AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

お父さんの勇姿

ウルトラマンブレーザー

第18話「そびえ立つ恐怖」

感想レビュー

 

 

自走レーザー砲、という名のシーガルファントップの登場ににわかにTLが沸き立った今日の朝、とても良かったですね...

扱い的にはプロップ・ミニチュアの再利用によるそっくりさんの登場ってだけではあるんだけど、ガイアファン的には周年のこのタイミングに程良いリスペクトや目配せが随所に織り込まれてて嬉しい限り しかも有志の情報によるとイルーゴにワイヤーを巻き付けた戦闘機がガイア第1話でコッヴ相手に戦ったF-15だったらしく、ガイアに縁ある機体がいつの間にか集まってたようで、おでれぇた これでガイア怪獣が1体でもそれっぽい感じでスポット当たって再登場してくれるとありがたいが、そこは自分の道をしっかりと行くブレーザーに敬意を表しあまり欲張るまい

ともあれ粋なことをしれくれて感謝である

https://x.com/juliet3comet/status/1725923787672260700?s=46

 

汚染獣イルーゴの脅威に立ち向かうSKaRD、そんな中でにわかに首をもたげてくる“V99”の不気味な謎の浮上、というところを描いた今回のエピソード。ストーリー的には途切れないイルーゴの脅威やエミのV99への肉薄といったところで次回への接続がありつつも、SKaRDの活躍やヒルマ家の物語といったところが巧妙に絡み合って一つのエピソードとして完成度高めに展開された面白い内容となっていましたね 本筋もグッと進みそうな感じあって惹き込まれますね

 

にしても今回色々見所は沢山ありましたが、中でもイルーゴが想像してた以上に魅力たっぷりに描かれてたのは実にたまらんかったなと。イルーゴ自体については怪獣語り記事の方に任せようと思うのでここであまり多くは語りませんが、突如として現れたイルーゴが撒き散らす毒ガスで大気が汚染されていきマスクを付けていないといけない人間達が増えていくという、昨今の情勢を彷彿とさせるが故の不思議なリアル感とじわじわ漂ってくる不安感の出し方が現代ならではな恐怖感の出し方というか、独特のインパクトがあって非常に魅入ったんですよね。何かするでもなく街のど真ん中に鎮座しているだけで日常を侵食し崩壊させていくというあの存在感、それでいて何かあれば“怪獣”らしい猛威もしっかり振るってくるという緩急の付いた脅威性が強烈であった  前者の「何かするでもなく街のど真ん中に鎮座しているだけで〜」というとこに関してはある意味先のガヴァドンにも通ずる見せ方ではあるんだけど、イルーゴに関しては全体通しての雰囲気で明確な「脅威」であることがしっかり印象付けられてて、愛くるしいんだけど怪獣であるが故に社会を脅かしてしまう悲哀を含んだガヴァドンとは全くの別物であったのが良き  スーツ怪獣の生物感とは全く違う異質さを感じさせる操演・パペット怪獣ならではな動きも実に印象深かったし、大気の変質やゲバルガへの変態といった描写も規格外ながら実に生物的で面白かったし、素晴らしい怪獣だったぞイルーゴ

https://x.com/juliet3comet/status/1725921326538584239?s=46

 

して今回は先にも述べた通り、そんなイルーゴ相手に戦うSKaRDの奮闘・活躍が良きストーリーの主軸となっておりました。活動を制限されても構うことなくできることを追求、打開策を見出し窮地の中で颯爽と駆け付け脅威に立ち向かうという、自分達の判断で出撃し独立した作戦行動を取れる組織としてのSKaRDだからこそのフットワークの軽さがしっかりと強みとして描かれ、後半の対イルーゴ戦の山場への導線になっていたのが非常に良い展開運びだったし、その上でイルーゴ相手にしっかり勝ちを獲ってみせたところが実に熱かったですね。イルーゴとの戦いが行われてる足元の方でゲント隊長達が救助に励んでる姿が描かれたのも、SKaRDの仲間達の多角的な連携・活躍を臨場感高めに掘り下げていて凄く魅入ったわね(後述するようにゲント隊長の救助活動の下りは今回のヒルマ家周りの展開の布石としても良い機能の仕方してたし)

しかしイルーゴの1体相手とはいえ、アースガロンが今回遂に初の怪獣撃破を為したのほんまめでたい限りですやで...イルーゴの猛攻にガッツで粘って、アースガン口に捻り込んでブッパするという泥臭いながらもガツンと決めてみせた勇姿、カッコよかったぞ トータルで言うとダウンする姿の方がしょっちゅう描かれててそれが惜しくもあっただけに、デルタンダル戦よろしく後半戦に入ってからは粘るところもけっこう増えてきてて嬉しいよ 今までも勝てないながらもタフに頑張るくらいの活躍っぷりをもっと増やした方が良かったのかもなぁ

 

何より今回、SKaRDとブレーザーがしっかりとした「コミュニケーション」を通じて連携した、というエポックメイキング的な下りがあったのがかなりグッときたところであったなぁと。ドルゴ回の第5話でもブレーザーとアンリのアイコンタクトみたいなのはあったけどしっかり言葉に起こして意思を擦り合わせるみたいなガッツリとしたコミュニケーションをやってのけたのは今回はたしか初だったし、今までの戦いを通じて築かれたSKaRDの面々からブレーザーへの信頼とか絆みたいなものが確かにあったんだなと、胸が熱くなるものがありましたよね  激カッコよ挿入歌「IGNITION」の相乗効果も相まって凄く盛り上がったし、SKaRDとブレーザーで共に勝ち取った勝利って感じがあって良かった IGNITIONつい最近知ったクチだったけどマジでカッコいい曲なんで良いですよ  今後のストーリーもクライマックスに向けてぐんぐん盛り上がっていくだろうけど、その中でもSKaRDとブレーザーがしっかり一緒に戦ってる感じを出して欲しいですわね

 

そんなイルーゴとの戦いと並行して描かれたヒルマ家の絆を描く物語、こちらももう一つのドラマの軸としてとても惹き込まれたポイントでありました。SKaRDとしての立場を隠しており何も話してくれないゲント隊長に対しサトコさんは何かを察し薄らとした不信を抱いてしまい、その上多忙を極め自分のことになかなか構ってくれない父にジュンくんも表にこそ出さないものの寂しさを感じている、というヒルマ家の間に漂うほのかな不和にSKaRD隊長としての立場と父親としての立場の板挟みでゲント隊長も苦悩するというヒリヒリとした情景が少しずつ描かれる前半パートイルーゴ戦で救助されたマスコミのカメラに救助に励むゲント隊長の姿が捉えられ報道されたことで遂にサトコさんにSKaRDの一員としてのゲント隊長のことが知れ渡る後半パート、という流れに今回が事実上の前後編エピの前編であることとも相まってヒルマ家の絆に大きな拗れが生じてしまうのでは(解決を次回に委ねて不穏なまま終わるのでは)とハラハラさせられましたが、実際にはサトコさんもジュンくんもゲント隊長がちゃんと側にいない時もどこかで誰かのために戦っていることをそこから実感してくれて「無茶はしないで」という家族としての想いと共に受け止めてくれる、という形でよりいっそう家族の繋がりが強くなる展開が描かれ、ここは今回のドラマ面のハイライトとして非常にグッときたところでありました。多忙で家族となかなか向き合う機会が無いけど、その中でちゃんと家族として誇れる戦いを多くの人々のためにしているのだと、それを実感できたことはとても大きな喜びだったんだろうなぁというのが、全部受け止めて笑顔で向き合ってくれたサトコさんや、パパの活躍に嬉しくなってはしゃぐジュンくんの温かな姿から感じられてこちらもじんときたね...特にジュンくんが自分の作った腕輪をゲント隊長が付けてくれてるのを見て、多くは語らずとも声色や表情をより明るくしてゲント隊長といっそう強く触れ合う様は、パパがちゃんと自分と繋がってくれる家族なのだということを感じられた嬉しさみたいなのが溢れ出ててほっこりした ゲント隊長とジュンくんが親子として通じ合ってる様はこれまでにも度々描かれてたけど、今回のストーリーを経て更に一つ、グッと深まった感があったね 寂しいと感じてる時同様、家族絡みで自分がどう思ってるかはハッキリ口に出さないけど、その気持ちや声色や表情にちゃんと出てるジュンくん、大人っぽくありつつもちゃんと年相応の子供な感じあって良いよね

また今回のこのヒルマ家の流れを描くにあたって、マスコミの人達が作劇上の良い潤滑油になってたのが何気に巧かったなと感じたポイント。中継してて巻き込まれたところをゲント隊長に救われたマスコミの人達が、手にしてたカメラで捉えたゲント隊長の勇姿をウルトラマンブレーザーだけじゃなく、地球防衛隊もたゆまぬ努力で戦ってくれている」っていう形で気高く報じ伝えてくれたからこそサトコさんやジュンくんが強く感銘を受けたところは大きかっただろうし、直に救ってもらったことへの実感と感謝も込めてああいう人の心に訴えかける“正しきマスコミ”をやってくれたのさり気ないながらも今回の作劇においては重要だったよなぁ 特別総集編のマスコミトリオの姿とかが印象深いだけにブレーザーの物語でマスコミがちゃんとしてるとなんか嬉しくなるよな...そういう気持ちになる補助効果が出たところにおいても凄く意義はあったよ特別総集編第1弾  前半の中継シーンが入ることで後半での再登場もスッと自然になってたし、その上でちゃんとイルーゴ戦とヒルマ家のドラマをシームレスに繋げた取り回しも巧かったし、この辺とても良きであった

 

そしてそんなストーリー展開の中で描かれたエミのV99の真実への肉薄、ここも目が離せないところでありました。今回だけだと次回への示唆レベルだったからまだ次回を見ないとなんとも言えないけど、ドバシが再登場して「いよいよ本筋へグッと切り込んでいく」という感じも出てたし、自ずと注目しちゃいますね 寺田さんの風格凄いからドバシがただ出てくるだけでもきゅっと身が引き締まるよな...

 

 

以上、ブレーザー第18話でした。ウルトラ怪獣特撮としての面白さで全体通してしっかり牽引しつつ、そこにヒルマ家周りのドラマを自然に接続してストーリーに良き味わいを上乗せしてみせた巧みな作劇が沁み入るとても面白いエピでありました。SKaRD周りの活躍も凄く魅入るカッコ良さがあったし、ブレーザーのエピ全体で見ても単発の満足度はトップクラスだったのではないでしょうか 後半戦の盛り上がりに相応しい一本でした ここから本筋により切り込んでいく次回がどうなるか、楽しみ

 

というわけで今回はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございます。 読んでて共感できたり楽しめたりしたところがあれば幸いです

気に入っていただけたら次回も読んでいただけるとありがたいです。感想をくださったり記事の拡散等をしていただけたりすると更に喜ぶぞ!!

ではまた