ザンギル
別名:宇宙侍
身長:2.2m〜54m
体重:77kg〜54万t
登場話:ウルトラマンブレーザー第17話「さすらいのザンギル」
演・CV:唐橋充
宇宙を流離う剣の達人たる宇宙人。かつては星から星へと渡り強敵を倒すことに喜びを見出す戦闘狂だったが、ある時勝負を挑んだ宇宙の剣豪との戦いに敗れ、その際剣豪に命じられた「彷徨う怪獣の魂を108体成仏させ救う」という使命を果たすべく旅をしている。人間の姿になることもでき、普通の人間に対しては完璧に自身の正体を隠蔽することが可能。
右腕を鋭利な大剣に変化させる能力を持ち、これを巧みに振るう剣術を得意とする。彷徨う怪獣の魂を相手にする際には、剣豪から与えられた特殊な石・顕現石によって不可視の状態になっている怪獣の魂に仮の姿を与え可視化させた上で、この右腕の大剣から繰り出す斬撃派を当てることで霧散・成仏させている。加えてこの大剣から放出されるエネルギーを他者の武器に付与することにより、死しているために触れることのできない怪獣の魂に自分以外の者でも触れて攻撃することができるようにするという応用も可能。他にも刀状の頭部を相手に向けて突進することで斬り裂くという自分自身を剣に見立てた戦法も用いるなど、多彩な剣技を強みとしている。
↑側面図および背面図。右腕を身の丈半分以上もの大剣にして振るい戦う。
亡霊怪獣軍団
かつてウルトラマンブレーザーとSKaRDにより倒された怪獣達が魂だけとなって彷徨うようになった存在。普段は不可視の存在だが、ザンギルが宇宙の剣豪から渡された顕現石の力により仮の姿を与えられることで目視できるようになる。ゲント達の前にはバザンガ、ゲードス、デルタンダル、タガヌラー、レヴィーラ、ニジカガチが姿を現した。
生前に撃退された場所を取り巻くように彷徨い歩く存在となっているが、生前のような捕食・破壊活動は行わず、実体を持たない故に人や物もすり抜けるなど基本的には無害。しかしこの世の全てを呑み込まんとする凄まじい念の強さからニジカガチの魂が顕現石の力を吸い取ることで実体を獲得し暴れ狂う怨霊態として復活、生前同様の高い戦闘能力を発揮しつつ、炎を纏った人魂のような形態で突撃する能力や、生と死の狭間に位置する存在として実体と霊体を自在に切り替えることで物理的な攻撃の回避と外敵への攻撃を両立する能力など、脅威的な力の数々を新たに得て猛威を振るった。
↑実体を得て生前同様の恐るべき力を振るったニジカガチ怨霊態。その脅威的な力は下記のニジカガチの紹介を参照されたし。ブレーザー怪獣語り⑦ - AnDrew’s小生意気レビュー記
108体の怪獣の魂を成仏させる使命のために地球を訪れたザンギルにより、各地でウルトラマンブレーザーとSKaRDが撃退した怪獣達の魂が顕現石の力で亡霊として姿を現し、人や物をすり抜けながら移動する事件が多発。そんな中、池袋にバザンガ、先美漁港にゲードス、小丘市にデルタンダル、沓波市にタガヌラーと怪獣達がかつて撃退された地域に程近い場所に再出現していることを突き止めたSKaRDが次なる怪獣の出現、およびその先々に現れ怪獣を消滅させる謎の男─ザンギルの出没に先回りする作戦を決行。その結果、ノヴァイオ本社跡地へレヴィーラの魂を成仏させにやって来たザンギルはそこで待ち伏せていたゲントと邂逅することとなった。
ゲントがブレーザーと一体化し戦っていることを看破したザンギルは、3日前顕現石の力を吸い取り怨霊態となって実体化し逃走したニジカガチを撃破するべくゲントに協力を要請。程なくして黒雲と共にニジカガチが境目市に姿を現し破壊活動を始めたため、ニジカガチを討ち取るべくザンギルとゲントが変身したブレーザーは協力してニジカガチとの決戦に挑む。ブレーザーのレインボー光輪を虹光線により破壊する、尻尾の剣捌きによりザンギルを翻弄する、霊体としての攻撃でブレーザーの防御をすり抜け攻撃を繰り出すなど、ニジカガチの圧倒的な能力の数々によりブレーザーとザンギルは苦戦させられながらも巧みな連携により奮闘。そして人魂の姿で突撃してきたニジカガチをブレーザーがチルソナイトソードで受け止め空中へと放り投げ、刀のような頭部によるザンギルの斬撃とブレーザーのオーバーロード雷鳴斬での連続攻撃により縦一閃に真っ二つにして討ち取った。
しかし、それでもなお倒されていなかったニジカガチは真っ二つになった自身の体で挟み込むことによりザンギルの肉体に憑依、ザンギルの剣術を利用し再度ブレーザーに襲い掛かる。その後も援護に入ってきたアースガロンを斬り伏せる、ブレーザーのイナズマスラッシュを弾くなどニジカガチは憑依したザンギルの体で猛威を振るったが、ブレーザーが咄嗟にチルソナイトソードでの峰打ちによりザンギルを一時的な仮死状態にしたことでニジカガチの魂はザンギルの肉体を離脱。最後はブレーザーと目覚めたザンギルが繰り出した剣の一撃が直接叩き込まれたことでニジカガチの魂は今度こそ完全に消滅し成仏させられた。そしてニジカガチの成仏を持って108体の怪獣の魂を救う使命を果たしたザンギルもまた、自身が顕現石の力で実体を保っていた魂だけの存在であったことをゲントに告げ、ゲントとブレーザーに礼を述べながら尽きゆく顕現石の力と共に光となって消滅・成仏していった。
↑ニジカガチ怨霊態を討ち果たし鎮めるべく、ザンギルはブレーザーと協力し戦った。
キリステ、ゴメン!!!
今回はウルトラ宇宙人界のニューフェイス、ザンギルをご紹介。ウルトラマンZのバロッサ星人以来3年ぶりとなるTVシリーズ単発エピソード登場の完全新規デザインでの宇宙人(映画も含めると数ヶ月前にギベルス/ゾゾギガ星人もいるが)の登場、しかも新怪獣盛り盛り盛り沢山なブレーザーにおける登場ということでプレミア発表会の壇上に堂々とその姿を現した時から「ブレーザーとバチバチにドッグファイトしたり人間誘拐しまくったり円盤から光線撃って街を襲撃したりするゴリゴリの単発侵略宇宙人してくれませんかね!!!(クソデカ声)」なんて期待を膨らませてくれたザンギルでしたが、その実態はなんと彷徨う怪獣の魂を成仏させて回っている古風な宇宙の侍という予想外すぎるもので、これには盛大に腰を抜かされたものでありました。一時期は本筋がけっこうグングン進む中でなかなか詳細が明かされないのもあって「後半クールのキーパーソン・ドバシユウ(演:寺田農)の正体、本作の黒幕」なのではないかなんて言われたりもしてましたが、それすらもすっ飛ばすほどのぶっ飛んだ設定だったぜ()
そんなザンギルの特徴は、筋繊維のような帯状の部位が巻き付いたマッシブなボディ、エッジの利いた銀のとんがり頭、そこから覗く金に光鋭い目という、いかにも只者ではなさそうな雰囲気とエイリアンらしい特異さが盛りに盛られたビジュアル。良い感じにSFテイストの奇怪な宇宙人!って感じのデザインなのが初見からバチコンと刺さっちゃいましたね しかも胸の発光体は喋るのに合わせてレール発光するギミック付きと、まさしくウルトラシリーズの宇宙人ならではなテイストに満ちているのが本当に素晴らしいデザイン。いやほんま最高ですわコレ レヴィーラといいゲバルガといいザンギルといい、本作の新怪獣達はやたらレール発光への拘りがスゴいよな
このザンギルのデザインを担当されたのは、前回のモグージョンに続き辻本監督。曰く、宇宙侍の二つ名を思い付いたところからデザインを起こしていったとのことで、体の筋繊維状の部位も日本刀の柄巻のイメージなのだとか。頭部が刀身のイメージなのと併せて、全身で日本刀を表現したデザインだったわけで、良い遊び心が効いてるよなと。それでいてぱっと見の印象が日本刀モチーフでございみたいな感じを出しすぎておらず、「宇宙の侍」というところを知らずに見ると上記のようにシンプルにエイリアンらしい意匠として捉えられるようになってるという絶妙さも秀逸だったなと思いますね 昭和辺りのウルトラ宇宙人群や平成世代の円谷エイリアン達の中に混じっても良い感じに馴染みそうなデザインしてると言えるし、日本刀モチーフという遊びを目一杯活かしつつもこういう形でしっかりまとめ上げてる辺りは監督の拘りを感じますわね(モグージョンの昭和怪獣リスペクトなデザインと併せて)
そしてザンギルの存在感を強く刻み付けた要素として印象深かったポイントはやはりなんと言ってもそのキャラ性。第17話の感想でも語ったので簡単な語りにしておきますが、侍という肩書きに相応しいコッテコテなくらいに古風でクールな振る舞いと、そこから繰り出されるズレた言動や可愛げのバランスが絶妙で凄く良いキャラしてるんですよねぇ それでいてその最期にしんみりとさせられるくらいにはシンプルに“良いヤツ”としての印象もしっかり発揮されていたし、とっても面白いヤツでしたよ 唐橋充さんの絶妙なタッチの演技が凄く良い味出してて良かったね...正直言うと先にも述べたようなあのデザインでの単発侵略宇宙人としての大暴れとか、大方の考察にあったドバシの正体・黒幕としての活躍も見てみたかったなー...!とは思っちゃう(あのビジュアルで演:寺田農さんはぜってー強いもん)んだけど、それはそれとしてで気にならなくなるくらいにこれはこれで凄く面白くて良かったです 素晴らしい新ウルトラ宇宙人が誕生してくれたものよ 生きてて欲しかった...
というわけで今回はこの辺で。次回は...
惑星を汚し、蝕む奇獣
次回も見てくれよな!
※あとがき
右腕が刀じゃないザンギルのソフビも欲しいぜ...!という欲望。なんかの限定ソフビ的なやつで出ません?