AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

タチイルベカラズ

ウルトラマンブレーザー

第14話「月下の記憶」

感想レビュー

 

 

後期OP、歌詞もサビの怪獣ラッシュパートも変わってないじゃないですか!!

やだーーーーーー!!!!!!!!!!(ぎゃん泣き)

一番楽しみにしてたまであったねんぞ!!!

でも第14話と同日にYoutubeで公開された前半ダイジェストでは10月登場が解禁されてるガヴァドンやモグージョンの動いてる姿に加え、未だ正体不明な謎のトンガリ宇宙人の動いてるカット、更にゲバルガ同様プレミア発表会にいなかった新たなる怪獣までお披露目されたりとサプライズが満載だったので、まぁええわ(何目線) 11月以降のブレーザー、プレミア発表会に出てない怪獣があと2、3体は出る余地あると踏んでたけど早速1体来たね...さぁ残りはどうなるか

 

音速で空を駆る怪獣デルタンダルとの激闘、エミが追う謎の存在「V99」の秘密、二つの軸の下で展開されるストーリーで描かれた今回のエピソード。後半戦突入の一番手に相応しく、特撮もストーリーも見応え抜群の一本でしたね 後期ED「Brave Blazer」も前期ED「BLACK STAR」の力強いロックミュージックとはまた違った少ししっとりしたテイストのミュージックがスッと染み入る感じで良い曲だったぜ

 

まずはSKaRD/ブレーザーの怪獣デルタンダルとの戦闘パートから。今回の戦闘は緻密なミニチュアセットの上で怪獣と重量感たっぷりのプロレスを繰り広げるいつもの感じではなく、広大な空を高速で飛び回るデルタンダルとの激しい空戦を臨場感溢れる実写合成により描き上げた変化球の戦闘が見所となっており、このシチュエーションに特化させたデルタンダルのステルス機のような特異なフォルムも相まって「遂にニュージェネもこういう感じのフォークを心置きなくぶん投げられるようになったか...!」と放送前から非常に嬉しくなっちゃいましたね...思えばウルトラシリーズでも迫力満点の空中戦を主にしたシチュエーションは古くは80のバレバドン、ティガの初代ガゾートなど他にも数多くありますが、いずれも通常の戦闘の中に組み込まれた演出の一環というところであったので(前者はバレバドンのフォルムこそガッツリ飛行戦闘特化という感じだったけどエイティとの戦闘は無かったし、後者は技術の進歩もあってかなり見応えある名バウトだったもののあくまで一連の戦闘演出の一環だったし)、むしろここまで全体通して空中戦を描いたのは初めてかもしれないなと。夜空を高速で飛行し駆けるアースガロンの俯瞰の合成カット爆発の煙と炎の中をアースガロンが潜り抜ける合成無しの実写のカットがシームレスで繋がる美しすぎる映像をはじめとして、ニュージェネシリーズが研鑽・蓄積させてきたハイレベルな技術がふんだんに織り込まれた形でそれが成されたというのはこう、感慨深いものがありますわ...

そんなデルタンダルとの戦闘でしたが、機能上本来想定してない状況の中「退かずに倒せ!」とかいうクソみてぇな無茶振りをかまされながらも持てる戦力と戦術の限りを尽くして奮戦しデルタンダルを追い詰めたアースガロンの大一番、それに繋ぐ形でデルタンダルと切った張ったして見事フィニッシュを収めたブレーザーの追い込みが光り、空戦シーン全体の迫力も相まって実にカッコ良かったですね。超軌道の高速飛行、衝撃波、爆撃攻撃と多彩な能力を存分に発揮しSKaRDを翻弄したデルタンダルの暴れっぷりも実に痺れたし、変化球演出ながらも後半戦の幕開けに相応しいマッチであった  デルタンダルの生態等のディテールを掘り下げる流れがストーリーの一環としてしっかり入れ込まれていてデルタンダルがきちんと「怪獣」としての存在感を出していたりSKaRDの面々の軽快で絶妙な距離感のやり取りが程良く挿入されるので戦闘シーンを楽しみつつ彼らの一体感をより深く感じられたりとブレーザーならではなドラマ性もしっかり演出されていたし、メインスタッフ陣として田口監督と小柳さんが良い仕事してくださいました 特に後者は、ちょっとした節々の言葉使いが引っ掛かりになったりしつつやり取りがテンポ良く繋がっていくあの感じが田口監督小柳さんコンビが担当された序盤辺りに通ずる空気感が改めてしっかり出てたのもあってとても良かったところ。やっぱメインの方々が絡むとしっかりカラーが出るね

 

そしてもう一つの話の軸であったV99の謎を追うエミの奔走でしたが、こちらもここ最近物語の縦軸を繋ぐ要素として度々浮上するようになってた「3年前の爆発事故」「V99」により切り込んでいく形の展開から、

3年前の「第66実験施設」における爆発事故は「V99」なる存在の実験が絡んでいる

当時の動向的に恐らくゲント隊長は“白”(要人警護について活動してただけで少なくとも何かを知って隠してるとかは無い)

といったところが判明しつつも、

エミの父親をはじめとした当時研究所にいた研究員・職員達が「所在不明」で処理されていること

そしてその秘密の前に立ちはだかる最重要人物「ドバシ ユウ」の存在

などといった新たな謎も次々に浮上してきて...という感じでブレーザーの物語の縦軸の進行というところにおいていっそうグッと引き込んできたのが凄く心躍ったところでありましたね。前回の第13話でV99やエミの父親の存在を示唆・強調し導線としておいたのも効いて流れもスムーズにハマり、伏線回収的にグアッとストーリー展開の熱量が増した感じがあったのがとても良かった

中でも今回初登場となった今後のキーパーソンとなっていくであろう新キャラのドバシ ユウ、コイツの存在感が非常に良い刺激になってくれました。こちらをのらりくらりと弄ぶ飄々とした態度とじわりと滲む思わず一歩退いてしまいそうな静かな威圧感が同居したなんとも言えない老獪さを漂わせるキャラ性が強烈で、それをウルトラシリーズでもお馴染みの名俳優・寺田農さんの深みある名演がより底知れない感じに彩っているという、これは強烈なキャラが出てきたなと痺れましたね...他の方も言ってたけど園崎琉兵衛に近い迫力があったよなぁ(ドバシの方がぱっと見の雰囲気自体は普通のおじいちゃんっぽいだけに余計不気味かもしれん)  先述の前半ダイジェストでもしっかり名前付きで紹介されてた辺り確実に今後も絡んでくるだろうけど、はたしてどのようにエミをはじめとしたSKaRDの面々を翻弄してくるのかと、なかなかにハラハラさせてくるキャラで良かったなと  この先の登場が楽しみである

 

そんな風雲急を告げる展開の中、3年前の爆発事故と父の失踪が絡んでいるという事実に思いがけず迫ることとなったエミが「V99の真実を暴く」という強い動機を得ていく流れはドラマ的にかなり惹き込まれたポイントでしたね。今までのエミは明るい性格ながらもどこか飄々としていて掴めない感じもあっただけに、身内─父親のことが絡んだこの局面において、そのことで何かを隠そうとするハルノ参謀長に対し激しく食ってかかったりV99の真相に迫っていくことの許しをゲント隊長に対し真っ直ぐに向き合いながら乞うたりと、感情的になる姿が多く描かれたのはキャラクターの奥行きがグッと増して良かったなと。やっと彼女の根っこの部分が知れて、こっちとしても距離が縮まった感じがあったね 前回の父親についての語りからも思い入れは感じ取れたし、そこが今回の流れに一つ説得力を与えてたね(こうして見るとキャラクター描写面でもかなり重要だったね前回の第13話)

そんなエミの想いをしっかりと受け止め、「...良いよ、許可する」と多くは語らず背中を押したゲント隊長の姿は、それを受けて目を涙で潤ませていたエミと併せて凄くじんときたところであり、今回のドラマパートの白眉でありました。エミ自身父のことで退くわけにはいかない意地はありつつも、「ヘマをすればSKaRDは解体」みたいなハルノ参謀長の圧力もあってこれ以上自分が首を突っ込めばSKaRDの仲間達に迷惑をかけてしまうという不安があっただろうし、そこをしっかり分かって「納得するまで気にせずやれ」とゲント隊長がSKaRDの仲間として受け止めてくれたのは凄く心強かったんだろうなぁと、さり気なくも凄くグッときた一幕だったね...エミが目を潤ませてたのも「父のことを調べるために心置きなく全力で突き進めることへの喜び」とか「それを仲間がしっかり後押ししてくれたことへの嬉しさ」とか、色んな感情がない混ぜになったからこそなんだろうなと感じられてこっちも思わずじんときたし、この辺の感情描写の行間が凄く良かった  ゲント隊長とエミ、第2話や第4話を筆頭として良い感じに絆を重ねてく様が印象深い2人なので、ここでいっそうググッと深まった感じがあったのはとても良かったなと思いますね。ちゃんと主人公とヒロインしとるで...後半戦の絆の深まりも楽しみね

 

またエミ周りの描写で言うと、エミの父親と親友の間柄であったこと、およびその繋がりから実はエミからも「おじさん」と呼ばれるような関係だったことが明らかとなったことでそのキャラ性に一つ奥行きが出たハルノ参謀長もなかなか魅入ったところであったなと。ゲバルガ戦および今回とSKaRDに対して成果を挙げろと急かしたり、V99に迫るエミにSKaRD解体をチラつかせて圧力をかけたりと、最近はかなり高圧的な姿を見せることが多かったハルノ参謀長でしたが、ここの情報が開示されたことで少なくともエミに対しては「親友の娘に危険を犯して欲しくない」という感情があるのだろうなというのが感じ取れてグッと人間味が増しましたよね。エミが父を探してるのは知ってたけどその上で今まで第66実験施設の一件を黙っていて、エミがそのことを探るようになったらSKaRD解体を仄めかして止めるよう言って、でも強行手段には出ずエミを咎めるばかり、とまだハッキリ言ってこそいないけどこれはもう親心も同然だよなぁ...エミの身を案じてはいるけど、彼女の父親への感情に思うところはあるし、それを押さえつける後ろめたさもあるからここぞで強く出られない、みたいな...第66実験施設に近付くエミに「下がれ!!」と怒号を投げかけながらも、彼女が一歩も退かないのを見て一拍置いてから静かに「下がれ...」と言う下りは、なんだか「頼むからこれ以上はやめてくれ」という切実さを滲ませてるようであった  V99やドバシをはじめとする存在について深く知っているのは確実、SKaRD設立にもなにか目的がありそうげと本作の根幹に関わっているのは明らかなハルノ参謀長だけど、そこにおいて彼がこの親友の娘─エミに対する想いとの板挟みで何を見せてくるか、そこも見所ですね

 

 

以上、ブレーザー第14話でした。後半戦開幕に相応しいインパクトのある特撮でテンションを大きく盛り上げつつ、クライマックスに向けてドラマ面をあっためるように縦軸も大きく動かしてきた見所多しの重厚なエピソードでしたね。ゲント隊長とエミをはじめとしたSKaRDの面々の絆の深まりやハルノ参謀長の真意など、キャラクター周りもいっそう深掘りされて面白くなってきたし、ここからの展開もますます楽しみですね。一体どんな展開が待っているのか...

 

というわけで今回はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございます。 読んでて共感できたり楽しめたりしたところがあれば幸いです

気に入っていただけたら次回も読んでいただけるとありがたいです。感想をくださったり記事の拡散等をしていただけたりすると更に喜ぶぞ!!

ではまた