AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

戦士帰す

仮面ライダークウガ

EPISODE19「霊石」

感想レビュー

 

※本レビュー記事は投稿後に文章が途中までしか書かれていないのを発見し再投稿したものとなります。念のため

 

 

  • 絶命

前回から引き続いてギノガの毒に侵された五代さんの絶対絶命の状態から始まり、椿さん達の処置も虚しく息絶えてしまうという衝撃的なスタート。これが開始約5分の展開なの容赦がなさすぎますね...
この一連のシーンで目を惹くのはやはり五代さんを救おうと必死になる椿さんの姿だなと感じます。EPISODE14では椿さんの死への向き合い方やそこから転じたグロンギに対する憤りが描かれてグッとキャラの魅力が深まったけど、今回の描写は五代さんの蘇生のために語気強めに忙しなく動く様や、五代さんの死を一条さん達に伝える際のやるせなさや無念さが滲み出た表情など、まさしく「医師」としての椿さんの持つ一面が垣間見えたという感じでまたいっそう深みが出たなぁと。また「いつもみたいに笑顔で大丈夫って言えよ!!」の台詞や1人心臓マッサージを続ける姿など五代さんに対する1人の人間としての思い入れなんかを伺わせる下りもあって、医者という立場故の成熟した価値観や視点を持ちつつ濃い人間味を感じるキャラというバランスになっているのがまた椿さんの好きなところなんですよね。今回の話の中心でこそないけど良い存在感でした。

 

  • 直面

五代さんの死を椿さんから聞かされ愕然とする一条さんのシーン、周囲のサイレン音とかが強く響き一条さんの喋る声が聞こえないようになっているという演出によって、声が聞こえない分一条さんの表情の変化が逆に際立つようになっているのが辛い...突然の通告に感情がない混ぜになり、それでもなんとか必死に自分の中で整理させようとしているかのような沈痛な面持ちがさ...

五代さんの戦いを止めることはできないからこそそれを支える道を選んだ一条さんだけど、それでも彼を戦いに巻き込むことへの後ろめたさはこの頃からあっただろうし、それでこのようなことになってしまったことには後悔とも無念さともつかない色んな心境が渦巻いていたんだろうな...そんな一条さんの五代さんへの感情というものは終盤においてより強調されるわけだけど、今こうして改めて観てるとその感情をより強く印象付けるシーンは序盤中盤でも多かったなと

 

  • 信じてる

五代さんの死を知らされ最初は衝撃を受けつつも、「それでも戻ってくると信じてる」と言える桜子さんとみのり、本編が始まるよりずっと前から五代さんという人物と深く関わってきたヒロイン2人だからこその、信頼をも超えた強い繋がりを感じられて良いですよね。

桜子さんは戦いに身を投じ傷付きながらも何度も笑顔でそれを乗り越えてきた五代さんを見てきているし、みのりもかつてクウガとなって変わっていくかのような兄のことで不安に駆られながらも今までと同じ変わらぬ優しさを持ってそこに在り戻ってきてくれる兄を見ているし、と五代さんがクウガになって以降についても、彼の決して変わることにない強く優しく人を決して裏切らない人となりを見てきたわけだし、だからこそ五代さんがきっと戻ってくると信じられるんだろうなと思いますね。

彼女達のシーンについては、みのりが「それに、兄はクウガだし」と語るところが特にグッときたところで、以前のEPISODE9、10ではクウガのことを兄の変貌していく象徴として捉えていたみのりが、今では兄が変わらずいてくれることの象徴のように捉え支えにしているというところで以前のエピソードもしっかり踏まえた彼女の精神的な変化が描かれているのが好きなんですよ クウガのヒロイン達は強いなぁ

 

  • 眠り妨げるなかれ

桜子さんが解読し椿さんへと伝えた碑文に書かれていた記述、それはクウガの復活を示唆するかのような内容、そして

戦士の 瞼の 下
大いなる 瞳に なりし 時
何人も その眠りを 妨げる なかれ

という意味深な内容のものであった...
劇中の椿さんのリアクションから、この碑文の内容はこの時点では「復活するはずの五代さんに対し行った蘇生の措置はやってはいけないことだったのか?」という不安要素的な描かれ方がなされているのだけど、クウガの物語を知る方々ならご存知の通り、その措置は後にもっと重要な意味を持ってくるわけで

それを知った上で見てみるとこのシーンは伏線であると同時にある種のミスリード的な意味合いにもなっているのが分かって、また新しい面白さがあるなぁと思いましたね。

 

クウガの死を定かなものではないと疑念を抱いて警戒し、「クウガの相手は、このガリマ以外にない筈だ」とクウガに対し敵としてその強さを認めてるかのように語るなど、ある種の武人気質なところを感じるガリマ姐さん、敵ながらカッコいい。改めて見てみると猟奇的な気質の濃く出てたギャリドとはまた別ベクトルでグロンギの中だと異質と言えるよね。

あと姐さんこの時(たしか)初めて人間語で喋ったけどめちゃくちゃ声がカッコええのよな 良い声してらっしゃるわ木戸さん

 

一条さんにしこたま撃たれて苦しんでいたギノガ...しかし、しばしの休息の後再び現れた彼は

・普通に歩くだけで周囲の人間がバタバタ倒れていく

・ガスマスクを貫通して警官を次々に仕留めていく胞子

・一度自分を苦しめたガス弾(しかも直前に榎田さんが強化を施したばかりのもの)を完全克服

とえげつないパワーアップを果たしていた...!なんだこのキノコ!!ガスマスクの警官隊が倒されていく様は初見時も凄いインパクトで、そこそこに高い絶望感を味わわされましたが、今見ても強烈でした。戦うたび強化される敵、というのは特撮シリーズの強敵という概念における一種のロマンで個人的にとても好きで(分かる?)、ギノガはその点においてもお気に入りな1人です

あとあんま関係ないけどギノガが被ってる白い帽子、強化によって頭部が赤くなったのに伴い赤い帽子になってましたね オサレ野郎が...!

  • 颯爽-4号-

絶体絶命に陥った一条さん達、その時颯爽と駆けつけギノガに飛びかかったのは、白いクウガ-グローイングフォームだった!

この時杉田さんが「第2号!」と言ったのに対し一条さんが「白い4号です!」と返す下りは、各キャラのクウガの対する情報量の差を示した台詞回しなわけだけど、視聴者視点だとズバリ「4号=クウガの復活」を示す熱い台詞にもなってるなぁなどと思ったりしました

 

  • 点滴石を穿つ

ギノガと激しい格闘を繰り広げた後、クウガは必殺のキックをギノガへ叩き込むも、弱体化したグローイングフォームでは決め手とならず...
しかしクウガ、諦めず。

続け様にもう1発のキックをギノガへお見舞い。しかしそれでもギノガは立ち上がり...
しかしそれでも、クウガは諦めず。

そしてその時、その闘志に応えるがごとく、脚の霊石が赤く輝く。

そして繰り出した3発目のキックにより、遂にギノガは粉砕されたのだった。

 

いやぁ、ここのグローイングvsギノガ戦はやっぱり、クウガのバトルの中でも屈指の名バウトですね。

弱体化形態という印象の強さ故にイマイチ頼りない印象の方が先行してたグローイングフォームだけど、病み上がりの状態でその姿にしかなれないながらも駆けつけたというところで登場の時点で既に胸が高鳴るし、一度でダメなら何度でも、と不屈の闘志でキックを打ち込み続ける泥臭くも力強い戦いが問答無用に熱い!脚の霊石がマイティフォームの赤に輝きBGMが逆転の際のものへ転じるあの演出で上がらない者はいませんよ 最高

単なる弱体化形態に留まらない魅力がグローイングフォームに生まれるという意味でもここのバトルは素晴らしいんですよ。いつ見ても好きだ...

  • 相棒

戦いを終え、サムズアップと共に変身を解きいつもの笑顔を見せる五代さん。

一条さんはそんな五代さんへ「遅いぞ五代!!」と叫び踵を返しつつ、後ろ手にサムズアップを返すと、静かに微笑むのだった。

皆が信頼する通りちゃんと戻ってきてくれた五代さんへの信頼がよりグッと深まったことが感じられ、ここのシーンも凄く好きだなぁ...
ちなみに聞いたところだと一条さん、今まで五代さんのことはフルネーム呼びが多かったけどこのシーンを境に「五代」呼びが増えていく、という形になってるそうな。これも信頼の高まり故かな 名前の呼び方の変化というのはプリキュアシリーズではメンバーの絆の深まりを示す重要なイベントだけど、これもある種その系譜と言えるよね

つまり一条さんは実質プリキュア(??????)

 

  • 日常へ

五代さんが無事戻ってきたことに伴い、それを知らされた桜子さんやみのりに笑顔が戻っていき、五代さんと一条さんも肩を並べ笑顔で歩いていく、という今までと同じ日常が五代さんの帰還に伴い戻ってくる、というシーンで締めというのが、殺伐とした緊張感に満ちてた前回今回の2エピソードの締め括りとして凄く気持ち良くて良かったです。このシーンも台詞が入らない演出がとられているけど、前述の一条さんのシーンとはまた違う意味でキャラ達の表情が際立つ演出として効いてるのが上手いなぁと。良いなぁ

 

 

以上クウガ第19話、五代さんの死を受けた周囲のキャラ達の人間模様を描く濃い人間ドラマで前半を引っ張り、後半では復活したクウガの熱いファイトで物語をグッと盛り上げ、最後は気持ち良く締める、前回とも併せてメリハリの効いた作劇が心に沁みる神回でした。この濃さがやっぱり好きなんだよクウガ 良い

 

というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます

次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!

ではまた