AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

力の代償

仮面ライダークウガ

EPISODE31、32「応戦/障害」

感想レビュー

 

 

  • EPISODE31は...

総集編です!!またかぁ(

2度目の総集編ということで作品進行度的な観点でいうと流石にちょっと思うところはあるものの、ガドラとの戦闘は交えつつもがっつり総集編的な割り切り方してたEPISODE17の時と比べると、前回のライジングマイティ覚醒が齎した力の大きさ、それを受けた社会や警察組織の4号/クウガに対する風向きの変化、そして圧倒的すぎる力に葛藤を滲ませる五代さんという点に焦点が当たり、ストーリー展開としては前回のEPISODE30の描写を経た変化と、続くEPISODE32への前振りをしっかり描いていたので見応えはありましたね。ゴ集団出現以降の展開の現状整理という意味でもEPISODE17よろしく総集編としてきちんと意義ある形での構成になっていたのも良し。

 

  • 乖離

ライジングマイティの強力な力が巻き起こした大爆発は半径3kmに及び、幸いにも死者は出なかったものの窓ガラス十万七千枚が割れ電車の架線が断ち切れ...と圧倒的な力が勝利と引き換えに齎した被害が事細かに語られ、それに対するマスコミや社会の4号特別視への懐疑、4号については我関せずの姿勢を取ろうとする警察組織などが描かれる今回のストーリー。

当初他の危険視してた4号のことを徐々に信頼し、グロンギの強化に伴い強力するような態勢を取ることも多くなっていた警察組織との繋がりが少しずつ強くなっているのが最近は特に感じられるようになってただけにそれがここにきて突き崩されてしまうという描写は、一条さんのこと信頼し4号のことを託してくれて、4号との連携を密にし新兵器を貸し与えることも考えてくれていた松倉本部長が組織の保守へと回ってしまう様も相まって観ていて心が痛む...

しかし同時に、劇中の社会におけるクウガヒーローとしてだけでなく強力な力を持つ未確認の1匹として認識されていることを示す描写が新聞記事の内容や一般人の視点を交えて何度か示されており、クウガという存在の認識が非常に危ういバランスの上にあったことが印象付けられていたため、この展開が理不尽な急展開ではなく社会情勢などを踏まえた組織の対応として合理性があり納得できる部分もある形をしっかり取っているのが、描写の積み重ねの妙という感じでとても上手いなと思います。

前述の松倉本部長も

「報道されている通り、これまでの比ではない甚大な被害が出たんだ」

「分かるだろう?今は時期が悪い」

と、今までになく険しい表情と声色で毅然と語る姿から、組織の上に立つ者としての決断というところが垣間見えて、嫌な印象だけを感じさせない深みがあったのが良い

広く一般に注目される存在になっていってるながらも、身も蓋もない話クウガも現実的でフラットな視点からいうと凄い力を持った怪物という認識を離れられないというのは辛いなぁ...

 

  • 仲間

ただ警察の中にも、杉田さんや桜井さん、望美など、クウガとの関わりが最も一条さんの身近にありその活躍を間近に見ることも多かった人達がクウガの味方をしてくれるのはこの展開の中にあって凄く嬉しい。そこから一条さんもそんな皆を信頼し遂にクウガ=五代さんという秘密を共有してくれて、杉田さん達が共に戦う仲間として五代さんと接触し言葉を交わすという展開になるという、この胸熱よ

でこの展開が描かれるにあたり、一条さん相手にそろそろ4号のことを自分達にも話して欲しいと正面切って言ってくれて、ある意味きっかけになってくれたと言っても過言ではない桜井さんが個人的には今回の中で何気に好きなところ。EPISODE4にてクウガを相手に銃を向ける形での初登場となりその後も杉田さんとかに比べると目立たない印象が強かったけど、ここに来て4号や一条さん達に感じていた信頼の強さを感じさせることを言ってくれたことで一気にキャラとして味わいが出たのが良いんですよね

EPISODE4で軽く揉めた一条さんともその後未確認に立ち向かう中でしっかり連携を密にしてたりとか本質的に仲間を大事にするであろう一面が示唆されてるとこはあったのでそれがキャラの魅力として昇華されたのは嬉しいなと

 

  • バダー

ゴ集団出現と前後して物語にたびたび姿を現しクウガのライバルキャラ的な存在感を示し続けてきたバダー、ここに来て遂にゲゲルに参戦。

バイクに乗った人間をバイクで引き摺り下ろし片すという今までのゴに比べるとシンプルなルールのゲゲルながら、シンプル故に自身のバイクテクに絶対の自信と誇りを感じる強気さが出てるのが良く、且つバイクでライダーを執拗に襲撃する凶悪な狩人さながらの威圧感で恐ろしさも印象付けてくるのでここで敵キャラとしてのインパクトはより強まりましたね。ビルの間に逃げ込んだライダーを襲うシーンの絶望感よ...
そして今回のバダーのシーンで一際強烈だったのが、獲物を狩った直後のビルの上で眼下のクウガに対し「上がってこい」と親指を突き立て挑発するポーズが、五代さん/クウガのサムズアップと同じ構図になるシーン。アンチ仮面ライダー的なビジュアルが登場当初から鮮烈に印象付けられていたバダーだけど、ここにきてクウガそのものに対しても真っ向から喧嘩を売るような構図を組み込んでくる辺り、演出がやらしいくらいに性悪...!凄く好きです

どんとこい、ゼットアンドリュー on Twitter: "バダーがクウガに対し「上がってこい」ってするポーズが奇しくも五代さんのサムズアップと同じ構図になるの、最高に演出の性格悪くて好き それをライダーモチーフのバダーでやるんだもんなぁ...… "

 

バダー撃破作戦の中、バダーを追跡する警官の1人が乗っていたのが通常白黒カラーのトライチェイサー、とここで元々トライチェイサーが警察の新型白バイとして導入されてた設定を拾った描写が入ってきたのが細かくて何気に好きなとこ。

あと直前にトライチェイサーがゴウラムとの合体での金属疲労の影響が色が変わらなくなる下りが挟み込まれていて、高寺さん曰く撮影現場の事情で生じる設定の矛盾をカバーしたからではと言われてるけど、もしかしたら警官が乗るトライチェイサーを五代さんの乗る黒カラーのトライチェイサーの機体で代用してて、同じ場面で五代さんの黒カラーの機体を並び立たせられないからだったりしたのかな?

高寺成紀☺2月13日(土)クウガ20周年イベント@シアタス調布 on Twitter: "#クウガ20周年配信 「TRCSの色が変わらなくなってる」という雄介の台詞、これ何かしらの理由があったと思います。撮影現場の事情から生じざるを得ない設定の矛盾を文芸部が何かしらフォローしようとしたのではないかと。 #kuuga #nitiasa #超配信 #クウガ20周年"

ちなみにトライチェイサーで果敢にもバダーを追跡してた警官はバダーの逆襲で...勇敢な姿が印象的だったし、駆け寄り看取る同僚やそれを慰める杉田さんの姿が描かれてるだけに余計辛い。思えば杉田さんはグロンギとの戦いで命を落としてしまった同僚のことを語るシーンがあったりしたしこういう場面で慰める姿は色々何を思ってるかとか考えちゃうなぁ 合掌。

 

  • バイク戦

バダーとそれを追うクウガのバイク戦闘は、バイク描写にも力の入ってる今作なだけあって見応え抜群!

公道での長回しチェイスシーン、岩だらけの悪路をものともしないバイクアクションを両者が巧みに繰り出し行われる海岸での戦闘シーンは迫力満点で、前者に関しては2台のバイクがかなり接近する瞬間が多かったりとかなり緊迫感があったし、後者はEPISODE4を思わせるバイクアクションを惜しげもなく披露し合うバトルが最高でした 機体ごとジャンプしながらの180°ターンがカッコ良すぎる

Takumi Narita on Twitter: "仮面ライダークウガファンの皆さん、バイクシーンもご記憶に留めて下さりありがとうございます。…子供たちに本物のバイクシーンをと口説かれました。ですから嘘のない走りを心掛けました! 大人にはツッコミどころ有りですが。。。 バターとのシーンで使った180 笑… https://t.co/tWYol8W4ot"

ほんとクウガのバイク戦闘は今観ても色褪せないよなぁ 良い

 

  • 奪取

空中でクロスカウンターでバイクから振り落とされる両者、しかし次の瞬間にはトライチェイサーを奪い取りクウガを睨みつけるバダーが...!こういう抜け目のない判断の速さ、流石のゴという感じですね

主人公の愛機が奪われるという構図の緊張感も合わさってここでの引きはハラハラせざるを得ない...!

 

 

以上クウガ31、32話、ライジングマイティ覚醒に伴う社会や警察のクウガへの向き合い方の変化と、それと並行し展開されていく強敵バダーの戦闘の緊張感が、物語を大きく盛り上げましたね。クウガの力、クウガに対する人々の向き合い方という部分に強く迫る一筋縄ではいかない作劇の細かさは非常に真摯で好感。そんな中で五代さん/クウガを信じる仲間達の描写とのバランスも良く見応えある回でした

 

というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます

次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!

ではまた