デルタンダル
別名:月光怪獣
身長:45m
体重:1万4000t
ステルス機に酷似した薄型の三角形状の特異な体格をした怪獣。飛行能力に長け、マッハ9以上の速度と自由自在な軌道を両立させた縦横無尽の高速飛行を得意とする。小さな手足を有しており、これらは普段の飛行時には折り畳んで隠している。
最初は地中に棲息しており、脱皮によって成長した後に地中から目覚め空へと移動、積乱雲を巣として身を隠し、積乱雲が消えると大気圏外を移動してまた新たな積乱雲を巣とすることを繰り返すという生活史を形成している。胸部の発光体から発射する光弾・デルタンダル月光弾を武器としており、これを高出力で射出する他、広範囲へ無数に展開するなどして敵性存在を攻撃する。またマッハ9の高速飛行の際に生じるソニックブームも凄まじい威力を有しており、飛行軌道下の物体を吹き飛ばす、すれ違う際に他の飛行物体に深刻なダメージを与えるなど、ただ飛行するだけでも甚大な破壊をもたらす。
↑正面図・天面図・底面図。頭部や翼の先端部にも発光体を有している。
郊外の山から脱皮をして目覚めると、巣となる積乱雲を渡り歩く形で約2週間に渡り世界各地の空を移動、高速飛行の際のソニックブームにより飛行軌道下の建物のガラスを割るなどの被害を多発させた上、飛行中の哨戒機を撃墜する被害をもたらしたことで地球防衛隊から捕捉される。それを受け出撃したSKaRDとの初戦では、最高速度マッハ4のアースガロンを遥かに上回るマッハ9の飛行で翻弄、誘導弾・テイルVLSも巧みに回避し、12万5000フィートの上空へとロストする形で逃走した。
その後、その特異な性質から宇宙怪獣の可能性を疑われたものの、脱皮した際の抜け殻が発見されたことでそこから採取されたDNAの塩基配列を基に地球怪獣であることが発覚。また同じ頃、積乱雲を点々として移動を続けていることをSKaRDに突き止められ、それを受け積乱雲をマークしていた航空部隊に太平洋上の積乱雲に潜んでいたところを捕捉される。そこから百丈島上空を毎時マッハ10のスピードで北上し、最も近い地点にあった小丘市上空の積乱雲に身を潜めるも、そこへ駆けつけたアースガロンMod.Ⅱの多目的レーザーで撃ち抜かれ積乱雲外へと引き摺り出された。
そうして展開されたSKaRDとの第2戦でも、アースガンの連射を巧みに回避しソニックブームでダメージを与えるなどアースガロンを翻弄するも、アースガン連射による牽制で煽られたところにテイルVLSに搭載された優先誘導の極超音速誘導弾を叩き込まれたことで失速、続け様に現れたウルトラマンブレーザーの放ったレインボー光輪でダメ押しのダメージを与えられた。それでもなお怯むことなくブレーザーに挑み掛かるなど強靭なタフネスを見せつけたが、最後はブレーザーがチルソナイトソードから繰り出したライデンズフィニッシュとのデルタンダル月光弾による撃ち合いの末に押し負け、ライデンズフィニッシュの直撃により爆散した。
・マッハ9〜10にも及ぶ速度で飛行することが可能。大気圏外を飛行するのは、空気抵抗の無い宇宙空間を飛ぶためとも考えられている模様。
今回はニュージェネ怪獣界に燦然と降り立った変化球・デルタンダルくんを紹介。プレミア発表会の怪獣揃い踏みパートで上段の方にそっと鎮座してるコイツを初めて見た時から、そのあまりの奇怪さに「なんだコイツ!!??」と非常にたまげさせられたものでしたが、ステルス機を思わせる三角形の戦闘機のような飛行特化のフォルム、更に地球産の純然たる生物というそのビジュアルとは真逆すぎる意外も意外な設定など、実際の詳細もかなりユニークで非常に面白かったですね...飛行怪獣であることが先んじて解禁された時はかなり衝撃だったし、ソフビ情報でその全容が明らかになった時も当初のイメージとはまるで違うそのフォルムに度肝を抜かれたものです 最初はネオスのギガドレッドのようなオブジェクト系の怪獣(怪獣の顔のような意匠がくっ付いた機械兵器みたいな)なのかと思っていたんですよねぇ 地球の生物か?これが...(最高) それでこそ怪獣や
いやしかし感想記事でも語りましたが、こういうデザインも演出スタイルも超が2、3個は付きそうなほどの変わり種怪獣がニュージェネでも遂にドンと出るに至ったかと、感無量な気持ちでいっぱいですね...怪獣プロレスのために地に足を付けることをほぼ想定していない、飛ぶの専門と言わんばかりの古くは円盤生物等のイメージを彷彿とさせるデザインで、戦闘も合成等を多分に取り入れた怒涛の追跡!追跡!追跡!な高速空戦をメインにした変化球の演出で彩られ、とこんなのがガッツリ見られるなんてニュージェネ追ってきた今の今まで思ってもみませんでしたよ ブレーザー自体の作風も相まってとはいえ、こういうのも出せるくらいのびのびやれるくらいに、というか思い切れるゆとりがあるくらいに発展したんだなぁと、怪獣とはまた違うポイントで感慨深くなる
そんなデルタンダルをデザインされたのはバザンガ・タガヌラーに続いて3体目のデザイン担当と相なった楠健吾さん。Twitterに投稿されたデザイン画を見るとよりなんか円盤チック(実際デルタ型UFOがモデルとのこと)で生物感が少なめな感じであり、ほんとにかなり思い切ったなぁと。バザンガ→タガヌラーの方向性の変え方も面白かったけど、ここで更なる引き出しで魅せてきて感服ですね。素晴らしい怪獣をありがとうございます...
そして実際の劇中での活躍・描写ですが、こちらも非常に大満足。ストーリー構成上、本作の縦軸に関わるドラマパートにやや押されて出番自体は控えめではあったものの、そんな中でもその力の規格外ぶりをしっかりと見せつけていて存在感は申し分なかったし、加えて「脱皮して地中から目覚め、その後は巣となる積乱雲を探して世界中の空を点々として飛行し続ける」という生物的な生態のディテールがしっかりと作り込まれていたのもウルトラ怪獣らしくて凄く嬉しかったところでありましたね。特に後者に関しては、これがあるだけで奥行きが一段階も二段階も違っていただろうと思うので、新章開幕に伴う縦の進行の中でもこのポイント、およびこれを紐解きデルタンダルに迫っていくSKaRDの活躍をストーリーの軸としてしっかり描いてくれたところは本当にナイスでした。脱皮した後の抜け殻、ギニョール、飛び人形、着ぐるみなど多角的な表現および深掘りのために造形物周りもかなり力が入ってたし、本当に素晴らしいの一言ですよ 抜け殻の造形物出てきた時絶頂しちゃいましたよぼかぁ(言い方) 抜け殻が実際にモノとしてあることで生物としての奥行きがグッと増してたし、ここ抜かりなかったのはほんとに素晴らしい(「脱皮してから飛行を主にする生活史の生物というとちょっとトンボみたいだな」とか「でも顔付き的には爬虫類っぽさあるんだよな」とか、生物的な観点から色々掘り下げられる楽しさが満載なのが良すぎるのよなデルタンダル)
また劇中でハッキリ見せてるタイミングはたしか無かったけど先述したように実は小さな手足があったりもしてて(公式サイト等に手足を展開してる画像あり)、こういうしっかりとは見せないところまで作り込まれてる拘りも含め、総じて最高すぎる怪獣であったなと思いますね 拝み倒したくなっちゃうな...(大言) 生まれてきてくれてありがとうな
というわけで今回はこの辺で。次回は...
宇宙線が生み出した不思議な友達
次回も見てくれよな!
※あとがき
プレミア発表会に登壇してた時のデルタンダル、中はどういう構造でどう入っててどう動いてたんだろうか...という素朴な疑問() 見た目的にデルタンダル全身の上半分がドンと鎮座してた感じっぽいんだけど、アップ用に上半分だけ作られてた着ぐるみがあったとかなのかなぁ(だとしたら結果的にデルタンダルがどういうフォルムなのかギリギリまで視聴者達に分からせないことにも繋がってたし、結果的には良い効果だったかもしれん)