AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

拳の痛み

仮面ライダークウガ

EPISODE30「運命」

感想レビュー

 

 

  • 強靭亀

前回から引き続き繰り広げられるクウガとガメゴの戦闘。

初登場時からギノガの墨爆弾にもまるで動じず、登場するたびその装甲の頑強さが強調されててクウガの形態の中でも特別頼もしさのあったタイタンフォームを身じろがせ終いには完全に膝を尽かせグロッキー状態にする、と鉄球攻撃の強力さをこれでもかと見せつけ、更にはメの強豪ガリマ姐さんを討ったライジングカラミティタイタンを食らっても傷こそ負いつつもまるで動じずクウガをノックアウトするタフさも見せつけたガメゴ、シンプルに強い敵という感じで良いですよね。

スマートさを感じる佇まいの人間態、それと対称的なゴリゴリに屈強な怪人態、そしてクウガとの実戦で見せつける実力の高さとゴ全体で見てもなかなかに存在感のあるキャラだよなぁ 今回の話におけるライジングマイティ使用に説得力を与えるだけの強敵感は流石だ ゴの面々は出てくるたび強さとか恐ろしさがどんどんアップデートされていくので見てるこっちもハラハラさせられるんすわ...

あと個人的なお気に入りガメゴは、ラストのライジングマイティとの対峙でライジングマイティキックを逃げも避けもせず真正面から受け止めるとこ。強者の誇りみたいなものが感じられて敵ながらカッコよさを感じるわよね こういう敵キャラの純粋に自分の強さへのプライドみたいなのが感じられる演出は好きだ

 

  • 人間離れ

ガメゴの猛攻で普通なら全治5ヶ月という重症を負った五代さん。しかし、病院に運び込まれてなんとものの数十分(※)で五代さんはけろりとした顔で立ち上がるまでに回復。それは椿さんが五代さんの強化されていく肉体の回復力を解析し語った「3時間で全治」を遥かに上回る速度だった...

この驚異的な回復力を見て椿さんや一条さんが一瞬やや引き気味に驚いていたのが凄く印象的なカット。椿さんに関しては五代さんの急激な回復力が本人にもたらすフィードバックへの心配もしてたからこその驚きも大きかったんだろうけど、五代さんをよく理解してる身近な人達でさえもどこか人間とは違う存在を見るような視線を思わず向けてしまうというこのカット、五代さんが文字通りに人間離れしていってしまってることを胸が締め付けられるような感覚と共により強く見せつけてきて辛い...五代さんも笑顔や飄々とした態度こそ崩さなかったけど人の感情の機微をよく捉える人だろうし、みんなの表情見てそれが意図せず出たものとちゃんと分かってても、自分の身体が得体の知れない変化を経ていく恐れとか色々な想いが胸中に渦巻いたろうなぁ...と思ったりしました

(※)...劇中の時間経過の描写を改めて見たところ、椿さんの下に五代さん搬送の連絡が入ったのが00:24pm、そして椿さんの下に桜子さんがやってきて一緒に病室入ったところ元気な五代さんがいたという一連の下りの場面が00:41pm、と単純な表記だけ見てもたった17分(ないしはその前後)で回復したことになる模様。これは流石に驚異的すぎる...改めて視聴しこういう部分に目が向くようになったことでできた新たな発見でした

ただそんな中だからこそ、人間離れしていく五代さんのことを聞いて表情に影を落としつつも、「つまり...みんなで頑張らなきゃ、ってことですよね」と自分に出来ることを全力でやって五代さんを支えるというスタンスをしっかり貫く姿勢を見せた桜子さんには希望を貰えたなぁ。物語序盤で定まった覚悟の強さをそれ以降もしっかり姿勢として見せてくれるの、カッコいいわ キャラに深みが出る。

椿さんも桜子さんの言葉に静かに頷き返すし、一条さんもライジングマイティの力を使うことへの不安を溢す五代さんに対し、ちゃんとそれを受け止め多くを聞かずとも共に背負う決意を見せるし、となんだかんだ色んな想いを抱きつつもみんな五代さんを支える気持ちは同じなのが見て取れるのも凄く安心しましたね 五代さんと彼の想いを聞いた一条さんの

一「それしかないなら仕方がないだろう、後のことは俺に任せろ」

五「...スイマセン」

一「気にするな、それが俺の仕事だ」

のやり取りは2人の信頼が感じられてとても好き。不安を表情に出してた五代さんが最後には笑顔を取り戻しサムズアップしているという下りも、一条さんがいるからこそ五代さんも戦えてるという、五代さんにとっての一条さんの精神的な支えとしての大きさが感じられて良い。ほんと素晴らしいバディよこの2人

 

  • 悲観と羨望

生きることへの希望を見出す姿が前回描かれた久々登場の蝶野さん。しかしガメゴ出現によるアクシデントでその希望は無情にも打ち砕かれ...と、命こそ拾ったけどマジでこの蝶野さん可哀想すぎるのよな...精一杯努力したと言ってたけど、病院にも足繁く通って前を向こうとしてる姿は初登場時から大きく変わってたところだし実際にそれだけ頑張ったんだろうと感じさせるから余計になぁ
何事も上手くいかないと再び人生を悲観し絶望し始めてしまい、五代さんに八つ当たり気味に悪態をついたり羨望と言える感情を露わにしたりと荒れる蝶野さんだけど、こういうところ良くも悪くも凄く人間的な人物なんだなぁと強く感じるよね。クウガという大きな力を持っていて何でもできることへの羨望も、それと比べた時の自分の情けなさに打ちひしがれて怒りをぶつけてしまうのも、等身大の感性だからこその想いという感じでどこか少なからず共感できる部分はあるというか

しかしそんな彼に対し今までにない怒号を飛ばし怒りを露わにした椿さん、ここの迫力凄かったですね...普段声を荒げたりとかしない分尚のこと強烈。蝶野さんが状況的にそういう気持ちになること自体は決しておかしいことではないけど、五代さんの現状や心境を間違って捉え一方的に当たり散らして貶し、せっかく前を向いているところであの時(EPISODE14)に死んでいれば良かったなどと言ったりしたことが椿さんとしては許せなかったんだろうなぁ。五代さんが肉体的にも精神的にも苦しみながらも戦っていることを知っている人物であり、医者として死および生というものに真剣に向き合っている人物だからこそ発露した心に響く怒りだったとなと思います。

 

怒る椿さんの挑発に感情的になった蝶野さんは椿さんを殴り飛ばすも、椿さんは静かに返す

「俺を殴って、どんな気がした?嫌な感じがしただろ?それをアイツはずっとやってるんだよ...身体が自分のものじゃなくなるかもしれないって恐怖の中で、弱音も吐かず、みんなの笑顔を守るためにな」

と...

ここの台詞はクウガという存在になった五代雄介という人物の在り様をしっかりと表現し、キャラクター性をグッと深めているクウガの中でも屈指の名台詞だなと思いますね。五代さんのことをよく見てその心に寄り添っているからこそこうして的確に五代さんのことを捉えている椿さん良いよなぁ 本当に良いキャラ

そして椿さんの言葉に殴った拳をさすりながら項垂れる蝶野さん。しかし椿さんが続けて伝えた、五代さんが蝶野さんの絵に心が和んだと言っていたという言葉を受け自分の描いた絵を見やるのだった...

 

  • 神業Part2

それなりに距離あるところからガメゴが持ってる小さな装飾を的確に撃ち落とし、あまつさえ指に付いてる無数の装飾も連射で的確に全部撃ち落とすとかさらっとやるのやめてくれませんかね一条さん()

いくらクウガが抑えててくれたからとかいっても相当エイムイカれてると思うんですけど...しかも「普通のライフルだと反動がヤバい」と榎田さんが念押ししてる特殊な弾丸を普通にライフルに込めた上で、反動しっかり受けながらもやってのけてるから控えめにいって化け物ですよ 最後反動でのけ反るのはせめてもの人間アピールですね?(

これでアマダム入ってないってマジ???

 

  • 強大すぎる力

ガメゴを打ち破るため、遂に発動されたライジンマイティ。

必殺のライジングマイティキックは強力な威力を発揮し、あの頑強なガメゴをも強かに吹き飛ばし、悲鳴を上げる間も与えず撃破した...
が、ガメゴを中心に巻き起こった爆発は大きく広がり、街を包み込んだ...

ガメゴの強敵ぶりを存分に描いた上でそれを撃破できるだけの切り札として満を辞して登場したライジングマイティの、五代さんが危惧した通りの凄まじいパワーの演出はあまりにもインパクト高いですよね 自分も初見時にその演出には思わず驚愕させられた記憶があります

右脚に集中するパワーが高い故にキックが必殺級の威力を持つという序盤におけるマイティキックの理屈付けに、凄まじい爆発をたびたび伴っていたライジングのとてつもないパワーの印象付けが合わさったこともあって、この威力に関しては映像的にかなり衝撃的ながら設定的に納得できるところが大きく、何気にこういうとこでも伏線回収というか積み重ねの活かし方が上手いなぁと感心させられましたね

そして物語はまさかのここで引き。気になりすぎるでしょうがこんなん...!

 

 

以上クウガ30話、以前に続き描かれる五代さんの肉体的変化の不穏さと、それを不安がりながらも支える仲間達の姿が光る中で、強力になっていくクウガの力が引き起こしてしまったとてつもない事態...という衝撃的なラストが記憶に濃く刻まれる回でした。

そして同時に久しぶりの登場となった蝶野さんの心情を描くドラマを通じ、椿さん引いては五代さんのキャラにもより深みを与え広げていく削減が見事。本当クウガは作中に登場した要素の繋げ方、活かし方が巧みで唸りますよね。実加しかり神崎先生しかり、今回の蝶野さんしかりetc...何度も言うがこういうとこがクウガは大好きだ
五代雄介は戦いの果てにどこへ至るのか、クウガの力が世界にもたらすものは何か...

というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます

次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!

ではまた