AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

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ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会(2期)

第4話「アイ Love Triangle」

感想レビュー

 

 

愛「朝だよ!」

果「眠い」

愛「そろそろ起きて!」

果「あと5分」

 「起きた」

文字打てるんなら最初から起きろや朝香ァ!!!

前回愛さんにモーニングコール頼んだ時点で愛さん苦労させられそうな雰囲気バリバリ漂ってたけどマジで大変そうで笑う エマの合宿数日続いてたし、何日かは同じことが繰り返されてたと思うとだいぶ不憫() 同じ寮住みで愛さんと違って直接起こしに行けるから多少やりやすいだろうとはいえ、あのねぼすけを起こしに行くのが日課になってるであろうエマさんまじ女房

 

愛さんと果林先輩のユニット「DiverDiva」結成が中心となった今回のエピソード。次回が残りの3人のユニットの話っぽいし、この感じだとユニット単位のエピは連続でやっていきそうな感じするわね

しかしこのエピ、他の方も言ってたけどちょっと詰めて描いてた感あったというか、もう1話くらいかけて欲しかった感もあるね 1期の時は各メンバーのメイン回を1話ずつでやってたのでこんなもんかなとも思うけど、やっぱキャラの背景より掘り下げたり複数メンバーの絡み描いたりするからボリュームはあった方が良いし、ランジュとのあれこれも絡めた分QU4RTZのエピは実質2話構成だったからやっぱちょっと物足りなさはあった そこは惜しいところ

 

今回は話のキーパーソンとして愛さんにとっての近所のお姉さん的存在の美里さんが登場。美里さん相手に愛さんがメンバーのみんなとはまた違った感じの砕けた雰囲気を覗かせていたのが新鮮でありました。普段気の良いお姉さん的な感じでみんなと気さくに振る舞うことの多いキャラが、気心の知れたお姉さんみたいな相手に「お姉ちゃん」って言ってる姿からしか得られないエネルギーはある(力説)

幼い頃は泣き虫で内向的だったが美里さんのおかげ現在のように明るく活発な性格になれたという愛さんの原点も描かれ、愛さんのキャラにいっそう奥行きが出たのも凄く良かったところ。実際ちらっと描かれた幼少期の愛さんも、にぱっと笑う快活な子って感じじゃなく、年相応に純朴そうな大人しげな子という感じだったし、あそこから今のような明るい子になるまでに愛さんがどんな風に一歩踏み出してきたのだろうかと考えると色々感慨深くなるね 幼少期の愛さん、全体的な雰囲気がなんとなく璃奈に似てたので、「もしかしたら愛さん、幼い頃の自分とダブるものがあったから声かけたのかなぁ」とか思ったり。美里さんから貰った勇気と元気を今度は愛さんが璃奈に渡したんだなぁ

 

そんな愛さんの美里さんへの想いの健気さが沁みたが故に、一方の美里さんにとっての愛さんは、可愛い妹のような存在でありつつも、他の人ができること・持っているものが自分には無いと実感させられる存在でもあった、と明かされる展開はしんどかった...美里さん自身は愛さんが悪いなんて思ってはいないし寧ろそうして自分で自分を卑下してしまうことの方が嫌、って感じながらも、自分に無いものを持っていて輝いてる愛さんのことが眩しくて目を背けてしまう形になってたというのが辛い

そしてそんな美里さんの吐露が、「太陽のようにみんなに大好きや元気を届け、ときめく想いを分かち合える存在」になりたいと思っていた愛さんにとって、自分の大好きを伝えようとする行為が誰かを傷つけることになっていたと知ることになってしまい、心を揺さぶられることになってしまう、という展開になるのが二重でしんどかったなぁ。真っ直ぐで純粋な心、明るさを持つキャラというのは得てして「太陽」に例えられ讃えられる一方、その輝きが影を生んでしまったり、眩く真っ直ぐな輝きが嫉妬や羨望を生んでしまったり、ということもよくありますが、愛さんは「太陽」のワードを歌などで用いる形でそのキャラ性を印象的に表現されることがよくあるだけに、この構図がいっそう哀愁を強めた感あるな...いつも明るく挫ける様子のない愛さんがしゅんとしてしまう様はこっちも胸にくるものがあったし、そうして太陽のように輝くことに追い目を感じ始めた愛さんの陰りを表すように愛さんが日向から日陰へ入っていってしまうカットが入れられてたのも印象深かったな

 

そんな時、「『スクールアイドルをやるべきじゃなかったのか』と今更言うことに意味なんて無い」と冷静に諭したり、スクールアイドルを辞めると言い出し卑屈になり始めたところを「それなら自分がステージに立って愛のファンを貰ってく」とちょっと悪ぶって焚きつけたりと、果林先輩が愛さんの気持ちに火をつけ立ち直らせる良い立ち回りを見せたのが良きでしたね。ここで果林先輩に促された愛さんが自然と先程の日陰から再び日向に戻ってくるカットがとても好き

どんとこい、ゼットアンドリュー on Twitter: "影の方に行っちゃった愛さんを果林パイセンが陽の方に戻させる構図めちゃ好き 愛さんは太陽だからそっちなんやで… "

熱くなりやすい愛さんに対して、常に一歩引いたくらいの立ち位置から物事を見てることが多いのが果林先輩(1期の時も、敢えて他のみんなと違う軸で厳しめに物を言うことはあったのが印象的だったし、その辺で果林先輩らしさが出てたの凄く良かった)だけど、今回はそのキャラの対比が良い感じに働き、違う性格の者同士で「支える」関係性がバチッとハマってたのがグッドでしたね。「誰も傷つけないなんて、そんな事、できる人いないわ。それでも、太陽みたいにみんなを照らせる笑顔が、あなたにはあるでしょ?」と、愛さんの人柄や為すべきことを端的にしっかり示したのもグッときたね。ちゃんと仲間の良さとか見ているんだなぁ 太陽は強く輝くほど何かを傷つけ影を生むけれど、太陽が輝くのを止めれば多くのものが生きる力を失うからこそ、太陽はひたすら輝くのが正しいし、影ができるならそこも照らせるよう色んなところで輝けば良いのよ...

 

こうして立ち直った愛さんと果林先輩とで結成された「DiverDiva」のユニット曲「Eternal Light」のパフォーマンスが披露され、その模様とそこで愛さんが伝えたメッセージが美里さんの心を動かし前を向かせる流れは熱かったね 愛さんが「会場に来られない人達も」と提案したライブ配信のおかげで、今更顔を合わせられないからと会場に行かなかった美里さんにもちゃんとメッセージが届いて、それを受け取った美里さんが最後にはちゃんと来てくれるの、凄く沁みる流れだった。

「Eternal Light」も、スタイリッシュ且つアップテンポでアガる曲調の曲ってのが愛さんと果林先輩のアツい・冷静の対の性格の融合って感じでピッタリ(競い合って磨き合うユニット、というところから生まれたのを思うと、融合というより「(良い意味での)2人のせめぎ合い」と言った方がカッコ良いかも)でカッコよかったぞ 愛さんの小気味良いラップ超好き

 

またこの2人絡みの本筋とは少し外れるけど、このライブ前に緊張してる愛さんを璃奈が抱き締めて勇気づける下りがあったのも凄く良かったところだったね。愛さんが伝えた元気や大好きで前を向けた璃奈が今度は愛さんに元気を与えてる、っていうこの構図自体が凄く熱かったし、そうして璃奈が元気をくれたことが、自分の在り方に一度迷いかけた愛さんの気持ちを「自分は今まで通りみんなに元気や大好きを伝えていけばいいんだ」と改めてグッと引き締めてくれたとこもあっただろうから、そこも含めてとてもグッときたわ

あと小ネタ的な要素だけど、2人のライブに来てる観客の中に藤黄の2人がしれっと紛れてたのが面白い遊び心だったね 綾小路さん絶対果林先輩目当てでしょ()

 

そして最後には、愛さんから貰った元気を糧に、愛さんや果林先輩に負けじと切磋琢磨しながら夢を追い始めた美里さんの姿が描かれて締め、ととても爽やかに終わってとても良かった。また他の方が言ってたのを見て気付きおお、となったとこだけど、この美里さんの心情を象徴するように「空に伸びる2つの飛行機雲を追うように伸びていくもう一つの飛行機雲」のカットが入れられていたのも凄く沁み入る演出でしたね。美里さんがまだ愛さんへの羨望に苦悩してた時の前半パートには「空に尾を引く濃い飛行機雲と、それに追いていかれる薄い飛行機雲」という形で、同じ飛行機雲の演出を用いて美里さんの異なる心情を象徴的に表現する場面があり、この同じ手法で違う心情を表現するコントラストは後追いで気付いたけど凄く良かったなぁ そもそも今回は愛さんの日陰と日向の演出といい、象徴的な表現多いのが凄く良い

そな on Twitter: "愛さんに届かないとわかって止まっていた美里さんの飛行機雲が、Diver Divaの2人を追いかけて進み始める表現は流石だなと思いました。 #虹ヶ咲… "

あと、これから夢を追い始めることに対し「今から勉強しないといけないけど」と言う美里さんに対し、果林先輩が「遅いなんてことないですよ、どんなことだって」って返してたのが、ちゃんと1期の積み重ねが活きてると感じられた部分としてとても好きなところ。エマに同じようなことを言われて背中を押されたのがきっかけで同好会に入り、その後スクールアイドルフェスティバルではスクールアイドルに憧れる女生徒達に同じ言葉で激励を送ってたのが果林先輩は印象深かったし、それをまた味わえたのは良かったなぁ

 

 

以上、ニジガク2期第4話でした。美里さんや愛さんの苦悩を象徴的な演出も交えた心情表現で味わい深く描いたり、そこで愛さんとは真逆な果林先輩の存在が良い刺激となるステキな関係性を描き上げたりと、目を惹く演出や表現で彩られたドラマが面白い回でした。カッコ良い2人のカッコ良いライブもとても惹きつけられたね

そしてED後にお姉さんが登場したりと徐々に栞子の描写も増えてきて、そろそろメイン回来るかな?と楽しみなところ。ここは期待が高まりますね

 

というわけで今回はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございます。 読んでて共感できたり楽しめたりしたところがあれば幸いです

気に入っていただけたら次回も読んでいただけるとありがたいです。感想をくださったり記事の拡散等をしていただけたりすると更に喜ぶぞ!!

ではまた