感の高さに対してどこかアートじみた意匠やイメージも含んでいるという絶妙なバランスがとても面白い仕上がりになっていて、ゲバルガ共々良き怪獣でありました。ゲバルガの方も生物的な意匠とそこからかけ離れた人工物的な意匠が同居したデザインが特徴的だったわけだけど、イルーゴとゲバルガの関係性を思うとここが共通なのはある程度狙ってのことっぽいよなと(ちゃんと通ずるものがある両者になってたんだなと今にして腑に落ちている)
https://x.com/kawaic09/status/1726103989778047024?s=46
そして劇中における設定・描写周りから溢れる生物的な質感のクオリティの高さ、ここにもかなり惹き込まれたところでありました。「周辺の環境を自分に適したものに変えるために毒ガスを吐いて大気を汚染する」「イルーゴの時とは大きく違った姿の怪獣─ゲバルガに変態する」という怪獣らしい規格外さを感じる行動や特性の数々が、摂食や営巣といった生きるための行動の延長で移入先の環境に様々な影響を及ぼしてしまう外来種の生態、芋虫→蝶・蛾やオタマジャクシ→カエルという一見想像もつかないような変態を為す生物の生活史といった、既存の生物のそれに通ずるものを感じさせるものにもなってるという絶妙さ、これが生物好きと怪獣好きを兼ねる自分としてはたまらなく良かったポイントだったんですよねぇ 他にもイルーゴから変態した直後のゲバルガが普通のゲバルガと違い赤い体表をしていたり体を丸めた球状の形態のままでしか動けなかったりといった描写も、蝶や蜂、カブトムシやクワガタといった昆虫・甲虫が幼虫から成虫になった直後は羽や体が乾いてなくて白いというところを彷彿とさせてて、ちゃんと「生物」として腑に落ちるものがあるという形になっているところが巧いなぁとなりましたね。怪獣とはやはり「脅威」でありつつも、「生物」であるという前提もあってこそ単なるモンスターに収まらない魅力が目一杯内包されるところも素晴らしいと思ってるので、イルーゴはその辺実に満足度高かったですね 良かった
というわけで今回はこの辺で。次回
ジ
次
ジ自
回怪
界
ハハはハhhhhhhhhhhhhhhhh
WARNING
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To be continued─