AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

精一杯の笑顔で

ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会

第6話

「笑顔のカタチ(〃>▿<〃)」

感想レビュー

 

 

1人でもの想いに耽る下級生を見かけて声をかけ、あっという間に心的距離を縮める宮下愛という女、陽の者としての力があまりに強すぎる メインじゃない回の他のキャラの回想の中で更に株が上がっちゃったよこの人

あの顔と性格の良さにあの距離感の近さとかもう最強なんよ...タッパもデカいしな!!

 

当時の放送にて心打たれてより約2年ぶり、遂にこのニジガク2周目視聴でも相まみえることとなりました、天王寺璃奈主役回の第6話。ドラマ性の醸し出し方が凄く良くてニジガクアニメのエピの中でも一、二争うくらい大好きな本エピ、久々に観たけどやっぱりめちゃくちゃ良かったわいね...せつかすりなが3強なんす個人的に

 

そんな今回のエピソードは、クラスメイト達の言葉を受け、本当の自分を表現し見せるべくライブに臨むことを決めた璃奈の奮起、そしてそんな璃奈が「自分の本当の気持ちを表情に表すことができない」という壁に直面する様を描くという内容。勇気を出して一歩を踏み出し、「『出来ないからやらない』はナシ」という前向きな意志を自分から示してみんなの支えを得ながら色んなことを積極的に取り込んでいき、実際に最初の頃には出来なかったことも少しずつできるようになっていって...と、内向的だった自分がみんなとの出会いで変わっていけたことを見せようとする璃奈の頑張りやみんなへの感謝が描かれる前半の流れが普通に一キャラのメインエピソードの筋書きとして真っ当に沁み入るものがあるだけに、そこから「こんなに頑張っても自分の本当の気持ちを表情に出すことができない」という自身の変えられない弱さをガラスに映し出される自分との対面で突きつけられた璃奈が消沈してしまうという転換が凄く辛いよなぁ...と。愛さんや同好会のみんなとの触れ合いで内向的な性格から変われたが故に強く抱いたであろう「みんなのおかげで変われた」「クラスメイトの気持ちに応えたい」といった他者への強い想いがあるからこそ、みんなに報いることができない自分への嫌悪がいっそう深まってしまった、みたいな構図なのがまた

 

しかしリアルタイム当時にはあまり気にしてなかったけど、「表情出すの苦手で友達いなかったから」ってしれっと語るとことか「ずっとそれで誤解されてきたから」の台詞を中心にした一連の吐露とかを聴いてると、直接的には描かれてないけど璃奈の背景/心境ってけっこうシリアスめに設定されてる感じがするなぁと改めて思ったり。「『あぁ、ダメだ』『誤解されるかも』って思ったら...胸が痛くて、きゅうぅって...このままじゃ...このままじゃ...!私は、みんなと繋がることなんてできないよ」って段ボール越しにみんなに語るシーン、トラウマとまでは言わないけど心挫かれた出来事に対して心がざわついて不安になる感情が凄く真に迫る筆致で描かれてて観て聴いてるこっちも胸が締め付けられちゃうのよね...田中さんの感情乗せた演技が凄く良いのよなここ 自分自身に変わろうという意志があり実際に動き出すことはできても、肝心なところで引っかかりとなり二の足を踏ませる過去の不安や失敗ってあるもんなぁ

この辺の璃奈の背景を直接描かない構成にしてるのって、そうすると重苦しくなりすぎるから的なところもあるだろうけど、敢えてそこの描写を避け、璃奈の語りをじっくり聴く中で感情の程や境遇を観てる側に深く想起させるように機能させてるからって感じもあるなと感じられるところであり、そこの描写のバランスの取り回しも巧かったなと感じますね。自分の顔を見せまいとするように段ボールに篭る様(誰も見てない1人の家の中でも篭りっきりなのが「殻の中に自分の心を押し込めてる」みたいな感じするよね)とか、象徴的な画で描こうという雰囲気があるのが味わい深かった

 

そんな璃奈の心に「本当の気持ちを教えてくれてありがとう」と寄り添い、「今できないことがあっても、璃奈に良いところや他にできることは沢山ある」と励ます同好会の仲間達の温かい優しさは沁みましたね...段ボール越しで顔は見えなくてもちゃんと璃奈の気持ちに向き合い受け止めてくれるくらいにみんなはちゃんと仲間として繋がってる、という璃奈の不安に対する仲間としての熱いアンサーになってるのがたまらなく良いよね...できないこと、不安なこととだってゆっくり付き合っていけば良いし、一緒に歩んでくれる人はいるのだ

にしても璃奈のライブ楽しみにして予定わざわざ空けておくわ、璃奈がしょげてライブできそうになくなってきたら(せっかく楽しみにしたのに...)みたいな感じで拗ねるわと、同好会に入った昨日の今日で凄い入れ込んでくれてる果林先輩可愛いよね。w それで璃奈宅を訪れたら後方でけっこうちゃんと励ましてくれるしめちゃくちゃ良い人やで かすかすに「えぇ〜そうなんですかぁ〜?果林先輩も可愛いところあるんですねぇ〜〜〜」って煽り入れられて漫才じみたやり取り始まるのも好き。w かすかすと果林パイセンが地味に仲良いの良いよね

 

からのクライマックス。みんなの励ましに背中を押された璃奈が自分の本当の気持ちをみんなに見せるために、機械や映像が得意な自分の「出来る」を活かして作った、自分の気持ちを「表情」にして映し出してくれる電光ボードの仮面を纏ってステージに立ち「笑顔」を見せる、という璃奈の自分に出来ることで出来ないことを補って自分を表現しようとする更なる精神的前進を劇的に描いたここの流れ、やはり凄く良かった...!「すぐには自分を変えられなくても、 今の自分に出来ることで精一杯に自分を表現すれば良い、その想いはきっと伝わる」という璃奈のドラマに乗せたメッセージの乗せ方が話の流れもあって強くハマってるのが最高なのよね...「ステージに立った時にふと見た床に反射する電光ボードの表情がにこっと笑ったのを見て前を向く」というカットが前半パートの「鏡に映った無表情の自分を見て下を向いてしまう」の対比になってるの良きよね「あれは本当の私じゃない」と言っていた画面の向こうで明るく話す自分の作ったキャラクターのデザインに準えたボードや衣装を纏うことで、璃奈が自分という人間の個性を認め、全部ひっくるめて自信を持ち前を向いたことがしっかり表現されてるのが熱い 無理して変わろうとして他の人と同じにならなくても、自分だからこそ描けるものがある、的なニュアンスにもなっててニジガクのテーマをしっかり踏襲してるのも良き

正直なとこ言うと、自分はニジガクというコンテンツに触れ始めて(アプリゲーの話題をTLとかでちらほら目にしてた時)に天王寺璃奈という人物を最初に知った時、表情の描かれたボードを顔の前に付けたそのビジュアルを見て「変わった子だなぁ」とか「個性の付け方としてアクが強すぎない?」とか色々思っていたし、ニジガクアニメの視聴を始めた時も彼女が最初ボードを付けてないビジュアルでの登場となったのを見て「ここからどうボード付ける流れになるんだろう、ていうかここからわざわざ付ける必要あるんだろうか」とまで思ってたのですが、この第6話で彼女が顔にボードを付ける理由に「仮面として素顔を隠すため」ではなく「自分の気持ち、表情を精一杯見せるため」という文脈が乗っかったのをこれ以上なく劇的に見せつけられてもうはちゃめちゃに心打たれたし、彼女への印象がガラッと変化したんですよね...不完全だけど、不完全だからこそ凄く健気に精一杯頑張る強い想いを持った子なんだなぁ、とここで一気に好きになっちゃいましたねぇ アニメの構成はある種このどんでん返しでカタルシスを生む構成でもあったと思うんだけど、それにしたって天王寺璃奈というキャラを掴みかねていたなぁと自分を悔いたほどよな 応援したくなっちゃうわこんなん
しかしさんざっぱら言われてるけど、璃奈のライブ用電光ボード、表情をリアルタイムで反映し激しい動きもできるくらい視野の確保も可能ってしれっととんでもない技術よな...w オーバーテクノロジーじみてる気がするが何者なんだい璃奈()

 

そして今回のソロパート。客席から溢れるペンライトの光やデジタルチックなセットなど璃奈らしいサイバー感溢れる全体の絵作りが目を惹くのもさることながら、やはり一番に惹きつけられるのは何と言っても「ツナガルコネクト」の歌詞だよなと。自分の気持ちを伝えようと思っても上手くいかなくて詰まってしまうし機械みたいにマニュアルも無くて戸惑うもどかしさを覗かせつつも、違っていても自分のことを理解してくれたみんなとの繋がりに応えるために勇気を出して自分の気持ちを表現しようと奮起する璃奈の心を落とし込んだ歌詞がまさしく今回の話の文脈そのままで、あのストーリーを観た後で聴くと思わずじーんと込み上げるものがあって良いんですよねぇ...自分の好きなことのようには上手くいかなくていざという時言葉が出なくなったりするあの感じとか共感できちゃう部分もあるし、そういうとこ込みで璃奈のこと応援したくなるからとても涙腺が緩んじゃうのよね 好きすぎて最近youtubeでツナガルコネクトのソロパートのアニメーション観てるだけで目頭が熱くなるようになっちゃったんすよ(冗談抜きに) パフォーマンス中にボードの下の璃奈の口元が一瞬映し出される、という色んな感情を呼び起こさせるカットが入ってるところも粋で非常に良きよね 

【限定公開】ツナガルコネクト / 天王寺璃奈(CV.田中ちえ美)【TVアニメ『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』第6話ダンスシーン映像】 - YouTube

 

ラストには自分に向き合ってくれるクラスメイト達に応えるために、手書きの“璃奈ちゃんボード”で笑顔を返す、というとこで締め。自分なりのやり方で自分を全力で表現する璃奈の前向きな成長をしっかり印象付けた良い締め方でとても気持ちが良かったよねぇここ 良い笑顔してるよ...

 

ゆっくりと走るこの道 何が生まれかけてるんだ

それを伝えたいよ キミへと伝えたいんだ

 

 

以上、ニジガク第6話でした。久々観たけどやっぱめちゃんこ最高やな...と改めて。璃奈のキャラ性がしっかりドラマチックに醸されたストーリーラインに隙無しで、個人的には文句なしにニジガクアニメだと一番好きな回。ボードの意味への文脈の乗せ方が見事すぎんのよな ツナガルコネクトもまた観て聴いてて泣きそうになっちゃったしほんま良かったでや

気付いたら2周目視聴も折り返しに入ってきましたね 2期始まる前には一通り行っておきたいと思ってるので皆様もお楽しみにね

 

というわけで今回はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございます。 読んでて共感できたり楽しめたりしたところがあれば幸いです

気に入っていただけたら次回も読んでいただけるとありがたいです。感想をくださったり記事の拡散等をしていただけたりすると更に喜ぶぞ!!

ではまた