AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

最高

ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会(2期)

第8話「虹が始まる場所(TOKIMEKI Runners)」

感想レビュー

 

 

「かすみんさん、その髪飾り可愛いね!」

「えへへへへー、そんなことありますよぉ〜」

か、カレからのプレゼントを自慢するカノジョのムーヴ...!(言い方)

その髪飾りもしかして、とリアタイの時に思ったけどやっぱり1期最終回でしずくから貰ったアレでしたわね。普段は装着してないけどフェス最終日というここぞに付けてきてるの、友人のしずくがくれた贈り物に対するかすみの思い入れが感じられて過去エピの要素の再ピックアップとして良きでありましたね(遥経由で言及することで、2人をあんまベタベタさせすぎずに分かりやすく強調したところの描写のバランスの良さも巧かったところ)  「かすみはあの髪飾り、ここぞの場面でこそ付けてきますよ」的な持論を展開してたフォロワーさんがいたので、実際に「ここぞ」でここぞとばかりに付けてきてたのを見てついちょっと反応しちゃったよ

度近亭シン・恋 on Twitter: "二期中須に月と星の髪留めがないのは作画コスト抜きにすると 「つけてよかすみさん!」 「大事なやつだから大事な日にだけ使うの!」 ってやり取りを盛り込んだ上で最終回ライブで 「今日は……『大事な日』だから」 で満を持してつけてくるやつですね (幻視)… https://t.co/oRVXcQsQ9u"

度近亭シン・恋 on Twitter: "「大事な時にだけ月と星の髪留めつける中須」概念の映像化…… ありがとう…… ありがとう……… "

 

フェス最終日を舞台に、ニジガクの物語における高咲侑の物語の一つの到達点を描いた今回のエピソード。あまりに濃密かつエモーショナルで体感がもうほぼ最終回だったんですが...まだ最終回でない!?Really!?(ミア・テイラー)

フェス最終日というニジガクのストーリー的にも大きなイベントの一つなのもあって、各校スクールアイドルの面々はじめ璃奈のクラスメイトやら美里さんやら薫子さんやらetc...と今までのエピに出てきた見知った顔のキャラ達が準レギュキャラから端役まで幅広く出てて、視覚的にも凄く楽しかったのも今回面白かったところ。 本エピのテーマ的にも今まで同好会のみんなと交流を重ねてきた人達を描いておく意義は凄く大きかったしそういう意味でも良い演出であった しかし1期にしれっと登場して僅かな尺の中で謎に濃い存在感を刻み込んでいった久方ぶりの登場になった流しそうめん同好会、ここに来てまさかの大抜擢で笑った(そうめん流しのノウハウ、そんな役立つ???)

 

ちなみにちょっとした余談ではありますが、侑がフェスのトリを飾る曲の製作に息詰まってトチ狂い始めた迷走し始めた時、息抜きに連れ出そうと栞子が最初に言い出してたの、今回のとても好きなポイントです。「私が言うのはおかしいかもしれませんが...難しく考える必要はないと思います」って侑に言ってあげたりとか、前回自分に素直になれたことで以前とは違う立ち位置から良いサポートができるようになってたのが成長の描写として良かったよね  一旦肩の力を抜くことを勧めたり、好きを表現することに難しく考える必要はないとアドバイスしたり、ってのはまさに前回みんなからしてもらったことだから、それを早速返してあげてるのグッときたわね  最近ちょっと栞子も推せるようになってきたのよな...良いよね、三船

 

そんな今回のエピソードは、同好会の皆やファンの人達に向けるに相応しいものにするために、そして自分が同好会にいることへの答えをランジュに示すために、と自分の中のときめきや自分に表現できることについて考える侑を中心としたストーリーが見所。自分の曲を待ち望んでくれる仲間達の想いを受け止めつつもそれに応えるだけで良いのかと悩んだり、自分を全力で表現するランジュのライブに今一度胸打たれたりと紆余曲折経つつ、侑が自分の中に宿るときめきの答えとして

「同好会のみんなが自分を目一杯表現する姿にときめきを感じ、自分も一緒に夢を追いかけ、彼女らと同じように今ここにいる自分を全力で表現したい・みんなに追いつきたいと思うようになっていた」

という想いに気付く、という着地を見せたのが、そう...それだよッッッ!!という感じでこちらのボルテージの盛り上がりにもシンクロして、ここはもうめちゃくちゃに熱かったですね!せつ菜のライブとの出会いをきっかけに同好会の仲間達の「好き」を表現する姿にときめきを抱き応援し続けてきた第1期それに続いて音楽をやりたいという自分の道に向け同好会の仲間達と共に歩み始めた第2期、という感じでニジガクアニメにおいて高咲侑が同好会の仲間達と共に経てきた軌跡・積み重ねに自分も心打たれてきた身としては、その物語の過程・意義こそがここで回帰し、ズバリ高咲侑というキャラクターの大きな到達点として昇華・集約されたのはさながら大事に温めてたパズルのピースがここぞでビシッとハマったみたいで凄く気持ち良かった...!日陰に座り込み悩んでいた侑が答えを得ていくと共に陽の光が差していき、目に輝きを宿した侑が立ち上がるという象徴的な演出など、細かいところもグッとくる魅せが多くてまた良きでした。せつ菜のライブが侑をスクールアイドルを応援する道へと誘った時のように、せつ菜の歌声をきっかけに侑が自分の中のときめきの答えに思い至る流れになってる、というのも他の方が言っててなるほどなぁと

スパボ@La shower on Twitter: "まじで1期1話のように、『せつ菜ちゃんの歌』を聞いて、侑ちゃんが"自分の始まり"に気づくの、犯罪的すぎません?????? ちょっとこのアニメずっとせつ菜推しを泣かそうとしてくる………… "

加えてそれが、「侑は何故スクールアイドルでもないのに同好会に身を置き夢を追っているのか」というランジュが2期の始めに侑に投げかけた問いに対する「自分の夢は同好会のみんながいたからこそ見据えることのできたもので、みんながいるからこそもっと強く追い求められる=夢を追う同好会のみんなと一緒に支え合い切磋琢磨し合いながら自分自身を表現していくことが自分の夢の在り方」という答えになってたのも鮮やかで素晴らしかったですね(「侑が作ってくれた曲を歌えることに価値がある」と言ってくれる同好会の仲間達の後押しに支えられつつ、そうして「夢を与える」だけでなく自分も「一緒に夢に向け進んでいく」のが意味あることなのだという想いを侑が強める、という侑の更なる「自立」が印象付けられることで、更にそこの答えの深みがでるのもとても良い)。時に支え合い、時に競い合う、互いに影響し合って共に成長してゆく「ライバルだけど仲間、仲間だけどライバル」という1期で印象的に示された同好会の面々の在り方にまつわる文脈がここで侑にもグッと乗っかり、彼女も同好会の一員であるというところの深みがいっそう増すのも見事で、まさしくニジガクという作品の物語の中心に在り続けた高咲侑のキャラクター性の劇的な開花であったなと。1期・2期の侑の物語の魅力を余さず活かし、直球ストレートで琴線に叩き込んだ最高の作劇でした

 

そうして侑により大トリの曲が無事書き上げられ、迎えるフェス閉会式。ここで侑がステージの真向かいの客席中央から演奏をし、それに乗せて同好会の9人が侑の作り上げた曲「TOKIMEKI Runners」のパフォーマンスをステージから披露するという、同好会のみんなが共に追いかけ作り上げていく侑の夢の形を体現した構図をバチッと入れ込んできたのはがまた最高にグッときたところで、上述した侑周りの描写とも綺麗に噛み合い熱く心躍ったクライマックスとなりました。1期最終回だと客席から皆を見ていた侑が、今度は立っている場所こそ違えど皆と共に夢を叶える舞台に足を付け自分を表現してるの、凄く沁みる構図でしたね...ピアノを弾く前の侑の手が震えるカットからの堂々と演奏、そして最後に笑顔を見せる、 という侑の一連の動きが色んな感情を感じさせてたまらんかったなぁ...

それでいてストーリーの盛り上がりを侑と同好会の皆の話として閉じたものにすることなく、多くのファンやスクールアイドル、それを支える人々の存在あってこそ侑達の立っているスクールアイドルフェスティバルの舞台があったというところにもしっかりと重きを置き、この物語に関わった全ての人達に熱いフォーカスを送る流れにしていたのも込み上げるものがあって実に良きでありました。新しい曲を作り上げるの助けてくれたある人フェスを最高のものとする提案をしてくれたある人素敵なライブで更なる成長を与えてくれたある人、と2期からの新規キャラである3人の存在、および彼女らが2期の物語において同好会との交流で与えてくれた影響にも触れ、その存在感を一気にググッと深めてくれたのも非常に粋なところであったし、総じて1期最終回のフェス終幕の構図から更に何段階もググッと深みを与えてきたことや、2期の物語を構成する諸要素達の魅力にも強く迫った白眉たる作劇であったなぁと。みんながいてこそのスクールアイドルフェスティバル、というのを中心に据え、誇張抜きに本作のキャラクターみんなを熱く掘り下げ、ランジュの「スクールアイドルは『与える』側の存在であり、『支えてもらう』必要はない」という主張への返しをこれ以上ないくらいにカタルシス高く綺麗に為したのマジで鮮やかすぎる...

 

そしてここから披露された「TOKIMEKI Runners」も、1期最終回の夢ここ以来の同好会9人全員での曲でありつつ、あれとはまた違った感じで明るくハイテンポな曲調が楽しい良曲でしたね。9人がステージ上で活き活きと舞い、それぞれの表情が次々に寄りで映る画面の動きも凄く良きであった なんか変な言い方かもだけど、ニジガクアニメで披露された中で一番「ラブライブ」っぽい曲・映像って感じだったのでそこもなんか好きなところ。ラブライブシリーズとしては異色な部分も多い作品なだけにここぞでこういうのが来るのは熱い

それにこの「TOKIMEKI Runners」、ニジガク同好会がグループとして初めて送り出した曲(スマホゲーの方のOPだそうですね)というのがまたグッときたところでしたね。同好会の仲間として侑が一緒に夢の舞台に立ったここでニジガク同好会始まりの曲であるこの曲を入れてくるの、凄く粋で唸らされましたねぇ  サブタイの「虹が始まる場所」はまさしくそれを表してたんだなぁと(ED前にTOKIMEKI Runnersの曲名と一緒にサブタイがそっと出てくる演出によってそこをいっそう引き立ててきてるのがまた上手かった)

 

という感じで胸に沁み入る演出多しなクライマックスでありましたが、どうも長くニジガクを追ってきたファン有志が言うには、今回のエピソードのラストの一連のシーンには実際のライブやスマホゲーの方のビジュアルなどのオマージュがふんだんに盛り込まれていたとのことで、自分の放送後のTL等で色々その元ネタについて知りましたがほんとに細かいところまで色々に拾っててここも唸ったところでしたね。特に上述した「ステージ真向かいの客席中央でピアノを演奏する侑」「演奏前、鍵盤にかざした侑の手が緊張で震えている」の辺りは、 実際のライブで侑役の矢野さんが同じ演出で出演した時の構図をダイレクトにオマージュ・逆輸入したものと知った時は、恥ずかしながら実際のライブをまだ観てない身ではあるものの凄くグッときましたね...ピアノ演奏前に手が震えてるとことかかなりまんま重ね合わせていて、役者とキャラの想いのシンクロというとこまで感じられてちょっと涙腺に来たよ

蕩 on Twitter: "3rdライブで妃菜喜ちゃんが「夢がここからはじまるよ」のピアノ弾く時に手震えてたように、侑ちゃんは「TOKIMEKI Runners」弾く時に同じように手が震えてるの、本当に妃菜喜ちゃんと侑ちゃんは同一人物なんだって改めて思う瞬間だった。 #虹ヶ咲 #lovelive… https://t.co/KC9iWDmJxZ"

どんとこい、ゼットアンドリュー on Twitter: "つべ開いたらこの投稿出てきたんだけどこんなのまで被せてたんか...!すんげぇ… "

弟子@Aqours6th東京ドーム両日参加 on Twitter: "あのね?あのね?(語彙力)#虹ヶ咲… "

しかしこれだけのオマージュ構図を凄く味わい深い形で入れ込んでファン達を盛り上げつつも、それらについて知らなかった/パッと見て分からなかった自分でもシンプルに一作品の作劇・演出として胸打たれたというのはほんとに凄いことだなと改めて思いますね。オマージュの活用があまりにも完璧すぎる...それらのオマージュにすぐ気付けたようなヘヴィーなファンの方々が羨ましくなっちゃいますよこんなん すげぇ良かった

 

かくして無事フェスは成功を収め、ランジュも侑達の覚悟やスクールアイドルとしての想いを認め話は綺麗に終わり...かと思いきや、陰を落としたような雰囲気のランジュの口から溢れる「バイバイ」の言葉でちと不穏に締め、という感じで次回への引きを印象的に示すラストとなりました。諸事情あって次回9話の放送後にこの感想は書いているけれど、ここで序盤から物語を牽引してきた要素であるランジュと同好会とのあれやこれに一区切りをつけつつ、ランジュ自身の内面に迫る引きを設けて次のエピに繋いだこの締めは今観てもなかなかに惹きつけられるところですね。そして次回もしっかり面白かったという...マジで隙ないなニジガクアニメ!!?

 

 

以上、ニジガク2期第8話でした。本文にて色々語ったのでもう多くは語るまいという感じですが、スクールアイドルフェスティバルという大舞台を軸に、侑、同好会、ランジュやミア、栞子、そして彼女らを取り巻く多くの人々に残さずフォーカスし、誇張抜きに「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」という一つの作品のテーマや要素を凄まじく劇的に昇華せしめた名エピであったなと。オマージュの入れ込み方、それに対する気付きと感嘆なども含め、総じてとてつもない視聴後感とカタルシスでしたよ...そしてまだまだ勢い衰えぬという...マジで凄いわニジガクアニメ 冗談無しに実質最終回だったわよ今回 みんな言ってるけど「ここでこんだけ盛り上がって、この後逆に何するんだ?」って感じなんだよな...良い意味だけどマジで油断ならねェ

 

というわけで今回はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございます。 読んでて共感できたり楽しめたりしたところがあれば幸いです

気に入っていただけたら次回も読んでいただけるとありがたいです。感想をくださったり記事の拡散等をしていただけたりすると更に喜ぶぞ!!

ではまた