AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

白鳩は舞い戻る

Princess Principal/プリンセス・プリンシパル

case24「Fall of the Wall」(第12話)

感想レビュー

 

 

さよなら、大嫌いな私の友達 - AnDrew’s小生意気レビュー記 ←前回までの話(case23)

  • 子犬みてぇだ

プリンセスに拒絶されたことで完全に余裕をなくし、めそめそと泣くしかないしょぼくれモードへ突入してしまったアンジェ。プリンセスの荷物に近付くネズミに「だめっ!!」と慌て倒したりと子供のように感情的になってしまう姿はシチュエーション的には悲しい場面なのだけど、ファンの方々が某所で言っておられた「子犬」という例えがぴったり当てはまりすぎてて、普段の冷静で冷徹な振る舞いとのギャップ故の可愛らしさも感じてしまうところ...普段強く振る舞ってる人が大事な支えを失ってしまい見せる弱さ、良いですよね(良いよね)

その後もプリンセスの本当の気持ちを知って更に涙を浮かべながら「ばかぁっ!!」と今まで見たことのない表情と台詞を見せたり、プリンセスの居場所を探るための行動が明らかにいつもより手並みが荒かったりと、プリンセスのことですっかり余裕のなくなってる様が節々の言動から伺えるのがやはりどこか可愛らしくw

そんなアンジェに向けてプリンセスが残したメッセージは、幼き日の楽しい日々の象徴である帽子と、パラシュートに書いた

「My turtledove, Run and live as Ange!」

の言葉。ちなみに後者の英文はざっくり意訳すると、

「私の愛しいアンジェ、逃げて、そして...生きて!」

てな感じみたいなのですが、その中のturtledoveというのが調べてみたところ、つがいの絆が深いとされるキジバト、コキジバトの英語訳であり、転じて「愛しい人、愛する人への呼びかけ」を意味するスラングみたいになってるんだとか

...ヒュ-ッ!!(最低)

プリンセスプリンシパル作中の象徴的なワードである「鳩」を絡めつつ、2人の関係性を掘るとこまで掘り下げたこんな素晴らしい一単語をさり気なく入れ込んでくるとは、製作陣の演出に脱帽ですね

しかしアンジェ、一連の描写を見るにパラシュートに書かれたメッセージに気付くまでプリンセスの真意には気付いてなくて、本当にプリンセスに嫌われたと思ってしょぼくれてたっぽいですよね?ほんとプリンセスのことになると迂闊になるんだなぁアンジェ...w

 

  • 友達だからさ

焦りから危うく暴走しかけたアンジェを止めたのは...チームを抜け消えたと思われていたドロシーと、一緒に動いていたベアトリス!!

アンジェがなおも孤軍奮闘するこのタイミングでの帰還はストレートに熱い!やはり一度去った仲間が危機に駆けつける展開は最高ですね

スパイとしての任務とは別に、友達としてアンジェの手を取りプリンセスを救いに行こうと言うドロシーの人情味溢れる姿や、普段嘘で周囲を振り回すアンジェへの意趣返しとでも言わんばかりに、最初から助けるつもりだったのをあえて意地悪げな言い方してアンジェの心を引き出すところなど。ここはドロシーの良さが濃く出たとても良いシーンでしたね。思えば前回の時点からプリンセスの暗殺に反対してたのは、直前に委員長との一件があったからこそだったのかもなぁ。「私達はスパイである前に、人間」という言葉により重みが出たなぁと感じます。

そんなドロシーの差し出した手を、目を潤ませながら取るアンジェ。支えてくれる仲間達の存在を噛み締め、ここで仲間としての関係が更に一歩、強く深まったなぁと感じられとても感慨深い。

そんな時、ベアトはプリンセスが心配すぎて、一回転しながらぴょんぴょん飛び跳ねまくって狼狽えていました。かわいい。

 

  • アクション大判振る舞い

プリンセスの救出のために突入するアンジェ達。追手との壮絶なカーチェイス&銃撃回避、前方からの列車のアクロバティックな回避など、大迫力のアクションが最終回だから大判振る舞いだぞと言わんばかりに力の入ったよく動く作画で表現されており、ここのシーンは見応え満点。よく頑張ったなチーム白鳩カー...ゆっくり休めよ

 

  • 仲間への恩返し

ガゼル率いる部隊に追い詰められ絶体絶命のアンジェ達、そこへ駆けつけたのは...

「一宿一飯の恩義じゃ!」

 

ちせ殿ォォォーッ!!!

必ず来てくれると信じてたぞ...!とリアタイ時も最高に興奮したところでしたねここは ちせ殿がいると一気に頼もしさが増すなぁ!

前回もアンジェへ「一宿一飯の恩義」の言葉を用い力になると言ってくれてたちせ殿だけど、遠い異国の地で自分を受け入れ共に絆を結んでくれた仲間達に報いるために、仲間達の危機を察知して自分自身の義を貫きやって来てくれたちせ殿、もう最高にカッコいいですよ。ちせ殿が皆と強く繋がっていく過程はcase11を筆頭としてとても丁寧に描かれてただけになおのこと燃える、胸が高鳴る展開でしたね

 

  • プリンセスの決意

一方、ゼルダに連れられ革命軍と行動を共にするプリンセス。

プリンセスは革命軍の者達と共にいる中で、彼らが貧しさや立場の悪さに苦しんでいる現状、それを変えようとしている彼らの強い決意を肌で強く感じ、彼らのためにも自らが最後の女王となり、国を変えるという決意をより強め、その想いを皆の前で力強く説く。その想いの裏に秘められた、女王となって国を変えたいと本当に願った大切な友人への誓いを示しながら...
case20ではアンジェは自分が王女をプリンセスへ押し付けたのだと後悔を口にしていたけど、一方のプリンセスは国を変えると誓ったアンジェからそのチャンスを奪ってしまったのだと悔やんでいた、という...あぁ、どこまでもお互いへの想いが強いなぁこの2人...どれだけ互いを大事に思っているかが強く伝わってきて、本当に胸がいっぱいになりますね。

そしてプリンセスが口にした、自分が最後の女王になるという決意、なんという覚悟の決まりようだよ...とひたすらに敬意を示さざるを得ない。しかし、自身が命を落とすことすら覚悟した上での女王になるための戦いというのはとても凄いことだけれど、その戦いをきっとアンジェ達は良くは思わない筈で...今後の最終章シリーズでこの辺がどう掘り下げられるかは気になるところですね。

 

  • 強き漢

革命軍のトップというポジションでプリンセスとの交流が描かれた男・イングウェイ。元よりプリンセスに対し敬意を欠かさぬ好漢であり、後半にはプリンセスの強い決意に希望を見出し、彼女を庇うためにその身を乗り出す様を見せるなど、とても印象深いキャラでした。ゼルダの凶弾にかかり、プリンセスに希望を託して命を落としてしまうこととなったのはとても悲しかったですね...お前本当はもっと強いんだろ!?時止めてオラオラしそうな声してるだろ!!!(

 

  • 激戦

ゼルダがプリンセスに迫ろうというまさにその時、アンジェとちせ殿が参戦!応戦するゼルダの銃撃をアンジェはCボールによる跳躍で交わし攻撃、ちせ殿は横合いに飛び退いて交わし、というコンビネーションが最高にクールでした

散々侮れない実力者ぶりを見せてきたゼルダも、我らが戦闘力おばけことちせ殿の前には苦戦(目視で銃撃を刀で防いだりと最後まで自重しない侍、流石)、撤退を余儀なくされました。しかしこの撤退の際には彼女がアンジェと同じくCボールを持っていることが明かされ、今後の物語の中でまだまだ脅威となりそうな予感が示されました。最終章ではどのタイミングでそう絡んでくるのかなぁゼルダ

 

  •  

革命軍が行わんとしていた女王暗殺もドロシー達が阻止し、アンジェもプリンセスを無事救出することに成功した。

雪の降る街の中、Cボールの緑光を纏って飛びながら2人は言葉を交わす。

「...シャーロット、やっぱり来ちゃったのね...」

「プリンセス!ゴメン...私バカだった...!私のせいで...!」

「泣かないで...私の方こそゴメン 貴女に、嘘、ついちゃった」

「...知ってた ドロシーにも言われたわ 最初からもっとみんなを頼っていれば良かったって」

「...そうね 1人で無茶して、突っ張って、貴女の心には、いつも見えない壁があった

私、もう一度誓うわ 貴女の心の壁も壊して、みんなの前で笑える日が来るまで、絶対に離れない...!」

「...うん」

もうこのシーンは多くを語る必要はないですね。美しい演出・構図の中でこの2人の関係性をよりグッと深める魅せ、とにかく最高に良かったです。良かった...

  • 5人で

更迭されていたLも無事に帰還し、元通りとなったコントロール。そしてカサブランカで療養する白鳩の面々へ、今日も指令が送られる...
目まぐるしく展開していく今回のエピソードの締めとして、皆が穏やかに過ごす姿(任務中だけど)が描かれるのはとても心が落ち着いたし、アンジェがプリンセスとの逃避行のために用意していたカサブランカに皆で来ている、という画は今回の出来事を経てやはりアンジェがみんなに心を開き始めてきたんだなというのが感じられグッときたのでとても良かったです。

そして2人で肩を並べるアンジェとプリンセスが描かれ、プリンセスプリンシパルの物語は、一先ず閉幕。

 

 

以上プリンセスプリンシパルcase23、24、アンジェとプリンセスの関係性により強く踏み込んで掘り下げつつ、そこに今まで共に戦ってきた白鳩の仲間達がアンジェとプリンセスを救う大事な存在として頼もしく駆けつけ、背中を預けられる大切な存在としていっそう絆を深められ、チーム白鳩の物語としてもグッと締め括られた実に良い最終回でした。いやぁ面白かった

構成としては要所要所で続編を匂わせる形となっており、それに関しては劇場版の最終章へ...という感じ。そしてその最終章のスタート、「プリンセス・プリンシパル Crown Handler 第1章」は、本日2/11より遂に公開開始です!いやぁ待ちに待った...プリンセスプリンシパル本編を気持ち良く3周目し終え、感想レビューも書き切った今ならより楽しく観られそうです。胸が高鳴る!

そんな劇場版の感想レビュー記事も、鑑賞後そう遠くない内に公開予定ですし、本編を全体通して視聴し終えた総括なんかもいずれじっくり書けたらなと思っております。プリンセスプリンシパル、これからも皆で楽しむとしましょう

 

というわけで今回はこの辺で 最後まで読んでいただきありがとうございます

次回もよろしくお願いします 気に入っていただけたら記事の拡散等していただけると喜びます!

ではまた

 

 

少女の嘘は、

世界を変えるー