AnDrew’s小生意気レビュー記

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ウルトラマンブレーザー

第12話「いくぞブレーザー!」

感想レビュー

 

 

SKaRD、鳴り物入りで投入されたのもあって明確な成果が上がらないことへの圧が歴代の防衛隊にも増して強いので思わず苦労を察してしまうね...参謀長のお怒り方が見ててこっちまで緊張してまう 実際にはSKaRDみんな揃って切り替えが早くて怒られの直後に隊長にブレーザーの手の感触聞いたりしてたそうだが...w(編集スタッフの矢船陽介さんによるカットシーンについてのツイートより) 意外に太いなコイツら!!!

矢船陽介 on X: "エンディングのファーストショットは 参謀長にシメられた直後、切り替えの 早い隊員たちが『ブレーザーに助け られたときの手の感触って?』と 隊長に質問している場面です。 #ウルトラマンブレーザー EP12_いくぞブレーザー!https://t.co/3peJjyYrvs @YouTube" / X

矢船陽介 on X: "例によって呎調でオトして しまったので、すいません すいません。 『ヌルっと生暖かい感じ…』 とゲントさんはテキトーに応えて いました。" / X

この前半1クールでは結局被害縮小やブレーザーの援護で良い立ち回りこそ多かったものの、マトモな怪獣撃破はなく結果で言えばもう一つ振るわなかったSKaRDだが、そこを敢えて意図と描いてたと分かったので後半はもっとバチンとくる活躍が少しでも多く見たいね...

 

更なる猛威を振るうゲバルガに立ち向かうSKaRD/地球防衛隊、そんな中で試されるゲント隊長とブレーザーの絆を描く今回のエピソード。前半1クールラストの山場ということで、前回と併せて大スケールのバトルをしっかりと演出しつつ、本作ならではのテーマやドラマ性もきっちり昇華させ盛り上げた良きストーリーとなりましたね。想像以上が来て実に満足

 

さて前回に引き続く形でSKaRD/地球防衛隊のゲバルガとの死闘を描いた今回のストーリーでしたが、ここでまさかの第5話のメガショット演習で一緒だったお兄さんのヒラノさんゲント隊長の前所属だった第1話の特機団の仲間達の再登場はびっくりしちゃいましたね  特機団のみんなはいずれ出そうだなとは思ってたけどここで切り札となる武器の一つとしてメガショットが出てくるのに伴ってヒラノさんも出てくるのは予想外すぎたぞ!ヒラノさん、メガショット演習に絡むあれやこれでも挫けず反省を活かして前に進もうとしたりと真面目で実直なのが窺える隠れた好人物だったし、ここでその真面目な努力を経て完成されたであろうメガショットを切り札として引っ提げてSKaRDと再会するの熱かったね...ドルゴ案件マジで不憫だったのはあるので、真面目に頑張ったのが今回結果に上がる形で報われたのは泣けるよ  でもって第1話以来の超ご無沙汰の特機団のみんなも、僅かな会話の中で変わらないゲント隊長との絆を感じさせるやり取りしてくれたりとグッとくるものを見せてくれたのでたまらんかったですね...第1話冒頭の機内で緊張してた若手くんとそれを和ませるついでにイジって談笑してた隊員さん達と思しき面々がその時の空気感まんまな会話してたのも懐かしさ感じられてグッド 若手くんが機雷の起爆でしっかり活躍してたのがこう、頼もしくなったな...!って嬉しくなっちゃったよね あんま若手くんのこと知らないくせして()

 

そんな彼らと共に挑んだゲバルガリベンジ戦。次々手を封じられ叩きのめされるしかなかった初戦と違い、仲間達の体を張った奮闘や持てる戦力の限りを尽くしてゲバルガを叩いていく奮戦の流れは前回の苦境があってこそという感じで非常に熱かったですねぇ  ゲバルガの急所に打ち込める武器としてガラモンの超強靭な素材を使ったチルソナイトスピアーが登場そのチルソナイトスピアーを撃ち込む兵装としてメガショットに白羽の矢が立つ、と今までのエピソードに出てきた諸要素が綺麗に対ゲバルガへの一手として繋がり、その上でエミとアンリによるSKaRD MOPでの誘導特機団メンバーによる爆撃アースガロンによるメガショット射撃とSKaRD/地球防衛隊の勇士各人が文字通り命懸けのオペレーションに挑んで出し得るフルパワーをゲバルガにぶっ込んでいく、このブレーザー前半1クールの集大成みたいな総力戦感が実に王道なドラマチックさでたまらんかったのですわ 加えて「チルソナイトスピアーとメガショットの短期間での運用に『偉い人のお膳立て』があった」とさり気なく示唆することで、ハルノ参謀長(と多分源川司令官)といった上の人達も頑張ってるのがなんとなくイメージできるようになってたのも良いよね(前回だけだとちょっと印象悪かった源川司令官も、今回のエピソードだとなんだかんだしっかりドンと構えてる人という印象がプラスされてちょっと見直したし、良かった)  総じてここら辺は「これはあの時の!」みたいな要素の入れ込みを積極的にやる足木さんのスタイルが凄く上手く噛み合ってグーという感じでしたね(ボイスドラマとかだと他の作品の要素にも手が伸びてちょっとまとまりが悪く感じられてしまう時もあるのだけど、ブレーザーは作品の性質上本作の中の要素で完結させて描ける分カチッと良い形にハマった感があったなと)

加えて前回同様特撮面がかなりハイクオリティだったのも盛り上がりに拍車をかけてて良きでありました。ゲバルガとミニチュアを実際の風景に合成したカットやゲバルガの進行した街の風景を俯瞰で映したカットのリアルさでグッと臨場感が出てたし、惜しみなくナマの爆発使った爆撃の連発も激アツで非常に良かったですわね 戦闘周りも前回に比べて格闘戦多めで泥臭さがあった分かなり迫真さに溢れてて魅入ったし、とてもカッコよかったぞ 泥臭い戦闘大好きだからさ...

 

からのこの前後編エピソードのドラマの肝たるゲント隊長とブレーザーの関係性の深化、ここもとてもとても、良かった!!前回予想した通り、ここ最近のブレーザーとゲント隊長の意思の不一致はゲント隊長の姿から「命を守る」ことを学んだブレーザーの感情の発露が招いたことであり、そこに向き合うことでブレーザーも自分と同じ気持ちであり共に戦う仲間であるのだと自覚したゲント隊長が絆を深め改めて一緒に立ち上がるというのが今回の大きなターニングポイントとなったわけですが、ここのきっかけたるブレーザーの「命を守る」という想い/感情の発露「3年前の爆発事故においてゲント隊長ががむしゃらにブレーザーを救おうと手を伸ばした時」「バザンガ戦において負傷した仲間の下へ向かい『必ず全員で生きて還る』と言った時」など、ゲント隊長と出会った時を筆頭としてずっと彼と一緒にいた中で見てきたものから学び積み重ね成してきたものであったことをしっかり強調する演出・構図にしてたのは凄くドラマチックでおぉ!となりましたね。ブレーザーの意思・自我が強まってきてたのはここ最近のことであったけど、それは決して一朝一夕のものではなかったのだと。ゲント隊長が自分の意思に沿わなくなってきた(ように見えてた)ブレーザーへの不信感から対話を諦め“無言のままに”ロッカーに閉まったブレーザーストーンが、ブレーザーの本当の想いに気付くに至ったゲント隊長の心の変化彼と彼の仲間の窮地その中で今一度強まるゲント隊長の正義の意思に引き寄せられて再び彼の手に渡り、「行くぞ...ブレーザー!」というゲント隊長の“共に戦う仲間”としてブレーザーに向き合い投げ掛けた言葉と共に改めて変身に使われるという一連の流れは、この両者の関係性を軸とした「コミュニケーション」というテーマを象徴的に表し、両者の絆の深化として昇華させた劇的さがあってまさに今回の白眉でありました。サブタイにしっかり被せる形で言った「行くぞ...ブレーザー!」が、今まで単身無茶しがちだったゲント隊長の良さと悪癖を表現していた「俺が行く」から発展した、ブレーザーと共に戦うという意思を表す言葉になってる、という他視聴者の言はおぉなるほどと唸りましたね 良い言葉遊び...

さとい on X: "俺が行く、から、行くぞブレーザーになった…ひとりから2人になったね……" / X

それにこの辺の描写、第1話でゲント隊長の勇敢な慈愛の精神の表現として鮮烈な印象を刻んだ『必ず全員で生きて還る』の言葉をブレーザーの視点から見てもそういう印象であったのだというところで印象付け、第1話をブレーザーの物語の始まりとして追い始めた我々にもブレーザーの心がしっかり実感できるようにしてたり今回のストーリーの中でのエミの「(無茶だけはするななんて)どの口が言ってんすか」や特機団の面々の「無茶しないでくださいよ」といったゲント隊長に向けた台詞でもって、彼を取り巻く仲間達もゲント隊長に「生きて(還ってきて)欲しい」と思ってることを印象付け、同様のブレーザーの想いをより強調したりと、細かいところでドラマ性をよりグッと後押しする描写に溢れてたのも凄く良かったところ。今回のエピソードを「ゲント隊長とブレーザーの関係性」というところで二人だけの“閉じた”ものにせず、他のキャラや我々視聴者もしっかり含めて広げるものにした凄く良い作劇だったなと。ゲント隊長が正しく「隊長」として仲間達を信じ良い意味でどんと構えていられるようになる一つのきっかけになっていくかもなぁとも思うし、丁寧でとても良かった

 

という激アツな流れからのブレーザーvsゲバルガ戦で遂にお披露目となった新戦力・チルソナイトソード、これも非常にカッコよかったですね。第9話でガラモンが恐ろしい強さのインパクトを残しただけあって、その素材が使われている武器としてゲバルガ打倒の一手になることに納得度の高かったチルソナイトスピアーが、更に窮地にて巡ってブレーザーの新武器になるの、流れと見せ方が上手かったな...ガラモン様様すぎる() 「地球防衛隊が宇宙怪獣の侵入に対しピリピリしてる理由」として前回の時点で先んじてガラモンのことがさり気なく語られてたのも仕込みとしてグッド  布が巻かれたような意匠の柄の部分やマチェーテ等の伝統的なナイフを彷彿とさせるフォルムといった野生的な部族イメージのブレーザーに対し良い感じにマッチした浮きすぎてないデザインまさかのガラモンが巡り巡って素材になるという意外性(稲妻要素はどこかと思ったら、体に刺さったチルソナイトスピアーを通じてゲバルガが流した電撃が基、と実質ガラモンとゲバルガの合成武器だったのも恐れ入った)など、放送前の玩具情報の段階からなかなか気になってた武器だったけど、実際の活躍も上々で面白かったわね  本能のままに振るいルロロロロァァァァァ-ッ!!って興奮してた拍子にブレーザーがレバーに気付き動かしてみるというギミックアクションの魅せ、レバーアクション時のSEがガラモン歩行時の金属音という遊び心といった演出が凄く面白かったし、その上で繰り出される技も超活かしてて痺れたわよ 稲妻の軌跡を描き上空高く飛び上がったブレーザーが稲妻そのものと化して高速で降り立ち、一瞬で敵の前に現れ一閃するオーバーロード雷鳴斬の演出、最高だったぜ インナースペースを介さないのでニュージェネ特有の武器ギミック使用時のカットのちょっともっさりする感じも軽減されてたし(レバーとトリガー引く簡単なアクションだからウルトラマンが直に使う画でもやりやすかったのもあるかもね)、一つ革新となったかもね 今後の活躍も楽しみだ

 

そしてラスト、「もうちょっとお互いを知っていかないとな!」とゲント隊長がブレーザーストーンに語りかける絆の深まりを感じる爽やかなカットで締め...と思いきや、

直後ブレーザーストーンがゲント隊長の下へ行った時めちゃくちゃにした更衣室と風穴開けられた壁が目に入り、

ブレーザーストーンを見つめるなんとも言えない笑顔とぶち抜かれた壁を呆然と見る真顔を交互させるゲント隊長のシュールな姿で今度こそ締め、となりました。w  ブレーザーと良い感じになった矢先のこれで、「気にするなブレーザー!(無茶するなぁ...)」とか、「凄いことやったなぁ、ハハ(どうすんだこれ...)」とか、ゲント隊長の色んな感情が渦巻いてそうだった表情の絶妙さが面白すぎて凄い良かったですね()  やっぱ親と子供じゃないか(無邪気にはしゃぎ散らかしてとんでもないことになった部屋と悪気ない子供を見て色んな感情に包まれる親そのまんまなのよ)

依然前途多難そうだけど、深まった絆でブレーザーといっぱい向き合って頑張れ!ゲント隊長!ホントに頑張れ、強く生きて(

 

 

以上、ブレーザー第12話でした。特撮面の迫力もドラマ面の劇的さも、前回の流れをしっかり引き継いでバッチリ昇華させきった素晴らしい前半1クールラストでありましたね  ゲント隊長とブレーザーの関係性を「コミュニケーション」というテーマの下しっかり掘り下げつつ、作品全体の諸要素や色んなキャラもきっちり良い味わいで活かし切った丁寧で奥行きある作劇、最高だったぜ...後半戦もますます楽しみになる一先ずの良い締め括りになったなと。来週の総集編も何やら面白そうだし、楽しみだわよ

 

というわけで今回はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございます。 読んでて共感できたり楽しめたりしたところがあれば幸いです

気に入っていただけたら次回も読んでいただけるとありがたいです。感想をくださったり記事の拡散等をしていただけたりすると更に喜ぶぞ!!

ではまた

 

 

 

 

 

 

 

 

「...ハルノです

『セカンド・ウェイブ』、退けました」

 

 

 

 

 

ウルトラマンブレーザー

第12話

「セカンド・ウェイブ」