モグージョン
別名:幻視怪獣
身長:54m
体重:5万9000t
地底深くに棲息するモグラのような特徴を有する怪獣。普段は他の地底怪獣を餌として捕食し、餌が足りなくなれば地上に姿を現し野生動物や家畜を襲い捕食する生態をしている。
両手の掌の中心部分にミミズのような無数の触手の生えた器官が存在しており、ここから発する光を生物に見せることでその扁桃体(恐怖や嫌悪感といった基本的な情動を司る脳の内側に存在する部分)を視神経を通じて刺激し、その生物に心の中で恐怖しているものを幻視させることでパニック状態に陥らせることができる。これにより自身のテリトリーに近付くものに威嚇する他、餌となる生物をパニックにさせ無力化した上で長く伸びる舌を使って絡め取り捕食したりする。戦闘時には手に付いた鋭い爪を突き出す近接攻撃を主として、自在に伸縮する腕を伸ばして遠距離からでも爪による攻撃を喰らわせたり、チェーンソーのように振動するトサカを相手に押し付け肉体を削り取るように切り裂いたりと多彩な攻撃方法を用い翻弄する。更に掌の器官の発光を見まいと目を塞いだ相手の隙を巧みに突くといった知能の高さも持ち合わせており、相手に付け入る隙を与えない曲者でもある。
↑正面図、側面図、背面図。
藤垣市周辺で2ヶ月間に渡り農家の家畜を襲い捕食する行動を繰り返しながら地底を転々と移動していたが、掘り進めたトンネルが建設予定地の工事現場の直下を通ったことにより、現場で行われていたボーリング作業による地面の陥没を引き起こし、地上にトンネルへ通ずる大穴を作り出してしまう。当初は穴の中に潜伏して姿を現さず、穴を覗き込んできた現場作業員達やテルアキ副隊長を掌の器官の発光によってパニック状態に陥らせる威嚇行動を続け、錯綜する目撃証言によりSKaRDを翻弄した。そしてその翌日、頃合いを見計らい地上へと姿を現し、それと同時に発光攻撃でアンリとヤスノブを無力化し舌で捕食しようとしたものの、こちらは恐怖を振り払い正気に戻ったゲント隊長の介入により失敗に終わった。
その後、防衛隊の誘導弾による攻撃を物ともせず市街地へと進行、ここでも逃げ遅れたビル内の人間達に幻覚を見せ捕食しようとするも、AI対話システム「EGOISS」のサポートを受け出動したエミの操縦するアースガロンの妨害を受けてまたしても失敗。それでもなお怯むことはなく、発光攻撃によりエミ/アースガロンを無力化して痛めつけた上、駆けつけたウルトラマンブレーザーに対しても、レインボー光輪を曲芸さながらに投げ返す、発光攻撃に目を塞ぎ対抗するブレーザーの隙を突き尻尾や噛みつきで攻撃、伸びる腕やトサカで吹っ飛ばすなど大いに苦戦させた。しかし仲間達の呼び掛けでエミが正気を取り戻したことによりアースガンで反撃を受けブレーザーから引き剥がされた上、目を閉じて発光攻撃に対抗するブレーザーの背後に回って行おうとした闇討ちもエミの指示により失敗し、戦況が逆転してしまう。最後はブレーザーのチルソナイトソードとトサカでの鍔迫り合いを繰り広げた末、そのまま繰り出されたライデンズフィニッシュで体を滅多切りにされ爆散した。
↑両手の掌の中心部分に存在するミミズのような無数の触手が生えた器官、ここが発光することで相手に幻覚を見せる。
愛嬌ありそうな怪獣だなと思って僕から近付いたんだ
恐ろしい怪獣だった...
オッ あれはまさしくタロウ〜80期のデザインラインを感じさせる愛嬌あるタイプの怪獣
カワイ-ッ
カッ...
思ったよりヤバかった
今回は古き懐かしきかほりを漂わせる愛嬌あるビジュアルと、そこに付いた前評判を盛大に殴り飛ばすようなヤバさで大いに視聴者を沸かせたモグージョンくんをご紹介。くりっとした瞳のぶさかわで緩めなラインの顔にずんぐり気味の体型と、昭和2期のウルトラシリーズに登場したちょっと緩めな怪獣のイメージを多分に漂わせた古き良き味わいあるデザインが目を惹く怪獣で、プレミア発表会登壇時から多くのファンの注目を集め「可愛いし共存可能な良いやつ怪獣なんじゃなかろうか」なんて言われていたことでも記憶に新しい1体ですね。私も「山奥の渓谷のど真ん中に鎮座してる姿が似合いそうな趣」と評してうっとりしていました
しかしてその実態は、
「恐怖のビジョンを幻覚として見せて発狂させてくる」
「肉食で人間も餌とする(劇中で実際に食おうとするシーンが複数回に渡り存在)」
とまさかのコズミックホラー・モンスターパニックどんと来いなおっそろしい怪獣であった!!まさかのすぎるだろうがよ(
いやまぁ昭和期にもこういうナリして人襲ったりとかするいかちぃヤツは割といたし、なんならモグージョン自体も話のあらすじが公開された時その中に「穴を覗いた人間が次々発狂する」みたいなことが書いてあった時点で若干(おや...???)みたいになってたので予想できたといえばできたのだけれども、にしたってこんなエッジ効かせてくるとは思ってもみなかったですね...特に(未遂に終わったとはいえ)この令和の世のウルトラシリーズで人を食おうとする描写がダイレクトに描かれたのは嬉しい予想外であった たまげたぜ
あと16話の感想記事で触れたけど、人間達に見せた恐怖のビジョン怪獣ラッシュの描写にダイナのメージヲグ/モルヴァイアの幻影怪獣軍団を彷彿とさせられたのは個人的にとても楽しかったところでありましたね 過去に登場した怪獣とかがこういう形で再生/疑似復活してぼんぼこ出てくるやつはやっぱり祭りみたいでアガるでね...モルヴァイアを再登場させてやって欲しいななんて思ってたがまさかここで見せてもらえるとは ありがとうモグージョン!!
そんなモグージョンのデザインを担当されたのはなんとニュージェネ監督陣の常連の1人・辻本貴則監督。帰マン辺りの怪獣をイメージした「どこかで見たことある怪獣」がコンセプトだったとのことでしたが、そのコンセプトがまさに大成功だったと言えるでしょう。その上で後述するような多彩な能力描写等によって、しっかりモグージョンとしての個性もガンガンに押し出してたので、素晴らしいの一言ですね 遊び心と拘りが利きまくってて非常に良い怪獣でした 生み出してくれてありがとうございます...!ちなみに掌中央のミミズみたいなビロビロはホシバナモグラの鼻がモチーフとのこと。モグラモチーフがしっかり活きとる...!
そしてこのモグージョン、戦闘においても非常に濃ゆい個性をバリバリ発揮していたのがまた面白かったところでありました。あのナリでの幻覚攻撃というのだけでも意外性高くてかなり楽しかったけど、それに加えて腕が某海賊王になる男みたいに伸びるという不意打ちをかましてきたり、トサカがチェーンソーみたいにギャリギャリ動いてブレーザーをゴリゴリ切るというロックで物騒すぎる技をぶちかましてきたり、幻覚攻撃への対処で相手が目を塞いだらその隙を逃さず突いてしばいてきたりと、想像以上に多彩すぎる能力の数々や見かけによらない悪賢さが働く知能の高さで存分にブレーザーを苦戦させてたの、凄く良かったですね。近寄りがたい威圧感を振り撒くニジカガチ、魔王みたいなヤラしい攻め方で苦しめてくるゲバルガ、といった感じで今までにも強力な怪獣はじゃんじゃん出てきてたけど、モグージョンはそれらとも違う味わいの、それでいて並び立てるくらいの格を見せつけたなと思います 目を閉じて気配を探るブレーザーに気付かれないように背後にそーっと回り込む悪賢さの出たちょっと可愛いところや、気付かれたと瞬時に判断して腕を伸ばして攻撃にかかる侮れなさが両立してるの良いよね ある意味でウルトラ怪獣らしい人間臭さと多芸さで押すやつだったなと 見事であった
というわけで今回はこの辺で。次回は...
宇宙から来た流浪の武士
次回も見てくれよな!
※あとがき
他の方も言ってるけどモグージョンのソフビはアドバンスでも欲しかったなと思いますね...!手首に軸可動あったりトサカの一部が前後にちょっと動いたりするやつ!11月期の怪獣にはアドバンスになるやついて欲しいぜ