AnDrew’s小生意気レビュー記

作品の感想レビュー記事をメインに投稿しています。作品への造詣を深め楽しみつつ、それを他の方々とも共有できる場になれば。よろしくお願いします。

「生きて帰る」

ウルトラマンブレーザー

第24話「第3波接近襲来」

感想レビュー

 

 

ハルノ参謀長、前半と後半の境目前後だとちょっと無茶言う人な雰囲気もあったけど、親友の娘であるエミに深入りするなと忠告しつつも止めきれなかったり、イルーゴの一件でSKaRDに圧力をかけつつも彼らの意思に気まずそうな雰囲気も見せたりと人間味のある一面も色々感じさせたし、先にも述べた通りSKaRDの独断の責任を多くは言わず背負う筋の通し方であの立場の大人としての責任感も見せてたしと、後半は渋い佇まいと苦労人的な一面が人間的な魅力として静かに輝く良いキャラになってたなぁ...と、SKaRDの独断の責任取っての謹慎から帰ってきたであろうタイミングでSKaRDの独断の責任取って解任されてた今回を見て思い返すなどしてました 踏んだり蹴ったりすぎるいくらなんでも!!! 自宅の軒先のシーンの参謀長、普段のピシッとしたスーツ姿と違ったラフな作務衣姿だったのもあってか、ちょっと疲れてくたびれたような哀愁を感じてしまったね...(無茶振りもあの立場の責任として言わなきゃだったんだろうなと今なら思う)

とはいえエミのことをきっかけにゲント隊長とさり気なくもしっかり通じ合ったことを窺わせたやり取りがドラマ的に良い味出してたのはとても良きであったね 最終回も何かで輝いて欲しいな参謀長 そう思ってたところ他の方の言及で気付いたのですが、軒先のラストシーンで取り出してた手帳がその前にドバシが燃やしてたエミパパの手帳を回収したものだったようだとのこと。やってくれるぜ!!(一応軒先で取り出した手帳の存在には気付いてたしエミパパと関係ありそうだなとも思ってたんだけど、ドバシがエミから取り上げたやつとは別でエミパパが親友の参謀長に渡してたもんだったのかなぁって思ってたんですよ よく見たら表紙が燃えてささくれてたんで同じものなのは窺えたんだけどね) これが最後に活きると良いな...

 

今回はタガメに叩き落とされて月面で年を越させられながら2週間近く待たされたのでブチ切れた(違)サード・ウェイブ─ヴァラロンの恐るべき脅威を食い止めるべく命懸けの戦いに身を投じるSKaRDの面々、そして巻き起こる地球の命運を賭けた戦いの幕開けを描く最終章前編。様々な要素が交錯しながら大詰めへともつれ込んで密度感が目を惹くエピソードとしてかなり引き込んできた年明け一発目でしたね しかしゲント隊長、ネバダで変身解除してそのままバレると思ってたのにしれっと戻ってきてたな...ここの流れちょっと期待してたので個人的には惜しいところ

 

そんな今回の見所の一つは、生きて帰れるかも分からない命懸けの戦いを前にしたSKaRDの面々の姿を叙情的に描いた前半のドラマパート。「必ず生きて帰れ」というゲント隊長の「隊長」としての、そして「仲間」としての言葉を胸に、各々が「生きて帰る理由」を強く刻むように自身に縁深い場所・人を巡る様は、後半の決戦の重みや緊張感をグッと引き立てると共に、メインキャラたるSKaRDの面々への没入を改めてグッと高めてくれていて非常に良かったところでありましたね。アンリはツクシ率いる楽団が演奏していたのを昔よく見かけていた場所で今一度ランニングをヤスノブは自分の想いを打ち明けられる相手の一人たる洗濯機・クルルの置いてあるコインランドリーへテルアキ副隊長は実家の父親の身を気遣う電話を入れて家族としての語らいを、とそれぞれちゃんと今までのエピソードで描かれた各人に所縁あるこれぞな要素のチョイスになってたのが魅入ったなと。アンリはツクシ達の回想や名前を出さずともロケーションやランニングという行動で彼らにまつわる場所なのをきちんと彷彿とさせてたのが粋だったし、ヤスノブは今でもクルルが自分の不安とかを見せられる存在であるんだなぁというのを見つめ合う構図だけでしっかり感じさせられてグッときたし、テルアキ副隊長も前のエピソードで色々あって少しすれ違いながらもちゃんとまたお父さんと互いを想い合う関係でいられてることが副隊長視点の電話の会話の画だけでちゃんと感じ取れて沁みたしと、その所縁ある人の姿や超えを直接交えずとも彼らにまつわるドラマを今一度深めて印象付け、このクライマックスの盛り上がりにできてたのが実に素晴らしかったね...特にアンリパートはオトノホシ自体が個人的にも印象的なエピソードなのもあって、ここで改めてアンリと彼らの紡いだ繋がりを感じさせるものとして入れ込んでくれたのが嬉しかった。BGMも東儀さんのやつだったし  ツクシ達は遠い星の人だけど、それでも彼らの存在が、彼らの残した思い出がアンリの「帰る理由」になってたの良いなぁ あとヤスノブパートの後ろの方で田口監督そっくりおじさん(ヤスノブの筋肉に困惑し真顔でゆっくりと帰っていったおじさん)がいたのも良い小ネタで良かった。w ヤスノブ気まずくなかったのだろうか(

あとここの流れの中の一環として、前述したハルノ参謀長とゲント隊長のやり取りだったり、V99への真実に迫りたいエミとその想いにそっと応えたEGOISSもといアーくんの絆を感じるやり取りだったりがあったのも良かったところ。今まで社交的で物腰柔らかだけで機械的で淡々とした喋りの多かったアーくんがエミの想いに押されてちょっと動揺したり気を利かせあげたりしてたの、なんだかんだでSKaRDの仲間の一員として築いてきた絆や信頼が彼にAIとしての壁を一つ越えさせた感じがあってこう、良い感じにグッときたわね  参謀長もアーくんもこのラインで最終盤にドラマが引かれるなら、今までのエピソードでもっと分かりやすくフォーカスするエピソードがせめてそれぞれ1話ずつでもあれば良かったなぁとは思うのでそこは惜しいところ(この点で言えば「もっと縦しっかり引いて欲しかった」という不満の声も納得)だが、それでも最低限の蓄積は活かせてたと思うし、なんにせよ良い見せ場だった

 

そしてこの流れのままに繰り広げられますは、満を辞しての月面を舞台としたヴァラロンとの決戦。宇宙空間という敗北が死へ直結しかねないフィールドで一進一退の攻防を繰り広げるというただでさえ緊張感溢れるシチュエーションの中、尋常ならざる威力のヴァラロンの爆弾に下されるアースガロン疲弊する身体を押して変身したがために登場したハナからカラータイマー点滅状態のブレーザー軌道が変わり地球へ衝突しようとするという月、という大ピンチが矢継ぎ早に次々ぶっ込まれてくる展開は最終回一個前らしいスリリングさで実に魅入りましたね。ヴァラロン自体がバザンガ・ゲバルガに連なるウェイブ系列の宇宙怪獣の大トリ(恐らく)に相応しい強さと知性、ラスボスらしい強大なスケールを併せ持った強敵っぷりを隙間なく見せつけ続けてくるのも相まってしっかりひしひしと危機感が伝わってきたんだよな...疲弊を押して月の軌道を戻さんとするブレーザー、それを先読みし妨害してくるヴァラロン、その攻防の中目を輝きを失い力無く宇宙空間に漂うブレーザー、一方健在のヴァラロン...という一連の流れあまりにも容赦が無さすぎる

 

そんな展開の中、ヴァラロン戦で力尽き無情にも離れ離れとなってしまうゲント隊長とブレーザーの姿が描かれる形で今回は締め、次回の最終回へと渡されることになりました。ジュンくんの作ってくれた腕輪を手に、家族の見送りも受けようとしないまま命懸けの戦いへ赴き(実際にはサトコさんはなんとなく分かってたとばかりに見送りに出てきたが)、「今しかないんだ」と連呼し身体の限界にも構わず仲間達のために戦おうとするゲント隊長の自己犠牲に対し、そんな彼の身体や彼を取り巻く人々を気遣ってか最初は彼の意思に応えずにブレーザーブレスを出そうとせず、ようやく応えてからもなおゆっくりとブレーザーブレスを出現させる逡巡を見せ、そしてその命が危ないとなったら自らの命を投げ打ってでも自分自身との一体化を切り離し彼を救ったブレーザーの自己犠牲が更に燃え尽きんとばかりに眩く輝いて応えるという、二人の意思の交錯が熱くも胸を抉るものとなっていて惹き込まれましたね。この感じだとブレーザーのこのゲント隊長への自己犠牲、およびそれにより彼と離れ離れにさせられてしまった無情さが、ゲント隊長に「自分の身を顧みず突っ走り自身を犠牲にすることの意味の大きさ」「失ってしまうことになる者」の立場でもって分からせることになるかもなぁ、なんて思ったりもして、ますます最終回のドラマに注目させられるところでありましたね。「お前も生きて帰るんだゲント!」と言わんばかりのブレーザーの自己犠牲、それによりもたらされた離別や悲しみが、鏡写しのようにゲント隊長自身に自分のやろうとしてきていた自己犠牲の重さを感じさせるものとなるみたいな、もどかしく、切なく、だけど熱い、魂のコミュニケーション...という感じ。まぁまだどうなるかは分からないけど、ゲント隊長の内面にはこれらを受けての大きな変化が一つ起きて欲しいところですねぇ

あとやっぱりどういうドラマが紡がれるにしても、ゲント隊長には「掴み損ねたブレーザーの手」を再び掴み、今一度一つになって欲しいよなぁ、とは強く願いたいところ。3年前の事故における2人が手を取り合い繋がり合ったあの出会いの構図の対比としての今回の「手を取り損ねる」離れ離れの構図だったんだと思うし、それをやるからには最終回では「繋ぎ直し/今一度手を取り共に立ち上がる」という再会の構図をバンとやって欲しいですね。ブレーザーが「お前も生きて帰るんだゲント!」で自己犠牲して救ったならば、ゲント隊長もそれに「お前も一緒じゃなきゃダメだブレーザー!!」で返して、文字通りにみんなで「生きて帰る」しなきゃなんですよ...!他にも色々押さえるべきとこはあるけど、ここはバチっと決めて欲しいなぁ 期待や

 

 

以上、ブレーザー第24話でした。最終章前編ということでメインキャラへの改めての細かなフォーカスや強敵の出現によるピンチがしっかりと手堅く押されており、次回の最終回が待ち遠しくなる一本でありました。V99やドバシの動向といった数々の謎もまだ保留、ゲント隊長やブレーザーを取り巻くドラマの着地も未知数と如何なるものとなるかはまだ読めませんが、個人的には期待値バッチリ 最後の大きな盛り上がりを期待したいですねぇ V99周りがどうなるかは特に目が離せんね この辺は最終回来る前に考察を整理した記事を個別で挙げてみても良いかもな

 

というわけで今回はこの辺で。最後まで読んでいただきありがとうございます。 読んでて共感できたり楽しめたりしたところがあれば幸いです

気に入っていただけたら次回も読んでいただけるとありがたいです。感想をくださったり記事の拡散等をしていただけたりすると更に喜ぶぞ!!

ではまた