AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

プギャーーー!!!!!!www

仮面ライダーギーツ

第16話「謀略IR:キツネ狩り

感想レビュー

 

 

ウィンくん、あれで(とりあえず形式上)退場とかマジ?これで終わりィ?英寿との絆イベもやって良きライバルポジみたいになりそうだったのにかァ〜!?

まぁメタ読みしちゃうと崎山さんのオールアップ報告がないっぽいので後々また出てきそうではあるけど、英寿が洗脳を解いて救おうとしたりみたいなベタなところでもっと見てみたかったなぁ...とはちょっと思う ウィンと話して彼のことを1人の人間として認め始めてたからこそ襲い来るパンクジャックを撃てないという英寿のかなり明確な“情”の表出も良いシーンだったし 何よりこの流れでいずれ復活とかだとキャラ的な構図が貴利矢さんと被るしそこはできれば...ってのがあるしね 復活はしてほしいけどそれはそれとして  ともあれこのまま完全退場は何にせよしょっぱすぎるので(流石にそれは普通にないだろうが)、今はどうなるか待機すね

 

クソゲームマスター・ギロリの暴虐により狭まっていく英寿包囲網、という筋書きで展開される謀略編ラストを描いた今回のエピソード。2022年最後の放送ということで、全体の勢力図を大きく動かしつつ世界観設定や背景の大きな秘密を新たに一つバッと開示し、新章への気になる引きを作った回となりました。ストーリー的にも、前回に引き続いてDGPそのものへの不信や今まで一緒に戦ってきた英寿への情からくる躊躇いと自らが望む世界を実現しようとする想いとの狭間で葛藤する景和と祢音を中心に、彼らがそれぞれの戦いへ向け決断する様が良い味を出しており面白かったですね ギーツとタイクーンのコマンドフォーム対決も良い見栄えであった レイジングソードでの剣戟→ゴリゴリに重量感のあるジェットモードとコマンドフォームの外連味効いた対決、というコマンドフォームならではの戦闘を対決という形でより面白く彩ってたわね

またクソギロリの越権どころでない策謀で追い詰められ傷付く英寿を、運営に秘密にする形で介抱する様を見せたツムリが個人的に今回好きなポイントの一つ。あまりガッツリ肩入れしてたわけではなかったし体裁としてはあくまで公平にするための対応としてやってはいたんだろうけど、わざわざご飯持ってきてあげたり運営には秘密だと和やかに言って退けたりと、規則としてというだけではなく、ツムリ自身の感情・正義に準ずる形でやってるとこもあるんだろうなと感じられる場面が沢山あったのが良かったですね。ギロリに対する不信を強め隠そうともしなくなってきていたここ最近の振る舞いも含め、ツムリがほんとに人間味ある表情や感情を濃くしてきてるのは何気に凄く面白いし良いよなと 特に「運営には秘密」って言ってたところの悪戯っぽい砕けた表情はかなり可愛くて好き 普段あんまヒロイン系のキャラにストレートに可愛いとか思うことないんだけどここはマジ  英寿個人への入れ込みみたいなのがあるかはまだちょっと微妙だけど、そこも含めツムリの今後には注目ですね

 

そんな壮絶な“狐狩り”の中、ゲームに自ら潜り込み英寿を直々に始末しようとしたりといよいよもってカス極まらんとするギロリの魔の手が英寿に牙を剥こうとし...となりかけたその時、その悪意を景和と祢音の活躍が見事に叩き潰し英寿を救い上げる流れは実に熱かった!自分達の戦いを取り巻くDGPの影に困惑していた景和がその権化たる存在に英寿仕込みの「化かし」で毅然と立ち向かったり自分だけの願いを賭けた戦いに深く関わっていた鞍馬家の存在に不安を隠せなかった祢音が「鞍馬家の人間にして仮面ライダー」という立場を強かに利用した立ち回りで鮮やかにギロリの逃げ道を塞いだりと、前回描かれたDGPに対する不信や困惑を見事にバネにする形で2人がここぞでバチッと“やってのけて”みせたのが個人的にめちゃくちゃ痺れたね...ここの不安がキャラクターの信念にブレを与えてあまり良くない視聴観にならないかがちょっとだけ不安だったので、そこを見事に杞憂にしてくれたのが良き 化かすのは狐だけじゃなく狸や猫もだ、と良い感じにモチーフを活かし絡めたのもグッド

何より、今までの戦いを経て願いやエゴをその人間の想いの強さとして肯定できるようになった景和が、今まで散ってきたライダー達も含めそれを踏み躙ったギロリに怒りの啖呵を切った様はキャラクター的な成長として非常にグッときたところ。人間が自らの願いのために振り絞る想いや力を知った邂逅編、願いに貪欲になり戦う意味を刻み勇猛に戦う戦士となった謀略編と、今までの蓄積がしっかりと昇華されて「(良い意味で)貪欲に飢えるエゴイスト」という感じの精神的に強い人間となったのがキャラクターの成長・変化として良い熱量となってたね。生き残るのにいっぱいいっぱいで策を巡らす余裕も無かった英寿すら化かして戦局をひっくり返し、かつて英寿がGM/ギロリ相手にしたようにライダー全員の戦いに賭ける想いを代弁しグレアに啖呵を切ったりと、英寿に代わるムーヴを景和らしい正義感と熱量を込めて言ってたのも最高であった この局面すらも英寿が“化かす”形でひっくり返すのでは?と読んでる視聴者も少なからずいただけにそこを良い意味で裏切って景和がそれを為すのは熱かったし、だからこそ英寿が改めて景和を認める様もグッときたよね

 

かくして団結した3ライダーの活躍により逆ギレしたギロリ/グレアも見事粉砕され、ニラムの采配によりギロリは更迭となった...プギャーーーーーーーーー!!!!!!!!!wwwwwwww  バーカクソゲームマスターバーカ!!!

いや冗談抜きにリアルタイムで観ててグレアがタイクーンの砲撃をぶちかまされた上祢音に連れられてきたニラムに現場押さえられた時はこのリアクションになっちゃいましたね() さんざっぱらクソGM仕草積み重ねてきてただけに凄く良いタイミングで足元掬われてて最高でした 引っ張らなかったのあまりに英断

にしても演じる忍成さんが花貰ってる写真が公式HPに載ってたし、書きぶりや口ぶり的にもギロリは完全退場っぽい雰囲気出してるんだけども、はたしてこの先どうなるんすかね...?次回から新しいGMが配置されはするらしいけども...「オールアップ」と書いてはなかった気がするし、うーんまだ分からん

17話 乖離Ⅰ:ようこそ!新しいシーズンへ!| 仮面ライダーWEB【公式】|東映

 

からのラストは、ギロリの更迭を受けてDGPが仕切り直しへ入ろうという中で、DGPが単に世界を守る戦いというだけでなく、オーディエンスやスポンサーに支えられるリアリティライダーショー─見せ物であったと明かされて締めとなりました。英寿自身もツッコんだようにそもそもただ世界を守る戦いだというのならゲーム方式にする必要なぞないというのは視聴者の多くも前から思っていたところであろうけど、そこにガッツリ切り込む形でこの種明かしをしてきたのは新章前の引きとして良い面白さでありました。普通に考えれば悪趣味極まりないけど、そうしてライダー/人間達の戦い見たさに集まるオーディエンスやスポンサーの支援あってこそライダー達の戦力も成り立っているのだという、理想の世界という見返りがあるからこそ戦う本作のライダー達の在り方にも根付く「エゴと正義のバランス」的なところをより大きく広げて世界観設定の強固な土台として示してきたのが面白かったね

そしてそんなオーディエンス達の中に混じる謎の青年・ジー、コイツがまさかの演:鈴木福さんだったのはある意味今回一番ぶったまげたところでありました。w 急に出てきたから「福さん!!!!!!??????」ってリアルに目かっぴらいたわ  これ見よがしな登場からして明らかに今後重要そうになりそうなキャラだけど、その怪しげで落ち着きある佇まいを見事に演じてたところは素直におおっとなったわね 念願のライダーTVシリーズレギュラーということで本人もやる気入ってるだろうし、今後のジーン、福さんに注目である

 

またラストの方には、アルキメデルのジャマト農場に退場したはずの道長が微かに息がある状態で送られてきて...という気になるシーンも。「ゾンビバックルを使いすぎた影響」とかなんとか言われてたけど、これもしかしてそういうことなんかね...死んでもリビングデッド的な形で復活する副作用...以前一徹さんに「ゾンビバックルは危険だから寄越せ!」とか言ってたことあったけど、マジに危険なやつだった...この一徹さんに対する物言い、道長が最初からゾンビバックルの副作用を知ってたのか、それとも自分と相性の良いバックルを手に入れたくて言った嘘から出た実だったのかは地味に気になるよね 他の使用者を気遣って自分ばっか使ってた可能性もなきにしもあらずになってくるし...(もしそうだとしたらあのシーン、一徹さんのこと庇った上にニンジャバックルとの取り替えっこというフェアなトレードする真面目さも見せてたことになるからいよいよ道長くんの良い人さが隠せなくなってしまうが。w)  ともあれ道長が今後どう関わってくるのかは気になるところ。ロクなことにならなかったりしないよな...?(怖

 

 

以上、ギーツ第16話でした。謀略編ラストということで、景和や祢音の活躍、ギロリ更迭、DGPの真実、道長再起の不穏な予兆など、盛り沢山な展開でドラマ的にも凄く盛り上がったエピでありました。特に景和は割とお気に入りのキャラなのでここでの劇的な活躍は凄くグッときたし良かったね 年越し前の良い区切りになりました

さて目まぐるしく移り変わるギーツの展開、ここからどう動いていくやら そしてこの先何度章が変わるやら

 

というわけで今回はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございます。 読んでて共感できたり楽しめたりしたところがあれば幸いです

気に入っていただけたら次回も読んでいただけるとありがたいです。感想をくださったり記事の拡散等をしていただけたりすると更に喜ぶぞ!!

ではまた

二つ名がまんますぎる

ウルトラマンデッカー

第23話「絶望の空」

感想レビュー

 

 

来週、総集編!!www

うがあああああああああ(爆散する音)

来週はマジの年末だから一応もしかしたらとは思ってたけどもさぁ!

 

記憶を失ったアガムスと向き合うカナタ、そんな中で更なる勢いを増すスフィアの攻勢を描いた今回のエピソード。ラストの展開としてもクライマックスに向けての導入とも言える感じになっており、いよいよ大詰めという雰囲気が増してきたなと

 

しかしアガムス、一時的な記憶喪失となった上でのカナタとの対話を経てなお全くブレないとなると、いよいよもって心変わりする余地はあるのだろうかとちょっと心配になるな...と。なんのしがらみも因縁もない素のアガムスが穏やかで仲間想いな性格の、相手の純な心に優しく向き合い語らってくれる好漢であったことが今回の展開を経て感じ取れた分、それを今のような諦観に塗れきった悲しき破壊者に変えた絶望がどれほどのものだったのかがいっそう身に染みて痛感できてしまったし、それを突き崩すなんてよっぽどじゃなきゃ厳しいのでは...って想いが余計に強まってしまったんだよなぁ(素のアガムスの人となりがアサカゲ博士やってた頃のそれに近いのが尚のこと辛いんだよな...アサカゲ博士を演じてた時どんな感情だったんだよとかかつての自分をどんな風に俯瞰してたんだよとか考えるの地獄すぎるッピ)  記憶を無くして素の状態になったところでカナタと改めて向き合ったことがアガムスを変えるきっかけになる、みたいな王道ラインの展開かなとも若干思ってたのにアガムスの悲壮すぎる歪みがキャラ性としてより強固になっただけだった...

でも割と本気にここまで来るとアガムスがどうなるか読めないとこは大きくなってきたよなぁ アガムス自身は本当に根っこは真面目で善良なのが窺えるしだからこそ救われるべきとも思う(救われるだろうと信じてるとこは強いし)んだけど、残り2話3話も無いのにここから救えるんですか...?えっこの状態から救える展開あるんですか!?最終回でジャグを救ってみせたオーブの前例を信じるべきか

 

というアガムス周りの悲壮さが強まる流れと共にスフィアの大攻勢が強まっていく怒涛の展開の中、前回ラストの流れを経て遂にソウマがカナタ=デッカーという真実へ思い至る運びへ。多くは語らず、今までの出来事を脳内で反芻させる形でスッとその解へと至るのが聡明な“見つめる天才”リュウモンソウマって感じで良かったな...チビになったデッカーのド下手くそなジェスチャーを根拠として回想する描写が無かったのは何故なのか(シリアスな空気感がぶっ壊れるからだよ)

そんなソウマがスフィアの攻撃で街や地球が危機に陥る中、カナタに対し「お前はやるべきことをやれ」と敢えてハッキリ言うことはせずカナタの背中を後押しし送り出す様は今回のハイライト。個人的には最初ソウマがその事実を踏まえた上でカナタに真っ直ぐ向き合い色んな想いを伝えるみたいな流れ(過去作で言うとこのムサシとフブキ隊員の正体バレシーンみたいなテイスト)になるのかなとも考えていたので、今回のこの展開は初見だとちょっと物足りなくも感じてしまった(この辺は同じような構図のハルキとバコさんの正体バレのシーンがめちゃくちゃ良かったからこそ物足りなく感じた面もあったかも、とはちょっと思うところ。敢えて多くを言わず送り出しその瞬間を見ずにいてやったバコさんの振る舞いは年長者としての深みと渋さがあったからこそキャラ的にも映えたと思ってるし、そこをまだまだ若輩なソウマのそれと無意識に比べてしまったかもしれん)のですが、改めてじっくり掘り下げてみると、戦場の真っ只中でカナタが真っ直ぐ全力で為すべきことをやれるルートを最短で引いてみせた、という感じでソウマらしい的確さとカナタとの間に築いた絆に基づく情みたいなものを同時に感じさせる仕草となっていて、今までのソウマの総決算としてグッとくるものがあったなとも思えたのでこれはこれで実に良きであったなと。「お前がデッカーなんだろ」とか言わずにカナタを送り出したり、オペレーションを真っ当し背を向けていたことでカナタの変身の瞬間を見ていなかったりといった節々の言動も、「超常の光の巨人・ウルトラマンデッカー」ではなく「暑苦しくも真っ直ぐで眩しい、自分達と共に戦ってきたかけがえのない仲間にして1人の人間である“アスミカナタ”」に向き合いたいという感情があったりしたのかなとか思えたりしてまたグッときたしな...たとえウルトラマンであろうともソウマにとって今まで通りカナタはカナタだしさ  ともあれ、多く言葉を交えずともソウマ周りの今までも蓄積を劇的に昇華させた良き展開であったなと。良かった

 

そうして様々な者達の想いが交錯する中、遂にスフィアの本体たる怪獣・マザースフィアザウルスが出現。地球の近くへやってきていたトリガーと一戦を交えんとしていた...というところで今回は締め。なかなかにズッシリとした佇まいとディテールの細かさが怪獣らしい威圧感を極限まで高めたビジュアルが強烈に目を惹くマザースフィアザウルスですが、登場から良い存在感で実に良きでしたねぇ。どデカい隕石状のビジュアルから頂点がパックリ割れて顔が現れ怪獣の姿を見せつけてくる様は、平成初期辺りのウルトラシリーズにおける不気味で強大な未知の生命体としての怪獣の演出に通ずるものがちょっと感じられて個人的にかなり痺れました(規格外のスケールの演出と生物的な不気味さの演出のが同時にくるというとこでディグローブをちょっと彷彿とさせられたり)

にしてもまさかトリガーとのマッチが実質的なデビュー戦になるとは驚きでありここは面白い展開運びでしたね。フォロワーさんも言ってたけど、ウルトラシリーズの今までのラスボスよろしくデッカーを一度下す圧倒的な力の見せつけ的なところがデビュー戦になるもんだと思ってただけに、これは意外性があり良い意味で意表を突かれたなと。なんだかんだでトリガーはあの世界観における先達にして実力者のウルトラマンとしてデッカーという作品で良い存在感を発揮するように描かれてるし、まず最初にそこをぶつけるというのは前作キャラの活用としてもラスボスの格の描写としても面白くなりそうで良きね(ダイナにおけるティガの存在とはまた別な形で良い引き立て方にはなってると思うよデッカーにおけるトリガーの存在)

しかしマザースフィアザウルス、二つ名が「最強スフィア獣」なのはもうちょいなんかなかったかなぁ、とは正直なる() 捻りのなさと直球さよ。w 分かりやすいけどもさ!!

 

 

以上、デッカー第23話でした。クライマックスに向けての導線を引く準備って感じのストーリーになっており、その中でアガムスやソウマのキャラ描写が良い感じに活きたエピソードとなってたなと思います。マザースフィアザウルスの演出も良い感じに痺れてグッド

さて次回の総集編を経て年を跨いだ後はもう一気に終わりまで駆け抜けるという感じになりそうなデッカー、どういう着地になってくか楽しみなところです 見届けるぞ

 

というわけで今回はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございます。 読んでて共感できたり楽しめたりしたところがあれば幸いです

気に入っていただけたら次回も読んでいただけるとありがたいです。感想をくださったり記事の拡散等をしていただけたりすると更に喜ぶぞ!!

ではまた

おこがま星人

ウルトラマンティガ

第3話「悪魔の預言」

感想レビュー

 

 

イルマ隊長「私はこれまで、ウルトラマンティガの行動を通じてある感触を得ています。それなりの確信があります!」

ヨシオカ長官「確信?...ハッハッハ...それは“女の勘”ってやつかね?」

?「そ  れ  っ  て  ぇ  !!!!!!(クソデカ声)

シリーズ初の女性隊長としてのイルマ隊長をしっかり描く上で敢えて露悪的に描写してるところってだけなんで多少はね

 

現代へ降臨した光の巨人・ウルトラマンティガの存在に憤り牙を剥く謎の存在・キリエル人の暗躍を描く今回のエピソード。ティガを代表する怪獣/宇宙人の一角を担うキリエロイドの登場でも印象深いですが、なにより色々ぎこちない部分もあった1、2話を経て我々のよく知るティガらしいテイストやテンション感がようやく強まっていくのでそういう意味でも非常に目を惹くエピソードでありました

 

特にキャラクター周りの動かし方に油が乗ってきて、それぞれのキャラの色分けがしっかりとされてくるところは今回を境にした大きな変化のポイントであるなと。1、2話は作品の地固めというところに注力してたこともあってか、メインキャラ周りの言動がやや展開運びありきな感じだったり大仰気味な色付けをされてた感じがあったりという印象だったのですが、今回はやや背伸びした感じの愛嬌ある言動を見せるようになったレナここぞで自分の力も仲間の力もしっかり信頼してドンと構える熱さと頼もしさのあるシンジョウ隊員など、それぞれ良い感じに個性ある一面が細かく描かれるので「おっこのキャラはこういう感じね」というのが把握できていくし、それが映像を一つグッと引き締めより映えさせているので俄然楽しいんですよね(後々のキャラ描写に通ずる部分もしっかりとあるので各キャラのキャラ性自体はちゃんと固めてあったのが窺えますね)。後半のオペレーション展開においても、ヤズミの分析副隊長のキリッとした態度での迅速な指示など各人の長所や能力が光る場面が多く、迫る爆発へのタイムリミット!失敗の許されないたった一回のチャンス!という緊迫感溢れるシチュエーションの中でもGUTSの活躍がバッチリとカッコ良く決まっていて気持ち良かった ウルトラシリーズならではの防衛チームの活躍を、キャラ描写とストーリー展開の掛け合わせで序盤からしっかり印象深く魅せているの良いですよね

また今回のメインキャラ達のキャラクター描写というところにおいて一際印象深かったのはやはり今回の主役格として活躍したイルマ隊長の描写。聡明さを湛えた冷静な判断をしつつ時に身を挺して人々を守ろうとしたりといった熱い一面も見せるなどのウルトラシリーズの隊長らしいカッコ良い立ち回り、後手に回ったことで市民に犠牲を出したことを悔やみ項垂れる責任感の強さや情の厚さを覗かせる人間的な姿など、色んな面から人格的に深みのある一面を掘り下げる描写をこの序盤からたっぷり見られたところはストーリーとして非常に大きかったよなと。イルマ隊長といえばシリーズ初の女性隊長というところが強く目を惹くポイントであり、記事冒頭にも書いたヨシオカ長官の斜に構えたような皮肉や今回のエピソード中でさり気なく示された息子の存在(息子くんは後にキリエル絡みの話で直接登場することになるので、ここでの存在の示唆はある種の前振りというか伏線配置的な描写でもあったのかなと)など「女性」である点を意識的に掘り下げる描写も数々入れ込まれているものの、それだけでなくその上でちゃんとGUTSの隊長として、そして1人の人間として純粋に魅力ある人間としても描かれているのが描き方として真摯で素晴らしいんですよね(ヨシオカ長官の皮肉の際にもナハラ参謀が隊長を一人間として評価する言葉を述べたりときちんと細やかな気配りをした台詞回しなどになっってるのが良き)。「女性で隊長」という要素は当時としてはかなり革新性が高かったと思う(変な意味ではなく純粋に時代柄・シリーズのフォーマット的な意味で)けど、その上で今見ても見劣りしないしっかりした描写がされてるのは本作の魅力の一つだなと感じます

しかしこの第3話で良い感じにキャラクター周りに油乗ってきてるのを見ると、最初の時点から三枚目の技術屋として既にけっこうキャラが固まっていたホリイさん強すぎるなと() シンプルに動かしやすいキャラ造形なのもあるんだろうけどやっぱ良いキャラしてるわ...

 

そんなGUTSの面々の描写が引き立った今回でしたが、一番の見どころとして今回の敵・キリエル人の存在感は語るに欠かせないところ。生者死者問わず人間の身体を借りて現れると共に自分達を遥か昔から人類を導こうとしていた存在であると嘯き、ティガやティガを崇めんとする人類に憤りを表し裁きを与えようとする、という超自然的・宗教的なオカルティックさを含んだ超常存在じみたキャラ造形は宇宙からの来訪者/侵略者というところを描くことの多かった昭和シリーズにはあまりなかった質感であり、その新鮮さに強く惹きつけられるところもさることながら、「超古代文明」という要素から従来のウルトラマンとはまた異なる神秘性を醸す造形となったティガの新たなウルトラマン像にマッチしたキャラクターとして絶妙に上手くハマっているところもまた凄く良い味わいなんですよねぇ(神的なイメージが濃いというか、サブタイトルにもワードとして書かれているようにまさしく宗教的な意味での「悪魔」という感じのキャラ造形なんよな)。ティガという作品のクトゥルフ要素を感じさせるコズミックホラー的な空気感の土台を早期に形成した要因とも言うべき存在であり、やはり本作を代表するとても重要なキャラ(怪獣/宇宙人)だなと  本エピソードはそんなキリエル人の神出鬼没で掴みどころのない存在感、および自身に背信する人類を「裁き」として容赦なく焼き払う超然的で容赦の無い立ち回りにより、ねっとりとしたダークさや不気味さ、いつ何が起こるやも知れないハラハラ感で彩らており、このSFホラーテイストがウルトラシリーズならではな味わいを含ませつつもまた新しい妙味という感じで良きところでありました。2度に渡るビル街の突然の爆破も明確に被害出てる言及がある分肝が冷えるし、だからこそ3度目の爆破の阻止オペレーションが手に汗握るものになって燃えるのだ

 

でもキリエル人、冷静になってその立ち回りや動機を要約すると「ポッと出てきたティガなんかが崇められててムカつく💢先に人類を導こうとしてたのは俺らだし💢人類はティガなんか崇めないで俺らキリエル人を崇めろ!!崇めないなら焼く!!!」という感じになり、超然的な存在と言うにはだいぶ悪い意味で短気且つ狭量、みみっちい面が目立つようになるので、改めて俯瞰してこの点に気付くとこまで含めて面白いとこでもあるんですよね...w 大層なこと仰ってるけど要は「後から来たヤツちやほやしてんじゃねーッ!!後から来たくせにちやほやされてんじゃねーッ!!」なので()  ティガに対しても人類の導きを引き合いに出して直々に説教をしていたけど、前2話を観れば分かる通りティガ、というかその力を手にしたダイゴ自身に全然そんな気はなく、ただ誰かを守るために必死に戦っているだけ(今回の変身も取り残されたイルマ隊長を救うための変身というのが発端だったのでそこは明白)なので、人類を導くなどという大義はなく純粋に誰かを守りたくて力を使うダイゴ/ティガ人類を導き守ってやるのは我々なので崇められるのは当然だと独りよがりに説くキリエル人、という対比の元、キリエル人が一方的に喧嘩売ってきてるだけでしかないというね 「烏滸がましいとは思わないのか!」「お前じゃい」

ただ「ティガのよる人類の導き」というところで言うと、イルマ隊長もティガのことを「我々の理解できない意識を持っている」「人類を守り導いてくれると信じている」と言っていたりと、人類側も今はまだティガのことをちゃんと理解できてはいないというところがミソ。まぁティガという存在の正体も意思もパッと見て読み取れるところではないしその荘厳な出立ちからそう思ってしまうのも無理からぬところではあるし、その上でティガという未知の存在を信じているのでキリエルのそれとはまた違うのだけど、ともあれこのイルマ隊長をはじめとした様々な人々のティガに対する認識というところは今後話の重要な軸となっていく要素であるので、ここはこの先要所要所で注目すべし、といったところですね。前回といいかなり序盤から作品の総まとめとなる終盤に大きく関わる話とか要素の示唆とかしててけっこう緻密に組んでるんだなぁとなる

 

そして終盤のティガvsキリエロイド。白と黒のマーブルで彩られた左右非対称の歪なデザインに泣き顔のようなラインが特徴のキリエロイド(よくよく考えたらこれ胸の発光体とも合わせてだいぶウルトラマンの対比みたいなデザインですね...微笑みに対する泣き顔と、左右対称のボディパターンに対する左右非対称)と夜のビル街でスピーディ且つパワフルな肉弾戦アクションが一進一退で繰り広げられるバトルは、前2話のいずれともまた違う味わいでオサレでありました。やはり人型の敵相手はアクションが映えて良いですね 多分意識してやったとかじゃないだろうけど、初の市街地戦が夜戦ってのがなんとなく初代のバルタン戦ぽくて色々彷彿とさせられるものがあるなとも思ったり。奇しくも両方とも因縁ある相手になってく存在だし

そんな今回のバトルで遂に満を辞してゼペリオン光線解禁。序盤2話で盛大に焦らしに焦らされた上で繰り出されるスペシウム光線/ワイドショット系列のあのお馴染みの構えでの必殺技、凄くカッコ良いしめちゃくちゃ沸くよなと お馴染みの構えでの必殺技が全然来ない・そもそも基本形態の必殺技が焦らされる、という状況、実際のとこ当時の視聴者はどんな気持ちだったのかな  しかしゼペリオン光線、光のエフェクトの表現が美しすぎるんよないつ見ても...ストリウム光線辺りで型としてグッと確立されてきた溜めの構えも先達をしっかり踏襲しつつ新しい表現になってて痺れるし、純粋に必殺技として一つの完成形ですよ 好き

 

 

以上、ティガ第3話でした。ティガを代表するキャラの1人・キリエル人を軸に緊迫感ある不気味なテイストの話を展開しつつ、メインキャラの人となりをグッと掘り下げながら小気味良く展開するSF特撮ドラマが気持ち良い回でありました。この回から「ウルトラマンティガ」という作品がじわじわとあったまってブーストかかってくるといった感じであり、見所多しな序盤の良作エピの一つでしたね。そしてこの後にも更に3話連続くらいでティガ序盤を牽引するエピソードが続くので改めて観るのがとても楽しみです

 

というわけで今回はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございます。 読んでて共感できたり楽しめたりしたところがあれば幸いです

気に入っていただけたら次回も読んでいただけるとありがたいです。感想をくださったり記事の拡散等をしていただけたりすると更に喜ぶぞ!!

ではまた

なんだこのイチャコラ空間

デリシャスパーティ♡プリキュア

第40話「俺に出来ること... ブラックペッパーと拓海の決断」

感想レビュー

 

 

[速報]拓海、遂に正体バレる 2022ニチアサキャラ正体未バレ耐久レース、現在犬塚翼が首位

そもそも同じ時期のニチアサで競ってんのがおかしいのよ(

 

拓海パパことシナモンの帰還で一気に展開していく物語の中、遂に明らかになる拓海=ブラぺの真実...!な今回のエピソード。冒頭数分でマリちゃんとシナモンの再会と情報共有、からのマリちゃんへの拓海正体バレ、と凄い勢いで展開巻くので、速いッッッ、てなったよ()

 

そんな今回はマリちゃんや父親シナモンへの正体バレを経た拓海が、やがて戦う力を取り戻せるマリちゃんに戦うことを託してその危険や責任から下りるべきと諭され苦悩する展開が前半の軸に。この辺は力を手にした経緯や知ってる情報の濃度といった点において、ゆい達プリキュアとは違って分からないことだらけな状態で今まで戦ってきた拓海だからこその回し方という感じであり、それをこの終盤でガッとぶっ込んできたのはストーリーを回す上で重要なところであったなと。ゆい達に話すべきかどうかも含めてそのことで悩み若干上の空気味になったりしてる拓海の様子は等身大の描き方って感じで良かった  その後楽しそうなゆいを見て笑みが溢れたところをあまね会長にめちゃ冷静に突っ込まれて慌てたり様子がおかしいのを追求してくるゆいを食べ物の話題で逸らす幼馴染の手慣れた扱いを見せたりするとこも微笑ましくて好き() 他にも言ってる人割といたけど拓海と会長の距離感も地味に好き 同級生だからというのがあるとはいえ会長が「品田」って呼び捨てで呼んで割とナチュラルに話してんの良いよね...

ちな余談だけど、思いもよらない力を手にし、今まで分からないことだらけな中で自分なりに決断し戦ってきたところでその責を背負う必要が無くなり、どうすべきなのかに思い悩むことになる、という流れは奇しくも現在放送中のでっけぇ光の巨人においても似た感じの展開が最近あったので、なんとなくそれを彷彿とさせられたところでありました 迸るダイナミックなブラぺ...

 

しかし拓海は「見ているだけなんてできない」とマリちゃん達のピンチの中颯爽と変身し、巻き込まれてやってるわけではない、自分自身の意志での戦いであることを今一度示し立ち上がるというベタながらも熱く痺れる流れで再び立ち上がってくれました。一瞬の簡易な感じのやつだけど変身バンクっぽいものも挿入されたりしてて、流れ的には単独でバトってフィニッシュまで行ってもおかしくないくらいの瞬間風速があってめっちゃアガりましたね...
子供に代わって戦ってくれるマリちゃんという年長者もいるという上で、自分は手にした力や戦う責任に果たしたどう向き合うのか、というところを描いたこの辺りの展開、構図的なところで見るとゆいがマリちゃんとの関係を通じてプリキュアとしての決意を固め戦いへ身を投じていく過程を描いた本作最序盤の第1、2話の流れに少し重なるとこもあるなとちょっと感じましたが、ここはゆいと拓海という密接な関係にありながらもそれぞれ別軸で戦ってきた2人を描くという意味で多分意図的にそういう描き方してるとこはあるよなと。拓海周りの展開を引っ張りに引っ張った上で拓海にゆいと同じような流れでヒーローとしての決意を再確認させるの、なかなか粋で良かった

 

その際居拓海の変身の場に居合わせブラぺ=拓海の事実を知ることとなったゆいが衝撃の事実に戦闘もままならないほど放心するハプニングも起きたものの、ここでも拓海がゆいに喝を入れると共にゆいのやるべきこと・やりたいことを後押しして立ち上がらせる活躍を見せてくれました。流石幼馴染だからこその圧倒的理解度...ゆいを優しく諭す時にはブラぺ時の低音じゃなくて拓海寄りの柔らしい声色になるの、ゆい相手だからこそって感じで良いよね  戦闘においても身を挺してみんなを守ったり、その体で一斉攻撃で逆境を突破して見せたりと今回の主役に相応しいヒロイックな活躍多しでとても満足でしたわ ちょっと前は出ないこともザラって感じだったけどここぞでは凄く良い活躍するよ拓海は

 

戦闘後には拓海の正体を急に知ってパニックになった時の情緒がぶり返してゆいが泣き出す一幕がありながらも(慌ててる拓海の横の方で「何泣かせてんだ」みたいなデフォルメ顔してるフィナーレがツボ)、拓海がそれをなだめ、2人で肩を並べながら笑顔でお互い改めて語らう形で無事着地、となりましたが、この辺2人を取り巻くキラッキラの空気感があまりにも良すぎて観ててナチュラルにニヤついてしまったわね()  「抱けっ!抱けーっ!!」ってTLにノスタル爺が湧いて出てたのめっちゃ面白かった いやほんと今までだいぶやきもきする感じの距離感で膠着させて我々を焦らしに焦らしておいて、ここにきて一気にガッと距離を詰める感じのめちゃ良いシーンぶっ込んでくるのはずるいんだよなぁ!!?カップリングの話とか普段全然しないしそこまで興味もないけどこーれは拓ゆい大正義でしたね...後方で良い感じの2人を微笑ましく見守るマリちゃん息子の恋の行方に男として敢えて何も言わないとばかりに静かにどんと構えてるシナモンの後方腕組み見守り大人組のカットも、画面の向こうで見守る我々とシンクロするものがあって凄い良い味出してたし、マジで超良かった

 

かくしてマリちゃんのデリシャストーン修理のあれやこれを取り巻く形で話も進み、拓海・シナモン・マリちゃんは一時みんなとは別行動、という運びに。精神的支柱な大人のマリちゃんや色々本筋にも関わるシナモン、今回を経てより頼もしくなった拓海と良いメンバーが一気に一時離脱となったのはだいぶ寂しいが、クライマックスに入る段階(残りの話数的に案外割と近いうちかも)の大きなピンチに対しては戻ってきてくれるだろうし、そこは楽しみに待ちたいね 遅れながらもここぞでバシッと帰ってきて決めて欲しいぞ

 

と、ゆい達の方の話が大きく進んでいった一方、ブンドル団の方では皆の知らないうちに多くのレシピッピが捕らえられ、もうすぐレシピボンが完成せんというところまで来ていた...というだいぶ衝撃的なピンチが明かされて締め。「敵が大抵主人公達の周りにしか出ない」は特撮ヒーロー作品やプリキュアシリーズをはじめとした変身ヒロイン作品における一種のお約束(割と理由付けして描いてるパターンも多いが)なわけだけど、そこを「本編で描いてたのは本当にゆい達の周囲/異変を感知できる範囲の話であり、それ以外のところでは普通に敵が作戦を順調に進めていて、その弊害も大いに出ていた」としてきたのは色んな意味でだいぶ身も蓋もない容赦のなさがあってたまげたね...被害も実はダイレクトに、それでいて緩やかに色んなとこで出ていたというのがゾッとするところでもあるし、正直ブンドル団舐めてたからこれは一本取られた 最近しれっと出てくるようになってたスピリットルーのファンネルが各地に飛んでレシピッピ捕まえてたのかな...ブンドル団、ここからどう動いていくのだろうか...セク姐も前回今回と料理嫌いにまつわる過去が仄めかされ心揺れてそうな一幕があったりして(彼女個人の主義としてどうの以前に、自分の不器用さで大切な人に見放されたトラウマ・嫌な思い出みたいなのが現在の彼女を形成してるっぽいというのはけっこう重要なとこだったね)今後彼女がどうなってくのか気になるし、注目

 

 

以上、デパプリ第40話でした。拓海周りを中心にストーリーを大きく動かし、拓海のヒロイックさとゆいとの関係の深化で熱く楽しく盛り上げた回でありました。次回からいよいよマジの大詰めに入りそうだしその前に良い活躍が見れたなという感じですね とりあえず2人のイチャイチャが見られたのは一番デカい(

デパプリも年越し前の次回を経て後はラストまで一気にゴリッと進みそうだし、楽しみに座して見守りたいですね もう終わり近いのか...

 

というわけで今回はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございます。 読んでて共感できたり楽しめたりしたところがあれば幸いです

気に入っていただけたら次回も読んでいただけるとありがたいです。感想をくださったり記事の拡散等をしていただけたりすると更に喜ぶぞ!!

ではまた

ギロリくん、死んで!!(直球)

仮面ライダーギーツ

第15話「謀略Ⅵ:仮面ライダーの資格」

感想レビュー

 

 

ギロリくん、死んで!!!(直球)

前回のゲーム介入が普通に運営サイドから見て越権行為扱いされてただけでもオイオイなのにそれに触れられて逆ギレまでして、あまつさえ舞い戻ってきた英寿をなんとしても潰したくてゲームを終わらせずバトルロワイヤルを開始するみみっちく狭量なゲームマスター、今後一生の内にもう1度見られるかどうかと言ったところだと思うのである意味貴重だぞギロリくん!(後者に関しても一応ルールの上ではあるらしいけどそれでもさぁ) 前回の介入に関して「これパンクジャックを洗脳して介入させてたから自分が勝敗に関与したわけじゃない扱いになるんだよ!うわーエグいー!」ってフツーに感心してる純粋特撮民も割といたのにそれを裏切って当然のごとくルール違反指摘されてるの、そういうとこだぞってなる(

とりあえず良い悪役してるとは思うのでストーリー的には良いスパイスですね そのうちめためたにされて欲しいというにも込みでこれからも存分に活躍して欲しいです!!

 

英寿の脱落を経てラスボス戦へと突入していくDGPを描いた今回のエピソード。DGPにまつわる色んな情報がプレイヤー・視聴者にそれぞれ伝わっていく流れもあったりと本筋の方もけっこうグングンと進めつつ重厚な戦闘で盛り上げた回であったなと。中でも運営とジャマトサイドが協力し合ってるズブズブの関係という感じでは決して無く、どうも世界を守るかぶっ壊すかを賭けてそれぞれでバチバチしてる関係であったというのはけっこう重要な情報だったのではなかろうか DGPは両者の激突の延長で発生してるものにすぎない、とかなのだろうか ジャマトの急速な進化にギロリが焦ってる辺りは、両者あくまでイーブンな条件とかがあった上で戦ったりしてるとかがあるのかなぁとも まぁ答え合わせ待ちだな...

 

今回はここ数話連続登板の坂本監督が担当。レイジングソード/コマンドフォームの戦闘などをはじめかなり良い感じにギーツライダーのギミックをスタイリッシュに彩ってきていましたが、今回もめちゃくちゃカッコいい魅せが存分で大変満足でありました。マグナムシューターでのくるくるガンアクションやバックル交換での連続フォームチェンジといった監督ならではの沢山のアイテムやギミックを縦横無尽に活かす小気味良さを軸にギーツの良さもしっかり引き出したギーツ戦のアクションで安定感たっぷりに盛り上げつつ、側転アクションと同時のリボルブオンによるシームレスなフォームチェンジというギーツライダーならではのギミックに捻りを加えた斬新な演出で目を惹きつけるなど、多彩に画面を彩る様がめちゃんこ盛り上がったわ レイジングソードでのスタイリッシュな切り結びによるチャージ→ジェットモードによる滑空→上空でリボルブオンしてキャノンモードでラスボスを爆撃→再度リボルブオンしてジェットモードで改めて飛行に入りフィニッシュ、のコマンドフォームの一連の活躍がばりくそテンポ良くて脳汁迸ったんすよね...リボルブオンの連続使用をダレることなくスムーズにやってのける思い切りは流石  販促ラッシュになりがちな序盤ライダーの演出周りをくどくならないようにした上でしっかり盛り上げ支える頼もしさは相変わらずで、やっぱ坂本監督は“こっち”の方が断然性に合ってるよなと(特にギーツは主人公が強キャラ気質だからテンポの良い無双は必然的に馴染むし、アイテムも程良く分散してるから各ライダーやアイテムにも見せ場があるからかなりベストマッチよな)

 

そんなアクションが大いに映えたラスボスとの戦闘でしたが、その中でまさかのバッファ/道長退場という波乱。前回の英寿脱落もそこそこであったけどライバルポジの道長が死する形での退場という、これは流石にちょっと衝撃でしたね(予告でぽい雰囲気は出してたけど、邂逅編で死にそうな仄めかしがありつつ回避してた例があっただけに今回もなんとかなるんじゃないのー、と思ってた)

今回の道長勝ちを取りに行くにあたって以前の戦いで英寿が取った戦法を自分も踏襲していたりその戦法で自分が英寿と同じように勝てないことへの悔しさを滲ませたりと、宿敵と見做しつつもある種の指針・目標としてその強さを認めていた、という英寿への敵意と羨望の入り混じった複雑な感情をこの英寿のいなくなった戦いの中でこそ見せたのが良かったよなぁと。邂逅編のラストで英寿に言われた言葉がなんだかんだで支えになってた節を見せ、今際の際には「お前がその言葉を証明してみせろ」とドライバーを英寿に託す一幕もあったりして、まぁ少なくとも単なる敵とは思ってなかったよなぁとなる(景和や祢音にもそういう素振りは少なからずあったし、やっぱ根は良いんだろうな...)  しかし来週には出演予定の冬映画も控えているけど、道長ここからどうなるんかね...復活するかなという予感はしてるが これで後々復活するとなると他の退場組ライダーがどうなるかも大きく左右されそうだし何気重要なとこ

 

という流れで散華した道長のIDコアに触れた英寿の記憶が復活。彼から託されたものを受けつつ、DGPへの復帰どうこうではなく世界の命運を賭けて仮面ライダーとして戦いたいと説く...!...と王道なシチュエーションでの英寿復活でヒロイックの展開が盛り上がる流れ、

...と見せかけて、実は英寿が自身の仮面ライダーとしての復活のために色んな布石を撒いていたことが明かされる展開になったのは割とマジにほー!!とたまげましたわね...前回の予告の感じからして、記憶を失った英寿がDGPに巻き込まれる中で道長達今の参加者達の想いに押されて復活!運営への対抗心を強める!!みたいな熱い感じでくると思ってたのに、実際は英寿が記憶が無いところからそこへ至るまでの導線を既に計算ずくで引いていたの、完全に視聴者まで化かしてくれちゃっててとんでもねぇな!!ってなるよ  記憶がなくてもジャマトと戦って人々を助けてるの、記憶がなくてもヒーローなんだなぁって感心してたんやぞ...!(まぁここに関しては決して打算込みなばかりってこともないだろうけど) 自分が負けて記憶が消えるの想定すると共に家族になった運営がその邪魔をする可能性まで見越して自分をDGPへと導く布石を忍ばせておく周到さといい、最初に叶えた「死ぬまでDGPに選ばれ続ける」というルールを見事に担保にして舞い戻る流れといい、なかなかにカタルシスあって気持ち良かったよ 「自分がスターになった世界」という状況ありきの仕掛けを忍ばせているとこも含めて、今まで自分が積んできたものを余すことなく活かしてるの強い  ここは高橋さんのロジカルに組もうとする作劇が良い感じにハマってグッドであった

 

かくして英寿復活が成されたものの、ギロリはそんな彼をやはり潰そうと画策し...という引きで今回は締め。謀略編もそろそろ終わりが近いか、という感じだけどここからどうなるやら 英寿の強さに支えられていたことへの自覚や運営への不信から景和や祢音が揺れ始めたことやそれが物語に及ぼす影響など、しっかり注目していきたいですね(景和祢音は謀略編辺りからメンタル面がガッチリと安定してきた感があったのでここでの揺れ動きは良くも悪くも視聴感に影響し得ると思うし、上手く回って欲しいなと)

 

 

以上、ギーツ第15話でした。坂本監督の演出で戦闘をバリバリに盛り上げつつ、道長退場や入れ替わる形での英寿復活など目を惹く展開でストーリーも刺激を与えてきた面白いエピでありました。年末に向けてまた一つ物語を引き締めていくタイミングだと思うので、ここでどう動くかは見ものですね 来週の冬映画がどう絡むか(はたまた絡まないか)も込みで楽しみ マジに冬映画どういう扱いになるのかな...

 

というわけで今回はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございます。 読んでて共感できたり楽しめたりしたところがあれば幸いです

気に入っていただけたら次回も読んでいただけるとありがたいです。感想をくださったり記事の拡散等をしていただけたりすると更に喜ぶぞ!!

ではまた

メンタルハイパームテキバズド

ウルトラマンデッカー

第22話「衰亡のバズド」

感想レビュー

 

 

チャンドラー、約半世紀ぶりにTVシリーズで大立ち回り!!

チャンドラー、前半数分でGUTS-SELECTに沈められ爆散!!

チャンドラー「訴訟」

まぁ予告の時点で半分くらいは予感してたとこあったけど、チャンドラーがウルトラマンとのマッチも無く前半で倒されちゃう、身も蓋も無い言い方だと作劇上の噛ませとしての登場だったのはちょっと寂しいところでしたね...せっかくソフビとかも作られたというに 多々良島勢やツイフォン勢みたいなサブ怪獣勢にもウルトラマンと戦う機会をあげてやってくれないか(迫真) とはいえ今回のチャンドラーはGUTS-SELECTの戦略の巧妙さが引き立ち良い見せ場になったという意味では意義ある活躍だったとは思うので難しいところですね...(今回の構成上テラフェイザーの前座というの自体は確定だったろうし、その上で中途半端にデッカーとマッチしてサクッと片されるとかだったら余計モヤっただろうからこれが落とし所だったのかもしれん)

 

未来で起きたバズド星でのアガムスの悲劇が遂に語られ、苛烈を極めていくアガムスの激情をいっそう印象付けた今回のエピソード。地球人とバズド星の関係やそこから来るアガムスの地球人に対する憎悪は、「スフィアに対抗するための技術提携という地球人の申し出をバズド星が呑んだことでスフィアがバズド星に目をつけた」みたいな双方の関係性というところで難しい事情を孕むものかと思ってたけど、実際のところは「バズド星に不時着した地球人をアガムスが救い、その地球人から聞いたスフィアとの闘争の話を聞いたアガムスが自ら協力を申し出たことがきっかけ」と地球人側の責は正直無いようなもの、というかほぼほぼアガムス自身が招いてしまったという感じであり、本質としては本当にどこまでもアガムスの八つ当たりでしかないのだなぁと実感させられましたね...しかもアガムス自身、科学への過信も含め自分に咎があることは自覚していてその上で暴れ散らかしてるのでマジで無敵の人すぎる それでいて「現代の地球を潰せば今のバズドは滅びずに済む」が動機の一つであることも語られたりしてる辺り、やっぱり根は真面目で善良なんだよな...と感じられるとこのがまた物悲しい。自分のせいでバズド星が危機に陥ったことへの罪悪感とかがなまじデカいんだろうな...

 

けどアガムス、全部分かった上でやってるのだと言って地球人に対し色々仕掛けてきてはいるけど、前回スフィアを利用し危機に陥っていた地球人を批判してた自分もテラフェイザーの強化のためにスフィアを利用していてぐんぐんと破滅の道をまっしぐらしてることといい、色んなものがブーメランとして返ってきてるのは果たして自覚しているところなのか否か...とは思うところ(前回もテラフェイザーのスフィア反応に触れて同じようなことを少し考えたけど、やっぱりここはアガムスに対するブーメランを意識した描写だったんだなと)。特に「現代の地球を滅ぼしてバズド星との接触を絶てば今あるバズド星が滅びることはない!」というところを強く押してるとこに関しては、他でもない“アガムス”というバズド星人が現代へ渡り、目的が別にあったとはいえ地球で対スフィア兵器としてバズドの科学を注いだテラフェイザーを完成させ成果を発揮していることは、アナタの言う「地球人とバズドの接触」が現代で起こったことになってんじゃないの?と思うわけで...この流れで現代に渡ったスフィアもバズド星の科学力を認知する運びとなり、地球の滅亡とは別で現代のバズド星に戦力を送り込むとかになったらマジで本末転倒すぎるし、そうなった時はもういよいよアガムス立ち直れなくなりそうなんよな...開き直ってせめてなるようになれと暴れてた男がそのなけなしの自己満足さえへし折られて絶望するの、正直愉悦部的には美味しすぎるのでそうならないか楽しみにしてるとこはあるが(最低)

 

そんなアガムスが繰り出すテラフェイザーとデッカーの一騎打ちが後半の見所。廃墟のようになった街の中心での馬乗り状態からの殴り合いや、抜け落ちた穴の底の燃え盛る世界の中での取っ組み合いなど、激情に囚われるアガムスとそれをなんとしても止めたいカナタの意思が色濃く表れ出たかの如き両者の泥臭いファイトがめちゃくちゃ見応えあって最高でした。光線のクロスカウンターとかいう斬新すぎる演出めちゃ好き  ウルトラマンや怪獣の流暢な喋らせを沢山入れたりといった中のキャラクターの人格を濃く出してくる良くも悪くもニュージェネお馴染みな演出も、今回のこのシーンに関しては両者の対峙を精神的・物理的な両面からグッと引き立てていて上手くハマっていたし、なかなかの好演出だったのではないでしょうか やはり辻本監督はこういうあまりウルトラシリーズ的でない演出やアクションを上手く織り混ぜ昇華させるところに関しては凄く強いなと(テラフェイザーの出現を受けて急いで逃げようとしてるからか自動車道の上を爆速で駆けていく車が道路側面に車体を擦らせてるところとか、壊滅して黒焦げの廃墟となり水道管から水が溢れてる痛々しい様子の路地を縫うアングルからデッカーとテラフェイザーの取っ組み合いを描くところなど、ミニチュアに凝ってるところも印象深く魅せてきてるのがまた良き)

しかしカナタの決意はもう「アガムスに何があったかは察しきれないが、それでも止まるわけにはいかないしなんとか救いたい」というところでブレなくなっていてこれはこの終盤の展開の中ではめちゃくちゃ頼もしいなと アガムスの暴走に思うところを見せるソウマやイチカを支え返すほどになってるのとても良い この3人もほんと良い関係性にまとまってきて嬉しい限りである

 

かくして相討ちの終わったカナタとアガムスの対決。そこへ駆けつけたソウマが目にしたのは、デッカーの倒れた場に倒れるカナタの姿、そして記憶を失い困惑するアガムスの姿であった...というところで締め。スフィアの力を利用した結果スフィアの侵食を受けて同化が始まってしまい、自分自身のことどころか自身の目的の全ての根幹であるレリアの存在さえも忘れていってしまおうとしているアガムス、あまりにも痛々しい...いつも一字一句間違えず長々と口にしていたレリアの口上、スフィアの侵食を受けたことで記憶がぼやぼやになっていくというところをここで凶悪に印象付けるための前振りだったというのがひえーってなりましたねぇ あんなに刻み付けるように言い続けてた言葉やそこに基づく愛情や憎悪さえも薄れて自分が無くなっていく恐怖...(ここは前にもヤプールを用いて印象深く描かれてた分よりスッと入ってきたのがまた順序立てとして上手かったよなと)  アガムス、生き残れるともあまり思ってはいないけど、これ彼自身の無敵ぶり含めロクなことになるんだろうか...と心配にもなる

そして遂にソウマに知られるところとなったであろうデッカー=カナタの真実、ここが後々どう活きてくるかだよなぁ 目が離せない

 

 

以上、デッカー第22話でした。アガムスの苛烈すぎる感情の程を今一度丁寧に見せつけてくる地獄のフルコースみたいな展開がおつらすぎるエピソードでありました。アガムス、色んな意味であまりにも可哀想すぎるけど果たして救う道はあるのかどうか...カナタもいよいよブレなくなっているのでそこが希望になって欲しいが いよいよクライマックスなデッカーの物語、楽しみです

 

というわけで今回はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございます。 読んでて共感できたり楽しめたりしたところがあれば幸いです

気に入っていただけたら次回も読んでいただけるとありがたいです。感想をくださったり記事の拡散等をしていただけたりすると更に喜ぶぞ!!

ではまた

トイレで気張ってるみたいな名前

ウルトラマンティガ

第2話「石の神話」

感想レビュー

 

 

「山のように大きいから...『マウンテンガリバー』ってのはどうだ?」

まさか(作品世界観上で)時を経た後思わぬ形で回収される伏線になるとは当時誰も思ってはいまい()

ムナカタ副隊長、たまに変なこと言ったりコミカルな言動したりする人ではあるんだけどよくよく考えりゃ第2話から片鱗はあったんだな...と思い至る(

 

石を食う怪獣・ガクマの出現、戦闘機として生まれ変わるガッツウイングと共に立ち向かうGUTSの活躍を描く今回のエピソード。新たなウルトラシリーズの幕開けを飾った前回から引き続いての話となる今回は、怪獣の引き起こす怪事件とそれに挑む防衛チームというところを軸とした、割とオーソドックスな怪獣主体の単発エピソードとしての味わいがグッと押し出されており、濃い革新性が目を惹いた前回とはまた違ったウルトラシリーズお馴染みな安心感・安定感のあるエピソードになっていました。謎の光を浴び石へと変わる人間!洞窟の奥から伸び人間を引き摺り込む腕!錯綜する怪獣の全容!そして現れる巨大怪獣!!このSFテイスト溢れるミステリアスさ・スリリングさを含んだ展開を色んなエピソードでバラエティ豊かに繰り出すところこそウルトラシリーズの魅力なわけですよ  我々古参のオタク共は全員こういうのを喉から手が出るほど渇望しているのです(デカ主語)  実際製作側においても「今回のエピソードで怪獣ものとしてのレールを引いていく」というところが意識されていたとのことであり、横軸に幅を持たせる意味でも怪獣特撮として作品の味を深めていく意味でも、早期にそこを示し後のエピソード群において縦と横をバランス良く回す土台を作ったのは非常に良き采配であったなと感じますね

 

一方、ティガの能力─タイプチェンジの全容ウルトラマンの光を手にしたダイゴの動揺といった前回の流れからの地続きとなる要素の掘り下げもあり、縦軸周りでのストーリーの牽引が並行して為されてたところも目を惹いたポイント。前回だけだとまだ不明瞭な点も多かったし、今後縦軸を動かしていく上でそこを最低限すっきりさせておいたという感じでしたね 前回の戦闘演出だけでも割と各タイプの特性が分かりやすく描かれてた感のあるタイプチェンジについて丁寧すぎるくらい諸々の詳細の解説にしっかり尺を割いていた辺り、革新的な要素を視聴者に分かりやすく印刷付けるためにかなり気を遣ってたことが窺えますね(タイプチェンジなんて今でこそだいぶ当たり前の要素になってるからある程度ざっくり描いても「そういうもの」としてスッと受け入れられてるけど、当時としてはパッとじゃ分からんかったかもだろうしな)

 

特にダイゴの内面へのフォーカスは今後の本筋に深く関わる要素として非常に重要である部分。前回も描かれた通り、本作のウルトラマン─ティガは意思ある存在としてダイゴと同化したわけではなくあくまで純粋な力というところにすぎず、その力を手にしたダイゴという1人の人間の感情に迫るというところが本作の作劇の特徴となっていくわけですが、その一環としてティガの光に触れ自分が大きく変わってしまったかのような感覚に対する困惑や不安そこに被せるかのように放たれる「貴方はウルトラマンティガ」というユザレの言葉を必死に否定しようとする感情的な姿などといった、大いなる力・光を手にしウルトラマンという強大な存在に変化することができるようになってしまった等身大の人間としてのダイゴの揺れるメンタルを強調してきた本エピソード中盤の流れは、ウルトラシリーズらしいシリアスな人間ドラマとしての深みが目を惹くものでありつつ、「人間」に強くフォーカスし物語を描いていく本作の魅力をビッと印象付けた描写としても実に見応えがあったなと感じたところでありました。「こんなもの!」って言ってスパークレンスを投げ捨てユザレを睨みつけたり、その延長でヤズミに若干八つ当たり気味になったりと、この頃のダイゴって後のエピソードにおけるキャラクター的な印象と比べるとだいぶ荒い方だよなぁと。彼の心の内の不安がかなり大きかったことが窺える(前回に続きこの辺は他の登場人物もまだキャラのクセがしっかり定まってはいない感じだったので、それと同じでダイゴの感情面の描写の塩梅が定まり切ってはいなかったのもあるかもなんだろうけど) それまでのシリーズ(および後のシリーズ)でもウルトラマンの力を手にした人間」のメンタルというところにフォーカスした作劇は多かったものの、ウルトラマンという存在自体が何かしらの想いを持って一体化するところから始まる従来のパターンとはまた違って、ダイゴの場合は手にした力の意味や由来も、自身がそれを手にし真に何を為すべきなのかもハッキリとは理解できていない(それに明確な答えを出せる存在がいない/乏しい)という状態であり、そこからの苦悩や思考の積み上げこそが物語として注目すべきところであるので、そこを早速印象付けたのは良きところ

とはいえ、ダイゴも上記のように自分はウルトラマンティガなんかじゃないと必死に否定しようとする様を見せながらも、ここぞで自分含め仲間達が窮地に陥った時には自然とスパークレンスを手にしてティガへと変身し戦っているので、ティガの物語を全て観た上だとある意味もうこの時点で答えは出ていたよなぁと。特別な決意を見せるみたいな描写とかを特に挟むこともなくスッと変身へと至るというのが却って「意識していないながらも『使うべきところで力を使い、戦うべき時に誰かのために戦う』というのを実践している」というところをグッと強調しているし、苦悩を軸にしつつもスッキリとしたヒロイックさを欠かしていないのがヒーローらしくて良き  ユザレもウルトラマンは光である故に人類の選択には干渉しない」とした上でダイゴに「しかしダイゴは光であり人である」、つまりウルトラマンという大いなる存在に人類の命運を無闇に左右することはできないが、1人の人間としてその力を継ぐダイゴには、人類のために如何に力を使い戦うかを自ら考え選択することができる」という旨を説いているし、本当に本作の根幹を成す、物語全体通してのテーマとも言える解についてはここでバシッと示されてると言えるんですよね。作品としては前述の通り、そこに至るまでのダイゴの苦悩や思考の積み上げにこそ重要な意味があるわけで...ともあれここは今後もしっかり注目していきたいポイントだなと改めて

 

話は戻り、遂に姿を現した怪獣ガクマを相手に戦闘機へと生まれ変わったガッツウイングが応戦、という運びでvs怪獣の巨大特撮パートへ。戦闘機アクションとしては控えめな感じでちと物足りなさもあったけど、2号が必殺のデキサスビームでガクマを打ち倒す鮮烈なデビューが爽快でとても気持ち良いんですよねぇここ 今後も要所要所で決定打の攻撃として活躍する安心と信頼のデキサスビーム先輩ですが、初回から怪獣1体ワンパンで沈めるの最高なんだよな...極太の黄金のレーザーというのもビジュアルとしてシンプルに強力さの説得力として映えてカッコいいんだわ 従来のウルトラシリーズだとポジション上良くも悪くも何かと後手後手に回りがちな防衛チームを描くにあたり、初回2話目から怪獣撃破をぶっ込んでGUTSの力量をビシッと印象付けたところも本作の良い思い切りよね

 

しかしガクマ撃破の喜びの余韻も束の間、先の一本角のガクマαに続いて二本角のガクマβが出現!と、まさかの二段構え構成で盛り上げてくる構成が良いサプライズ性でグッド。作業員達のガクマのビジュアルに対する一本角・二本角という証言のバラつきを「誰もちゃんと見ていないのか...」という風に思わせておきつつ、怪獣は2体いたッ!!とすることで多段的に怪獣周りの描写をスリリングに描いてくるのが伏線の配置の仕方としても上手いよね。ガクマα・βのスーツ兼用仕様を流れとして自然に活かせてるし、ガッツウイングの初陣や白星もしっかり演出できてるから展開運びとしても巧みだし  

個体(種類)ごとの特徴の差異というの含めた生物としての生態や個性の魅せ、餌である石が開発により無くなって姿を現し始めたというストーリーへの導線の引き方も劇中通して印象深かたし、怪獣ものとしてのストーリー作りに大きく貢献した良き怪獣でしたねガクマ

 

そんなガクマβ相手のティガのマッチも安定感ある魅せで面白かった。四足歩行の怪獣との対決というのが前回のゴルザ・メルバの双方とも違う絵面になって戦闘演出としての新鮮さが更に続くのが良きであったし、ガクマβがだいぶ多彩な能力で苦戦させてくる中でのパワータイプへのチェンジによる流れの転換・逆転が手堅く演出されてたのもアガったね 石化光線、角から放電、背中から赤色光の衝撃波、爪の展開、ツノを前方に向けて突進、とじっくり見てみると第2話の怪獣にしては破格なほど多芸よなガクマ  時代が時代なのでCG面が多少ぎこちなかったりというのもちょっとはあるものの、自然なギミックで展開するガクマの爪やツノ、足元からじわじわ石化していくティガ、パワータイプへのチェンジにより石化を豪快に吹き飛ばす様など、昭和期シリーズにはあまりなかったような新しい演出が新規の技術の惜しみない導入でたっぷり織り込まれてるし、前回に続いて戦闘もとても見応えがありました

 

そしてラスト、ダイゴの一声で光の巨人の名が「ウルトラマンティガ」として皆に伝わる流れを経て締め。「トイレで気張ってるみたいな名前」とかいうなんか絶妙にしっくりくるホリイさんのマウンテンガリバー評好き  俺はティガじゃない、と言いつつもここぞで「巨人」という何者でもない名前で呼ばれるむず痒さみたいなものがあってか、みんなに「ウルトラマンティガ」の名前を薦めるダイゴもなんとなく人間味ある感情模様って感じあるよね 改めてティガとして戦いに身を投じていくことになるダイゴの運命や如何に

 

 

以上、ティガ第2話でした。ダイゴ/ティガ周りの本筋展開を1人の人間たるダイゴの内面にグッとフォーカスする形で深める流れがありつつ、ウルトラシリーズらしいSFミステリーテイストや見応えある巨大特撮が押し出された怪獣ものとしてのストーリーが展開されとても面白いエピでした。横軸の方も広げていくこと含めティガという作品の方向性を早期にしっかり印象付けたエピだったのではないでしょうか 楽しかった

まだまだ序盤ということでキャラクター周りの動かし方やCGのぎこちなさ等もあって、後の描き方と比べると少し不思議な感覚(イルマ隊長がけっこう取り乱して大きな声で喋る場面が前回含め多いのは改めての視聴で意外に感じたところだった)ではありますがこれも味だし、何よりここからがウルトラマンティガという作品の本番という感じなので楽しみであります 是非皆様もお付き合いを

 

というわけで今回はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございます。 読んでて共感できたり楽しめたりしたところがあれば幸いです

気に入っていただけたら次回も読んでいただけるとありがたいです。感想をくださったり記事の拡散等をしていただけたりすると更に喜ぶぞ!!

ではまた