EPISODE27、28「波紋/解明」
感想レビュー
- 産まれる我が子へ
これまで本編中に時折登場していたみのりの同僚、恵子先生の心情へとスポットが当たった今回。大切な子供を身篭りその誕生を楽しみに待つ身ながら、未確認生命体が蔓延り多くの人々の命が理不尽に奪われていく情勢において我が子が産まれてくることへの不安を覚え、自分自身も一歩間違えば未確認の餌食になっていたかもしれなかったことを知って恐怖から戦慄し...と、クウガの世界観の中生きる人々の不安の一つを象徴する人物としてとても大きな役割を果たしていましたね。先行きがはっきりせず、多くの人達がリアルタイムで苦しむ現状の中での不安として、実際凄くリアルで共感できる感情だよなぁこれ。現実に置き換えても凄く真に迫るものがある
けれどそんな恵子先生に語りかけるみのりの言葉もまた真理であり、とても大切なことだなと感じますね。
未確認に関係なく世界は理不尽や不安で溢れていて、でもそんな世の中でも悪いことばかりでなくきっと多くの出会いや幸せは待っているからこそ、生きることは素晴らしい。
みのりの言葉の中の「素敵な人と出会って、凄く好きになって...」という部分を聞いた恵子先生が写真立ての中の旦那さんと自分の一緒の写真を見やるカットが、不安に包まれてた先生が自分のたしかに幸せだった人生を思い起こしていることを示す演出として凄く良く、そこから「お母さんになって、赤ちゃんにそのことを教えてあげてください！」と優しく言うみのりに希望を湛えた笑顔と共に頷き返す流れに綺麗に繋がるのがとてもグッときました。心情の動き一つ取ってもきちんと綺麗に繋がる作劇が良いよなぁ...
- 頑張れ
一方、恵子先生達と一緒にベミウの凶行とニアミスする形になったことで不安に苛まれる奈々にも描写がフォーカスされ、EPISODE22での芝居の先生の死を経験した直後で表情に影を落とす姿は辛かった...
しかし未確認の事件のことで彼女を心配して電話してきた母の「戻ってきても良い。でも、自分なりに覚悟決めたのだから悔いのないように頑張れるだけ頑張れ」という言葉で少し元気を取り戻してくれたのは良かったですね。これもみのりの言う「世の中は悪いことばかりじゃない」だなと 五代さんにお母さん、おやっさんはじめ色んな優しい人に囲まれて幸せだよ奈々は
しかしEPISODE22、23での芝居の先生を失った奈々への接し方もそうだけど、奈々が未確認の事件を見た瞬間に慌ててテレビを切ったりとか心の傷が癒えてないであろう奈々のことを気遣うおやっさんの行動、本当に凄く優しくて沁みる 普段ちゃらんぽらんだけど良い大人だなぁ
- 死のコンダクター
今回のプレイヤーはゴ・ベミウ・ギ。人間態は陸では黒のチャイナドレス、水の中では凄くセクシーな水着って、別の意味で子供番組では刺激強ないすかね...() しかし演じる伊藤聖子さん、改めて見てもほんと美人だわ
余談だけど色々調べてるうち伊藤さんのプロフィールページにたどり着いたんだけど、プロフィールに載ってる写真、脚が超長くてスタイル抜群に良くて驚いた。そりゃチャイナドレスや水着も決まるわけだ...
伊藤聖子プロフィール / BMCエンタープライズ株式会社
まぁそれは置いといて、前回のブウロに引き続き、白昼堂々静かに人間達を仕留めるゲゲルの手並みには戦慄しますね...ゴの格上感がいっそう際立つなと。その恐ろしさ故に、プールを後にする恵子先生や奈々達とニアミスするあのシーンは思い返すと本当に観てるこっちもゾッとするな...
にしてもベミウのゲゲル改めて見てみると相当にルール複雑ですよね...普通気づかないし発案するにしてもパッと思いつかないよこんな法則性！！一条さんが偶然ピアノ演奏してるところ見つけられなかったら取り逃してた可能性が大きい辺り、ここもゴとしての手強さが際立つな...というか僅かな情報からこれに思い至れる一条さんの推理力やばない？？？流石、マナーモード以外なんでもできる男(
- バイク戦開幕
ベミウを追う五代さんの前にバイクで颯爽と現れ挑発をかまし、遂にグロンギとしての姿を現しクウガに挑戦を叩きつけてきたゴ・バダー・バ。
怪人態になる時に仮面ライダー1号のお馴染みの変身ポーズをとり、モーフィングパワーで変化させた愛機のバイクの名がバギブソン(サイクロン)、ってバヅーの時以上に攻めてんなぁほんと...！！w バヅーの時も思ったが当時のファン有志の反応はどのような感じだったんだろうか
でも赤いマフラーを身につけ、バヅー以上にカラーリングやデザインが洗練されたバッタモチーフの姿はめちゃくちゃカッコいいよなぁ。秀逸 個人的にゴの中でもお気に入りの1人です
そしてそんなバダーとの壮絶なバイク戦闘、これも凄く見応えがありましたね。廃工場内を駆け抜け火花を散らしながら攻撃してくるハイレベルなバイクアクションでクウガを翻弄する様は、EPISODE4でのメビオ相手のクウガのバイクアクションが非常に印象深く残ってるだけに、あのアクションに食らい付いてくる奴が出てくるなんて...！という絶望感もあって強敵感がいっそう引き立って好き 本格的な参戦より前からたびたびクウガに絡んでくる辺りやっぱりライバルキャラとして強く意識されてるよなぁバダー。新生仮面ライダー、というところで過去の仮面ライダーを乗り越える的な意図でのデザインでもあったりしたんだろうか、などと勝手に想像する(何かそれにまつわる情報とか何かあったら是非教えていただけると嬉しい)。
- 神業
そこそこの距離がある状態で、鞭を振りかぶってる最中で上に掲げられたベミウの手を撃ち抜き鞭を落とさせるとかいう神業をさらっとやるのやめてもらえませんかね一条さん()
どんとこい、ゼットアンドリュー on Twitter: "鞭を振りかぶろうとしてる相手の手を的確に狙撃するとかいう神業をさらっとやらないで一条さん… "
- 黄金の青龍
終盤ベミウと対峙するクウガ。ドラゴンフォームとなってドラゴンロッドを手にしたクウガと鞭を振るい迫るベミウという武器の組み合わせはなかなか新鮮で面白いですよね。牽制を行ったりドラゴンロッドを凍らせ脆くしたりと取り回しが難しそうな鞭を上手く強力に見せる戦闘演出が光って良き
そしてベミウに対し間合いを取りつつ、足元に木の枝が波と共にやってきたのを見計らいそれを蹴り上げて手にしたクウガは、枝をドラゴンロッドに変換しながらライジングドラゴンに変身！ここの時間がゆっくりになったような思わず息を呑む演出は今回の戦闘シーンの白眉 凄くカッコ良かったです
ライジングドラゴンは比較的シンプルめなドラゴンフォームのデザインにカラーリングやデザイン的な彩りが増えてるのが良いですよね。肩アーマーに色とかが増えてカッコよくなったのが好きなの 伝われ
- 次なるプレイヤー
ライジングドラゴンとなってベミウに勝利したクウガとそこへ駆け寄る一条さんを見つめるのは、ゴのゲゲルの審判ドルドと、ゴの次なるプレイヤーガメゴだった...ゴの強力さが散々強調されてる分、この緊張感を醸し出す演出はより効果的に働くなぁ...
以上クウガ27、28話、グロンギが人知れず潜み理不尽な恐怖が蔓延る世界で様々な理由やシチュエーションから恐怖を抱く人々の心情を描きつつ、それでもそんな世界で生きることに希望を見出していく展開に心が洗われる話でした。このエピソードのメッセージ性も、病気が蔓延する今の不安が満ちる現実世界での心構えに通ずるものが沢山あって、観ていて希望が貰えるなぁ...と感じましたね 何度も言ってるけど今この時期だからこそより真に迫るものがある描写を20年近く前に既にここまで細かく描いてるの、凄いよなぁクウガ 改めて作り込みの深さに感心。
というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます
次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます！
ではまた
