AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

栞の続きから

ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会(2期)

第7話 「夢の記憶」

感想レビュー

 

 

「せっ...生徒会長!!」

絶対「せつ菜ちゃん」って言おうとしてましたよね副会長???数秒後結局言ったし()

あさゆき@5/29文学フリマ東京ス-37 on Twitter: "ここの副会長、「セッ゛!生徒会長ォ~!」(前のめり)からの、ハッピの背中の『優木せつ菜』刺繍を見せて「セツナチャン! ライブメッチャクチャモリアゲルカラネェ~~~↑」が声の裏返り方とか限界オタクを感じてもう大好き。… "

副会長、愛をまるで隠さなくなってこそいたものの思ってたほど菜々会長の前で理性は崩壊してなくて安心した(フェスだからああいうスタイル取ってるだけで、多分これからも生徒会室での公務中は普通に会長と副会長の関係性で話できるくらいには公私は分けられるだろうなと)けど、それでも何か一個タガが外れた気はするなぁ...w 責任取ってねせつ菜ちゃん!!(キラーパス)

 

開催と相成ったスクールアイドルフェスティバル×文化祭を舞台に、遂に栞子をメインに据えそのドラマにグッとフォーカスした今回のエピソード。前半は色んなキャラが画面上で入り乱れるフェスの様子が描かれ、無敵せつ菜オタクと化した副会長や、推しとおそろいの衣装でステージに立つ綾小路さんなど、遊び心の利いたシーンが色々と見られたのが楽しかったです 職権濫用ですよ綾小路さん(厳)  てか愛さん、あの叡智な格好はなんです...!?前を閉じろ宮下ァ!!!

どんとこい、ゼットアンドリュー on Twitter: "宮下ァ...!… "

 

それはさておき今回の主役の栞子の話。ストーリーとしては栞子の背景にグッと迫る内容になっており、実はかつてスクールアイドルだった姉への憧れからスクールアイドルになりたいと強く思っていた過去があり、同時にそんな中夢半ばで挫けて涙した姉の姿を見たことで「同じように悔しい想い/ 辛い想いをしたくない」という感情を抱き、自分はみんなを支える方が適性に合ってると言い聞かせて自分の「好き」の気持ちからも目を背けるようになってしまったとなかなかにシリアスな背景を抱いていたと明かされたのがちょっと意外で驚きでしたね...栞子は今までの話の中で、スクールアイドルやフェスを真摯に支える姿や、せつ菜達のライブを見てときめきを感じているであろう姿が細かく描かれ続けていて、これは「自分も支えるだけでなく一緒にやってみたい」という想いが強まっていってるやつだなぁ?という感じで「これから始まろうとしている者」という部分が軸になっていくと思って見ていたので、実際のところは「始まった半ばで燻り止まってしまった者」というところが軸だったんだなぁと意表を突かれたところでしたな まぁ前者が軸だと歩夢辺りのストーリーラインと被るものがあってシンプルに収まりすぎてしまってたかもだし、こういう一捻りを入れたのはさもありなんか。無邪気に熱狂し追い求められる夢があって、けれどそれが折れる瞬間を他ならぬ自分の憧れの存在を通じて見てしまったことで尻込みし更なる一歩が踏み出せなくなって...と、夢を追いかける者の前進と挫折が栞子の内面にグッと感情移入させる形で描かれていたのがとても引き込まれたところだったなぁと。過去回想で描かれる姉・薫子さんとの交流やスクールアイドルに関心や熱意を強め夢を追う純朴で熱意ある幼い栞子の姿がとてもキラキラしていた分、その反動も大きかったのかなぁとか感じ入ったし、けっこう胸にくるものがあったわね  「なまじ幼かった故に薫子さんの内面の深いところとかにまで思い及ばず、哀れみとか不安とかが強く刻まれたとこもあったんだろうな」とか、「今までせつ菜達のライブに引き込まれてたのも、心の中で燻るスクールアイドルへの想いに共振して感じるものはありつつも、それを『あの素晴らしい人達を全力で支えよう』というところに持っていこうとしてたのかもなぁ」とか色々想像が掻き立てられたし、改めて栞子周りを見返したらまた新しい見え方ができるかもね

 

そんな栞子の内面を中心にした前半を経て、「あなたの好きを見せて欲しい」と背中を押す同好会の面々の激励や、「悔しい想いをしたとしても、喜びや誇らしさも沢山知れたからこそ、やって良かったと思ってる」という薫子さんのスクールアイドルとしての道程への想いが栞子の心を解きほぐし、スクールアイドルから貰ったときめき、今も心の中で輝いている憧れを栞子が思い出していく、という流れが描かれていく後半の流れに繋がっていく流れは非常にグッときたところでありました。「無茶しながら進むことになるかもしれないし、志折れて悔しい想いもするかもしれないしと、夢や好きなことを追うことは身の丈に合わなくて傷つくことになるかもしれないけど、そのために進んだ道程やそこで感じた気持ちには後悔や無駄なことなんてなく、それは新しい夢やときめきに続いてゆく」という夢を追うことの尊さを、スクールアイドルとして栞子に感動を与えていただけでなく、栞子からも活力や希望を貰っていて、その感謝を今度は自分が栞子を支える形で返し薫子さんを通じて描き出す熱さが凄く良かったし、それを受け取った栞子が「誰かを支え応援するだけでなく、自分の好きを表現し夢を追っても良いのだ」と立ち返っていくのもとても沁みましたね...「好きを隠す必要はないのだと知った」と改めてみんなの前で語った前回の流れを経てせつ菜が栞子の心に優しく歩み寄りその本心を引き出したり「みんなの夢を叶える場所/日」という栞子が全力で支えてきたスクールアイドルフェスティバルの根っこの在りようが栞子自身の夢も叶って欲しいというところに返ってきたりといった、ストーリー全体や要素が上手いこと絡み合って収束していくカタルシスも見事で、ここの栞子の「夢を再び始まる者」としての再起の一連の流れはほんと、涙腺を緩まされましたよ

またここの栞子周りの流れ、栞子が最初に示した「自分はみんなの夢を支える側に立つ」というスタンスは最初聞いた時、「これって言葉だけなら侑と同じ立ち位置になるよな」「ここに深入りするのはけっこうデリケートな話になるんじゃないかな」という印象を抱いたので、ここをどういう風に落ち着かせていくのかは気になっていたところだったのですが、そこにおいて「誰かを応援するだけでなく、無茶をしながらでも自分のやりたいこと・夢に向かって進む」ということに1期ラスト〜2期にかけて目覚めていった侑が真っ先に「自分にできることだけをしてみんなを支えるのも正しいけど、それだけだときっと後悔するんじゃないかな」と口火を切り、誰かのためだけではない、自分に夢を追うことへの栞子の本心を引き出す方向をみんなに示していく、という流れに持っていったのが凄く綺麗で唸ったところ。今までの物語での蓄積を経た侑の、栞子の立ち位置と似てるようで少し違うところの示し方として上手かったし、そこが主人公らしい場の空気の牽引に繋がったのが完璧で、ほんとこういう構図の被せ方・対比のさせ方やキャラ性の取り扱い方の細やかさはニジガクアニメの強さだなァとまたも実感させられました(前述の薫子さん周りのメッセージが、色々無茶しながらも音楽科で頑張ってる侑にもかかってる部分がある構成なのも素晴らしい)  いやはや見事

 

そしてこの流れを経て、ソロ曲「EMOTION」を引っ提げての栞子のライブパート、からの新しい一歩を今一度踏み出した栞子の心からの笑顔が画面を彩る、というクライマックスでもう、たまりませんでしたよ...表情の少ない子が感情豊かな顔を見せるようになる流れ、よくあるやつだけどバチッとハマるとめちゃんこ琴線に触れて良すぎるな この辺ずっと「三船ェェェェェェ!!」って心の中で叫びながらずっと号泣してたわ() 最高  「EMOTION」のライブパートも、スチームパンク風のステージや衣装に対しメロディや振り付けの所作には和テイストが盛り込まれている(緑のメインカラーも和って感じで上手いことハマってて良き)という不思議なマッチが独自の風情となっていて惹かれたのに加え、最初真顔だった栞子が後半色んな感情で華やいだ表情を一気にぱあっと見せてくるのがタイトル「EMOTION」にストーリー文脈と合わせてズバリハマってめちゃくちゃテンションが上がったのも最高で、1期2期併せて見ても好きなソロパートの上位に食い込む良さに見事やられましたなぁ...燻っていて心の火がまた灯り、新しい一歩を踏み出した栞子の時間を象徴するように、最後背景の時計の針が一つカチリと進む演出も良いダメ押しでぶわっときちゃいました。ユニット曲も良いけど、やっぱソロ曲はそのキャラのテイストをグッと詰め込めるからいっそうグッとくるわね

 

という感じで栞子周りのストーリーが綺麗に着地した今回でありましたが、一方でそうしてスクールアイドルや同好会との距離を縮めていく栞子のことを、遠くから寂しげに見るランジュの姿があり...という今後の布石になりそうな描写を入れて締め。前半パートでも栞子に話しかけようとするも公務で忙しそうな栞子を見て物惜しげにしながらも自分から身を引く下りもあったし、この辺栞子の前進がかえって「栞子が自分だけにかまってくれなくなってきている=栞子と自分の距離が離れていってる」的なところに対する、幼馴染だからこその微かな寂しさがランジュに刺さっていってるのかなと感じるところであり、2人の関係性に少しメスを入れていく形になるかな?と気になりますね  ランジュに関しては、幼馴染として栞子に自分をもっと見てて欲しいという気持ちや、同好会とももっと近付きたいんだろうな的な隠れた本心が今までのストーリー中でしっかり示されていたので、この辺の心情描写もスッと入ってきたのがさり気なく今までの積み重ねの昇華となってたのも良きであった

しかしこの「幼馴染に自分だけを見てて欲しいのにそうじゃなくなっていってる」的な構図、誰ぞやを思い出して少しハラハラしちゃうのは私だけでしょうか() ねぇ上原さん? でも実際ランジュと栞子の今の構図ってまさに1期の歩夢と侑のそれの近いものがあるというか、ランジュも大概クソデカ感情だよな...とか感じるとこあるんで、あの「い  つ  ぞ   や」みたいなことが11話あたりで起きないとも限らんのですよ...油断できねぇぞ!?(迫真) それはそれとして、侑に相対する存在的な立ち位置でありつつも、栞子とセットだと歩夢に近い立ち位置にもなる、ってのが絶妙なキャラで良いよねランジュ ほんと話を経るごとに色んな味が出てて凄く好きなキャラだ

 

い  つ  ぞ  や(1期11話感想記事)

サスペンスの空気感なんすけど - AnDrew’s小生意気レビュー記

 

 

以上、ニジガク2期第7話でした。後半戦一発目のエピソードとして遂に栞子のメイン回となりましたが、「夢を追う」みたいな部分をテーマに据えつつ、今までの細かな描写の積み重ねを活かし栞子のキャラをしっかり前進させた味わいあるエピにまとまっていて凄く良かったですね。薫子さんや侑もしっかり魅力ある形に描かれていて、ニジガクアニメのキャラ描写の強さ・細やかさがかんじられたなぁと。個人的に1期第6話に並ぶ好きなエピソードになりました

一方でランジュ周りで少し今後の布石を敷いたのが気になるところでもあり。ここがどういう形で跳ねてくるか楽しみですね...その前にまずミア回かな?何にせよ期待大です

 

というわけで今回はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございます。 読んでて共感できたり楽しめたりしたところがあれば幸いです

気に入っていただけたら次回も読んでいただけるとありがたいです。感想をくださったり記事の拡散等をしていただけたりすると更に喜ぶぞ!!

ではまた