AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

フロントガラスに爆竹投げないで(迫真)

ウルトラマンティガ

第24話「行け!怪獣探検隊」

感想レビュー

 

 

運転中の車のフロントガラスに爆竹投げんじゃねーーーッ!!!クソガキどもーーーーーーッ!!!!!!(バチギレ)

昔は「こ、このクソガキども〜〜〜!」くらいの感じで観てたけど、実際に車を運転する身になった今となってはマジで最悪の所業にしか見えなくなっちゃったぜ...() これが大人になるってことだよ 人のいない道だったとしても突然フロントガラスに物ぶつかってきただけで心臓縮こまるし、あまつさえそれが爆発した日には死ぬのよ(運転ミスって事故って、とかじゃなくて、ビビりすぎて心臓止まって死ぬ)

 

閑静な田舎町・利戸間町に渦巻く怪事件、それを取り巻く子供達が巻き起こす大騒動、といった感じの今回のエピソード。いかにもな悪ガキ集団が登場しそいつらが思いがけず怪獣の存在に肉薄して...という導入から始まる怪獣特捜ストーリーや、環境問題が生み出した怪獣の脅威を描くという人類への警鐘的なメッセージ性など、大筋は実に安心感のあるオーソドックスな昭和特撮のかほり漂う内容になっている一方、「戦争や公害といった諸問題が既に過去のものとなった世界」というティガの世界観設定をさり気なく軸とすることで、レイロンスの回の第12話と似たような感じの「たとえ問題自体が解決しても、人類が過去に犯した核や環境汚染の影響は時を越えて牙を剥いてくる」というところを強調していたのがちょっと先進的で面白い内容となっている話でしたね。「20世紀の酸性雨みたいね」「公害かぁ、懐かしい言葉だな」といったさり気ない台詞回しを1、2滴入れることでその辺の世界観設定をスマートに印象付けてるところも巧い  また子供という要素を掛け合わせることで「過去の人間達が汚してしまった影響が残り続ける地球に生きなければならないのは、他でもない今を生きる子供達なのだ(だからこそ自分達は次世代の子供達がそうならないよう努力していかないといけない)」という示唆的な教訓を込めた締めにしてたのも良い味であった 公害云々への言及や提起自体は割とポイントごとの描写になっててあまりくどくどしくないのも含めてバランス良く観やすい作劇だったんじゃないかなと

 

一方で、そんな話の一番の中心でもあった悪ガキ集団が少々かわいげのなさすぎるキャラ造形だったのは惜しいポイントだったよなぁとも思ったり。それこそ良くも悪くも多少のことは大らかに受け止める昭和シリーズならではな過激な悪戯好きの子供達みたいな質感で描いた感じだったんだろうけど、現代寄りのハードSFというティガの基本の空気感とその辺はちょっとミスマッチだったというか、映像・演出上で悪ガキ達のやってることの危なさがちょっと度を越してしまった感もあって、そのせいで後半に彼らが狼少年的な立場になってからも微妙に感情移入しにくい感じだったのは構成的にはちとしょっぱかったかなとはなっちゃいましたね  助けに来てくれて謝ってもくれたダイゴに憎まれ口叩いたりとか最後まで「憎めない奴ら」に微妙になりきらなかった感じは勿体無かったので、ここはもう少しバランス良く回して欲しかったかも(熱出したユカを心配してるとことか、迫ってくるリトマルスを追い返そうと立ち向かって行ったりとか、それなりに良いとこも見せてるんだけどな)  

にしてもそんな悪ガキ達に看板ブッパの罪着せられたりと最初からだいぶ散々な目に遭わされてたのに、後々彼らの言ってたことが本当だったと知った時まずそれを信じてあげられなかった自分を責めて猛省したホリイ隊員、あまりにも良い人すぎて泣けるね...あんだけされれば悪印象持って当然ではあるのに、やっぱ人情派の人だよ きっちり報いるために科学者としてしっかりやるべきことを為そうとする姿もらしくてカッコ良かったよ そんなホリイ隊員が水溜まり落っこちたのに「ホリイさんwwwwww大丈夫ですかwwwwww」ってバカ笑いして助けようとしなかった男がいるらしいな?なぁダイゴ!!(鬼畜ダイゴ好き)

 

そんな今回のエピソードに登場した怪獣は強酸怪獣リトマルス。2本の触手が伸びた手足の無い芋虫のような胴体が縦にドンとそびえ立ち、その下部の地面に接しそうなところに顔が付いているという特異極まりないフォルムが特徴的と、見ての通り「帰ってきたウルトラマン」の古代怪獣ツインテールをガッツリとオマージュしたデザインが非常に素晴らしい怪獣で、そのビジュアルのインパクトもあってある意味ティガの中でも代表的な怪獣の一角の入るんじゃないかなと。ポリプテルス辺りの熱帯魚/古代魚を彷彿とさせる無骨めな体表ときょとんとした愛嬌を感じる顔立ち(鼻先のヒゲがまさにポリプテルスとかのイメージなのよな)がユニークで、どことなくエビのイメージが織り込まれてるツインテールと同様の水棲生物モチーフなところなどにそれとないオマージュが感じられつつも全体のイメージはツインテールと全く違った形にまとまっているのも秀逸で、自在に伸びる蛇腹状の触手やそれを使って大きく飛びかかる豪快なアクションといった要素と併せてしっかり1体の個性溢れる怪獣としても存在感を発揮してるのがとても良いですね まさに平成のツインテールよ 意外とツインテール型の怪獣って全然いない(他にはアニメ媒体におけるSグリのゴングリーとか、あとちょっと変わり種気味だがスペクトルマンのモグネチュードン辺りか)ので、令和のツインテールも出てきてくれないものかと願っちゃうね

リトマルスとの戦闘も、やはり普通の怪獣とは違うフォルムしてるだけあって普段はないような新鮮な演出やアクションが多くて楽しかったですね。リトマルスの顔がトンネルの入り口から迫り来る恐ろしい構図からの、リトマルスの体が引き戻されていくのでなんだと思ったらティガの姿が後から見えるというトンネルの入り口で切り取られた画角を通してヒロイックさを段階的に魅せてくる演出など、リトマルスのあのフォルムとそれに合ったトンネルというロケーションだからこそできる魅せ方が凄く良かった 強酸が武器のリトマルスに強アルカリを叩き込んだら中和されて無力化される、を体の棘の赤(酸性)から青(アルカリ性)への変化で表現するというその名の通りのリトマス試験紙をモチーフにした学びと遊び心に富んだ演出もグッド 強酸封じられてもフィジカルだいぶ強かったけどなリトマルス! 学生の頃はリトマス試験紙の色の変化のあれやこれの暗記はだいぶリトマルスに助けられたクチ(銀の元素記号名もアルギュロスに助けられたぜ!)なのでそういう意味でもだいぶ思い出深い こういう感じのモチーフの怪獣もまた出て欲しいねぇ こういう遊び心で個性を出してこそのウルトラ怪獣

 

 

以上、ティガ第24話でした。ティガの世界観設定を上手いこと落とし込みつつ、子供のキャラを軸にして示唆的な教訓も仕込んだなかなか巧みなエピソード。リトマルスも面白くて良かったしなかなか印象深い回の一つですね 子供達のキャラのバランスがちと惜しかったのはあるものの、まぁこの辺は久しぶりのTVシリーズであり昭和シリーズからの過渡期だったからこそできた要素だったのかもなと、時代柄も感じたり。w トータルでは面白いところ多しで良かった

 

というわけで今回はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございます。 読んでて共感できたり楽しめたりしたところがあれば幸いです

気に入っていただけたら次回も読んでいただけるとありがたいです。感想をくださったり記事の拡散等をしていただけたりすると更に喜ぶぞ!!

ではまた