AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

秘められし真実

ウルトラマンブレーザー

第13話「スカードノクターン

感想レビュー

 

 

「記録」─伝える必要がある事柄を書き記したもの

「記憶」─物事を忘れずに覚えていること

 

真実は雄弁に語る

 

今回は前半クールから後半クールへの折り返しを繋ぐ、近年では恒例の総集編を兼ねたナンバリングエピソードの第13話。話の構成自体はこれまでの物語の振り返りや非オペレーション時のちょっと緩めな会話なんかを交えながらSKaRDメンバーのやり取りが繰り広げられる(しれっと語られる「防衛隊のシステムをクラッキングしてたらなんやかんやで捕まってそのままスカウト」とかいうエミ隊員の割とシャレになってない武勇伝好き)いつもの総集編エピという感じでまぁ手堅く危なげない内容だったかなというところではありましたが、一方で「バザンガとゲバルガといったここ最近頻繁に飛来してる宇宙怪獣達は同じ軌道を通って地球へと侵入してきていた─両者は同じ星から飛来してきた同郷の生命体である可能性がある」という今後のブレーザーの物語に大きく関わってきそうな超重大情報がしれっと入れ込まれていてぶったまげましたね...「ガラモン(ガラダマ)は別軌道での侵入だった」という補強が為されてたり第4話で少しだけ出てきたレヴィーラの元になった謎の存在─V99との関連も示唆されたりと、他のエピソードの要素も絡めてグッと縦軸の方を押し進め物語に厚みと複雑さを出してきたのが面白かったですね。バラエティ豊かなエピソード群を連ねてきたようでいて、実は個々のエピソード、少なくとも「宇宙」が絡む話に取り回しはかなり計算して構成されていたのが感じ取れて唸りますね...(宇宙発というところは宇宙怪獣達やガラモンと同じなカナン星人も「侵略目的で直接乗り込んできたのが判明してる」「いつどこから入ってきたかは不明でそもそもサンプルにはならなかった」というところで宇宙怪獣達とは別口と判断されてて今回触れられなかったんだろうなというのが窺えて筋は通るし、自由にやってるようでいてかなり縦軸とのラインを繊細に引いてる気がしますね)  カナン星人やセミ人間といった侵略宇宙人周りに関しては、敢えてぼかしてるのか後の劇中でも全然触れられなくてどういう扱いかまだ掴みづらくはあるので、今後の言及をもう少し待っても良さそうだが。あの世界の報道の内容を反映させた公式Twitterのミニコラム的な企画「潮流新聞」でカナン星人やセミ人間の存在が全然触れられてない辺り侵略宇宙人の情報は一般に向けては制限されてる可能性もあるし

ウルトラマンブレーザー公式 on X: "・・潮流 🌊 新聞 ・・ <<7/11(火)朝刊>> ー トピックス ー ■ 防衛隊ロボット 暴走 アースガロンの脆弱性あらわに ■ 車の暴走現象 被害者語る →公式Ch毎週更新中⚡️ https://t.co/96FarEeQWP 編集:ニイボシ https://t.co/9cvs7qiFoa" / X

ウルトラマンブレーザー公式 on X: "・・潮流 🌊 新聞 ・・ <<8/7(月)朝刊>> ー トピックス ー ■ 隕石飛来、中から未知の怪獣 ■ 温泉名所で地震続発 →公式Ch毎週更新中⚡️ https://t.co/WG0KnMQL5a 編集:ニイボシ https://t.co/K7zN9U5O18" / X

 

しかしゲバルガの記事でも触れたけど、やっぱり本作の縦軸における「宇宙怪獣」の存在はかなり重要な意味を持たされていそうだよなぁと。バザンガがあの世界における最初の宇宙怪獣/ゲバルガはそれに次ぐ2体目」という明らかに特別性を持たせた設定から始まり、圧倒的なフィジカルと時限信管式の砲撃による戦術攻撃が得意なバザンガEMP攻撃によるインフラの破壊と戦略性の高さで苦しめてきたゲバルガとまるで人間社会を叩くことを目的とした兵器のような特性両者にそれとなく入れ込まれている「赤と青」のカラーリングという共通した意匠、というところで前々からバザンガとゲバルガが関連のある存在であること、本作の「宇宙怪獣」が何か特別な存在であることはそれとなく仄めかされていたし視聴者間でも考察として語られてきてたけど、前回ハルノ参謀長がゲバルガを「セカンド・ウェイブ(第2波)」と呼んだ(バザンガが登場した第1話のサブタイトルは「ファースト・ウェイブ(第1波)」)こととも合わせて、ここで物語の方から答え合わせに近いことがされたのでかなりテンションが上がりましたね。レヴィーラの元とされる謎の隕石とV99の存在との関連も合わせれば、かなり前より宇宙から地球に向けて起源を同じくする色んな脅威がやって来ていたであろうことが察せられるし、不気味な黒幕めいた存在がいるのではとも想起されますね...

それに先にも述べた本作の宇宙怪獣達に共通する「赤と青」のカラーリングの意匠、何を隠そうこれは我らがウルトラマンブレーザーにも共通してるものなんですよね これは単に偶然か、それとも何か意味のあることなのか、この辺の答え合わせも非常に気になるところではあり...ゲント隊長とブレーザーが邂逅した3年前の爆発事故は地球に飛来してきたブレーザーが不慮の事故により起こしたものではないか、というのが前々から考えてる個人的な考察なのですが、もしかしてブレーザーはこの時、バザンガやゲバルガと同じ軌道を通ってやって来てたんじゃないのかとか思ったり...元々バザンガやゲバルガと同じような目的の元送り込まれるはずだったブレーザーが不慮の事故から命の危機に晒され、それを救おうとしてくれたゲント隊長の意思に触れたことで何かが変わり...(そこでゲント隊長とブレーザーが一体化したこと、宇宙生命体の存在が明らかになったことがハルノ参謀長の宇宙怪獣への関心、SKaRD設立のきっかけになった)みたいな。ゲント隊長の経歴から3年前の爆発事故での活躍が抹消されてる(記載されていない)っぽいことから「あの施設でブレーザーが幽閉され、宇宙怪獣にまつわる極秘の実験が行われてたんじゃないか」とかいう防衛隊の闇を感じる考察もあるし...不穏

ともあれ次回はV99の存在に深く切り込んでいく展開になるそうなので、ここでどういう事実が明かされるか注目ですね

 

にしてもブレーザーのガラモン、50ウン年ぶりのTVシリーズ再登場でウルトラマン相手にさえ通用する強さを持った強豪であったことが明かされたに留まらず、地球への襲来が後続の宇宙怪獣への警戒を強めるきっかけになってたりその強豪っぷりを説得力としてブレーザーの中盤の強化を成す新武器の素材になったり宇宙怪獣達の正体を突き止める一つの裏付けとしてその存在が機能したりと、実際の活躍がスゴいだけでなくその後のストーリーにおける重要なファクターにもなってるのいくらなんでも盛りすぎでしょ() ガラモン自身もまさか自分の名前や自分にまつわる固有名詞を有したアイテムや武器が特定の作品の山場に乗っかってドンと正規の販促ラインで売り出される未来が来るなどとは思ってもいなかったであろう 時を越えた大出世すぎる

でも実際上記のようなガラモンを軸にした宇宙怪獣周りの縦軸の発展のさせ方は普通に巧くて感心しちゃうし、方々で言われてるように地球人と地球の音楽を愛したツクシ達の切ない物語の象徴でもあったガラモンが、第9話から少し間を置いて巡り巡って地球の危機を退ける鍵となってくれた構図は凄く良いよなと。ツクシ達が葛藤しながらも運命に向き合ったことが引いては彼らの愛したものを守ることにもなったの、皮肉でもあり切ないけど彼らにとっては少しだけ報われたのかも、と聞くとしんみりするね...

 

 

以上、ブレーザー第13話でした。総集編ながらも物語の折り返しに相応しく今後の物語を大きく動かしそうな重要な情報も出してきてて、後半戦がより楽しみになった回でしたね。ブレーザー、バラエティ豊かながらもかなり綿密に練られて作られてる作品みたいだし、ここがどう回り着地していくか見ものですね。後半クール、大いに期待して構えてるぞ!!

 

というわけで今回はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございます。 読んでて共感できたり楽しめたりしたところがあれば幸いです

気に入っていただけたら次回も読んでいただけるとありがたいです。感想をくださったり記事の拡散等をしていただけたりすると更に喜ぶぞ!!

ではまた