AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

Ties

ウルトラマンブレーザー

第19話「光と炎」

感想レビュー

 

 

ブレーザーは仲間です!」とSKaRDのみんなが言ってるの聞いて急に発熱し出したブレーザーストーン、ブレーザーくんが嬉しくなったり照れたりして昂った」って言われててめっちゃ納得した。w 可愛いなこのウルトラマン  今回のストーリーライン的にはブレーザーとSKaRDの両者の関係性の深化がくっきり描かれたポイントの一つでもあるから凄くグッとくるところだけどね!

 

終わっていなかったイルーゴの脅威、その奥底から現れる更なる脅威、そんな危機の中でエミとブレーザーの前に現れるものとは...な今回のエピソード。前回ヒルマ家の物語と並行して描かれていたエミの父親やV99といったエミ周りの展開を新たに中心に据える形で、ブレーザーの物語を取り巻く様々な要素をよりグッと深掘りしながら大きく盛り上げた話となっていて非常に面白い回でしたね。本筋の展開のさせ方的にブレーザーもいよいよ大詰めに入ってき始めたなという感じがするわね

 

そんな今回のストーリーの中心となったのは先にも述べた通りエミを取り巻く父親やV99周りの展開。エミから父の話が出てきた第13話その失踪にまつわるとされるV99の謎を示唆した第14話を導入とし、父の真実を追い知ろうとする娘としての感情と意地を見せたエミを後半クールの物語の一つの軸として配置し引っ張ってきたこの辺りの展開でしたが、ここで「父と娘の(しばしの)再会」「共同による危機の打開」というカードを切ってドラマをグッと盛り上げてきたのはとても魅入りましたね。先述の父への思い入れ・娘としての意地というところを先んじて強い動機・芯として提示しエミ周りのドラマの下地を作っておいたからこそ今回の父との再会への感慨が画としてしっかり映えてたし、加えてエミパパに関しても最初「娘の誕生日間違えてしまうような変人」みたいなところをエミの語りで印象付けておいた上で後から「エミ...誕生日、おめでとう」の台詞を入れることで、娘への強い愛情を確かに持ってる良いお父さんであったことを少ない台詞と表情の演出で見事に強調していてエミとの親子の情景がいっそう引き立っていたしと、ポイントごとの散りばめを活かしつつ今回のエピソードの中でそれらを上手くまとめてきた良い魅せ方だったなぁ...と感心したところでありました  エミ親子に感情移入しながら没入できる良いドラマパートだった 再会は一時だったがゲント隊長の送り出しの言葉通り、良い誕生日になったね...

 

そしてこのエミ周りの展開と並行・連動する形で描かれたvsブルードゲバルガ戦の窮地からの新たなる力・ファードランアーマーの登場による逆転、ここも実に燃えた流れでありました。炎を自在に振り巻き敵を焼く縦横無尽の飛行戦が非常にイカしてたねブレーザーファードランアーマー 合成で表現されるクソデカのブルードゲバルガ相手だからこその迫力の出し方で良かった  強化までの流れに関しても、ファードランの登場・ブレーザーとの接触自体が割とサクッとした流れではあったので映像上だとぱっと見あっさりめだったかもなんだけど、ここで並行して描いていたエミのドラマを活かし、(しばしの)再会・連携を通じて繋がりを再確認したアオベ親娘彼らの活躍で再び巡り合って力を繋ぎ合ったブレーザー・ファードラン「今も切れないかつてよりの繋がり・その再会」という構図で被せることによって、ブレーザーとファードランの再会と連携のドラマ性を「彼らもアオベ親娘と同じ」なのだとそれとなく類比して示し疑似的に補完していたのが凄く巧くて、気付いたのは後からだったけどかなりグッときて良きでありました。そう思うとブレーザーのピンチに駆け付けるほどに彼を慕っていて、再会したら一緒にハモるように吠えるほど良い主従やってるファードラン(およびそれに再会して一緒に戦えたブレーザー)の気持ちも色々想像が膨らむし、良い行間の生み出し方だったなと  SKaRDの仲間達の温かい言葉に昂ったりと、ブレーザー周りは言葉を介さない分最初は分かりにくいけど深掘りしてこういう感じかなというのがなんとなく分かるととても可愛げが出て良いですね ブレーザーを言語を用いないキャラ性にした強みが良い感じに出とる

 

またこの辺の流れの中で、前回に引き続いてSKaRDとブレーザーの絆・繋がりの深化というところが強調されドラマを大いに引き立てていたところも非常に良きでありました。冒頭にも述べたSKaRDの面々の「ブレーザーは仲間」という発言(とてれてれ発熱ブレーザーくん)に始まり、ブルードゲバルガ戦におけるブレーザーによる窮地のアースガロンの救出ブレーザーとアースガロンの同時攻撃によるイルーゴ掃討砕かれたチルソナイトソードを再生成させるためのアースガロンによるブレーザーへのチルソナイトソード受け渡しなど、両者がはっきりと協力・連携を密にし「共に戦う」ようになってるのがこう、実質的な前編だった前回と合わせて凄くグッときますね...チルソナイトソードの再取得を特撮のお約束よろしく少し画面から外れたら再生してるみたいな感じでやるのではなく、SKaRDとブレーザーの連携・コミュニケーションの布石として繋げたのは非常に上手かった チルソナイトソードが砕かれるシーンの衝撃度の高さも相まって、それを打破したのがこの絆の力ってのがたまんねぇすよ  ファードランとの「かつてよりの繋がり」だけでなく、SKaRDという新たな仲間達との「今ある繋がり」もブレーザーを支えてくれてるの、熱いね この「かつてよりの繋がり」と「今ある繋がり」の両面から支えられる構図がエミの方にも被せてあり(それぞれ「父との再会・連携」「自分のやりたいことを後押ししてくれるゲント隊長(SKaRDの仲間達)」)、先述のアオベ親娘とブレーザー・ファードランの構図の類比と連動してるのも実に巧み

 

という感じで大きな危機も乗り切り、SKaRDの仲間達やブレーザーの絆も大いに深まって、V99やエミパパにまつわる謎にも大きな前進が見えましたが、ここでドバシが今一度エミやゲント隊長達の前に立ちはだかる大きな壁としての底知れなさ・恐ろしさを見せつけてきてオチ、としたのがまだまだ安心できないといった感じで良い締め括りでありました。出番自体は少ないのにマジで要所要所で怖さを見せつけすぎなんだよなぁあの爺さん(どうやら宇宙人とかでなく普通に地球人みたいだけど、ある意味では宇宙人よかよっぽど怖いわよ)  エミにとって大事なエミパパの手記を割って入って奪っていったシーンから窺える無粋さ・目的のためなら他はどうでも良いと言わんばかりの傲慢さからして、SKaRDが相対するべき相手の1人としても配されてる感じを受けたけど、はたしてここ上で終盤どう動いてくるのか

そして前進が見えたからこそ却って得体の知れなさが増したとも言えるV99の存在感、ここも終盤を牽引する要素として非常に気になるところ。「1999年に到来してきた『地球外生命体』であること」が明言されたことに加え、地球人以上の科学力を有していること、それにより生み出したワームホーム発生装置を残していったことが語られたわけだけど、これだけ分かったからこそ色々想像の余地が生まれたというかなんというか...記述を素直に受け取るなら1999年に何かしら地球人とV99の接触があったことになるわけだけど、その上でドバシすら彼らについては殆ど知ってないらしい辺り当時どういう接触があったんだろうなというのが気になってきたりとか、まだまだ色々謎めいてるよなぁと。加えてエミパパが「彼らとの対話をしてみたい」と思っていた、というところが示されたのも、「コミュニケーション」がテーマの本作においてどう取り回されていくかというのも絶妙に読めなくて気になるところ。すなわち

「 V99は人類との接触により福音をもたらす異邦人なのか、それとも理解し合うに能わない厄災なのか」

という感じでどっちに傾くか、という感じですね  どっちに振れるにしてもブレーザーのテーマを深める上で重要なキーになることは間違いないが  自分達の作ったワームホーム発生装置を動かせるほどの科学力を持った星を探り当てそこを滅ぼすためにウェイブ系列の怪獣を送り込んでるのでは、みたいなおっかない考察もあったけど、はたして

何はともあれ注目ですね

 

 

以上、ブレーザー第19話でした。エミを取り巻く物語、ブレーザーとSKaRDの絆の物語、V99にまつわる謎、といった複数の本筋に掛かる要素を並列して展開させつつ、巧みな構図の類比唐をもって一本の盛り上がるエピソードとして見事に描き上げた素晴らしい回だったなと。前回と合わせ継田さんが良い作劇運びで魅せてくれました。ブレーザーとSKaRDが明確な「仲間」としての絆を深めてきたし、V99にまつわるしがらみから圧力をかけられることも増えた中でゲント隊長達SKaRDがそれに依らない「救い、戦う者達」としての維持と強さをより濃く見せるようにもなったしと、本筋も良い感じにあったまってきてるので、ここからの展開にも期待ですね エミやSKaRD全体に対する態度の機微から難しい立場であることが窺えたりするようにもなってきたハルノ参謀長が、どう達回ってきてくれるかも何気に気になる

 

というわけで今回はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございます。 読んでて共感できたり楽しめたりしたところがあれば幸いです

気に入っていただけたら次回も読んでいただけるとありがたいです。感想をくださったり記事の拡散等をしていただけたりすると更に喜ぶぞ!!

ではまた