ドルゴ
別名:山怪獣
身長:69m
体重:6万5000t
秋田県 一之字村 霧野山に千年以上眠る怪獣。漢字で「土留午」と記される。土を豊かにし、水を浄化する守り神として崇められ、御神体が収められた祠により鎮められ、山そのものとなって封印・冬眠状態となっている。
緑が生い茂った全身に岩のような突起物が生え、鋭く尖った鼻先を有する頭部に鳥居や遺跡の門を思わせる建造物のような円弧状の部位が被さっているのが特徴的な姿をしている。尖った鼻先から発射する金色の電撃を主な武器とし、他にも頭部に被さった円弧状の部位を持ち上がらせることでより強力な威力を有すると思われる眩い紫電を繰り出すことも可能。更に防衛隊の新型レールガン「メガショット」が演習に際し偶然自身の背中の岩状の突起の上に設置された状態で目覚めたことにより、意図せずして停止信号を受け付けず起動したままのメガショットを装備した状態になっており、自動照準・自動防衛機能を持つメガショットが敵性存在に対し自動で砲撃を行うようになってしまっているという、歩く戦闘要塞のような様相を呈している。
↑背中の上のメガショットはドルゴが捕捉している敵性存在に自動で照準を合わせ攻撃を行う。ドルゴ自身は一切意図せぬものながらも強力な武器と化してしまった。
霧野山中で山そのものとなって千年以上に渡り眠っていたが、防衛隊の一之字村でのメガショット演習に際し資材を運ぶ通り道にあった祠が撤去され、中にあった御神体も処分のため運び出されてしまったことにより苦しみを感じ覚醒、メガショット演習の真っ只中に地鳴りと共にメガショットを背負った状態で姿を現す。覚醒一番、演習のために出撃していたアースガロンを視界に収めると鼻先からの電撃により一撃で機能を停止させると、今度はアースガロンには目もくれず、久方ぶりの覚醒による体機能の調整のために沼の水を飲んでそのまま鼻ちょうちんを膨らませながら二度寝へ突入。
眠りは浅く1時間後に再覚醒すると目される中、エミ隊員の独自調査により科学博物館のデータベースから発見された資料により、ドルゴは眠りを司る脳幹部分に御神体を鍼のように刺されていたことで麻酔効果を与えられ眠っていたことが判明。御神体を再び供えるべくゲント隊長とアンリ隊員が背中の山の上を登り祠があった箇所へ再び御神体を戻そうとするも、メガショットの不調により即時に再覚醒してしまう。
その時、ドルゴの背中から振り落とされながらゲント隊長が変身したウルトラマンブレーザーが出現。すぐさまブレーザーと真っ向からの取っ組み合いを繰り広げるが、その時背中の上のメガショットの自動防衛機能が働きブレーザーへの攻撃を開始、ドルゴの攻撃を回避しようとするブレーザーをメガショットが自動照準により捕捉し撃ち落とすという連携を発揮しブレーザーを追い詰め始めてしまう。しかし再起動しテルアキ副隊長とヤスノブ隊員が搭乗したアースガロンが参戦、アースガンとの熾烈な銃撃戦を繰り広げるもアースガンでメガショットは撃ち抜かれ機能を停止、その隙にブレーザーが2本に分けて投擲したスパイラルバレードでメガショットを切り離され戦力が半減。その後は頭部の円弧状の部位からの紫電攻撃で応戦するもブレーザーに押さえ込まれ、その隙にアンリ隊員に御神体を元の場所に刺し直されたことで麻酔作用が働き冬眠状態へ突入、最後はブレーザーに元いた場所へ戻され山へ姿を変えると再び穏やかな眠りへと就いた。
↑メガショットを失った、本来の姿のドルゴ。
プレミア発表会で名称や諸設定が先んじて公開されたバザンガ・ゲードス・タガヌラー・レヴィーラの四柱は姿を現し終えた...
ここからは我々も未知の領域だぜ!!!
というわけで今回はそんなニューフェーズの一番槍となったドルゴくんをご紹介。高下駄方式という手法も普及しているこの現代にて敢えての膝立ち四足歩行スタイル、厳ついながらもどこか愛嬌を感じさせる三白眼気味の鋭い目つき、というよくぞこの令和の世に誕生したなと祝いたくなるような古き良き昭和の四足歩行怪獣の味わいを基本としつつも、「山怪獣」の別名に恥じない荘厳さを纏った緑生い茂る無骨な威容や、遺跡の門を思わせる頭部の円弧状の部位・石柱じみた背中の突起といったいかにも伝説の存在といった雰囲気をより深める各部のアクセントといった、令和の世にも通用するハイセンスさも光るという、昔ながらの魅力もオサレな現代テイストの魅力もバランス良く纏った実に素晴らしいデザインのイケジジイ怪獣でしたね。土砂や砂埃を巻き上げながら復活する大迫力のカットや、さながら未知の世界への扉を開くかのような紫電攻撃を放つ際の頭部の円弧状の部位を立ち上げ起こす魅せなどの各所の演出も、その悠然とした、神的な雰囲気をも感じさせる存在感をグッと深めていてとてもとてもカッコ良かったぞ
そんなドルゴのデザイン担当はなんと前回の超奇怪なレヴィーラも担当された百武朋さん。百武さんの作風的にもてっきりレヴィーラみたいなのがメインかと思ってたのでこれは意外であった。正直最初は楠さんデザインかと思ってた 5話担当の辻本監督から直々に「初代マンの怪獣群の中に居てもおかしくないデザイン」というオーダーがあったそうなのでそこも大きかったのだろうけど、その上でこんなストライクど真ん中なこれぞウルトラ怪獣!!なデザインを、オリジナリティも入れつつお出ししてくるとは、いやはや感服ですね...レヴィーラもあんなエッジの効いたデザインしてるけど口内に古き良きレール発光が仕込んであってニヤリとさせられたし、しっかり“分かってる”デザインなのがもう素晴らしすぎますな
という力強く悠然とした雰囲気溢れる姿が印象深いドルゴでしたが、その背中に場違いにそそり立つ防衛隊の新型レールガン「メガショット」も今回のエピソードのストーリー込みでのドルゴの魅力をグッと深めててとても良かったポイントでありました。今回の第5話はいわば「人類の発展が伝説・未知の領域へ踏み込んでしまったことによる脅威の復活」というところが一つのテーマだったわけですが、この山そのものといった感じのドルゴの悠然とした威容の上に科学の象徴であるメガショットが異物感たっぷりに生えている明らかなミスマッチの画は、まさにその「人類の科学の発展が未知の領域の境界に触れてしまったことで目覚めた脅威」というメッセージ性を端的に視覚化しており、ここの象徴的な表現はストーリーとの合わせ技として実に秀逸であったなと。メガショットは戦闘中キレキレの自動追尾でブレーザー達を苦しめこそしたけどそれもドルゴ自身は使いこなそうと思ってやってたわけではないし、このドルゴとメガショットの一体であるながらもミスマッチ・乖離しているというところの徹底は凄く教訓的な味があってグッドでしたね
最終的にドルゴはブレーザーやSKaRDの面々の活躍により、倒されることはなく再び眠りに就く、という形で収められ、この辺の“いかにも”な雰囲気の怪獣を大人しくして返すという定番どころを押さえた流れもとても良かったですね これまでのエピソードでも分かってたことだったけど、やっぱり本作はウルトラシリーズをしっかり分かってるってのが伝わってくるのでこう、最高だなと改めて思いますわいね その上で定番なだけに留まらない独自のテイストもしっかり押し出してくる手腕も見事だぜ 今後も色んな怪獣達の登場が楽しみになってくるね!!
というわけで今回はこの辺で。次回は...
奇怪!幻惑のオーロラ宇宙人
次回も見てくれよな!!
※あとがき
......えっ、来週総集編!!??(でも例年に比べ一味違ったものになりそうでとても楽しみ)